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公開番号2024033783
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022137607
出願日2022-08-31
発明の名称スラグのエージング方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C04B 5/00 20060101AFI20240306BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】簡易な方法でスラグに対するエージングのバラツキを低減してスラグを使用した製品の膨張を抑制することのできるスラグのエージング方法を提供する。
【解決手段】スラグを積み付けて形成した堆積物3に対して水蒸気を供給してスラグのエージングを行うスラグのエージング方法であって、堆積物3のうち、少なくとも堆積物3の外周部5側に存在しており、他の部分と比較して水蒸気の通気抵抗の小さい通気抵抗過小部8における水蒸気の通気抵抗を増大させる阻害処理工程を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
スラグを積み付けて形成した堆積物に対して水蒸気を供給して前記スラグのエージングを行うスラグのエージング方法であって、
前記堆積物のうち、少なくとも前記堆積物の外周部側に存在しており、他の部分と比較して前記水蒸気の通気抵抗の小さい通気抵抗過小部における前記水蒸気の通気抵抗を増大させる阻害処理工程を有する、
スラグのエージング方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記阻害処理工程では、前記堆積物における水蒸気流に抗するように前記通気抵抗過小部に対して送風を実施し、もしくは、前記通気抵抗過小部に対して散水を実施する、
請求項1に記載のスラグのエージング方法。
【請求項3】
前記阻害処理工程では、前記通気抵抗過小部の上に、前記堆積物を形成するスラグよりも粒度の小さい他のスラグを追加で積み付ける、
請求項1に記載のスラグのエージング方法。
【請求項4】
前記通気抵抗過小部は下記式を満たす範囲である、
請求項1に記載のスラグのエージング方法。
X≧10×D
「X」は前記堆積物の上面の縁からの距離(mm)と、前記堆積物の周囲のうち、少なくとも一部に壁が設置されており、前記壁に対して前記堆積物が接触している場合における前記壁からの距離(mm)との少なくとも一方であり、「D」は前記スラグの最大粒径(mm)である。
【請求項5】
前記通気抵抗過小部は下記式を満たす範囲である、
請求項2に記載のスラグのエージング方法。
X≧10×D
「X」は前記堆積物の上面の縁からの距離(mm)と、前記堆積物の周囲のうち、少なくとも一部に壁が設置されており、前記壁に対して前記堆積物が接触している場合における前記壁からの距離(mm)との少なくとも一方であり、「D」は前記スラグの最大粒径(mm)である。
【請求項6】
前記通気抵抗過小部は下記式を満たす範囲である、
請求項3に記載のスラグのエージング方法。
X≧10×D
「X」は前記堆積物の上面の縁からの距離(mm)と、前記堆積物の周囲のうち、少なくとも一部に壁が設置されており、前記壁に対して前記堆積物が接触している場合における前記壁からの距離(mm)との少なくとも一方であり、「D」は前記スラグの最大粒径(mm)である。
【請求項7】
前記堆積物の表面温度を測定する測温工程を更に有しており、
前記阻害処理工程では、前記表面温度を測定した箇所のうち、前記他の箇所よりも表面温度が高い箇所を前記通気抵抗過小部とする、
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のスラグのエージング方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スラグに水和処理を行って当該スラグを使用した製品の膨張を抑制するスラグのエージング方法に関し、特に、水蒸気によってスラグのエージングを行う方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
鉄鋼業では、高炉、予備処理プロセス(例えば混銑車)、転炉、電気炉等からスラグが副生される。これらのうち、予備処理プロセス、転炉、電気炉から副生されるスラグを特に製鋼スラグと称する。製鋼工程では、溶銑中に含まれる燐や珪素などを除去するため、副原料として多量の石灰が投入される。そのため、製鋼スラグ中には、未溶解の石灰や、冷却時に晶出した石灰が遊離の酸化カルシウム(以下、f-CaOと記す。)として残留している。このf-CaOは水和反応によって水酸化カルシウム(以下、Ca(OH)

と記す。)となり、f-CaOと比較して約2倍程度に体積膨張する。したがって、製鋼スラグ中のf-CaOが水和して体積膨張すると、製鋼スラグが粉化し、その粉化の影響で製鋼スラグの粒度が規定の粒度を外れてしまう懸念がある。また、製鋼スラグの出荷後に膨張してしまう懸念がある。
【0003】
製鋼スラグの用途としては、路盤材やコンクリート用細骨材などがある。これらの用途において、水和反応によって製鋼スラグ中のf-CaOが体積膨張すると、路盤が隆起したり、コンクリートに亀裂が生じたりする可能性がある。そのため、上述した用途に使用される製鋼スラグは、JIS A 5015に規定される膨張特性を満たすことが要求されている。現状では、製鋼スラグの出荷前に大気エージングや蒸気エージングを行って、製鋼スラグの体積を安定化させている。こうすることによって、製鋼スラグの出荷後における膨張や粉化のリスクを低減している(例えば、特許文献1、2、3参照)。
【0004】
具体的に、特許文献1には、回転ドラム内にスラグを装入すると共にスラグに散水して蒸気を発生させ、その蒸気によってスラグをエージングするスラグの処理方法が記載されている。特許文献2には、容器内に収納した製鋼スラグに水蒸気を送気して製鋼スラグをエージングする路盤材の製造方法が記載されている。特許文献3には、圧力容器内に製鋼スラグ及び加圧水蒸気を供給して製鋼スラグをエージングする方法が記載されている。なお、大気エージングとは、スラグヤードなどで製鋼スラグを長期間保管することによって空気中の水分と製鋼スラグ中のf-CaOとを水和反応させる製鋼スラグのエージング方法を意味している。蒸気エージングとは、製鋼スラグに水蒸気を供給することによって上述した水和反応を生じせる製鋼スラグのエージング方法を意味している。
【0005】
特許文献4及び特許文献5には、製鋼スラグを積み付けて形成したスラグ層の上部に通気抵抗層を設けることにより、スラグ層内に水蒸気の循環流を生じさせてエージングのばらつき(処理むら)を抑制する製鋼スラグのエージング方法が記載されている。特許文献6には、スラグに水蒸気を供給している期間に、スラグの堆積状態を変化させて、安定的な蒸気エージングを実施する方法が開示されている。更に、周辺技術として非特許文献1には、所定の容器に粒子を充填する際に、容器の壁付近における粒子の空隙率は、容器の中央付近での粒子の空隙率よりも大きくなる壁効果が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-227490号公報
特許第2814481号
特許第2873178号
特開2020-117420号公報
特開2020-121899号公報
特開2020-152601号公報
【非特許文献】
【0007】
M.Suzuki, T.Shinmura, K.Iimura and M.Hirota: Advanced Powder Technology, Vol. 19, Issue 2, 2008, p.183-195.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されているエージング方法では、エージングの処理時間が長くなってしまう可能性がある。
【0009】
特許文献2に記載されているエージング方法では、スラグ層内の蒸気の流れが不均一になって、エージングのばらつきが生じてしまう可能性がある。
【0010】
特許文献3に記載されているエージング方法では、エージングを行う製鋼スラグの量つまり処理量が少なくなることや、設備のメンテナンスやハンドリングに時間やコストが掛かってしまう可能性がある。
(【0011】以降は省略されています)

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