TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025174851
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-28
出願番号2025031712
出願日2025-02-28
発明の名称レーザ直接描画による耐高温性ナノ銅、その製造方法、および使用
出願人浙江大学,ZHEJIANG UNIVERSITY
代理人弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類C23C 24/08 20060101AFI20251120BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】レーザ直接描画による耐高温性ナノ銅、その製造方法、および使用を提供する。
【解決手段】耐高温性ナノ銅は、アルコール系溶剤、有機分散剤、有機助剤、ギ酸塩を加熱して撹拌し、前駆液を得て、ナノ酸化銅を前駆液に加え、超音波分散させ、ナノ酸化銅インクを得て、前処理された基板上に塗布してナノ酸化銅膜を得た後、レーザ直接描画誘導不動態化/光熱還元焼結を行うことにより得られる。
【効果】本発明は、製造が簡単であり、ナノ酸化銅インクは、長時間保存することができ、酸化による影響を受けず、印刷法、塗装法、プリント法などのさまざまな製造プロセスに適している。また、レーザ直接描画に基づいて、加工効率が高く、また、耐高温性ナノ銅に多性能をワンステップで統合することも実現できる。
【選択図】図17
特許請求の範囲【請求項1】
レーザ直接描画による耐高温性ナノ銅の製造方法であって、
アルコール系溶剤、有機分散剤、有機助剤、適量のギ酸塩を均一に加熱・撹拌し、前駆液を得るステップ(1)と、
適量のナノ酸化銅を前駆液に加え、十分に超音波分散させ、ナノ酸化銅43.0~50.4wt%、アルコール系溶剤37.1~50.4wt%、有機分散剤3.4~5.3wt%、有機助剤0.0~9.5wt%、ギ酸塩1.3~2.0wt%からなるナノ酸化銅インクを得るステップであって、前記ナノ酸化銅は、酸化銅ナノワイヤである、ステップ(2)と、
ナノ酸化銅インクを前処理された基板上に塗布し、加熱・乾燥し、ナノ酸化銅膜を得るステップ(3)と、
ナノ酸化銅膜についてレーザワンステップ直接描画誘導不動態化/光熱還元焼結を施し、耐高温性ナノ銅を得るステップであって、前記レーザは、532nm波長の連続緑色光であり、電力が100~400mW、速度が20~200mm/s、走査周期が20~40μmであり、前記不動態化の誘導は、ナノ銅の表面にあるギ酸塩の不動態化反応の誘導により、ナノ銅の表面の銅イオンとギ酸塩でギ酸銅二量体錯体を形成し、抗酸化配位不動態化層を形成することである、ステップ(4)と、を含む、ことを特徴とする製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
ステップ(1)の前記アルコール系溶剤は、一価アルコール、多価アルコールから選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ直接描画による耐高温性ナノ銅の製造方法。
【請求項3】
ステップ(1)の前記有機分散剤は、ポリアクリルアミド系有機高重合体、ポリエチレンオキシド系有機高重合体、タンニン、リグニンから選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ直接描画による耐高温性ナノ銅の製造方法。
【請求項4】
ステップ(1)の前記有機助剤は、化学式がC


2n+1
NO(1≦n≦5)を満たすアルキルアミドから選択される少なくとも1種である有機アミドである、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ直接描画による耐高温性ナノ銅の製造方法。
【請求項5】
ステップ(1)の前記ギ酸塩は、ギ酸リチウム、ギ酸ベリリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸マグネシウム、ギ酸カリウム、ギ酸カルシウム、ギ酸鉄、ギ酸マンガン、ギ酸コバルト、ギ酸ニッケル、ギ酸銅、ギ酸亜鉛、ギ酸バリウム、およびギ酸アンモニウムから選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ直接描画による耐高温性ナノ銅の製造方法。
