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公開番号2024054074
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2023137814
出願日2023-08-28
発明の名称多環芳香族化合物
出願人国立大学法人京都大学,エスケーマテリアルズジェイエヌシー株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C07F 5/02 20060101AFI20240409BHJP(有機化学)
要約【課題】有機デバイス用材料として有用な新規化合物。
【解決手段】式(1)で表される多環芳香族化合物;
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024054074000211.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">65</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
式(1A)はn個の式(1B)とD環を含む2価の基を介して結合している。nは1または2、A環~D環はアリール環、n個のXは、前記2価の基と*で結合しているN、その他のXは>N-RNX(RNXはアリール)、R1~R10は、独立して、水素、アリール、ヘテロアリールである。式(1B)中いずれか1つの水素が前記2価の基と**で結合する単結合に置き換えられ、式(1)における少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
式(1)で表される多環芳香族化合物;
TIFF
2024054074000208.tif
61
170
式(1)中、
式(1A)で表される部分構造はn個の式(1B)で表される部分構造とD環から形成される2価の基を介して結合しており、
nは1または2の整数であり、
A環、B環、C環、およびD環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
n個のXは、前記2価の基と*で結合しているNであり、
その他の(2-n)個のXは>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX

2
、>Si(-R
IX

2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
IX
は連結基または単結合によりA環、B環、およびC環からなる群より選択される少なくとも1つと結合していてもよく、
式(1A)およびD環におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、

1
~R
10
は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、
式(1B)で表される部分構造中いずれか1つの水素が前記2価の基と**で結合する単結合に置き換えられており、
式(1)における少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよい。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
式(1B)で表される部分構造中、R
10
中のいずれか1つの水素が前記2価の基と**で結合する単結合に置き換えられている請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項3】

10
が単結合である請求項2に記載の多環芳香族化合物。
【請求項4】

10
が置換または無置換のフェニレンである請求項2に記載の多環芳香族化合物。
【請求項5】

1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
、R
7
、R
8
がそれぞれ独立して水素またはアルキルであり、かつR
9
がアリールもしくはヘテロアリールで置換されていてもよいアリールまたはアリールもしくはヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロアリールであるか、または

2
、R
3
、R
6
、R
4
、R
5
、R
7
およびR
9
がそれぞれ独立して水素またはアルキルであり、かつR
1
およびR
8
がそれぞれ独立してアリールもしくはヘテロアリールで置換されていてもよいアリールまたはアリールもしくはヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項2に記載の多環芳香族化合物。
【請求項6】
nが1であり、その他の(2-n)個のXが>N-R
NX
であり、R
NX
が置換もしくは無置換のアリールである、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項7】
下記いずれかの式で表される請求項6に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024054074000209.tif
194
170
式中、Meはメチル、tBuはt-ブチル、Dは重水素である。
【請求項8】
nが2である請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項9】
下記いずれかの式で表される請求項8に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024054074000210.tif
95
170
式中、tBuはt-ブチルである。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の多環芳香族化合物を含有する、有機デバイス用材料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多環芳香族化合物に関する。本発明はまた、上記多環芳香族化合物を用いた有機電界発光素子、有機電界効果トランジスタおよび有機薄膜太陽電池などの有機デバイス、並びに、表示装置および照明装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料から成る有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の1つである青色や緑色などの発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わずこれまで活発に研究されてきた。
【0003】
有機EL素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層などがあるが、これらの層に適当な種々の有機材料が開発されている。
【0004】
その中で、特許文献1では、ホウ素を含有する多環芳香族化合物が、有機電界発光素子等の材料として有用であることが開示されている。この多環芳香族化合物を含有する有機電界発光素子は、良好な外部量子効率を有することが報告されている。さらに特許文献2ではこの多環芳香族化合物をドーパント材料として含有し、さらに特定のアントラセン化合物をホスト材料として含有する発光層を一対の電極間に配置して有機EL素子を構成することにより、優れた有機EL素子が得られることが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/102118号
国際公開第2016/152544号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、有機EL素子に用いられる材料としては種々の材料が開発されているが、有機EL素子用材料の選択肢を増やすために、従来とは異なる化合物からなる材料の開発が望まれている。
本発明は有機EL素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討し、特許文献1に記載の化合物と同様にホウ素を含む構造を有する化合物において、さらに長寿命の有機EL素子の製造を可能とする多環芳香族化合物が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような多環芳香族化合物、さらには以下のような多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料等を提供する。
【0008】
<1> 式(1)で表される多環芳香族化合物;
TIFF
2024054074000002.tif
58
170
【0009】
式(1)中、
式(1A)で表される部分構造はn個の式(1B)で表される部分構造とD環から形成される2価の基を介して結合しており、
nは1または2の整数であり、
A環、B環、C環、およびD環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
n個のXは、前記2価の基と*で結合しているNであり、
その他の(2-n)個のXは>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX

2
、>Si(-R
IX

2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
IX
は連結基または単結合によりA環、B環、およびC環からなる群より選択される少なくとも1つと結合していてもよく、
式(1A)およびD環におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、

1
~R
10
は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、
式(1B)で表される部分構造中いずれか1つの水素が前記2価の基と**で結合する単結合に置き換えられており、
式(1)における少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよい。
【0010】
<2> 式(1B)で表される部分構造中、R
10
中のいずれか1つの水素が前記2価の基と**で結合する単結合に置き換えられている<1>に記載の多環芳香族化合物。
<3> R
10
が単結合である<2>に記載の多環芳香族化合物。
<4> R
10
が置換または無置換のフェニレンである<2>に記載の多環芳香族化合物。
<5> R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
、R
7
、R
8
がそれぞれ独立して水素またはアルキルであり、かつR
9
がアリールもしくはヘテロアリールで置換されていてもよいアリールまたはアリールもしくはヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロアリールであるか、または

2
、R
3
、R
6
、R
4
、R
5
、R
7
およびR
9
がそれぞれ独立して水素またはアルキルであり、かつR
1
およびR
8
がそれぞれ独立してアリールもしくはヘテロアリールで置換されていてもよいアリールまたはアリールもしくはヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロアリールである、<2>~<4>のいずれかに記載の多環芳香族化合物。
<6> nが1であり、その他の(2-n)個のXが>N-R
NX
であり、R
NX
が置換もしくは無置換のアリールである、<1>~<5>のいずれかに記載の多環芳香族化合物。
(【0011】以降は省略されています)

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