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公開番号2023160199
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-02
出願番号2022070372
出願日2022-04-21
発明の名称冷却設備の運転制御方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F28F 27/00 20060101AFI20231026BHJP(熱交換一般)
要約【課題】熱負荷の変動に対応する冷却能を、オペレーターが安全率を高く設定せずに安定して発揮でき、省エネを実現可能にした冷却設備の運転制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の冷却設備の運転制御方法は、熱交換器と循環ポンプと冷却ファンを有する冷却塔とを備え、冷却塔および循環ポンプの運転条件を設定し、受熱流体の出口温度、冷却ファンおよび循環ポンプの消費電力を算出する第1演算工程と、熱交換器の運転条件を設定し、所定の演算を繰り返すことによって、与熱流体の出口温度を算出する第2演算工程と、冷却ファンおよび循環ポンプの出力周波数の組み合わせを変えて入力し、第1および第2演算工程を実行する第3演算工程と、第3演算工程で算出した演算データの中から、与熱流体の出口温度が規定上限値以下でかつ冷却ファンおよび循環ポンプの最適運転条件である特定演算データを抽出する最適運転条件抽出工程と、を含む。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
冷却対象物から発生した熱を、与熱流体に伝達させる熱交換器と、
伝達した前記与熱流体の熱を、前記熱交換器内を循環する受熱流体に伝達させる循環ポンプと、
伝達した前記受熱流体の熱を、前記受熱流体に対して直接または間接的に接触させる空気を供給するとともに、供給した前記空気を外部に放出することによって放熱する冷却ファンを有する冷却塔と、
を備える冷却設備の運転制御方法であって、
前記冷却設備の運転制御方法は、
前記冷却対象物の熱負荷に応じて、前記冷却塔および前記循環ポンプの運転条件を設定し、前記冷却塔における前記受熱流体の出口温度、前記冷却ファンの消費電力および前記循環ポンプの消費電力を算出する第1演算工程と、
前記熱交換器の運転条件を設定し、前記第1演算工程で算出した結果と前記熱交換器の運転条件とが収束するまで演算を繰り返すことによって、前記熱交換器における前記与熱流体の出口温度を算出する第2演算工程と、
前記冷却ファンおよび前記循環ポンプのそれぞれ変更可能な出力周波数の範囲内で、前記冷却ファンの出力周波数および前記循環ポンプの出力周波数の組み合わせを変えて入力し、前記第1演算工程と前記第2演算工程を実行する第3演算工程と、
前記第3演算工程で算出した演算データの中から、前記熱交換器における前記与熱流体の出口温度が規定上限値以下であり、かつ、前記冷却ファンの消費電力と前記循環ポンプの消費電力とを合計した合計消費電力が最小となるときの前記冷却ファンおよび前記循環ポンプの最適運転条件である特定演算データを抽出する最適運転条件抽出工程と、
を含む、冷却設備の運転制御方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記冷却塔の運転条件は、大気圧下における乾球温度および相対湿度を含む気象予測情報から求められる、所定期間内における最大湿球温度を含む、請求項1に記載の冷却設備の運転制御方法。
【請求項3】
前記冷却塔の運転条件は、前記冷却ファンの稼働台数、前記冷却塔における前記受熱流体の入口温度、および前記冷却塔の効率をさらに含む、請求項1に記載の冷却設備の運転制御方法。
【請求項4】
前記循環ポンプの運転条件は、稼働台数および前記受熱流体の流量をさらに含む、請求項1に記載の冷却設備の運転制御方法。
【請求項5】
前記熱交換器の運転条件は、前記熱交換器における前記与熱流体の入口温度および流量、ならびに汚れ係数をさらに含む、請求項1に記載の冷却設備の運転制御方法。
【請求項6】
前記冷却設備の運転制御方法は、前記冷却ファンおよび前記循環ポンプの最適運転条件である特定演算データと、実際に生じた実測データとを比較し、比較した前記特定演算データと前記実測データとの差が所定値以上大きかった場合に、前記冷却ファン、前記循環ポンプおよび前記熱交換器の稼働状況ならびに前記与熱流体および前記受熱流体の状態を確認するためのメッセージを表示する表示工程をさらに含む、請求項1に記載の冷却設備の運転制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却設備の運転制御方法に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
