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公開番号2025092370
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2024089047
出願日2024-05-31
発明の名称氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法
出願人浙江大学,ZHEJIANG UNIVERSITY
代理人弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類H01B 13/00 20060101AFI20250612BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法及びセンサの提供。
【解決手段】ベース上に転写対象の多孔質炭素電極を形成し、前記多孔質炭素電極と該電極を受け入れるべき可撓性/弾性材料との間にヒドロゲルフィルムを導入し、低温凍結によってヒドロゲルフィルムを膨張させて、多孔質炭素と構造的に結合し、その後、凍結状態から完全に回復する前に、前記ベースを剥がすことで剥離することにより、多孔質炭素電極の転写を完了する。ヒドロゲルとして界面制御系を用いることにより、低温環境での多孔質炭素材料の可撓性・弾性ベースへの転写を実現する。
【効果】多孔質炭素電極を迅速かつ完全に隔離することができるだけではなく、従来の転写剥離技術に比べて必要とする可撓性・弾性ベースの厚さをより薄くし、形成される複合電極の導電性伸縮性をより優れたものとし、極薄可撓性センサなどのコンフォーマルな可撓性電子の製造の実現に役立つ。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法であって、
ベース上に転写対象の多孔質炭素電極を形成し、前記転写対象の多孔質炭素電極と該電極を受け入れるべき可撓性/弾性材料との間にヒドロゲルフィルムを導入し、低温凍結によってヒドロゲルフィルムを膨張させて、多孔質炭素と構造的に結合し、その後、凍結状態から完全に回復する前に、前記ベースを剥がすことで剥離することにより、多孔質炭素電極の転写を完了するステップを含み、前記低温凍結の前に、前記ヒドロゲルフィルム中の含水率を10wt%以上に制御する、ことを特徴とする多孔質炭素電極の凍結転写方法。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記転写対象の多孔質炭素電極は、レーザ誘起炭化グラフェン材料又は他の任意の方法によって製造される多孔質炭素材料である、ことを特徴とする請求項1に記載の氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法。
【請求項3】
前記可撓性/弾性材料は、可撓性材料、弾性材料、又は両方の複合材である、ことを特徴とする請求項1に記載の氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法。
【請求項4】
前記可撓性/弾性材料のヤング率は、前記ヒドロゲルフィルムのヤング率よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法。
【請求項5】
前記低温凍結の温度範囲は、-196℃~-1℃である、ことを特徴とする請求項1に記載の氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法。
【請求項6】
ヒドロゲルフィルムを導入する前に、多孔質炭素電極及び可撓性/弾性材料の表面の両方をプラズマ処理により変性する、ことを特徴とする請求項1に記載の氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法。
【請求項7】
前記プラズマ処理は、酸素雰囲気中で行われる、ことを特徴とする請求項6に記載の氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法によって製造され、使用されるヒドロゲルは粘性ヒドロゲルである、ことを特徴とする伸縮性導電性電極。
【請求項9】
請求項8に記載の伸縮性導電性電極を含み、物理的信号、化学的信号、電気生理学的信号のうちの1種又は複数種の監視に用いられる、ことを特徴とする多機能センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ及び電極の製造の技術分野に属し、伸縮性極薄導電性電極の製造方法に関し、具体的には、氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法及びセンサに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
皮膚のような電子デバイスは、人体の皮膚や身体内にシームレスに貼り付けることができ、健康監視、埋め込み型に関する医療研究、ヒューマンコンピューターインタラクション、可撓性ロボットや拡張現実技術において応用の可能性が非常に大きい。上記のデバイスの厚さを薄くし、伸縮性を向上させると、装着感が向上するだけでなく、デバイスと被測定表面との間の効果的な接触が増加し、皮膚や組織の信号取得の忠実度が大幅に向上する。人体の皮膚や生体組織に適合し、機械的に適合する伸縮性電子デバイスの開発には、高いキャリア移動度、低弾性率、広範囲の導電性伸縮性などの特性が必要とされる。しかしながら、特に単純で再現可能な方法を使用する場合、このような伸縮性電子のスケーラブルな製造と性能には依然としてチャレンジが存在する。現在報告されている伸縮性半導体の製造方法には、フォトリソグラフィーや熱蒸着などがあるが、複雑でコストがかかる。
【0003】
