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公開番号2025169046
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-12
出願番号2024074016
出願日2024-04-30
発明の名称分子動力学計算方法、分子動力学計算装置及びプログラム
出願人株式会社ダイセル,国立大学法人 宮崎大学
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G16C 10/00 20190101AFI20251105BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】分子動力学シミュレーションの計算精度を向上させるための技術を提供する分子動力学計算方法、分子動力学計算装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】分子動力学計算方法は、分子動力学計算を行う系に含まれる、環構造を含む計算対象の分子構造を表すモデル作成を行うことと、分子動力学計算において歪みを抑制するように、環構造に対して制限条件を作成することと、モデルを含む系を用いてMDシミュレーションを実行することと、を1以上のコンピュータが実行する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
分子動力学計算を行う系に含まれる、環構造を含む計算対象の分子構造を表すモデルを作成することと、
前記分子動力学計算において歪みを抑制するように、前記環構造に対して制限条件を設定することと、
前記モデルを含む系を用いて前記分子動力学計算を行うことと、
を1以上のコンピュータが実行する分子動力学計算方法。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記計算対象は、多糖及びその誘導体の少なくとも何れかを含み、
前記環構造は、糖由来の環構造である
請求項1に記載の分子動力学計算方法。
【請求項3】
前記制限条件は、前記環構造の二面角の大きさを維持するようにバイアスポテンシャルを付与すること、又は前記環構造を構成する原子の移動後の座標計算において時間発展をキャンセルするための拘束条件を課すことより設定される
請求項1に記載の分子動力学計算方法。
【請求項4】
前記制限条件は、前記計算対象のポテンシャル関数に、前記バイアスポテンシャルとして凸関数を追加することにより設定される
請求項3に記載の分子動力学計算方法。
【請求項5】
前記拘束条件は、前記二面角の時間発展をキャンセルするように、結合距離及び速度の少なくとも何れかを拘束する
請求項3に記載の分子動力学計算方法。
【請求項6】
分子動力学計算を行う系に含まれる、環構造を含む計算対象の分子構造を表すモデルを作成することと、
前記分子動力学計算において歪みを抑制するように、前記環構造に対して制限条件を設定することと、
前記モデルを含む系を用いて前記分子動力学計算を行うことと、
を実行する分子動力学計算装置。
【請求項7】
請求項1から5の何れか一項に記載の分子動力学計算方法を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、環構造を含む計算対象に対する分子動力学計算方法、分子動力学計算装置及びプログラムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
分子動力学法は、分子を構成する各原子を質点と見なし、ニュートンの運動方程式に基づく数値計算により原子の動きを解くシミュレーション手法である。その結果、分子系の配置とポテンシャルエネルギーの時間変化、及びそれらのアンサンブル平均から構造的性質や熱力学的性質が評価できる。
【0003】
従来、高分子の分子動力学計算装置における計算方法が提案されている(例えば、特許文献1)。当該方法は、分子動力学計算を行う高分子の分子構造のモデルを作成するモデル作成工程と、モデルを含む系を用いて分子動力学計算を行う計算工程とを有する。モデル作成工程では、高分子の繰り返し構造の単位構造ごとに識別する識別記号を付与し、計算を行う系に含まれる高分子を構成する分子情報へのアクセスを容易にするとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-152758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分子動力学法において原子に影響する分子力場は、経験的ポテンシャル関数により表現される。また、計算に用いられる分子力場パラメータセットは、汎用的なものほど計算の精度は低下する傾向にある。
【0006】
環構造を有する計算対象について分子動力学計算を行うと、実際には保たれる環構造が歪むことがあった。環構造が歪むことにより、計算結果の物性量やこれに基づいて算出されるエネルギーの信頼性は低下する。そこで、本開示は、分子動力学シミュレーションの計算精度を向上させるための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下の態様により実現することができる。
(態様1)
分子動力学計算を行う系に含まれる、環構造を含む計算対象の分子構造を表すモデルを作成することと、
前記分子動力学計算において歪みを抑制するように、前記環構造に対して制限条件を設定することと、
前記モデルを含む系を用いて前記分子動力学計算を行うことと、
を1以上のコンピュータが実行する分子動力学計算方法。
(態様2)
態様1に記載の分子動力学計算方法において、
前記計算対象は、多糖及びその誘導体の少なくとも何れかを含み、
前記環構造は、糖由来の環構造であってもよい。
(態様3)
態様1又は2に記載の分子動力学計算方法において、
前記制限条件は、前記環構造の二面角の大きさを維持するようにバイアスポテンシャルを付与すること、又は前記環構造を構成する原子の移動後の座標計算において時間発展をキャンセルするために拘束条件を課すことより設定されるようにしてもよい。
(態様4)
態様3に記載の分子動力学計算方法において、
前記制限条件は、前記計算対象のポテンシャル関数に、前記バイアスポテンシャルとして凸関数を追加することにより設定されるようにしてもよい。
(態様5)
態様3に記載の分子動力学計算方法において、
前記拘束条件は、前記二面角の時間発展をキャンセルするように、結合距離及び速度の少なくとも何れかを拘束するようにしてもよい。
【0008】
なお、課題を解決するための手段の内容は、コンピュータ等の装置若しくは複数の装置を含むシステム、1以上のコンピュータが実行する方法、又は1以上のコンピュータに実行させるプログラムとして提供することができる。なお、プログラムを保持する記録媒体を提供するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、分子動力学シミュレーションの計算精度を向上させるための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、分子動力学法を説明するための図である。
図2は、実施形態に係るシステムの一例を表す図である。
図3は、分子動力学計算の概要を示す処理フロー図の一例である。
図4は、モデル作成工程の詳細を示す処理フロー図の一例である。
図5は、PDB(Protein Data Bank)形式のデータを説明するための図である。
図6は、制限条件作成処理の詳細を示す処理フロー図の一例である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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