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公開番号2025155379
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2024059185
出願日2024-04-01
発明の名称多孔質膜、多孔質膜の製造方法、膜蒸留モジュール、膜蒸留装置及び精製された液体の製造方法
出願人東京応化工業株式会社
代理人個人
主分類B01D 69/00 20060101AFI20251006BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】イソプロピルアルコール等の表面張力が低い液体を精製する膜蒸留法に用いることができ、且つ耐久性に優れる多孔質膜と、当該多孔質膜の製造方法と、当該多孔質膜を膜蒸留用の膜として備える膜蒸留モジュールと、該膜蒸留モジュールを備える膜蒸留装置と、前述の多孔質膜を膜蒸留膜として用いた膜蒸留による精製された液体の製造方法とを提供すること。
【解決手段】粗液体を接触させる側の主面の表面に撥液層を有し、当該主面の算術平均粗さRaが10nm以上であり、且つ、当該主面の表面張力が15mN/m以下である多孔質膜を用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
膜蒸留法において、精製対象の粗液体の蒸気を透過させることで、精製された液体を取得するために用いられる多孔質膜であって、
前記多孔質膜が、前記粗液体を接触させる側の主面の表面に撥液層を有し、
前記主面の算術平均粗さRaが10nm以上であり、且つ、前記主面の表面張力が15mN/m以下である、多孔質膜。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記撥液層が、フッ素化炭化水素を含むガスに由来するプラズマ処理により形成されている、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項3】
前記粗液体は、水の含有量が1質量%以下の液体である、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項4】
前記粗液体は、イソプロピルアルコールを含む、請求項3に記載の多孔質膜。
【請求項5】
前記撥液層の厚さは、1μm以下である、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の多孔質膜の製造方法であって、
未処理多孔質膜の表面を粗面化して粗面化多孔質膜を得る、粗面化処理工程と、
前記粗面化多孔質膜の表面を撥液化剤のガスに由来するプラズマ処理により撥液化する撥液化処理工程と、を有する、多孔質膜の製造方法。
【請求項7】
前記粗面化処理工程では、前記未処理多孔質膜の表面をプラズマ処理により粗面化する、請求項6に記載の多孔質膜の製造方法。
【請求項8】
前記撥液化剤がフッ素化炭化水素を含む、請求項6に記載の多孔質膜の製造方法。
【請求項9】
前記粗面化処理工程及び前記撥液化処理工程の前における前記未処理多孔質膜のガーレー透気度GP1、及び、前記粗面化処理工程及び前記撥液化処理工程の後における前記多孔質膜のガーレー透気度GP2に基づいて、下記式により算出される透気度変化率が、50%以下である、請求項6に記載の多孔質膜の製造方法。
透気度変化率(%)=(GP1-GP2)/GP1×100
【請求項10】
請求項1~5のいずれか1項に記載の多孔質膜を、膜蒸留用の膜として備える、膜蒸留モジュール。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、膜蒸留に用いられる多孔質膜と、当該多孔質膜の製造方法と、当該多孔質膜を膜蒸留用の膜として備える膜蒸留モジュールと、当該膜蒸留モジュールを備える膜蒸留装置と、前述の多孔質膜を膜蒸留用の膜として用いた膜蒸留による精製された液体の製造方法と、に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
半導体の微細化や多層化に伴い、半導体を製造する際の乾燥プロセスでのパターン倒壊が問題となっている。パターン倒壊を抑制するために、半導体を製造する際の洗浄及び乾燥において使用する液体として、高純度のイソプロピルアルコールが求められている。
【0003】
イソプロピルアルコールを高純度化する技術としては、例えば蒸留法がある(特許文献1参照)。しかしながら、蒸留法には設備が大がかりになるという問題がある。
【0004】
一方、イソプロピルアルコールを高純度化する方法としては、膜蒸留法もある(特許文献2参照)。膜蒸留法は、多孔質膜で隔てられた2つの液体の温度差から生じる蒸気圧により、多孔質膜に蒸気を透過させ粗液体を精製する方法である。膜蒸留法は、蒸留法に比べて、コンパクト化が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2017/217279号
特開2023-521918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
イソプロピルアルコール等の表面張力(表面自由エネルギー)が低い液体は膜に浸透しやすい。このため、膜蒸留法でイソプロピルアルコール等の表面張力が低い液体を精製(高純度化)する場合、撥液性が高い多孔質膜が求められる。
また、膜蒸留法において、特許文献2等の従来技術では、多孔質膜の耐久性が不十分で、経時劣化し、イソプロピルアルコール等を高純度化処理(精製処理)し難くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、イソプロピルアルコール等の表面張力が低い液体を精製する膜蒸留法に用いることができ、且つ耐久性に優れる多孔質膜と、当該多孔質膜の製造方法と、当該多孔質膜を膜蒸留用の膜として備える膜蒸留モジュールと、該膜蒸留モジュールを備える膜蒸留装置と、前述の多孔質膜を膜蒸留膜として用いた膜蒸留による精製された液体の製造方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、多孔質膜が、粗液体を接触させる側の主面の表面に撥液層を有し、主面の算術平均粗さRaが10nm以上であり、且つ、主面の表面張力が15mN/m以下である多孔質膜を用いることによって、上記課題が解決されること見出し、本発明に至った。具体的には以下のものを提供する。
【0009】
[1]膜蒸留法において、精製対象の粗液体の蒸気を透過させることで、精製された液体を取得するために用いられる多孔質膜であって、
前記多孔質膜が、前記粗液体を接触させる側の主面の表面に撥液層を有し、
前記主面の算術平均粗さRaが10nm以上であり、且つ、前記主面の表面張力が15mN/m以下である、多孔質膜。
【0010】
[2]前記撥液層が、フッ素化炭化水素を含むガスに由来するプラズマ処理により形成されている、上記[1]に記載の多孔質膜。
(【0011】以降は省略されています)

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