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公開番号2025170487
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-19
出願番号2024075087
出願日2024-05-07
発明の名称糖の尿中排出促進剤
出願人クラシエ株式会社
代理人個人,個人
主分類A61K 36/23 20060101AFI20251112BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】糖の尿中排出を促進する作用を有する新規の薬剤を提供する。
【解決手段】本発明は、大柴胡湯または防風通聖散を含有する、糖の尿中排出促進剤を提供する。本発明はまた、大柴胡湯を含有し、食前に摂取されるように使用される、糖の尿中排出促進剤を提供する。本発明はまた、防風通聖散を含有し、食前に摂取されるように使用される、糖の尿中排出促進剤を提供する。本発明はまた、大柴胡湯または防風通聖散を含有する、SGLT2阻害剤を提供する。
【選択図】図3

特許請求の範囲【請求項１】
大柴胡湯または防風通聖散を含有する、糖の尿中排出促進剤。
続きを表示（約 440 文字）【請求項２】
大柴胡湯を含有し、食前に摂取されるように使用される、請求項1に記載の糖の尿中排出促進剤。
【請求項３】
食事の30分～1時間前に摂取されるように使用される、請求項2に記載の糖の尿中排出促進剤。
【請求項４】
防風通聖散を含有し、食前に摂取されるように使用される、請求項1に記載の糖の尿中排出促進剤。
【請求項５】
食事の0分～5分前に摂取されるように使用される、請求項4に記載の糖の尿中排出促進剤。
【請求項６】
前記大柴胡湯は、生薬1日量として22g～24.5g、またはエキスとして1回あたり2.7g～5.4gの量で摂取され、
前記防風通聖散は、生薬1日量として26.3g～27.2g、またはエキスとして1回あたり2.85g～5.7gの量で摂取される、請求項1～5のいずれか1項に記載の糖の尿中排出促進剤。
【請求項７】
大柴胡湯または防風通聖散を含有する、SGLT2阻害剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、糖の尿中排出を促進するための剤、組成物および食品組成物に関する。
続きを表示（約 1,400 文字）【背景技術】
【０００２】
血中の糖は、腎臓の糸球体にて尿細管へと濾過された後、再吸収される糖の約90％がSGLT2（ナトリウム／グルコース共輸送体2；sodium/glucose cotransporter 2）により再吸収される。残りの糖（約10％）は、SGLT1により再吸収され、再吸収されなかった糖は尿中に排出される。SGLTは、細胞内外のナトリウムイオンの濃度差により糖を細胞内に取り込む能動輸送を行う輸送体である。
【０００３】
このように、SGLT2は、腎臓の尿細管における糖の再吸収に関与する主要な輸送体の一つである。SGLT2活性が阻害されると、糖の再吸収が抑制され、尿糖排泄量が増加するとともに血糖値が低下する。
【０００４】
SGLT2阻害剤は、主に2型糖尿病の治療に使用される。SGLT2阻害剤は、SGLT2の働きを阻害し、余分な糖を尿に排出することを促進する。その結果、血糖コントロールの向上、体重の減少、血圧の低下、ならびに心臓および腎臓に対する保護などの効果が報告されている。これらの効果により、SGLT2阻害剤は、糖尿病だけでなく、高血圧、心臓病および腎臓病などの治療、改善および予防にも有用である。
【０００５】
SGLT2阻害剤として、たとえば特許文献1には、ダパグリフロジンが開示されている。ダパグリフロジンは、SGLT2阻害により腎臓におけるナトリウム－グルコース再吸収を阻害し、グルコースの尿中排泄を亢進する。この作用により、インスリン非依存的に血漿中のグルコースが低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
米国特許第6515117号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
上述したように、SGLT2阻害剤は、糖の尿中排出を促進することにより血糖コントロールの向上、体重の減少、血圧の低下、ならびに心臓および腎臓に対する保護などの効果が期待される。しかし、既存のSGLT2阻害剤は、血糖値を下げるため低血糖およびめまいなどの副作用を引き起こすおそれがある。また、SGLT2阻害剤は、腎臓からの尿糖排泄を増加させるため、水分も尿中に失われ、脱水や口渇を引き起こすことがある。さらに、SGLT2の副作用として、頻尿、多尿、尿路感染症、発疹および湿疹等が知られている。そのため、副作用の少ない新たな薬剤の開発が求められている。
【０００８】
そこで、本発明は、糖の尿中排出を促進する作用を有する新規の薬剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明者らは、上記課題を解決するために、種々の漢方薬のなかでも防風通聖散および大柴胡湯に着目した。まず、尿への糖排出の評価系を用いて高濃度の大柴胡湯エキスをマウスに投与したところ、有意な尿糖値の上昇が認められた。
【００１０】
また、大柴胡湯エキスは、グルコース投与60分前または30分前に投与した場合に、尿糖値を有意に上昇させることを見出した。一方、防風通聖散エキスは、グルコース投与0分（直前）に投与した場合に、尿糖値を効果的に上昇させることを見出した。これらの結果から、防風通聖散エキスおよび大柴胡湯エキスによる尿への糖排出促進作用には、投与（服用）のタイミングが重要であることを見出した。
（【００１１】以降は省略されています）

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