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公開番号2024012215
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-26
出願番号2022112065
出願日2022-07-12
発明の名称水素製造用触媒及びその製造方法、並びに水素の製造方法
出願人兵庫県公立大学法人,サンアロイ工業株式会社
代理人個人
主分類B01J 23/75 20060101AFI20240119BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】
触媒金属とH+イオン(プロトン)の磁気的相互作用に着目し、安価に、しかも安定して入手、あるいは供給可能な新規な水素製造用触媒を提供する。
【解決手段】
水素含有化合物であるアンモニアボラン(NH3BH3)からから水素を生成するために用いられる水素製造用の触媒であって、強磁性のコバルト(Co)と鉄系の金属であるニッケル(Ni)及び鉄(Fe)のいずれ一方を含有した磁性合金であって、Coを48~99.7wt%含有し、鉄系金属を0.3~52wt%含有して構成され、この磁性合金の成分である合金粒子の1原子当たりの平均磁気モーメントがボーア磁子単位で1.1~2.3の範囲とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
水素含有化合物から水素を生成するために用いられる水素製造用触媒であって、
コバルト(Co)と、少なくとも1種の鉄系金属を含有した磁性合金からなり、
前記磁性合金は、前記コバルト(Co)を48~99wt%を含有し、強磁性金属を1~52wt%含有し、当該磁性合金を構成する合金粒子の1原子当たりの平均磁気モーメントがボーア磁子単位で1.1~2.3μBの範囲にある
ことを特徴とする水素製造用触媒。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記強磁性金属は、鉄(Fe)であることを特徴とする請求項1記載の水素製造用触媒。
【請求項3】
前記強磁性金属は、ニッケル(Ni)であることを特徴とする請求項1記載の水素製造用触媒。
【請求項4】
コバルト(Co)と、鉄(Fe)及びニッケル(Ni)のいずれか一方を含む磁性合金からなる水素含有化合物から水素を生成するために用いられる水素製造用触媒の製造方法であって、
前記磁性合金は、
コバルトイオンを含む酢酸コバルトの水溶液と、鉄イオンを含む硝酸鉄の水溶液を混合した水溶液及びニッケルイオンを含む酢酸ニッケルの水溶液のいずれか一方の水溶液を混合した混合水溶液を作製し、
前記混合水溶液を、蒸発乾固若しくは噴霧乾燥して乾燥物を作製し、
次いで、前記乾燥物を加熱処理して熱分解して酸化物を作製し、
前記酸化物を水素雰囲気中で水素還元して製造される
ことを特徴とする水素製造用触媒の製造方法。
【請求項5】
前記酢酸コバルトの水溶液と前記硝酸鉄の水溶液が混合された混合水溶液は、コバルト成分を99~47mol%含有し、鉄成分を1~53mol%含有するように混合されたことを特徴とする請求項4記載の水素製造用触媒の製造方法。
【請求項6】
前記酢酸コバルトの水溶液と前記酢酸ニッケルの水溶液が混合された混合水溶液は、コバルト成分を99~48mol%含有し、ニッケル成分を1~52mol%含有するように混合されたことを特徴とする請求項4記載の水素製造用触媒の製造方法。
【請求項7】
前記混合水溶液を乾燥してされた乾燥物は、500℃~600℃の酸素雰囲気中で加熱処理されて酸化物とされ、
前記酸化物は、750℃~850℃の水素雰囲気中で水素還元される
ことを特徴とする請求項4記載の水素製造用触媒の製造方法。
【請求項8】
水素含有化合物から水素を生成する水素の製造方法であって、
請求項1~4のいずれか1項に記載された水素製造用磁性触媒と水素含有化合物が溶解混合された水溶液を作製し、
前記水溶液を加水分解し、前記水素含有化合物から水素ガス(H

)を生成することを特徴とする水素の製造方法。
【請求項9】
前記水素含有化合物は、アンモニアボラン(NH

BH

)であることを特徴とする請求項8記載の水素の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素製造用触媒及びその製造方法、さらには、水素含有化合物から水素を製造する水素の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、環境破壊を抑制するエネルギー源として水素が注目され、水素を燃料とする燃料電池が注目され、実用化されている。
【0003】
水素は、常温、常圧の環境下において気相であり、所定の反応量の体積が固相に比較して数百倍~千倍であるばかりか、爆発性を有するため、安全に且つ大量に貯蔵し、運搬することが困難である。このような水素ガスが有する問題点を解消し、安全で容易に取り扱いを可能とするため、燃料電池の燃料としては、天然ガス、メタノール、ガソリンなどを改質して得られる水素ガスが用いられている。
【0004】
この種の燃料は、安全性に問題があるばかりか、燃料電池の燃料として用いたとき起電力が十分でなく、電力の供給源として十分な性能を実現できない。
【0005】
そこで、自動車の駆動源として用いられる燃料電池や民生用の携帯端末装置の電源に用いられる燃料電池にあっては、高濃度に水素を貯蔵する水素含有化合物から、安価に、安定して高能率で水素を生成し、さらには、電池自体の小型化を実現することが望まれている。
【0006】
このような従来用いられている水素含有媒体が有する問題点に鑑み、安全性に優れ、取り扱いが容易で、燃料電池の燃料として用いたとき十分な起電力を実現し得る燃料について鋭意研究され、高濃度に水素を含有する水素含有化合物が提案されている。この種の水素含有化合物として、大量な水素の貯蔵を可能としたホウ素をベースにした化合物が提案されている。その一つとして、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水素化ホウ素化合物ある。他の一つとして、ボラン(BH

)とアンモニア(NH

)の錯体をベースにした化合物であるアンモニアボラン(NH

BH

)が提案されている(特許文献1、2)。
【0007】
この種の水素含有化合物に含有された水素は、例えば、水素含有化合物を溶解した水溶液に触媒として白金(Pt)等の貴金属を加え、この水溶液を加水分解することにより生成される。
【0008】
触媒に用いるPt等の貴金属は、資源量が乏しく高価であるため、アンモニアボラン等の水素含有化合物から安価に安定して水素の生成を行うことが困難となる。
【0009】
本件出願の発明者等は、水素含有化合物から水素を生成するために用いる触媒として、Pt等の貴金属に代わる触媒として、強磁性Coナノ結晶をドープしたタングステン炭化物を用いることを提案している(特許文献3、4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2006-286549号公報
特開2009-176556号公報
特開2018-223932号公報
特願2021-171539号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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