【請求項6】
ステップ(3)の前記前処理は、酸素プラズマ表面処理であり、処理時間が60s~150sである、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ直接描画による耐高温性ナノ銅の製造方法。
【請求項7】
ステップ(1)の前記加熱・撹拌は、温度50~70℃、回転数600~1500rpm、時間2~20hであり、ステップ(2)の前記超音波分散は、リアルタイム温度50~60℃、超音波パルス幅0.1s、超音波時間0.1~2hであり、ステップ(3)の前記加熱・乾燥は、温度50~80℃、時間2~12hである、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ直接描画による耐高温性ナノ銅の製造方法。
【請求項8】
完全レーザ原位置直接描画による統合センサシステムであって、
特殊エンジニアリングプラスチック基板、耐高温性ナノ銅製相互接続回路、レーザ誘導グラフェン温度センサ、分圧器、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)、マイクロコントローラ(MCU)、および低ドロップアウトリニアレギュレータ(LDO)を含み、前記耐高温性ナノ銅製相互接続回路を介して残りの各部分を接続して統合センサ機能を実現し、耐高温性ナノ銅製相互接続回路およびレーザ誘導グラフェン温度センサは、いずれも完全レーザ直接描画技術により前記特殊エンジニアリングプラスチック基板上にそれぞれ原位置で形成され、前記耐高温性ナノ銅は、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法によって製造される、ことを特徴とする完全レーザ原位置直接描画による統合センサシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ銅の製造分野に属し、特に、レーザ直接描画による耐高温性ナノ銅、その製造方法、および使用に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
銅は、人類社会で広く使用されている金属であり、その独特の特性と利点により、建設、電気、通信、エネルギー、医療などの分野で重要な役割を果たしている。中でも、ナノ銅は、その良好な電気的特性/熱的特性と経済的利点により、導電性電極、トランジスタ、センサ、および電気化学電池などの機能エレクトロニクス分野で有望な材料となっている。しかし、銅は、高温条件下では非常に酸化されやすく、その結果、金属特性が劣化して、導電性が低下するため、その用途は大きく制限されてしまう。ナノ銅は、バルク銅に比べて比表面積が大きく、酸素ガスとより反応しやすい。したがって、ナノ銅の酸化不良の問題は、バルク銅よりもはるかに深刻である。
【0003】
ナノ銅の耐高温酸化性および熱安定性を向上させるために、現在、さまざまな抗酸化処理方法が開発されてきた。
【0004】
(1)表面コーティング:ナノ銅の表面に不活性材料(例えば、グラフェン、酸化グラフェン、金/銀/プラチナなどの貴金属)の層をコーティングすることで、酸素ガスとナノ銅の直接接触を効果的に遮断できる。
【0005】
(2)表面修飾:ナノ銅の表面に一部の有機分子/ポリマーなどを吸着または化学結合することにより、これらがナノ銅と反応して安定した化合物を形成して、高温での酸化速度を遅くする。
【0006】
(3)合金化:ナノ銅を他の金属(例えば、ニッケル、スズ、アルミニウム、マンガン)と複合化して合金を形成することで、ナノ銅の融点を上昇させ、それによって、高温での抗酸化性を向上させる。
【0007】
(4)雰囲気制御:ナノ銅の焼結または高温処理中、処理雰囲気(例えば、不活性/還元ガス保護、真空条件)を制御することで、酸化を効果的に防止できる。
【0008】
上記の処理方法のうち、方法(1)と(2)は、耐高温酸化効果が比較的顕著であるが、コストが比較的高く、プロセスのフローが比較的複雑であり、ナノ銅の電気的特性および熱的特性にある程度影響を与える。方法(3)は、抗酸化性を向上させることができるが、ナノ銅の他の物理的および化学的特性も変化させ、結果として元の用途要件を満たさなくなる。方法(4)は、主に特定の処理環境に適用可能であり、実用化においては長期間の維持が困難であり、また高価な設備が必要となり、操作の複雑さとコストが増大する。
【0009】
