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公開番号2024135534
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046278
出願日2023-03-23
発明の名称再生品の不純物量の推定方法
出願人日東電工株式会社,兵庫県公立大学法人
代理人弁理士法人まこと国際特許事務所
主分類G01N 5/04 20060101AFI20240927BHJP(測定;試験)
要約【課題】 再生品中の不純物の量を簡易な方法で推定する。
【解決手段】 偏光子の製造廃液から回収した再生品中の不純物量を推定する方法において、第1不純物及び第2不純物を含む前記再生品を第1温度まで加熱して第1加熱品を得る第1加熱工程、前記第1加熱工程後の第1加熱品の質量を測定する第1質量取得工程、前記第1加熱品を前記第1温度を超える第2温度まで加熱して第2加熱品を得る第2加熱工程、前記第2加熱工程後の第2加熱品の質量を測定する第2質量取得工程、前記第1加熱品の質量から前記第2加熱品の質量を減算して、前記再生品中に含まれる第2不純物の含有量を推定する工程、を有する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
偏光子の製造廃液から回収した再生品中の不純物量を推定する方法において、
第1不純物及び第2不純物を含む前記再生品を第1温度まで加熱して第1加熱品を得る第1加熱工程、
前記第1加熱工程後の第1加熱品の質量を測定する第1質量取得工程、
前記第1加熱品を前記第1温度を超える第2温度まで加熱して第2加熱品を得る第2加熱工程、
前記第2加熱工程後の第2加熱品の質量を測定する第2質量取得工程、
前記第1加熱品の質量から前記第2加熱品の質量を減算して、前記再生品中に含まれる第2不純物の含有量を推定する工程、
を有する、再生品の不純物量の推定方法。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記偏光子の製造廃液から回収した再生品の有効成分が、ヨウ化カリウムである、再生品の不純物量の推定方法。
【請求項3】
前記第1加熱工程が、前記再生品中の前記第2不純物の量を変えることなく、前記第1不純物を前記再生品中から消失させる工程である、請求項1の再生品の不純物量の推定方法。
【請求項4】
前記第2加熱工程が、前記第2不純物を前記第1加熱品中から消失させる工程である、請求項3に記載の再生品の不純物量の推定方法。
【請求項5】
前記第1加熱工程において、前記再生品の質量測定を行なうことなく、前記再生品を加熱する、請求項1に記載の再生品の不純物量の推定方法。
【請求項6】
前記第1質量取得工程において、前記第1加熱品を前記第1温度から低下させた後に前記第1加熱品の質量を測定し、
前記第2質量取得工程において、前記第2加熱品を前記第2温度から低下させた後に前記第2加熱品の質量を測定する、請求項1に記載の再生品の不純物量の推定方法。
【請求項7】
前記第1不純物が、ホウ酸であり、前記第2不純物が、炭素を含む化合物である、請求項1に記載の再生品の不純物量の推定方法。
【請求項8】
前記炭素を含む化合物が、ポリビニルアルコール系樹脂を含む、請求項7に記載の再生品の不純物量の推定方法。
【請求項9】
前記第1加熱工程及び第2加熱工程の昇温速度が、1℃/min~6℃/minである、請求項1に記載の再生品の不純物量の推定方法。
【請求項10】
前記第1加熱工程によって第1温度まで加熱し、その温度を3時間~5時間の間保った後に、前記第1質量取得工程を行なう、請求項1に記載の再生品の不純物量の推定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光子の製造廃液から回収した再生品中の不純物の含有量を簡易に推定する方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置や偏光サングラスなどの構成材料として、偏光子を含む偏光フィルムが使用されている。前記偏光子は、代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂層又はポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、染色液で染色し、延伸することによって製造される。環境保護の観点から、前記偏光子の製造時に使用されたヨウ化カリウムを回収し、再利用することが望ましい。
特許文献1及び2には、このような偏光子の製造時に発生する廃液からヨウ化カリウムを回収して再生する廃液処理方法が開示されている。前記特許文献1及び2の方法によれば、不純物の含有量が低減化されたヨウ化カリウム再生品を得ることができる。
前記再生品を偏光子の製造に再び使用することにより、資源の有効利用を図ることができ、循環型社会の形成に貢献できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6650652号公報
特許第7165344号公報
【発明の概要】
【0004】
