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公開番号2024027406
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-01
出願番号2022130176
出願日2022-08-17
発明の名称MgO系コンポジットセラミックス
出願人株式会社ワールドラボ
代理人個人
主分類C04B 35/053 20060101AFI20240222BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】高い熱伝導率と高い発光効率とを兼ね備えた蛍光体を提供する。
【解決手段】MgO多結晶を含むマトリックス中に蛍光体を含むセラミックスであって、(1)前記蛍光体がセラミックス中5~25重量%含有し、(2)前記セラミックスの密度が理論密度の98%以上である、ことを特徴とするMgO系コンポジットセラミックスに係る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
MgO多結晶を含むマトリックス中に蛍光体を含むセラミックスであって、
(1)前記蛍光体がセラミックス中5~25重量%含有し、
(2)前記セラミックスの密度が理論密度の98%以上である、
ことを特徴とするMgO系コンポジットセラミックス。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
蛍光体が、(a)窒素を含有しない酸化物系蛍光体、(b)酸素を含有しない窒化物系蛍光体及び(c)酸窒化物系蛍光体の少なくとも1種である、請求項1に記載のMgO系コンポジットセラミックス。
【請求項3】
前記マトリックス中にLiF、AlF

、MgF

及びCaF

の少なくとも1種のフッ化物を合計で0~1.0重量%含有する、請求項1に記載のMgO系コンポジットセラミックス。
【請求項4】
熱伝導率が30W/mK以上である、請求項1に記載のMgO系コンポジットセラミックス。
【請求項5】
当該MgO系コンポジットセラミックス表面を鏡面研磨した厚さ0.2mmの試料において、波長633nmにおける直線透過率が15%以下であり、かつ、全透過率が30~70%である、請求項1に記載のMgO系コンポジットセラミックス。
【請求項6】
マトリックスと蛍光体との反応相の含有量が、X線回折分析において、Σ反応相/Σ(マトリックス+蛍光体+反応相)の回折ピーク比が5%以下となる量である、請求項1に記載のMgO系コンポジットセラミックス。
【請求項7】
当該MgO系コンポジットセラミックスをGaN系LED又はGaN系LDで励起したときの発光効率が50%以上である、請求項1に記載のMgO系コンポジットセラミックス。
【請求項8】
MgO多結晶を含むマトリックス中に蛍光体を含むMgO系コンポジットセラミックスを製造する方法であって、
(1)(a)平均一次粒子径が1μm以下のMgO粉末、(b)平均一次粒子径が3~50μmの蛍光体粉末及び(c)LiF、AlF

、MgF

及びCaF

の少なくとも1種のフッ化物を含む混合物を調製する工程、及び
(2)前記混合物をモールドに充填し、温度1200℃以下及び圧力9.8~147MPaにて1200℃以下でホットプレス法又は放電プラズマ焼結法により焼成することにより焼結体を得る工程
を含むことを特徴とするMgO系コンポジットセラミックスの製造方法。
【請求項9】
MgO多結晶を含むマトリックス中に蛍光体を含むMgO系コンポジットセラミックスを製造する方法であって、
(1)(a)平均一次粒子径が1μm以下のMgO粉末、(b)平均一次粒子径が3~50μmの蛍光体粉末及び(c)LiF、AlF

、MgF

及びCaF

の少なくとも1種のフッ化物を含む混合物を調製する工程、
(2)前記混合物を圧力10~30MPaにて一軸加圧成形することにより成形体を得る工程、
(3)前記成形体を圧力98~396MPaにてCIP成形することによりCIP成形体を得る工程、及び
(4)前記CIP成形体を理論密度の91~99%となるように焼成することにより予備焼結体を得る工程、
(5)前記予備焼結体を温度1200℃以下及び圧力98~396MPaにてHIP処理する工程
を含むことを特徴とするMgO系コンポジットセラミックスの製造方法。
【請求項10】
MgO多結晶を含むマトリックス中に蛍光体を含むMgO系コンポジットセラミックスを製造する方法であって、
(1)(a)平均一次粒子径が1μm以下のMgO粉末、(b)平均一次粒子径が3~50μmの蛍光体粉末及び(c)LiF、AlF

