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公開番号2025155494
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2024105195
出願日2024-06-28
発明の名称セメント質組成物及び該セメント質組成物の製造方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C04B 28/02 20060101AFI20251002BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】繊維を含み、フレッシュ時には、流動性に優れ、かつ、硬化後には、引張強度および靭性に優れたセメント質組成物を提供する。
【解決手段】セメントを含む粉体、骨材、水、及び繊維を含むセメント質組成物であって、繊維が、金属繊維、有機繊維、無機繊維、及び炭素繊維の中から選ばれる少なくとも1種以上であり、繊維のアスペクト比とセメント質組成物中の繊維の含有率を乗じて算出される数値が40~300であるセメント質組成物。使用予定の繊維のアスペクト比とセメント質組成物中の使用予定の繊維の含有率を乗じて算出される数値が40~300となるように、使用予定の繊維のアスペクト比、及び、セメント質組成物中の使用予定の繊維の含有率を定める工程と、該工程で定めた繊維のアスペクト比、及び、繊維の含有率で、各原料を混合して、セメント質組成物を得る工程を含む上記セメント質組成物の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セメントを含む粉体、骨材、水、及び繊維を含むセメント質組成物であって、
上記繊維が、金属繊維、有機繊維、無機繊維、及び炭素繊維の中から選ばれる少なくとも1種以上であり、
下記式(1)を用いて算出される数値が40~300であることを特徴とするセメント質組成物。
上記繊維のアスペクト比×上記セメント質組成物中の上記繊維の含有率(体積%) ・・・(1)
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
ペースト細骨材容積比が1.60~6.00である請求項1に記載のセメント質組成物。
【請求項3】
ペースト細骨材容積比が1.00以上、1.60未満である請求項1に記載のセメント質組成物。
【請求項4】
上記粉体は、BET比表面積が5~25m

/gのポゾラン質微粉末を含む請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント質組成物。
【請求項5】
上記粉体は、ブレーン比表面積が3,500~10,000cm

/gの無機粉末を含む請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント質組成物。
【請求項6】
上記セメント質組成物は、「JIS R 5201 セメントの物理試験方法」に記載されているフロー値の測定方法において15回の落下運動を行わない場合における、フローコーンを取り去った時から90秒が経過した時のフロー値が、220~320mmの範囲内となるものである請求項1又は2に記載のセメント質組成物。
【請求項7】
上記セメント質組成物は、「JIS R 5201 セメントの物理試験方法」に記載されているフロー値の測定方法において15回の落下運動を行わない場合における、フローコーンを取り去った時から90秒が経過した時のフロー値が、110~190mmの範囲内となるものである請求項1又は3に記載のセメント質組成物。
【請求項8】
上記セメント質組成物は、日本コンクリート工学会規準「JCI-S-002-2003」(切欠きはりを用いた繊維コンクリートの荷重-変位曲線試験方法」に準拠して測定した引張強度が、4.5~15.0N/mm

の範囲内となるものである請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント質組成物。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のセメント質組成物の製造方法であって、
下記式(2)で算出される数値が40~300となるように、使用予定の繊維のアスペクト比、及び、上記セメント質組成物中の上記使用予定の繊維の含有率を定める繊維組成決定工程と、
上記繊維組成決定工程で定めた繊維のアスペクト比、及び、繊維の含有率で、各原料を混合して、上記セメント質組成物を得る組成物調製工程、
を含むセメント質組成物の製造方法。
上記使用予定の繊維のアスペクト比×上記セメント質組成物中の上記使用予定の繊維の含有率(体積%) ・・・(2)
【請求項10】
上記組成物調製工程で得られた硬化前の上記セメント質組成物を50℃以上の雰囲気下で養生して、上記セメント質組成物の硬化体を得る養生工程、
を含む請求項9に記載のセメント質組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント質組成物及び該セメント質組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、靭性を高める等の目的で、繊維を含むモルタル等のセメント質組成物(本明細書中、「繊維補強セメント質組成物」ともいう。)が知られている。
例えば、特許文献1には、セメント、シリカフューム、石炭ガス化フライアッシュ、石膏、特定の膨張材、特定の収縮低減剤、及び金属繊維の各々を、特定の量で含有することを特徴とする低収縮超高強度繊維補強セメント組成物が記載されている。
また、特許文献2に、短繊維を、容積比で0.5%~6.0%混入して得られる繊維補強コンクリートであって、前記短繊維が、予め加熱処理が施されることで収縮ひずみが与えられているとともに、アスペクト比が20~200になるように切断された有機系の短繊維を含むことを特徴とする繊維補強コンクリートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-84095号公報
特開2009-102183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
繊維補強セメント質組成物中の繊維の量を増加させることで繊維補強セメント質組成物の靭性を向上させることができる。一方、繊維の量が増加すると繊維補強セメント質組成物の流動性が低下し、所望のワーカビリティを確保することが困難となる。また、繊維の寸法は、繊維補強セメント質組成物の流動性に大きな影響を及ぼすことが知られている。
本発明の目的は、繊維を含み、フレッシュ時(未硬化)には、流動性に優れ、かつ、硬化後には、引張強度および靭性に優れたセメント質組成物、並びに、その製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメントを含む粉体、骨材、水、及び繊維を含むセメント質組成物であって、繊維が、金属繊維、有機繊維、無機繊維、及び炭素繊維の中から選ばれる少なくとも1種以上であり、繊維のアスペクト比と繊維の含有率を乗じた数値が40~300であるセメント質組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[11]を提供するものである。
[1] セメントを含む粉体、骨材、水、及び繊維を含むセメント質組成物であって、上記繊維が、金属繊維、有機繊維、無機繊維、及び炭素繊維の中から選ばれる少なくとも1種以上であり、下記式(1)を用いて算出される数値が40~300であることを特徴とするセメント質組成物。
上記繊維のアスペクト比×上記セメント質組成物中の上記繊維の含有率(体積%) ・・・(1)
[2] ペースト細骨材容積比が1.60~6.00である前記[1]に記載のセメント質組成物。
[3] ペースト細骨材容積比が1.00以上、1.60未満である前記[1]に記載のセメント質組成物。
[4] 上記粉体は、BET比表面積が5~25m

