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公開番号2024016788
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-07
出願番号2023042349
出願日2023-03-16
発明の名称MnZnCo系フェライト
出願人JFEケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類C04B 35/38 20060101AFI20240131BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】広い周波数領域、および広い温度範囲において、小さな磁気損失を持つ電源用MnZnCo系フェライトを提供する。
【解決手段】基本成分を、Fe2O3:51.00mol%以上、58.00mol%未満、ZnO:6.00mol%以上、13.00mol%未満、CoO:0.10mol%超、0.50mol%以下および残部MnOとし、副成分を、前記基本成分に対し、SiがSiO2換算で50~500質量ppm、CaがCaO換算で200~2000質量ppm、NbがNb2O5換算で85~500質量ppmおよびKが5~20質量ppmとする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基本成分、副成分および不可避的不純物からなるMnZnCo系フェライトであって、
前記基本成分が、
Fe



:51.00mol%以上、58.00mol%未満、
ZnO:6.00mol%以上、13.00mol%未満、
CoO:0.10mol%超、0.50mol%以下および
残部MnOであって、
前記副成分が、前記基本成分に対し、
SiがSiO

換算で50~500質量ppm、
CaがCaO換算で200~2000質量ppm、
NbがNb



換算で85~500質量ppmおよび
Kが5~20質量ppm
であるMnZnCo系フェライト。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
平均結晶粒径が6.5μm以上、9.0μm以下である請求項1に記載のMnZnCo系フェライト。
【請求項3】
結晶粒径:6~10μmの範囲の結晶粒の存在割合が51%以上である請求項1または2に記載のMnZnCo系フェライト。
【請求項4】
最大磁束密度が200mTで周波数が100kHzのときの、最低磁気損失値が360kW/m

以下である請求項1に記載のMnZnCo系フェライト。
【請求項5】
最大磁束密度が50mTで周波数が500kHzのときの、最低磁気損失値が200kW/m

以下である請求項1または4に記載のMnZnCo系フェライト。
【請求項6】
平均結晶粒径が6.5μm以上、9.0μm以下であって、結晶粒径:6~10μmの結晶粒の存在割合が51%以上であり、
最大磁束密度が200mTで周波数が100kHzのときの、最低磁気損失値が360kW/m

以下であって、
最大磁束密度が50mTで周波数が500kHzのときの、最低磁気損失値が200kW/m

以下である請求項1に記載のMnZnCo系フェライト。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、MnZnCo系フェライトに関し、特に車載のDC―DCコンバータのメイントランスに適する、コアロスが改善されたMnZnCo系フェライトに関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
MnZnCo系フェライトは、代表的な軟磁性材料のうちの1つであり、車載のDC―DCコンバータ内のメイントランスやノイズフィルターなどに用いられている。その中でもメイントランスの電源用として用いられているMnZnCo系フェライトは、100kHzにおいて広い温度範囲で低損失であることが求められている。さらに、近年では高周波においても低損失であることが求められている。
【0003】
磁気損失を広い温度範囲で低く保つために制御すべき因子の1つとして、磁気異方性定数K

がある。磁気損失はK

=0となる温度で最小値をとり、K

の絶対値がゼロに近いほど、磁気損失の値も小さくなる。全体のK

はフェライトの主成分の元素それぞれのK

の足し合わせによって決定する。プラスのK

を有するのはFe
2+
とCo
2+
であり、マイナスのK

を有するのはFe
3+
、Mn
2+
である。また、Co
2+
はK

の温度依存性を小さくすることができ、K

の温度変化率を小さくする。よって、Co
2+
が存在すると、Co
2+
が存在していないときよりも広い温度範囲でK

を0に近い値を取るようになるため、磁気損失を広い温度範囲で小さくすることができる。
【0004】
例えば、特許文献1では、Fe



、MnO、ZnOを主成分とするフェライトに、Coイオンを0.01~0.5mol%導入することにより、K

=0の温度範囲を広げることで、磁気損失の温度特性が平坦になる技術が開示されている。
【0005】
ところで、磁気損失は、ヒステリシス損失、渦電流損失、残留損失に分けられる。
このうち、渦電流損失は、フェライトコアの比抵抗を向上させることにより低減することが可能であることが知られている。かかるフェライトコアの比抵抗を向上させるためには、粒界に高抵抗相を形成するような基本成分以外の物質の添加が有効である。
【0006】
例えば、特許文献2では、MnZn系フェライトに副成分として酸化カルシウムや酸化ケイ素などの酸化物を微量添加して粒界に偏析させ、粒界抵抗を高めることで、全体としての抵抗率を0.01~0.05Ω・m程度から数Ω・m以上高めることにより渦電流損失が低下し、全体の磁気損失を低下させる技術が開示されている。
【0007】
また、MnZnCo系フェライトの磁気損失を低減する手法として、Kの添加がある。Kの添加により副成分を粒界に偏析させることが可能である。この効果により、磁気損失の低減が可能である。
さらに、Kには、結晶粒を微細化する効果がある。結晶粒の微細化は、特に高周波での磁気損失低減に効果的である。このように、Kの添加によって磁気損失を低減することが可能である。
【0008】
特許文献3では、Fe



、MnO、ZnOを主成分とするフェライトに、NiOを添加することで、低損失かつ飽和磁束密度の高いフェライトを得る技術が開示されている。
【0009】
MnZn系フェライトの損失低減にアルカリ金属を添加する方法は、これまでに報告がなされている。例えば、特許文献4では、MnZnフェライトに0.15重量%以下のK

Oを添加することで周波数:100kHzの磁気損失が低減する技術が開示されている。また、特許文献5では、K換算で100~2000ppmのK酸化物の添加により、Pを多く含むMnZnフェライトにおいて、10~500kHzの周波数領域で磁気損失が低く、かつコア強度が高い磁心が得られる技術が開示されている。
【0010】
さらに、特許文献6および7でも、KをK

CO

換算で0.3重量%以下添加することにより、高周波電源トランス用磁心の透磁率が向上し、かつ磁気損失を低減する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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