レーザ誘起グラフェン(LIG)は、レーザ直接描画技術によるポリイミド薄膜上で高温炭化によって得られる多孔質導電性炭素材料であり、便利なデジタルパターニングと制御可能な物理的及び化学的特性の利点を備えており、さまざまな物理的、化学的、電気生理学的センサの製造に広く使用されている。ポリイミド薄膜は、延性が低くてヤング率が高いため、LIGは、通常、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー(SEBS)、ポリウレタン(PU)、エコフレックス(ecoflex)など高分子ポリマーなどを含むがこれらに限定されない、ヤング率が低くて伸縮性に優れた他の可撓性・弾性ベースに転写される。ただし、これらの高分子可撓性・弾性ベースを使用してLIG電極を転写する場合、大きな界面剥離力を提供するには、より大きなエラストマーの厚さ(通常は45μmを超える厚さ)が必要とされる。一方、LIGと弾性ポリマーとの間のヤング率の差は大きく、転写後にこれらの両方によって形成される複合電極の固有の伸縮性導電率(通常、伸縮率は約40%)が制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術に記載の問題を解決するために、本発明は、氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法及びセンサを提案している。この方法では、界面制御系としてヒドロゲルを用いることにより、低温環境での多孔質炭素材料の可撓性・弾性ベースへの転写を実現する。また、ヒドロゲル界面は、脆い炭素電極と可撓性・弾性ベースの間の機械的特性の不一致の問題をさらに改善することができる。転写が成功した後の炭素電極は、抵抗変化が小さく、多孔質炭素材料の物理的及び化学的特性を維持している。本発明で必要とされる可撓性・弾性ベースの厚さは薄く(厚さ1~10ミクロン)、これは極薄コンフォーマル可撓性電子の製造の実現に役立つ。さらに、この方法では、粘性ヒドロゲルを使用して製造されたデバイスは、導電性伸縮性が220%に達し、従来技術に比べて、伸縮率は5倍を超えて増加する。提案された凍結極薄転写技術に基づいて、物理的信号、化学的信号、及び電気生理学的信号をリアルタイムで監視することを実現するために、さまざまな極薄可撓性コンフォーマルセンサを設計できる。
【0005】
本発明は、ヒドロゲルの高い含水率の特性を利用し、導電性炭素電極の多孔質構造と組み合わせて、低温凍結条件下で炭素電極の迅速かつ完全な剥離を達成する。マクロ構造の観点から見ると、多孔質炭素電極は、ヒドロゲル表面の結晶水とインターロック構造を形成することができ、これにより剥離プロセス中に強力な界面結合力を確保する。相互作用の観点から見ると、親水基が豊富な多孔質炭素表面と結晶水を含有したヒドロゲル表面との間のファンデルワールス相互作用及び静電相互作用は、低温環境において著しく増強され得る。したがって、低温では界面のせん断強度が向上し、多孔質炭素電極を完全に転写するための優れた条件が提供される。また、転写プロセス中、可撓性/エラストマー材料は、極薄ゲル層を支持する役割を果たすが、これは、転写を成功させるために不可欠な条件でもある。
【0006】
この低温凍結転写方法は、あらゆるヒドロゲル系に適用可能であり、柔らかく、導電性があり、生体適合性のある伸縮性電子デバイスを製造するにはシンプルで効果的かつ広い面積で製造できる汎用の方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
具体的には、本発明の技術的解決手段は以下の通りである。
【0008】
本発明による氷点下の温度に基づく多孔質炭素電極の凍結転写方法は、ベース上に転写対象の多孔質炭素電極を形成し、前記転写対象の多孔質炭素電極と該電極を受け入れるべき可撓性/弾性材料との間にヒドロゲルフィルムを導入し、低温凍結によってヒドロゲルフィルムを膨張させて、多孔質炭素材料と構造的に結合し、その後、凍結状態から完全に回復する前に、前記ベースを剥がすことで剥離することにより、多孔質炭素電極の転写を完了するステップを含む。
【0009】
上記の技術的解決手段では、さらに、前記転写対象の多孔質炭素電極は、レーザ誘起炭化グラフェン材料、又は他の任意の方法によって製造された多孔質炭素材料である。前記レーザ誘起炭化グラフェン材料は、ポリイミドなどのポリマー薄膜上でレーザスキャンを実行して、多孔質グラフェン導電性電極パターンを生成したものであってもよく、レーザ入射の強度によって異なる厚さのグラフェン層を生成できる。レーザの波長は可視帯域又は赤外帯域であることが好ましい。なぜなら、この波長範囲でのレーザ処理の熱効果はより顕著であり、炭化に寄与するからである。さらに、多孔質炭素電極材料は、他の方法で製造された単層又は多層の多孔質構造を有するグラフェンや他の炭素材料であってもよい。
【0010】
さらに、前記可撓性/弾性材料は、可撓性材料又は弾性材料、又は両方の複合材であり、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジメチルシロキサン、スチレン-ブテンコポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレン-プロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ポリイソブチレン、ポリエチレン-ポリブテン、非晶質ポリエチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタンなどのうちの1種又は複数種の複合材であってもよい。該可撓性/弾性材料は、導入されるヒドロゲルフィルムの支持層として機能し、その厚さを10μm未満と薄くし得る。
(【0011】以降は省略されています)

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