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公開番号2024021848
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-16
出願番号2022124979
出願日2022-08-04
発明の名称ジルコニア焼結体
出願人共立マテリアル株式会社,個人
代理人個人
主分類C04B 35/488 20060101AFI20240208BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】表面の少なくとも一部において優れた破壊靭性を有し、熱膨張率が抑えられたジルコニア焼結体を提供する。
【解決手段】ここで開示されるジルコニア焼結体は、ジルコニアと、バナジウム族元素とを含み、上記バナジウム族元素は、少なくとも表層の一部に偏在している。ここで開示されるジルコニア焼結体の一態様では、上記バナジウム族元素が偏在する表層の表面における上記バナジウム族元素の濃度が、該表面の深さ方向の上記バナジウム族元素の濃度が最も低い部分の上記バナジウム族元素の濃度よりも1.5倍以上高い、または、上記バナジウム族元素の濃度が最も低い部分に上記バナジウム族元素が含まれない。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ジルコニアと、バナジウム族元素とを含み、
前記バナジウム族元素は、少なくとも表層の一部に偏在している、
ジルコニア焼結体。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記バナジウム族元素が偏在する表層の表面おける前記バナジウム族元素の濃度が、該表面の深さ方向の前記バナジウム族元素の濃度が最も低い部分の前記バナジウム族元素の濃度よりも1.5倍以上高い、または、前記バナジウム族元素の濃度が最も低い部分に前記バナジウム族元素が含まれない、請求項1に記載のジルコニア焼結体。
【請求項3】
X線回折パターンから得られる前記バナジウム族元素が偏在する表層の表面における正方晶のc/a軸長比と、前記表面の深さ方向の前記バナジウム族元素の濃度が最も低い部分における正方晶のc/a軸長比との差が0.001以上である、請求項1に記載のジルコニア焼結体。
【請求項4】
前記バナジウム族元素としてニオブ(Nb)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
【請求項5】
さらに、安定化剤として酸化イットリウム及び/又は酸化イッテルビウムを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
【請求項6】
前記ジルコニアと前記安定化剤との合計を100mol%としたとき、前記安定化剤の濃度が3mol%以上6mol%以下である、請求項5に記載のジルコニア焼結体。
【請求項7】
前記バナジウム族元素が偏在する前記表層の表面の少なくとも一部における破壊靭性値が4.5MPa√m以上であり、
25℃~500℃における平均線膨張係数が10×10
-6
/K以下である、
請求項1~3のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ジルコニア焼結体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
イットリア(Y



)を少量固溶させたジルコニア焼結体(以下「部分安定化ジルコニア焼結体」ともいう)は、その強度、靭性および審美性の高さから歯科材料(例えば、義歯、歯科補綴物、義歯ミルブランク、歯科矯正ブラケット)等の生体材料として広く用いられている。例えば、特許文献1には、酸化イットリウム及び/又は酸化イッテルビウムを3.5mol%~5.0mol%の割合で含み、酸化ニオブ及び/又は酸化タンタルを0.3mol%~1.5mol%の割合で含むジルコニア焼結体が開示されている。このジルコニア焼結体では、優れた破壊靭性、優れた透光性、及び優れた耐水熱劣化特性が実現されている。
【0003】
また、特許文献2および3では、ジルコニア被切削体に所望の化合物を均一性高く分布させる技術が開示されている。また、特許文献4では、空孔率が調整されたジルコニア被切削体に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021-229840号
国際公開第2018-155459号
特開2021-165222号公報
特開2020-33338号公報
【非特許文献】
【0005】
Journal of the American Ceramic Society, 1990, vol.73, No.1, p.115-120
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、本発明者は、ジルコニア焼結体にバナジウム族元素を含有させ、破壊靭性を向上させることを検討している。しかしながら、ジルコニア焼結体にバナジウム族元素を含有させると、熱膨張率が高くなってしまう。即ち、破壊靭性値と熱膨張率とはトレードオフの関係にあり、両立させることが困難である。ジルコニア焼結体の熱膨張率が高くなると、例えば、ジルコニア焼結体の表面に陶材を焼き付けるとき(例えば、歯科材料として使用し着色するとき)、ジルコニア焼結体と陶材との間で熱膨張率差が生じて割れてしまう等の不具合が生じ易くなり得る。
【0007】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、表面の少なくとも一部において優れた破壊靭性を有し、熱膨張率が抑えられたジルコニア焼結体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここで開示されるジルコニア焼結体は、ジルコニアと、バナジウム族元素とを含み、上記バナジウム族元素は、少なくとも表層の一部に偏在している。これにより、ジルコニア焼結体の表層において応力誘起相変態が起こり易くなるため、該表層の表面において破壊靭性が向上する。また、一般的に、ジルコニア焼結体がバナジウム族元素を含有する場合に熱膨張率が増大してしまうが、ジルコニア焼結体の表層以外の部分(例えばジルコニア焼結体の内部)においてバナジウム族元素の濃度が比較的低くなるため、熱膨張率の増大を抑制することができる。この結果、表面の少なくとも一部における破壊靭性の向上と熱膨張率の抑制とが実現される。
【0009】
また、ここで開示されるジルコニア焼結体の好ましい一態様では、上記バナジウム族元素が偏在する表層の表面における上記バナジウム族元素の濃度が、該表面の深さ方向の上記バナジウム族元素の濃度が最も低い部分の上記バナジウム族元素の濃度よりも1.5倍以上高い、または、上記バナジウム族元素の濃度が最も低い部分に上記バナジウム族元素が含まれない。これにより、より高いレベルで破壊靭性の向上と熱膨張率の抑制とが実現される。
【0010】
また、ここで開示されるジルコニア焼結体の好ましい一態様では、X線回折パターンから得られる上記バナジウム族元素が偏在する表層の表面における正方晶のc/a軸長比と、上記表層の深さ方向の上記バナジウム族元素の濃度が最も低い部分における正方晶のc/a軸長比との差が0.001以上である。これにより、より高いレベルで破壊靭性の向上と熱膨張率の抑制とが実現される。
(【0011】以降は省略されています)

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