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公開番号2024055010
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022161567
出願日2022-10-06
発明の名称混合イオン交換樹脂のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離再生方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類B01J 49/09 20170101AFI20240411BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 初期コストを増加させることなく、セプレックス法を利用して精度よくアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離が可能な混合イオン交換樹脂のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離再生方法を提供する。
【解決手段】 本発明の混合イオン交換樹脂のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離再生方法は、分離塔と、カチオン交換樹脂再生塔と、セプレックス塔の三塔構成からなる。分離塔における分離工程ではアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を分離する。分離したアニオン交換樹脂は、セプレックス塔に移送し、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の中間の比重の高濃度のNaOH水溶液で混入しているカチオン交換樹脂を分離除去するとともに再生処理を行う。また、分離塔における分離工程で分離されたカチオン交換樹脂は、カチオン交換塔に移送し、HCl溶液を注入してカチオン交換樹脂を再生する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂からニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを分離再生する方法であって、
混合イオン交換樹脂の投入部と、上下方向の途中に設けられたアニオン交換樹脂抜出部と、該アニオン交換樹脂抜出部よりも下方に設けられたカチオン交換樹脂抜出部と、底部に設けられたエア及び分離用水の注入部とを有する略筒状の混合イオン交換樹脂の分離塔に混合イオン交換樹脂投入し、前記分離塔内にエア及び分離用水の注入部から分離用水を上向流で通水し、前記混合イオン交換樹脂を比重差を利用して分離する分離工程と、
前記アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面より上側のアニオン交換樹脂を前記アニオン交換樹脂抜出部から抜き出してアニオン交換樹脂分離再生塔に移送するとともに、残余のカチオン交換樹脂をカチオン交換樹脂抜出部から抜き出してカチオン交換樹脂再生塔に移送する移送工程と、
前記アニオン交換樹脂分離再生塔で5重量%以上30重量%以下のNaOH水溶液に浸漬して、アニオン交換樹脂中に混入しているカチオン交換樹脂を分離し、該カチオン交換樹脂を排出するとともにアニオン交換樹脂を再生するアニオン交換樹脂分離再生工程と、
前記アニオン交換樹脂分離再生塔に残存したアニオン交換樹脂の水による洗浄を行うアニオン交換樹脂洗浄工程と、
前記カチオン交換樹脂再生塔内のカチオン交換樹脂を前記カチオン交換樹脂再生塔内で再生するカチオン交換樹脂再生工程と
前記カチオン交換樹脂再生塔に残存内のカチオン交換樹脂の水による洗浄を行うカチオン交換樹脂洗浄工程と、
を有する混合イオン交換樹脂のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離再生方法。
続きを表示(約 97 文字)【請求項2】
前記アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂が、ポーラス型イオン交換樹脂である、請求項1に記載の混合イオン交換樹脂のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離再生方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、純水製造装置などに用いられる非再生式イオン交換装置や混床式イオン交換装置などで使用したアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を分離して再生する方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