従来技術では、方法(1)について、例えば、特許番号CN202111501706.2の「抗酸化性銅系表面増強ラマン散乱基板の製造方法」においては、メルトスピニングと脱合金化の方法により二重連続構造のナノ多孔質銅ストリップを製造し、次に、ナノ多孔質銅を酸洗して表面の酸化層を除去し、最後に、酸化グラフェン溶液をナノ多孔質銅の表面にスピンコートし、すぐに管状炉に移して水素ガスとアルゴンガスの雰囲気で熱還元し、極薄の還元酸化グラフェン層で被覆されたナノ多孔質銅を得ることによって、その酸化をさらに遅くし、ラマン検出における還元酸化グラフェン/ナノ多孔質銅複合基板の安定性を確保する。この発明は、安定性が良好で再現性も高いが、プロセスのステップが複雑であり、また、不活性ガス中で実施する必要があり、反応条件が比較的厳しい。
【0010】
従来技術では、方法(1)について、例えば、特許番号CN201710343566.8の「新規抗酸化性ナノ銅用はんだペースト、その製造方法、および使用」においては、マグネトロンスパッタリングプロセスを使用して、ナノ銅粉末の表面を金属膜(金または銀)で均一に被覆し、その後、従来のナノ銅用はんだペーストの組成を使用し、それに適切な量の成形助剤を加えて、最終的に、抗酸化性および耐クラック性のある新規抗酸化性ナノ銅用はんだペーストを製造する。この発明は、ナノ銅を不活性金属の金/銀層で被覆することで酸化を防ぎ、高温でも問題なく長期間使用することを可能にするが、材料コストが大幅に増加し、大規模な用途が制限されてしまう。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

浙江大学
水中ハウジング装置
1か月前
浙江大学
可変粘性流れ抵抗構造
10か月前
浙江大学
超狭線幅レーザ発生装置
10か月前
浙江大学
深層学習に基づく損傷判定方法
1か月前
浙江大学
極端現象の頻度誤差の推定と制御方法
2日前
浙江大学
斜面土壌体浸透係数モニタリング方法とシステム
4か月前
浙江大学
SNP分子で標識されたHu羊純血種の評価方法
6か月前
浙江大学
氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法
5か月前
浙江大学
降雨型地滑りモニタリング・早期警報方法とシステム
4か月前
浙江大学
超臨界ウェーハ洗浄/乾燥媒体回収方法及びシステム
5か月前
浙江大学
ベース歪み発生装置およびベース歪み感度計測システム
11か月前
浙江大学
地下水水位標高の測定方法、貯水量測定システム及び応用
6か月前
浙江大学
レーザ直接描画による耐高温性ナノ銅、その製造方法、および使用
9日前
浙江大学
マルチインバータ駆動交流モータの給電における高調波の制御装置
6か月前
浙江大学濱江研究院
高強度のシルクフィブロインヒドロゲル人工腱/人工靭帯の製造方法
8か月前
浙江大学
複数の変数を同期的にモニタリングする地滑りモデル試験方法及び装置
10か月前
浙江大学
せん断性能を向上させるための複合サンドイッチ構造のセル嵌合の設計方法
1か月前
浙江大学
4Dプリントに基づく迷路状インターロックスマート構造及びそのロック方法
10か月前
浙江大学
全周回転型非接触電力伝送コネクタ装置及びこれに基づく電気エネルギー伝送方法
5か月前
杭州師範大学
水質を改善するための人文生態浄化システムおよび方法
6か月前
浙江大学
マルチノズルアレイによって勾配孔隙マクロポーラスゼラチンを3D印刷する装置及び方法
7か月前
浙江大学嘉興研究院
メタノール改質と高効率な膜分離との連結に基づくコンパクト型船舶用炭素回収のシステム、方法及び応用
10か月前
浙江大学
k空間と画像空間とを組み合わせて再構築するイメージング方法及び装置
3か月前
個人
フッ素樹脂塗装鋼板の保管方法
4か月前
株式会社カネカ
製膜装置
2か月前
株式会社京都マテリアルズ
めっき部材
2か月前
株式会社カネカ
製膜装置
2か月前
トヨタ自動車株式会社
治具
1か月前
株式会社三愛工業所
アルミニウム材
6か月前
株式会社KSマテリアル
防錆組成物
5か月前
株式会社オプトラン
蒸着装置
7か月前
日本化学産業株式会社
複合めっき皮膜
4か月前
エドワーズ株式会社
真空排気システム
1か月前
台灣晶技股ふん有限公司
無電解めっき法
3か月前
日東電工株式会社
積層体の製造方法
6か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜方法
2か月前
続きを見る