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公開番号2025173223
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-27
出願番号2024078704
出願日2024-05-14
発明の名称磁性膜の加工方法、磁性デバイス製造方法及び加工装置
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人筒井国際特許事務所
主分類H01L 21/3065 20060101AFI20251119BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】磁性デバイスの量産に適した磁性膜の加工方法、磁性デバイス製造方法及び加工装置を提供する。
【解決手段】磁性膜602が積層された磁性デバイス600に対して、酸素プラズマによるプラズマエッチングを行う第1工程と、第1工程後に、酸素とジケトンを含む混合ガスを用いたガスエッチングを行う第2工程と、を含み、第1工程と前記第2工程からなるサイクルを複数回繰り返し、第2工程において、混合ガスは、磁性デバイス600の表面と対向する向きより照射される。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
磁性膜が形成された被加工物に対して、酸素プラズマによるプラズマエッチングを行う第1工程と、
前記第1工程後に、酸素とジケトンを含む混合ガスを用いたガスエッチングを行う第2工程と、を含み、
前記第1工程と前記第2工程からなるサイクルを複数回繰り返し、
前記第2工程では、前記混合ガスが、前記被加工物の表面と対向する方向である第1方向より照射される、
磁性膜の加工方法。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
請求項1に記載の磁性膜の加工方法において、
前記第2工程では、前記混合ガスが、前記第1方向に加えて、前記第1方向と異なる方向である第2方向より照射される、
磁性膜の加工方法。
【請求項3】
請求項1に記載の磁性膜の加工方法において、
前記混合ガスは、前記混合ガスが照射される方向と同じ方向から排気される、
磁性膜の加工方法。
【請求項4】
請求項1に記載の磁性膜の加工方法において、
前記磁性膜上に予めパターニングされた非磁性酸化膜を有し、前記非磁性酸化膜をマスクとして前記磁性膜に対して前記第1工程及び前記第2工程を行う、
磁性膜の加工方法。
【請求項5】
請求項1に記載の磁性膜の加工方法において、
前記ジケトンとしてアセチルアセトンを用い、
前記磁性膜としてコバルト、鉄もしくはニッケルの単金属、または、コバルト、鉄およびニッケルのうち少なくとも1つ含む合金を用いる、
磁性膜の加工方法。
【請求項6】
基板上に少なくとも固定層と、トンネル障壁層と、自由層と、マスク層と、が順次積層された多層膜を製造する工程と、
前記マスク層を所定のパターンにパターニングする工程と、
前記パターニングする工程の後、前記パターニングされた前記マスク層をマスクとして利用し、前記自由層を酸素プラズマによるプラズマエッチングにより加工する工程と、
前記自由層を前記プラズマエッチングにより加工する工程後、前記自由層を酸素とジケトンを含む混合ガスを用いたガスエッチングにより加工する工程と、
前記自由層を前記ガスエッチングにより加工する工程後、前記トンネル障壁層及び前記固定層を酸素プラズマによるプラズマエッチングにより加工する工程と、
前記トンネル障壁層及び前記固定層を前記プラズマエッチングにより加工する工程後、前記固定層を酸素とジケトンを含む混合ガスを用いたガスエッチングにより加工する工程と、
前記固定層をガスエッチングにより加工する工程後、層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜を形成する工程で形成された前記層間絶縁膜に平坦化処理を施す工程と、
を有する磁性デバイス製造方法。
【請求項7】
第1ガス導入部と、第1ガス排出部と、を備えた容器と、
前記容器内で被加工物を載置する試料台と、
前記第1ガス導入部から導入されたガスから前記容器内にプラズマを誘起させるプラズマ誘起部と、
前記第1ガス導入部に酸素を供給する酸素供給部と、
前記第1ガス導入部にジケトンを供給するジケトン供給部と、
前記ジケトン供給部から前記第1ガス導入部へ前記ジケトンの供給を規制する第1規制部と、
を備え、
前記第1ガス導入部は、前記試料台に載置された前記被加工物の表面と対向する壁面に設けられ、
前記第1ガス排出部は、前記第1ガス導入部が設けられた前記壁面と対向する壁面に設けられ、
前記第1規制部は、前記プラズマ誘起部が動作する際に前記ジケトン供給部からの前記ジケトンの供給を規制して前記酸素のみを前記第1ガス導入部に供給させ、前記プラズマ誘起部が非動作の際に前記ジケトン供給部からの前記ジケトンの供給をさせて前記酸素と前記ジケトンとの混合ガスを前記第1ガス導入部に供給させる、
加工装置。
【請求項8】
請求項7に記載の加工装置において、
前記容器は、
前記第1ガス導入部と直交する壁面に設けられた第2ガス導入部と、前記第2ガス導入部と対向する壁面に設けられた第2ガス排出部と、をさらに備え、
前記第2ガス導入部から前記混合ガスの導入を規制する第2規制部を備え、
前記第2規制部は、前記プラズマ誘起部が動作する際に前記第2ガス導入部から前記混合ガスの導入を規制し、前記プラズマ誘起部が非動作の際に前記混合ガスを前記第2ガス導入部から導入させる、
加工装置。
【請求項9】
請求項7に記載の加工装置において、
前記プラズマ誘起部は、誘起された前記プラズマ内で発生するイオンを加速する加速部をさらに備え、