前記再生品に比較的多くの不純物が含まれている場合、当該再生品を偏光子の製造に再利用すると、偏光子の品質などに悪影響を与えるおそれがある。特に、ポリビニルアルコール系樹脂などの炭素を含む化合物は、偏光子の製造に悪影響を与えるおそれがある。特許文献1及び2の方法によれば、純度の高い再生品を得ることができるが、不純物を全く含まない再生品を得ることは困難である。特許文献1及び2に記載のように、偏光子の製造に生じる廃液には、ヨウ化カリウムのほか、ポリビニルアルコール系樹脂及びホウ酸が含まれているところ、前記廃液から得られた再生品にはポリビニルアルコール系樹脂及びホウ酸などの不純物が微量に含まれる。
従って、再生品を偏光子の製造に再利用する際には、当該再生品に含まれる不純物(特に炭素を含む化合物)の量を把握し、そのまま再利用して良いか否かを判断することが好ましい。前記不純物の含有量は、一般に、再生品の成分分析を行なうことによって把握できる。再生品は前述のように製造廃液から得られるところ、再生品の製造ロット毎にその不純物の含有量が異なっている可能性が高い。このため、再生品のロット毎に前記成分分析を行なう必要がある。
【0005】
しかしながら、再生品のロット毎に精密な成分分析を行うことは、偏光子の製造コストの上昇を招くため好ましくない。他方、再利用可能な再生品には不純物量の許容範囲があり、再利用する再生品が前記許容範囲にあるかどうかを知ることができれば、必ずしも再生品の精密な成分分析を行なう必要もない。
このようなことから、再生品の不純物の含有量を比較的低コストで簡易に知ることができる方法が求められている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、再生品中の不純物の量を簡易な方法で推定することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1形態に係る再生品の不純物量の推定方法は、偏光子の製造廃液から回収した再生品中の不純物量を推定する方法において、第1不純物及び第2不純物を含む前記再生品を第1温度まで加熱して第1加熱品を得る第1加熱工程、前記第1加熱工程後の第1加熱品の質量を測定する第1質量取得工程、前記第1加熱品を前記第1温度を超える第2温度まで加熱して第2加熱品を得る第2加熱工程、前記第2加熱工程後の第2加熱品の質量を測定する第2質量取得工程、前記第1加熱品の質量から前記第2加熱品の質量を減算して、前記再生品中に含まれる第2不純物の含有量を推定する工程、を有する。
【0008】
本発明の第2形態に係る再生品の不純物量の推定方法は、前記第1形態の推定方法において、前記偏光子の製造廃液から回収した再生品の有効成分が、ヨウ化カリウムである。
本発明の第3形態に係る再生品の不純物量の推定方法は、前記第1又は第2形態の推定方法において、前記第1加熱工程が、前記再生品中の前記第2不純物の量を変えることなく、前記第1不純物を前記再生品中から消失させる工程である。
本発明の第4形態に係る再生品の不純物量の推定方法は、前記第1乃至第3形態のいずれかの推定方法において、前記第2加熱工程が、前記第2不純物を前記第1加熱品中から消失させる工程である。
本発明の第5形態に係る再生品の不純物量の推定方法は、前記第1乃至第4形態のいずれかの推定方法において、前記第1加熱工程において、前記再生品の質量測定を行なうことなく、前記再生品を加熱する。
本発明の第6形態に係る再生品の不純物量の推定方法は、前記第1乃至第5形態のいずれかの推定方法において、前記第1質量取得工程において、前記第1加熱品を前記第1温度から低下させた後に前記第1加熱品の質量を測定し、前記第2質量取得工程において、前記第2加熱品を前記第2温度から低下させた後に前記第2加熱品の質量を測定する。
本発明の第7形態に係る再生品の不純物量の推定方法は、前記第1乃至第6形態のいずれかの推定方法において、前記第1不純物が、ホウ酸であり、前記第2不純物が、炭素を含む化合物である。
本発明の第8形態に係る再生品の不純物量の推定方法は、前記第7形態の推定方法において、前記炭素を含む化合物が、ポリビニルアルコール系樹脂を含む。
本発明の第9形態に係る再生品の不純物量の推定方法は、前記第1乃至第8形態のいずれかの推定方法において、前記第1加熱工程及び第2加熱工程の昇温速度が、1℃/min~6℃/minである。
本発明の第10形態に係る再生品の不純物量の推定方法は、前記第1乃至第9形態のいずれかの推定方法において、前記第1加熱工程によって第1温度まで加熱し、その温度を3時間~5時間の間保った後に、前記第1質量取得工程を行なう。
本発明の第11形態に係る再生品の不純物量の推定方法は、前記第1乃至第10形態のいずれかの推定方法において、前記第2加熱工程によって第2温度まで加熱し、その温度を3時間~5時間の間保った後に、前記第2質量取得工程を行なう。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法によれば、第1不純物及び第2不純物を含む再生品中の第2不純物の含有量を簡易に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
予備的実験の結果を示すグラフ図。
本発明の推定方法における各工程の順序を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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