、MgF

及びCaF

の少なくとも1種のフッ化物を含む混合物を調製する工程、
(2)前記混合物をモールドに充填し、温度1200℃以下及び圧力9.8~147MPaにてホットプレス法又は放電プラズマ焼結法により焼成することにより予備焼結体を得る工程、及び
(3)前記予備焼結体を温度1200℃以下及び圧力98~396MPaにてHIP処理する工程
を含むことを特徴とするMgO系コンポジットセラミックスの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なMgO系コンポジットセラミックスに関する。さらに、本発明は、前記MgO系コンポジットセラミックスを含むデバイスに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年では、窒化ガリウム(GaN)系のLED((Light Emitted Diode)発光ダイオード)、LD((Laser Diode)レーザーダイオード)等が開発され、これらの光源と無機系コンバーターを使って白色化することにより照明等への応用が始まっている。
【0003】
従来の照明では、これまで白熱球又は蛍光灯が主として用いられてきたが、これらの照明技術は、電気→光への変換効率が低く、特に白熱球にあってはほとんどが熱エネルギーとなることから、照明技術として終焉を迎えようとしている。
【0004】
GaNによる青紫色発光では、電気→光の変換効率が飛躍的に改善されたが、短波長の単色光であるために照明には直接利用することができない。このため、GaN半導体からの短波長光は、CeがドーピングされたYAGであるCe:YAG(Ce:Y

Al


12
)粉末(蛍光体)をシリコーンレジン(マトリックス)に分散させた無機-有機コンポジット材を適用することで白色光として利用される。これは、一般家庭用の照明、パソコン表示画面のバックライト等に実用化されている。
【0005】
これに対し、比較的ハイパワーが必要とされるプロジェクター等では、前記のような無機-有機コンポジットは利用できない。その理由は、GaN半導体から放出される光の波長が400~450nm付近であるので、シリコーンレジンの“焼け”(短波長光照射に伴う有機物の黒色化)があることに加え、比較的高い光エネルギーを照射したときのCe:YAGからの放熱でマトリックス材である有機物の耐熱性の問題があるためである。
【0006】
これに関しては、有機物を含まないCe:YAG焼結体を用いることにより、短波長の励起光による劣化と耐熱性の問題を解決することができる。しかし、近年では、プロジェクター画像の高輝度化・大面積化の要請、自動車、列車、航空機等の長距離照明の要請、スタジアム、空港等の大規模照明の要請等があるところ、このような用途に従来のCe:YAG焼結体を用いる場合は、励起パワーの増大に伴う蛍光体の発熱問題(150℃以上の温度下における蛍光体の発光効率の低下)が指摘されている。このため、Ce:YAG焼結体を超えるような性能をもつ新たな蛍光体の開発が切望されている。
【0007】
上記のような発熱の問題を解決する手段の一つとして、Al



からなるマトリックス中にCe:YAGを分散させる方法がある(非特許文献1)。Al



-Y



系状態図からわかるように、このコンポジットは双方が反応しないことから合成自体は容易であるが、Al



自体の熱伝導率が30W/mk程度であり、コンポジット化しても熱伝導率は最大25W/mk程度に留まる。また、ベース材料(マトリックス)であるAl



の結晶構造が六方晶であり、複屈折性が大きいので、遠距離の白色光源には不向きである。
【0008】
ここで、Ce:YAGを高熱伝導性の窒化アルミニウムに分散させることにより、ハイパワー用の酸化物-窒化物コンポジットセラミックスを合成する方法も考えられる。しかし、Ce:YAG-AlN系高密度焼結体は、熱伝導性は低く、蛍光特性も十分でない。実際、比較的蛍光特性に優れるとされるCe:YAG-AlNコンポジットセラミックスの報告がある(非特許文献2)。このコンポジットセラミックスも、AlNとCe:YAG-AlNの反応が抑制されて焼結体密度も理論値付近に達しているものの、Ce:YAG(20%)-AlN(80%)組成のセラミックスであっても熱伝導率は最大で39W/mk程度と極めて低い。この焼結体の場合、理論的には熱伝導率250W/mk程度に達しなければならないのに対し、上記のように実際に得られたコンポジットセラミックスの熱伝導率はあまりにも低く、当該報告に記載されていない重大な技術課題が存在していると推察される。また、マトリックスが立方晶でないので、長距離用の光源に適さないことに加え、YAG系以外の有望な蛍光体との組み合わせが不可能であるという欠点も存在する。
【0009】
また、Ce:YAG焼結体は、白色光に変換できる有効な材料であるが、2種以上の蛍光物質を同時に焼結することで、例えばCe:YAG中にEu添加サイアロンを分散させた複合焼結体を作製できれば、白色+赤色添加等の色調調整を行えることが期待できる。ところが、実際に緻密な焼結体を作製しようとすると、相互が反応してYAG又はサイアロン相がほとんど消滅してしまうため、結果として蛍光体としての機能及び高熱伝導性が失われる。
【0010】
特許文献1には、無機蛍光体をMgOをマトリックスの一部又は全てとした材料中に分散させたセラミックスが記述されている。マトリックスを構成する候補材料は、Al



、MgO、TiO

、Nb



、ZnO、Y



等の酸化物、AlN、BN等の窒化物、SiC等の炭化物等であると記載されている。
(【0011】以降は省略されています)

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