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公開番号2024014909
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-01
出願番号2023190547,2018119033
出願日2023-11-08,2018-06-22
発明の名称トリチウム水含有汚染水の処理方法
出願人日鉄セメント株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G21F 9/06 20060101AFI20240125BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】トリチウムを含む大量の汚染水を、実用的なレベルでの減容量化を可能とした処理方法を提供する。
【解決手段】トリチウム水含有汚染水を、ポリアクリル酸系の吸水性ポリマーに吸水させて含水吸水性ポリマーとすること、含水吸水性ポリマー中にグルコースを存在させること、含水吸水性ポリマーの水分を10~60℃で吸水量の90~99%以上を蒸発させると共に、水分中のトリチウム濃度を減少させて半固形状の濃縮含水吸水性ポリマーとすること、及びこの濃縮含水吸水性ポリマーを容器に一定期間保管して無害化することからなるトリチウム水含有汚染水の処理方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
トリチウム水含有汚染水をポリアクリル酸塩系の吸水性ポリマーに、吸水量が吸水性ポリマーの10~1000重量倍となるように吸水させて含水吸水性ポリマーとすること、含水吸水性ポリマー中に、非電界質の水溶性の糖質を存在させること、この含水吸水性ポリマーの水分を大気に晒しながら又は流通ガスを流しながら10~60℃で吸水量の90~99%を蒸発させると共に、水分中のトリチウム濃度を減少させて半固形状の濃縮含水吸水性ポリマーとすること、及び半固形状の濃縮含水吸水性ポリマーを容器に保管することを特徴とするトリチウム水含有汚染水の処理方法。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
非電界質の水溶性の糖質が、グルコースである請求項1に記載のトリチウム水含有汚染水の処理方法。
【請求項3】
半固形状の濃縮含水吸水性ポリマーを更に蒸発処理に付して、水分濃度を減少させると共に、水分中のトリチウム濃度を減少させる請求項1又は2に記載のトリチウム水含有汚染水の処理方法。
【請求項4】
トリチウム水含有汚染水に、非電界質の水溶性の糖質を溶解させた後、糖質を結晶化させて、糖質中にトリチウムを取り込むことを特徴とするトリチウム水含有汚染水の処理方法。
【請求項5】
密閉空間において、トリチウム水含有汚染水と離間させて吸水性ポリマーを配置し、水蒸気を介した交換によって、トリチウム水含有汚染水中のトリチウムを吸水性ポリマーに移動することを特徴とするトリチウム水含有汚染水の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トリチウムを含む大量の汚染水を、実用的なレベルでの減容量化を可能とした処理方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
原発の汚染水処理として、多核種除去設備ではトリチウムを除く放射性物質の除去が可能になっている。汚染水中のトリチウム濃度については、法的規制値である6×10

Bq/L以下まで下げることが要請されている。
ここで、トリチウム(T)はトリチウム水(HTO又はT

O)として存在するが、これは軽水(H

O)との分離が困難である。
【0003】
トリチウム分離技術としては、液体水素としてから低温蒸留する方法や、トリチウム水と軽水を多段で蒸留する方法がある。後者の蒸留法は軽水とトリチウム水の蒸気圧の違いにより分離する方法である。しかし、トリチウム水と軽水の蒸気圧差が小さく、理論段数が大きくなり、装置の大型化やエネルギー消費が大きいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2015/098160号
特開2017-100090号公報
特開2016-13535号公報
特開2015-112589号公報
【0005】
特許文献1は、充填材としてシリカゲルビーズが充填された蒸留塔によって、40℃以下の低温蒸留を行うようにして、トリチウム水を濃縮することを教える。そして、低温蒸留を行うと、例えば60℃の場合に比べて40℃の場合には比揮発度が1.05から1.16に向上するとし、蒸留塔の充填材としてシリカゲルビーズを使用すると、比揮発度が更に向上するから、両者の相乗効果により理論段数を小さくでき、実用可能な装置の小型化を図ることができるとする。
【0006】
特許文献2は、トリチウム水を電解槽で電気分解し、生じた水素ガスをパラジウム合金製の分離膜により水素とトリチウムに分離する方法を教える。
特許文献3は、トリチウムを含む汚染水に、有機酸、有機酸アルカリ塩等の有機物を投入し、微細気泡を循環させて微細気泡界面を介してカルボン酸基のα位の水素をトリチウムと置換させる反応を生じさせ、これに無機金属塩を添加し、トリチウム置換生成物の水不溶性を増加させ、次いで活性炭、ゼオライトにより吸着分離する方法を開示する。
特許文献4は、トリチウム水を含む汚染水を、界面前進凍結法によって凍結水の結晶を層状に析出させながら、これを掻き取り除去し、除去した凍結水の結晶を含む汚染水を、熟成槽に供給し、凍結トリチウム水の結晶を成長させ、成長した凍結トリチウム水の結晶を含む汚染水を、固液分離装置で凍結トリチウム水の結晶と汚染水とに分離する方法を開示する。
【0007】
上記のようにトリチウム水を含む汚染水の処理技術にはいくつかの方法が提案されているが、100万Bq/Lを超えるような高濃度で、多量に存在する汚染水を処理して、6万Bq/L以下とするには設備費や運転コストが高いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、設備が簡単で、運転コストが低く、汚染水の高度な減容化が可能な処理方法が望まれていた。本願発明は、かかる処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、トリチウム水含有汚染水を、吸水性ポリマーに吸水させて含水吸水性ポリマーとすること、含水吸水性ポリマーの水分を80℃以下の低温で吸水量の50%以上を蒸発又は留出させて水分中のトリチウム水を吸水性ポリマー中に濃縮して濃縮含水吸水性ポリマーとすること、トリチウム水が濃縮された濃縮含水吸水性ポリマーを容器に保管することを特徴とするトリチウム水含有汚染水の処理方法である。
【0010】
本発明の第二の態様は、トリチウム水含有汚染水を吸水性ポリマーに吸水させて含水吸水性ポリマー又は含水吸水性ポリマーを含む水相とすること、この含水吸水性ポリマー又は水相の水分を80℃以下の低温で吸水量の50%以上を蒸発又は留出させて半固形状の濃縮含水吸水性ポリマーとすること、半固形状の濃縮含水吸水性ポリマーを容器に保管することを特徴とするトリチウム水含有汚染水の処理方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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