純水製造装置では原水中の不純物を除去して水の清浄度を高めているが、イオン性の不純物、すなわちアニオン性の不純物とカチオン性の不純物を除去するためにアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを混合充填した混床式イオン交換装置が汎用的に用いられている。この混床式イオン交換装置では、イオン交換樹脂はイオン交換容量に相当する量のイオンを交換すると、それ以上のイオン性不純物は除去できずに破過する。そこで、ある程度の処理水を処理したら、この混床式イオン交換装置からイオン交換樹脂をそれぞれ回収して、カチオン交換樹脂再生塔、アニオン交換樹脂再生塔でそれぞれ塩酸や苛性ソーダなどにより再生して再利用している。この際、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とは、上向流で通水してアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の比重差による沈降速度の違いを利用して分離するのが一般的である。
【0003】
この混合イオン交換樹脂の分離塔の一例を図4に示す。図4において、混合イオン交換樹脂の分離塔21は、円筒形の分離塔本体21Aの底部に注排水口22が設けられているとともに、複数の吐出ノズル23Aを備えた吐水部としての給水管23が設けられていて、頂部には排水口24が形成されている。この分離塔本体21Aの吐出ノズル23Aの下側には集水板25が配置されている。そして、分離塔21内の上下方向の中間付近にはアニオン交換樹脂抜出部としてのアニオン交換樹脂抜出配管26が設けられているとともに、このアニオン交換樹脂抜出配管26の下側で給水管23よりわずかに上側にカチオン交換樹脂抜出配管27が設けられている。また、分離塔21の側面にはのぞき窓28が形成されている。なお、29は分離塔21の側面上側に設けられた使用済の混合イオン交換樹脂の投入口である。
【0004】
このような混合イオン交換樹脂の分離塔21において、分離塔21内に使用済の混合イオン交換樹脂を投入し、続いて4重量%程度のNaOH水溶液を通液し、所定時間放置したら、注排水口22から純水を注入して排水口24から分離塔内のNaOH水溶液を押し出し、洗浄を行う。そして、分離塔21内に所定量の分離用水(純水)が充填された状態とする。この際、分離用水の水面が混合イオン交換樹脂の上面より上位、特に500mm以下程度上位となるようにする。
【0005】
次に注排水口24からエアを分離塔内に注入し、混合イオン交換樹脂をバブリングしコロイド状に絡みついた樹脂粒子をほぐした後バブリングングを停止し、混合イオン交換樹脂を集水板25上に沈降させる。この際、比重の大きいカチオン交換樹脂が先に沈降し、比重の小さいアニオン交換樹脂が遅れて沈降する。続いて、逆洗に備えて、分離塔21内が満水となるように注排水口22から純水(分離用水)を導入する。
【0006】
この満水の状態で吐出ノズル23Aから純水を吐出して上向流にて通水して、分離界面がアニオン交換樹脂抜出配管26の吸込口の下端となるようにのぞき窓28から目視により確認しながら調整する。そして、アニオン交換樹脂抜出配管26から吸引してアニオン交換樹脂をアニオン交換樹脂・水混相流として流出させて取り出す。このアニオン交換樹脂・水混相流は、水切りをした後、アニオン交換樹脂再生塔に移送してアニオン交換樹脂の再生処理を行う。
【0007】
このようにしてアニオン交換樹脂を抜き出した後は、吐出ノズル23Aから純水の吐出を継続しながらカチオン交換樹脂抜出配管27から吸引し、カチオン交換樹脂・水混相流として流出させて取り出す。このカチオン交換樹脂・水混相流は、水切りをした後カオン交換樹脂再生塔に移送してカチオン交換樹脂の再生処理を行う。このときカチオン交換樹脂は全部取り出さず、ある程度残存させることでアニオン交換樹脂の混入を防止する。
【0008】
しかしながら、上述したようなアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離方法では、両者の分離が不十分である、という問題点があった。特にカチオン交換樹脂は界面部を分離塔21内に残存させることで良好に分離することができるが、最初に抜き出すアニオン交換樹脂にカチオン交換樹脂が混入しやすい、という問題点があった。
【0009】
そこで、セプレックス法という高濃度のNaOH水溶液を用いてアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を分離する方法が適用されている。このセプレックス法は、図5に示すようなプロセスで処理を行う。
【0010】
すなわち、前述した図4に示す分離塔21で図5に示すような分離工程(第一の分離工程)でアニオン交換樹脂を抜き出したら、アニオン交換樹脂に混入したカチオン交換樹脂の分離専用の塔(セプレックス塔)に移送する。そして、このセプレックス塔にアニオン交換樹脂の比重とカチオン交換樹脂の比重の中間の比重のNaOH水溶液を注入した状態でバブリングにより樹脂をほぐして静置することで、混入したカチオン交換樹脂を下側に沈降させ、このカチオン交換樹脂をセプレックス塔の下部より抜き出して除去する。そして、塔内に純水を供給して、NaOH水溶液を押出洗浄した後、残ったアニオン交換樹脂を抜き出す(第二の分離工程)。この抜き出したアニオン交換樹脂は、アニオン交換樹脂再生塔に移送して定法によりアニオン交換樹脂の再生洗浄を行う。一方、第一の分離工程で分離したカチオン交換樹脂はカチオン交換樹脂再生塔に移送して定法によりカチオン交換樹脂の再生洗浄を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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