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公開番号
2025156085
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-14
出願番号
2025049140
出願日
2025-03-25
発明の名称
導電性セメント混和材、導電性セメント組成物、および導電性水硬性組成物
出願人
太平洋セメント株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C04B
28/02 20060101AFI20251002BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】本発明は、炭素と四酸化三鉄の複合物の導電性を有効利用した材料を提供する。
【解決手段】本発明は、炭素と四酸化三鉄の複合物を少なくとも含む導電性セメント混和材であり、好ましくは、上記炭素と四酸化三鉄の複合物が、グラファイトを60~90質量%、Fe
2
O
3
を0~5.0質量%、Fe
3
O
4
を0~5.0質量%、Feを0.1~5.0質量%、および炭化鉄を0.1~30質量%少なくとも含む導電性セメント混和材である。また、本発明は上記導電性セメント混和材およびセメントの合計を100体積%として、上記導電性セメント混和材を5~60体積%少なくとも含む導電性セメント組成物等である。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
炭素と四酸化三鉄の複合物を少なくとも含む、導電性セメント混和材。
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
上記炭素と四酸化三鉄の複合物が、グラファイトを60~90質量%、Fe
2
O
3
を0~5.0質量%、Fe
3
O
4
を0~5.0質量%、Feを0.1~5.0質量%、および炭化鉄を0.1~30質量%少なくとも含む、請求項1に記載の導電性セメント混和材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の導電性セメント混和材およびセメントの合計を100体積%として、上記導電性セメント混和材を5~60体積%少なくとも含む、導電性セメント組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の導電性セメント組成物および水の合計を100体積%として、上記導電性セメント組成物を10~90体積%少なくとも含むセメントペーストである、導電性水硬性組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の導電性水硬性組成物が、コンクリートまたはモルタルに導電性を付与する塗布材である、導電性塗布材。
【請求項6】
請求項3に記載の導電性セメント組成物、骨材、および水を少なくとも含む、導電性水硬性組成物であって、
該導電性水硬性組成物がコンクリートであれば、該導電性水硬性組成物1m
3
当たり、導電性セメント組成物を230~1400kg、粗骨材を500~1200kg、細骨材を300~1100kg、および水を100~230kg少なくとも含み、
該導電性水硬性組成物がモルタルであれば、該導電性水硬性組成物1m
3
当たり、導電性セメント組成物を280~2000kg、細骨材を350~2000kg、および水を200~300kg少なくとも含む、
導電性水硬性組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素を還元して生成した固体炭素を含む導電性セメント混和材、該混和材を含む導電性セメント組成物、および該組成物を用いた導電性水硬性組成物に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
経済産業省(資源エネルギー庁)の報告によれば、2022年にセメント製造時に排出された二酸化炭素量は約4000万トンで、これは国内の温室ガスの総排出量の約3.5%を占める。そして、上記二酸化炭素量(約4000万トン)の内、石灰石等の原料に由来する二酸化炭素量は約2500万トン、セメントクリンカの焼成に用いる化石燃料に由来する二酸化炭素量は約1500万トンである(非特許文献1)。
このような状況から、近年、セメント業界は、二酸化炭素の排出を抑制するカーボンニュートラルの一態様であるカーボンリサイクルの技術開発に、鋭意、取り組んできた。ここで、カーボンリサイクルとは、下記(a)~(c)工程を回すことにより、セメント製造時の二酸化炭素の排出を削減することに加え、二酸化炭素を資源として捉えて、二酸化炭素の固定物(カルシウム炭酸化物等)を利活用する技術である(非特許文献1)。
(a)セメントクリンカの製造時に生じる排ガスの中から、二酸化炭素を分離して回収する工程
(b)コンクリートの製造時に、上記回収した二酸化炭素が、コンクリート中の水酸化カルシウムやセメント水和物等のカルシウム源と反応して、二酸化炭素を固定する工程
(c)コンクリート硬化体や廃コンクリート中のカルシウム源に、二酸化炭素を固定する工程
【0003】
また、本発明者は、特許文献1、2において、下記(1)式に従い二酸化炭素と水素が反応して生成したメタンが、さらに下記(2)式に従い二酸化炭素と反応して一酸化炭素を生成した後、下記(3)式に従い該一酸化炭素の不均化により炭素が生成する三段式触媒反応システムを提案した。
メタン化反応: CO