/gのポゾラン質微粉末を含む前記[1]~[3]のいずれかに記載のセメント質組成物。
【0006】
[5] 上記粉体は、ブレーン比表面積が3,500~10,000cm

/gの無機粉末を含む前記[1]~[4]のいずれかに記載のセメント質組成物。
[6] 上記セメント質組成物は、「JIS R 5201 セメントの物理試験方法」に記載されているフロー値の測定方法において15回の落下運動を行わない場合における、フローコーンを取り去った時から90秒が経過した時のフロー値が、220~320mmの範囲内となるものである前記[1]又は[2]のいずれかに記載のセメント質組成物。
[7] 上記セメント質組成物は、「JIS R 5201 セメントの物理試験方法」に記載されているフロー値の測定方法において15回の落下運動を行わない場合における、フローコーンを取り去った時から90秒が経過した時のフロー値が、110~190mmの範囲内となるものである前記[1]又は[3]に記載のセメント質組成物。
[8] 上記セメント質組成物は、日本コンクリート工学会規準「JCI-S-002-2003」(切欠きはりを用いた繊維コンクリートの荷重-変位曲線試験方法」に準拠して測定した引張強度が、4.5~15.0N/mm

の範囲内となるものである前記[1]~[7]のいずれかに記載のセメント質組成物。
[9] 前記[1]又は[2]に記載のセメント質組成物の製造方法であって、下記式(2)で算出される数値が40~300となるように、使用予定の繊維のアスペクト比、及び、上記セメント質組成物中の上記使用予定の繊維の含有率を定める繊維組成決定工程と、上記繊維組成決定工程で定めた繊維のアスペクト比、及び、繊維の含有率で、各原料を混合して、上記セメント質組成物を得る組成物調製工程、を含むセメント質組成物の製造方法。
上記使用予定の繊維のアスペクト比×上記セメント質組成物中の上記使用予定の繊維の含有率(体積%) ・・・(2)
[10] 上記組成物調製工程で得られた硬化前の上記セメント質組成物を50℃以上の雰囲気下で養生して、上記セメント質組成物の硬化体を得る養生工程、を含む前記[9]に記載のセメント質組成物の製造方法。
[11] 前記[3]に記載のセメント質組成物の製造方法であって、下記式(3)で算出される数値が40~300となるように、使用予定の繊維のアスペクト比、及び、上記セメント質組成物中の上記使用予定の繊維の含有率を定める繊維組成決定工程と、上記繊維組成決定工程で定めた繊維のアスペクト比、及び、繊維の含有率で、各原料を混合して、上記セメント質組成物を得る組成物調製工程と、上記組成物調製工程で得られた硬化前の上記セメント質組成物を50℃未満の雰囲気下で養生して、上記セメント質組成物の硬化体を得る養生工程、を含むセメント質組成物の製造方法。
上記使用予定の繊維のアスペクト比×上記セメント質組成物中の上記使用予定の繊維の含有率(体積%) ・・・(3)
【発明の効果】
【0007】
本発明のセメント質組成物は、繊維を含み、フレッシュ時(未硬化)には、流動性に優れ、かつ、硬化後には、引張強度および靭性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1~15及び比較例1~5における、繊維のアスペクト比と繊維の含有率を乗じた数値と、引張強度の関係を示す図である。
実施例1~15及び比較例1~5における、繊維のアスペクト比と繊維の含有率を乗じた数値と、90秒フロー値の関係を示す図である。
実施例16~27及び比較例6における、繊維のアスペクト比と繊維の含有率を乗じた数値と、引張強度の関係を示す図である。
実施例16~27及び比較例6における、繊維のアスペクト比と繊維の含有率を乗じた数値と、90秒フロー値の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のセメント質組成物は、セメントを含む粉体、骨材、水、及び繊維を含むセメント質組成物であって、繊維が、金属繊維、有機繊維、無機繊維、及び炭素繊維の中から選ばれる少なくとも1種以上であり、下記式(1)を用いて算出される数値が40~300であるものである。
繊維のアスペクト比×セメント質組成物中の上記繊維の含有率(体積%) ・・・(1)
以下、詳しく説明する。
セメントを含む粉体に含まれているセメントの例としては、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、エコセメント等が挙げられる。
【0010】
セメントを含む粉体中のセメント以外に含まれている粉体の例としては、BET比表面積が5~25m

/gのポゾラン質微粉末(以下、「ポゾラン質微粉末」と略すことがある。)や、ブレーン比表面積が3,500~10,000cm

/gの無機粉末(以下、「無機粉末」と略すことがある。)等が挙げられる。
ポゾラン質微粉末の例としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ粉末、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、シリカフューム及びシリカダストは、BET比表面積が5~25m

/gであり、粉砕を行う必要がないので、本発明において好ましく用いられる。
(【0011】以降は省略されています)

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