発電プラント、化学プラント、冷空調プラント等の設備プラントでは、大量の熱を発生または回収しながらプラントを操業している。これら大量に発生または回収した熱を制御しながらプラントを継続的に安定して操業するためには、水等の各種流体で構成される与熱流体および受熱流体を冷却設備で繰り返し使用して運転している。
従来、冷却ファンを備える冷却塔、循環ポンプ、熱交換機を備える冷却設備では、設備プラントにおけるボイラー等の冷却対象物の熱負荷となる熱量と、設備プラントが設置されている環境の気象条件に応じて冷却設備の省エネ運転を行っている。しかし、省エネ運転を1つの目的とする冷却設備の運転制御方法は、冷却設備の性能による相違および運転管理体制または運営方法の相違によって、以下の3パターンに大別される。
【0003】
第1の運転制御方法は、冷却ファン、循環ポンプの運転制御機能がなく、常に一定運転するものである。第2の運転制御方法は、熱負荷の熱量、気象条件によって冷却ファンや循環ポンプのインバーター運転を、オペレーターによる各種条件の手動入力によって運転制御するものである。第3の運転制御方法は、熱負荷の熱量、水温に基づき、最適運転値になるよう全自動制御により運転するものである。
これらの運転制御方法のうち、第3の運転制御方法が最も理想的であるが、第3の運転制御方法は、高価な全自動制御システムを導入にすることが必要であり、運用コストに見合う省エネメリットが得られないことから、現在、多くの冷却設備では、第2の運転制御方法が広く採用されている。しかし、従来の第2の運転制御方法においても、十分な省エネルギー(以下、略して「省エネ」という場合がある。)のメリットを達成できていないため、省エネメリットが十分に達成できるような新規な第2の運転制御方法の開発が求められている。
【0004】
例えば、特許文献1は、冷凍機を有する冷凍機設備と、フリークーリング熱交換器を有するフリークーリング設備と、を備え、前記冷凍機設備および前記フリークーリング設備で製造した冷水を熱負荷設備に供給する熱源システムの運転計画システムであって、前記第1システム効率と前記第2システム効率とを比較し、前記第1システム効率が前記第2システム効率よりも効率がよい場合、前記フリークーリング設備を運転すると判定する前記運転計画判定部を備えている。しかし、いずれも、気象予報を利用するものであるが、運転システムを選択するものであって、積極的に省エネ運転を制御するものではない。
また、特許文献2は、過去の運用データと類似する運用パターンを決定し、DR要求量を予測する予測部と、決定された運用パターンを用いて空調設備の制御計画を作成し、当該制御計画における電力消費量からDR応答量を決定する受付部とを有し、前記受付部は、少なくとも一つの個別制御計画を作成し、制御計画を作成するエネルギー管理システムである。しかし、気象予報と熱負荷に応じて運転条件を選択し冷却塔の運転制御するエネルギー管理システムであるが、現在の運転状況から類似する運転パターンを決定し制御計画を作成するもので、その場の状態に応じて制御するものではなく、省エネの効果が大きくない。
また、特許文献3は、冷却塔が設置されている地域付近における気温と相対湿度を示す気象データを、インターネットを介して受信する気象データ受信部と、気象データに応じた湿球温度を求める湿球温度算出部と、冷却塔から流出する冷却水の検出温度、および湿球温度に基づいて、冷却塔のファンモータの動作を制御する制御部と、を備えた冷却塔の制御装置である。しかし、気象データを利用して冷却塔のファンの制御するものであって、設備プラントにおける冷却ファン、循環ポンプを含む冷却設備における省エネ運転を制御するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-138025号公報
特開2019-216522号公報
特開2020-115054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の課題は、上記問題点に鑑みて、冷却対象物の熱負荷に応じて、気象予測情報から予め定めた所定期間内における冷却ファンおよび循環ポンプの運転条件の適正化を図ることによって、熱負荷の変動に対応する冷却能を、オペレーターが安全率を過剰に高く設定することなく安定して発揮することができ、省エネを実現可能にした冷却設備の運転制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、本発明の実施形態の特徴を説明する。
