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公開番号2023166876
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-22
出願番号2022077710
出願日2022-05-10
発明の名称偏光膜の製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人個人,個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20231115BHJP(光学)
要約【課題】外観に優れ、画像表示装置の表示特性の向上に寄与し得る偏光膜を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態による偏光膜の製造方法は、ヨウ素を含み、第一透過率(T1)を有する樹脂膜を第一液に接触させて、前記樹脂膜の透過率を第二透過率(T2)に上昇させる第一工程と、前記樹脂膜を第二液に接触させて、前記樹脂膜の透過率を第三透過率(T3)に下げる第二工程と、をこの順に含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ヨウ素を含み、第一透過率(T1)を有する樹脂膜を第一液に接触させて、前記樹脂膜の透過率を第二透過率(T2)に上昇させる第一工程と、
前記樹脂膜を第二液に接触させて、前記樹脂膜の透過率を第三透過率(T3)に下げる第二工程と、
をこの順に含む、偏光膜の製造方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記第一透過率(T1)は44%以上である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂膜はポリビニルアルコール系樹脂を含み、前記第一液に接触させて、前記樹脂膜の配向性を低下させる、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第一液の温度は60℃以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第一液はホウ酸水溶液である、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第一液に接触させる前の前記樹脂膜の水分率は15重量%以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第二液は水を含む、求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
厚みが22μm以下の偏光膜を得る、請求項1から7のいずれか一項に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
代表的な画像表示装置である液晶表示装置には、その画像形成方式に起因して、液晶セルの両側に偏光膜が配置されている。また、薄型ディスプレイの普及と共に、有機エレクトロルミネセンス(EL)パネルを搭載したディスプレイ(OLED)や、量子ドットなどの無機発光材料を用いた表示パネルを用いたディスプレイ(QLED)が提案されている。これらのパネルは反射性の高い金属層を有しており、外光反射や背景の映り込み等の問題を生じやすい。そこで、偏光膜とλ/4板とを有する円偏光板を視認側に設けることにより、これらの問題を防ぐことが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-372622号公報
特許第3325560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように画像表示装置に偏光膜を搭載した際、偏光膜の外観が画像表示装置の表示特性に影響を及ぼす場合がある。例えば、偏光膜にスジが発生していると、画像表示装置においてもそのスジが視認される場合がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、外観に優れ、画像表示装置の表示特性の向上に寄与し得る偏光膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1.本発明の実施形態による偏光膜の製造方法は、ヨウ素を含み、第一透過率(T1)を有する樹脂膜を第一液に接触させて、前記樹脂膜の透過率を第二透過率(T2)に上昇させる第一工程と、前記樹脂膜を第二液に接触させて、前記樹脂膜の透過率を第三透過率(T3)に下げる第二工程と、をこの順に含む。
2.上記1に記載の製造方法において、上記第一透過率(T1)は44%以上であってもよい。
3.上記1または2に記載の製造方法において、上記樹脂膜はポリビニルアルコール系樹脂を含み、上記第一液に接触させて、上記樹脂膜の配向性を低下させてもよい。
4.上記1から3のいずれかに記載の製造方法において、上記第一液の温度は60℃以上であってもよい。
5.上記1から4のいずれかに記載の製造方法において、上記第一液はホウ酸水溶液であってもよい。
6.上記1から5のいずれかに記載の製造方法において、上記第一液に接触させる前の上記樹脂膜の水分率は15重量%以下であってもよい。
7.上記1から6のいずれかに記載の製造方法において、上記第二液は水を含んでもよい。
8.上記1から7のいずれかに記載の製造方法において、厚みが22μm以下の偏光膜を得てもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外観に優れた偏光膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の1つの実施形態による積層体の概略の構成を示す模式的な断面図である。
加熱ロールを用いた乾燥の一例を示す概略図である。
本発明の1つの実施形態による偏光板の概略の構成を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0010】
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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