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公開番号2024133756
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023043708
出願日2023-03-20
発明の名称ポリビニルアルコール系偏光子および偏光板
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240926BHJP(光学)
要約【課題】高温高湿度の過酷な環境条件下でもコントラストと鮮明度にバランスよく優れる
ディスプレイを得ることができる偏光板に用いることが可能なポリビニルアルコール系偏
光子を提供すること。
【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂を含む偏光子であり、下記式(1)で計算され
るポリビニルアルコール系樹脂の水酸基とホウ酸が形成するエステル化率が60%以上で
あることを特徴とするポリビニルアルコール系偏光子。
式(1):エステル化率(単位%)=100×(1-a)/((1-a)+b)
(ここで、式中aおよびbは、重ジメチルスルホキシドを媒体として4mmHRMASプ
ローブを用いた偏光子のNMR測定において、重ジメチルスルホキシドのメチルを2.5
ppmとして2.2~1.9ppmの主鎖メチレン(CH2)の積分値を2.00とした
場合に、5.0~4.2ppmの積分値をa、7.5~6.8ppmの積分値をbとした
ものである。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリビニルアルコール系樹脂を含む偏光子であり、下記式(1)で計算されるポリビニ
ルアルコール系樹脂の水酸基とホウ酸が形成するエステル化率が60%以上であることを
特徴とするポリビニルアルコール系偏光子。
式(1):エステル化率(単位%)=100×(1-a)/((1-a)+b)
(ここで、式中aおよびbは、重ジメチルスルホキシドを媒体として4mmHRMASプ
ローブを用いた偏光子のNMR測定において、重ジメチルスルホキシドのメチルを2.5
ppmとして2.2~1.9ppmの主鎖メチレン(CH

)の積分値を2.00とした
場合に、5.0~4.2ppmの積分値をa、7.5~6.8ppmの積分値をbとした
ものである。)
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量が100,000~300,000であ
ることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系偏光子。
【請求項3】
請求項1または2記載のポリビニルアルコール系偏光子を含むことを特徴とする偏光板


発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルアルコール系偏光子及び偏光板に関し、偏光板とした際に高温高
湿度下等の過酷な環境下に晒されても光学性能の変化量が少ない偏光板が得られるポリビ
ニルアルコール系偏光子に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ポリビニルアルコール系フィルムは、透明性に優れたフィルムとして多くの用途
に利用されており、その有用な用途の一つに偏光子が挙げられる。かかる偏光子は偏光板
を構成する部材として液晶ディスプレイの基本構成要素として用いられており、近年では
高品位で高信頼性の要求される機器へとその使用が拡大されている。
【0003】
このような中、液晶テレビや多機能携帯端末などのディスプレイに用いられる偏光板に
は高輝度化、高精細化、大面積化、薄型化に対応することが求められており、更には高温
高湿度下等の過酷な環境下においても光学性能の変化率が少なく耐久性の高いものである
ことが要求されていた。
【0004】
このような耐久性に優れた偏光板として、染料系の偏光フィルムを用いて製造された偏
光板(特許文献1および2参照)が用いられたり、透過率の低い偏光子を用いることで偏
光板とした際に過酷な条件下で使用されても高偏光度を維持させる手法が用いられたりし
ていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-57909号公報
特開2021-101237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1および2に開示技術では、作製された偏光板は高温下や
高湿度下での耐久性には優れるものの偏光度が低くディスプレイとした際に高輝度化がで
きないという問題があった。また、透過率の低い偏光子を用いた偏光板は、高温下や高湿
度下での耐久性には優れるもののディスプレイとした際のコントラストと鮮明さに劣るも
のであった。
【0007】
そこで、本発明ではこのような背景下において、高温高湿度の過酷な環境条件下でもコ
ントラストと鮮明度にバランスよく優れるディスプレイを得ることができる偏光板に用い
ることが可能なポリビニルアルコール系偏光子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
しかるに本発明者等は、ポリビニルアルコール系偏光子中のポリビニルアルコール系樹
脂の水酸基とホウ酸が形成するエステル化率に着目し、かかる値が従来よりも高い特定範
囲にある場合に、上記課題を解決し偏光板として用いられた際に、コントラストと鮮明度
にバランスよく優れるディスプレイが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1] ポリビニルアルコール系樹脂を含む偏光子であり、下記式(1)で計算されるポ
リビニルアルコール系樹脂の水酸基とホウ酸が形成するエステル化率が60%以上である
ことを特徴とするポリビニルアルコール系偏光子。
式(1):エステル化率(単位%)=100×(1-a)/((1-a)+b)
(ここで、式中aおよびbは、重ジメチルスルホキシドを媒体として4mmHRMASプ
ローブを用いた偏光子のNMR測定において、重ジメチルスルホキシドのメチルを2.5
ppmとして2.2~1.9ppmの主鎖メチレン(CH

)の積分値を2.00とした
場合に、5.0~4.2ppmの積分値をa、7.5~6.8ppmの積分値をbとした
ものである)
[2] ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量が100,000~300,00
0であることを特徴とする[1]に記載のポリビニルアルコール系偏光子。
[3] [1]または[2]に記載のポリビニルアルコール系偏光子を含むことを特徴と
する偏光板。
【発明の効果】
【0010】
本発明のポリビニルアルコール系偏光子は、高温高湿度下での耐久性能に優れる偏光板
を得ることが可能な偏光子であって、偏光板としてディスプレイに用いられた際に、コン
トラストと鮮明度にバランスよく優れるディスプレイを得ることができるものである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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