(1)冷却対象物から発生した熱を、与熱流体に伝達させる熱交換器と、
伝達した前記与熱流体の熱を、前記熱交換器内を循環する受熱流体に伝達させる循環ポンプと、
伝達した前記受熱流体の熱を、前記受熱流体に対して直接または間接的に接触させる空気を供給するとともに、供給した前記空気を外部に放出することによって放熱する冷却ファンを有する冷却塔と、
を備える冷却設備の運転制御方法であって、
前記冷却設備の運転制御方法は、
前記冷却対象物の熱負荷に応じて、前記冷却塔および前記循環ポンプの運転条件を設定し、前記冷却塔における前記受熱流体の出口温度、前記冷却ファンの消費電力および前記循環ポンプの消費電力を算出する第1演算工程と、
前記熱交換器の運転条件を設定し、前記第1演算工程で算出した結果と前記熱交換器の運転条件とが収束するまで演算を繰り返すことによって、前記熱交換器における前記与熱流体の出口温度を算出する第2演算工程と、
前記冷却ファンおよび前記循環ポンプのそれぞれ変更可能な出力周波数の範囲内で、前記冷却ファンの出力周波数および前記循環ポンプの出力周波数の組み合わせを変えて入力し、前記第1演算工程と前記第2演算工程を実行する第3演算工程と、
前記第3演算工程で算出した演算データの中から、前記熱交換器における前記与熱流体の出口温度が規定上限値以下であり、かつ、前記冷却ファンの消費電力と前記循環ポンプの消費電力とを合計した合計消費電力が最小となるときの前記冷却ファンおよび前記循環ポンプの最適運転条件である特定演算データを抽出する最適運転条件抽出工程と、を含む、冷却設備の運転制御方法。
【0008】
(2)前記冷却塔の運転条件は、大気圧下における乾球温度および相対湿度を含む気象予測情報から求められる、所定期間内における最大湿球温度を含む、(1)に記載の冷却設備の運転制御方法。
(3)前記冷却塔の運転条件は、前記冷却ファンの稼働台数、前記冷却塔における前記受熱流体の入口温度、および前記冷却塔の効率をさらに含む、(1)に記載の冷却設備の運転制御方法。
(4)前記循環ポンプの運転条件は、稼働台数および前記受熱流体の流量をさらに含む、(1)に記載の冷却設備の運転制御方法。
(5)前記熱交換器の運転条件は、前記熱交換器における前記与熱流体の入口温度および流量、ならびに汚れ係数をさらに含む、(1)に記載の冷却設備の運転制御方法。
(6)前記冷却設備の運転制御方法は、前記冷却ファンおよび前記循環ポンプの最適運転条件である特定演算データと、実際に生じた実測データとを比較し、比較した前記特定演算データと前記実測データとの差が所定値以上大きかった場合に、前記冷却ファン、前記循環ポンプおよび前記熱交換器の稼働状況ならびに前記与熱流体および前記受熱流体の状態を確認するためのメッセージを表示する表示工程をさらに含む、(1)に記載の冷却設備の運転制御方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、冷却対象物の熱負荷に応じて、気象予測情報から予め定めた所定期間内における冷却ファンおよび循環ポンプの運転条件の適正化を図ることによって、熱負荷の変動に対応する冷却能を、オペレーターが安全率を過剰に高く設定することなく安定して発揮することができ、省エネを実現可能にした冷却設備の運転制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の冷却設備の運転制御方法を実施する冷却設備制御支援システムの一実施形態の構成を示す図である。
本発明の冷却設備の運転制御方法における冷却設備の消費電力の最小値を求めるフローチャートを示す図である。
従来の冷却設備の運転制御方法における熱負荷と冷却塔排熱量との関係を示す図である。
本発明の冷却設備の運転制御方法における熱負荷と冷却塔排熱量との関係を示す図である。
冷却設備を5日間稼働させた場合において、本発明の冷却設備の運転制御方法によって制御したときの冷却ファンおよび循環ポンプの合計消費電力と、従来の制御方法によって制御したときの冷却ファンおよび循環ポンプの合計消費電力をプロットしたときのグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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