2
+4H
2
→ CH
4
+2H
2
O ・・・(1)
ドライ改質反応: CH
4
+CO
2
→ 2CO+2H
2
・・・(2)
炭素捕集反応: 2CO → C+CO
2
・・・(3)
しかし、上記(1)~(3)式を経て生成した炭素は結晶性が低く、炭素(
C
)と(3)式の触媒である四酸化三鉄(
F
e
3
O
4
)の複合物(以下「CF複合物」という。)から、炭素の単離が難しいため、CF複合物は今まで廃棄していた。
そこで、上記三段式触媒反応システムが円滑に稼働を続けるためには、CF複合物の用途開発が必要である。
【0004】
ところで、導電性物質を含むセメントモルタルは、以前から、いくつか知られていた。
例えば、特許文献3~6は、導電性ポリマー等を含む電気防食用のセメント混和材、該混和材を含むセメント組成物、および該組成物を用いたセメントモルタルを提案する。これらの材料は、コンクリート構造物の電気防食に用いられ、従来の炭素繊維を用いた電気防食用モルタルと比べ、導電性ポリマーがモルタル内で均一に分散するから、電流は均一に流れるとしている。
しかし、導電性ポリマーは高価であるため、導電性ポリマーを含む上記セメント混和材等は汎用性に欠ける。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
経済産業省、経済産業局、資源エネルギー庁、“コンクリート・セメントのカーボンニュートラルに向けた国内外の動向等について”、21頁、令和6年10月18日発行
David L. Chandler,“MIT engineers create an energy-storing supercapacitor from ancient materials”、MIT News, July 31, 2023,インターネット<URL:https://news.mit.edu/2023/mit-engineers-create-supercapacitor-ancient-materials-0731>
【特許文献】
【0006】
特開2023-141702号公報
特開2023-141707号公報
特開2006-265038号公報
特開2006-265040号公報
特開2006-273603号公報
特開2006-273605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
また、近年、電気自動車の普及により、電気自動車が走行しながら、道路から給電する導電性コンクリート等の導電性水硬性組成物が注目されている(上記非特許文献2)。この導電性水硬性組成物は、炭素系材料としてカーボンブラックを用いて、水硬性組成物に導電性を付与するほか、水硬性組成物自体もセメント由来の導電性の鉄成分(フェライト相)を含む。
したがって、水硬性組成物に導電性を付与する材料として、CF複合物を、上記炭素系材料に代えて、または、上記炭素系材料の一部を代替して利活用できれば、CF複合物の有用な用途となりうる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、CF複合物を、炭素系材料に代えて、または、上記炭素系材料の一部を代替して利活用するため鋭意検討したところ、CF複合物を含む導電性セメント混和材、導電性セメント組成物、および導電性水硬性組成物は、導電性に優れることを見い出し、下記[1]~[6]の発明を完成させた。
【0009】
[1]CF複合物を少なくとも含む、導電性セメント混和材。
[2]上記CF複合物が、グラファイトを60~90質量%、Fe
2
O
3
を0~5.0質量%、Fe
3
O
4
を0~5.0質量%、Feを0.1~5.0質量%、および炭化鉄を0.1~30質量%少なくとも含む、上記[1]に記載の導電性セメント混和材。
[3]上記[1]または[2]に記載の導電性セメント混和材およびセメントの合計を100体積%として、上記導電性セメント混和材を5~60体積%少なくとも含む、導電性セメント組成物。
[4]上記[3]に記載の導電性セメント組成物および水の合計を100体積%として、上記導電性セメント組成物を10~90体積%少なくとも含むセメントペーストである、導電性水硬性組成物。
[5]上記導電性水硬性組成物が、コンクリートまたはモルタルに導電性を付与する塗布材である、導電性塗布材。
[6]上記[3]に記載の導電性セメント組成物、骨材、および水を少なくとも含む、導電性水硬性組成物であって、
該導電性水硬性組成物がコンクリートであれば、該導電性水硬性組成物1m
3
当たり、導電性セメント組成物を230~1400kg、粗骨材を500~1200kg、細骨材を300~1100kg、および水を100~230kg少なくとも含み、
該導電性水硬性組成物がモルタルであれば、該導電性水硬性組成物1m
3
当たり、導電性セメント組成物を280~2000kg、細骨材を350~2000kg、および水を200~300kg少なくとも含む、
導電性水硬性組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明の導電性セメント混和材等は、優れた導電性材料としてCF複合物を有効に利活用できるから、上記三段式触媒反応システムを円滑に稼働させることができ、もって、カーボンニュートラルに資することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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