前記試料台は、前記被加工物の載置面に対して垂直な方向に延在する回転軸に沿って回転可能であるとともに、前記回転軸と前記イオンの進行方向との相対角度が変更可能である、
加工装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性膜の加工方法、磁性デバイス製造方法及び加工装置に関し、例えば、磁性メモリに適用可能な磁性膜の加工方法、磁性デバイス製造方法及び加工装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年の爆発的なデータ処理容量の増大に伴い、半導体デバイスにおいては高速化・高集積化に加え、消費電力の低減が急務となっている。従来、ワーキングメモリとしてSRAM(Static Randam Access Memory)やDRAM(Dynamic Randam Access Memory)が広く普及している。これらデバイスの微細化に伴い電子をトラップする事が困難となり、データ保持の為の待機電力が増大する傾向にある。そこで、これら待機電力を削減する為、不揮発性メモリが提案されスタンバイ状態での待機電力の大幅な低減が可能となった。
【0003】
不揮発性メモリの中でも、処理速度、書き換え耐性に優れているSpin Transfer Torque Magnetic Randam Access Memory(STT-MRAM)の開発が進んでいるが、SRAMやDRAMの置き換えに対する課題も山積している。課題の1つとして高集積化の問題がある。従来、半導体デバイスにおいてはReactive Ion Etch(RIE)加工により、素子の微細化が進んできたが、STT-MRAMの材料に用いられている磁性材料に関しては従来RIE加工の適用が困難である。その要因の一つが、磁性体の塩化物やフッ化物の蒸気圧が高いことによる化学反応後に昇華しにくいといった課題がある。また、磁性膜加工においては化学反応に伴う磁気特性の劣化が報告されており、例えば垂直磁化膜を用いたSTT-MRAMに関しては、加工ダメージ起因の電気特性劣化が多数報告されている。
【0004】
このような背景を基に、通常、STT-MRAMの加工においては、物理スパッタ現象を用いたIon Beam Etch(IBE)による加工が一般的となっている。IBEによる加工は、物理スパッタによる加工法であり、例えばArイオンを被エッチング材料(磁性膜)に照射する事で物理的なエッチングを促進させる方法である。IBEによる加工の利点として、エッチングによる化学ダメージが無いことや、RIEでは加工困難な材料に対しても加工ができるといった特徴がある。一方で、イオンミリングにおいて、物理スパッタで発生した粒子がデバイスの側面に付着し、ショート不良を引き起こすといった欠点もある。
【0005】
その為、通常、イオンミリングによる加工では、Arイオンビームの入射角度を変化させ、デバイス側面の再付着物を削るといった工夫がなされている。一方で、Arイオンの入射角度を、被エッチング材料膜面に対し垂直からずれた方向に設定すると、マスクパターンなどの構造物によりイオンが遮蔽されるシャドウイング効果が発生し、狭ピッチパターン間の加工が困難である。このような背景により、磁性膜加工に対する課題の為、STT-MRAMの高集積化が進んでいないのが現状である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
S.Fujisaki et. al.,“Thermal-cyclic atomic layer etching of cobalt with smooth etched surface by plasma oxidation and organometallization“, Applied Physics Letters, September (2022)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の通り、磁性膜の加工に対しては、通常のRIEによるエッチングの適用は課題が多い。近年、磁性膜の加工に関しては、金属錯体反応を用いたエッチング技術の提案がなされている。例えばコバルトのエッチングに関しては、非特許文献1にあるように、酸化コバルトにアセチルアセトンガスを照射する事で、難エッチング材料の選択エッチングに成功している。
【0008】
非特許文献1に記載の方法は、コバルトを酸素プラズマにて酸化させたのち、ジケトンであるアセチルアセトンを一定の温度条件下にて照射することで、金属錯体反応および反応生成物の脱離を促進させる加工方法である。非特許文献1では、酸化反応と脱離反応との温度領域が異なるため、サイクリックに処理する事で、エッチング後の平坦性を確保する方式が記載されている。この方法は、原子層レベルでのエッチングのため、非常に精密なエッチング量の制御は可能となるが、その一方で、加工時間が非常に長いといった欠点もある。そのため、STT-MRAMなどの磁性デバイスの量産工程には不向きである。
【0009】
後述する実施の形態は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施の形態による磁性膜の加工方法は、磁性膜が形成された被加工物に対して、酸素プラズマによるプラズマエッチングを行う第1工程と、第1工程後に、酸素とジケトンを含む混合ガスを用いたガスエッチングを行う第2工程と、を含み、第1工程と第2工程からなるサイクルを複数回繰り返し、第2工程では、混合ガスが、被加工物の表面と対向する方向である第1方向より照射される。
(【0011】以降は省略されています)

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