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公開番号2025154083
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056890
出願日2024-03-29
発明の名称電線導体、絶縁電線、およびワイヤーハーネス
出願人株式会社オートネットワーク技術研究所,住友電装株式会社,住友電気工業株式会社
代理人弁理士法人上野特許事務所
主分類H01B 5/08 20060101AFI20251002BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】素線を撚り合わせた撚線を扁平形状に成形した電線導体であって、撚ピッチを小さくすることで生じる抵抗上昇を小さく抑えることができる電線導体、またそのような電線導体を備えた絶縁電線およびワイヤーハーネスを提供する。
【解決手段】複数の素線3を撚り合わせた子撚線2が、複数を束にして撚り合わせられた下撚層10と、前記下撚層10の外周に、前記子撚線2が複数撚り付けられた上撚層20と、を有する撚線として構成され、前記撚線の軸線方向に直交する断面が、幅方向の寸法wが高さ方向の寸法hよりも大きい扁平形状となった扁平部を有しており、前記扁平部において、前記子撚線2における前記素線3の撚ピッチをa(mm)、前記下撚層10における前記子撚線2の撚ピッチをb(mm)、前記上撚層20における前記子撚線2の撚ピッチをc(mm)として、(0.2a+b+0.5)/c≦1を満たす、電線導体1とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の素線を撚り合わせた子撚線が、複数を束にして撚り合わせられた下撚層と、
前記下撚層の外周に、前記子撚線が複数撚り付けられた上撚層と、を有する撚線として構成され、
前記撚線の軸線方向に直交する断面が、幅方向の寸法が高さ方向の寸法よりも大きい扁平形状となった扁平部を有しており、
前記扁平部において、前記子撚線における前記素線の撚ピッチをa(mm)、前記下撚層における前記子撚線の撚ピッチをb(mm)、前記上撚層における前記子撚線の撚ピッチをc(mm)として、
(0.2a+b+0.5)/c≦1を満たす、電線導体。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記断面において、前記電線導体を構成する前記素線の少なくとも一部の形状が、円形から変形している、請求項1に記載の電線導体。
【請求項3】
前記電線導体は、断面円形の撚線よりなる原料導体を圧延して製造されており、
前記原料導体を基準とした前記扁平部の導体抵抗の上昇率が、10%未満に抑えられている、請求項1に記載の電線導体。
【請求項4】
前記扁平部の前記高さ方向の寸法に対する前記幅方向の寸法の比率を示す扁平比が、3以上である、請求項1に記載の電線導体。
【請求項5】
前記電線導体の導体断面積が16mm

以上、
前記子撚線における前記素線の撚ピッチaが10mm以上、
前記上撚層における前記子撚線の撚ピッチcが70mm以上である、請求項1に記載の電線導体。
【請求項6】
前記素線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金より構成されている、請求項1に記載の電線導体。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電線導体と、
前記電線導体の外周を被覆する絶縁被覆と、を有する、絶縁電線。
【請求項8】
請求項7に記載の絶縁電線を含む、ワイヤーハーネス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電線導体、絶縁電線、およびワイヤーハーネスに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
扁平形状の電線導体を用いて構成したフラットケーブルが公知である。フラットケーブルを用いることで、断面略円形の電線導体を備えた一般的な電線を用いる場合と比較して、配策の際に占めるスペースを小さくすることができる。
【0003】
従来一般のフラットケーブルにおいては、特許文献1,2等に開示されるように、電線導体として、平角導体がしばしば用いられる。平角導体は、金属の単線を断面四角形に成形したものである。また、出願人らの出願による特許文献3~5には、柔軟性と省スペース性を両立する観点から、複数の素線を撚り合わせた撚線を扁平形状に成形した電線導体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-130739号公報
特開2019-149242号公報
国際公開第2019/093309号
国際公開第2019/177016号
特開2022-058941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3~5に開示されるように、撚線を扁平形状に成形した電線導体を用いることで、柔軟性を維持しながら、省スペース化を図ることができる。しかし、大電流化に伴って、導体断面積の大きな電線導体が用いられるようになっており、扁平形状に成形した撚線よりなる電線導体においても、導体断面積が大きくなると、配策に十分な柔軟性を確保するのが難しくなる。大きな導体断面積を有する電線導体において、柔軟性を高める方法の1つとして、素線を撚り合わせる撚ピッチを小さくする方法がとられる場合がある。しかし、電線導体において素線の撚ピッチを小さくすると、一定の長さの電線導体を構成する素線の実長が長くなることで、電線導体の導体抵抗が高くなってしまう。また、素線の撚ピッチを小さくした電線導体を扁平形状に成形すると、素線が高密度に充填された状態で成形を受けることになり、成形に伴って素線の変形が大きく起こる。すると、加工硬化や断面積減少等による導体抵抗の上昇が起こりやすい。このように、扁平形状の電線導体の柔軟性を高めるために、素線の撚ピッチを小さくすると、素線の実長の増大と、素線の変形の進行の2つの要因により、導体抵抗の上昇が起こりうる。すると、所望の導電性を確保するために必要な導体断面積が大きくなってしまい、電線導体の省スペース化の妨げとなる。
【0006】
そこで、素線を撚り合わせた撚線を扁平形状に成形した電線導体であって、撚ピッチを小さくすることで生じる抵抗上昇を小さく抑えることができる電線導体、またそのような電線導体を備えた絶縁電線およびワイヤーハーネスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の電線導体は、複数の素線を撚り合わせた子撚線が、複数を束にして撚り合わせられた下撚層と、前記下撚層の外周に、前記子撚線が複数撚り付けられた上撚層と、を有する撚線として構成され、前記撚線の軸線方向に直交する断面が、幅方向の寸法が高さ方向の寸法よりも大きい扁平形状となった扁平部を有しており、前記扁平部において、前記子撚線における前記素線の撚ピッチをa(mm)、前記下撚層における前記子撚線の撚ピッチをb(mm)、前記上撚層における前記子撚線の撚ピッチをc(mm)として、(0.2a+b+0.5)/c≦1を満たす。
【0008】
本開示の絶縁電線は、前記電線導体と前記電線導体の外周を被覆する絶縁被覆と、を有する。本開示のワイヤーハーネスは、前記絶縁電線を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の電線導体は、素線を撚り合わせた撚線を扁平形状に成形した電線導体であって、撚ピッチを小さくすることで生じる抵抗上昇を小さく抑えることができる。また、本開示の絶縁電線およびワイヤーハーネスは、そのような電線導体を備えたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本開示の一実施形態にかかる電線導体を模式的に示す断面図である。主図では子撚線を構成する各素線の表示を省略しており、四角形で囲んだ拡大図に、素線を含む子撚線の断面を例示している。
図2Aは、子撚ピッチaと、下撚ピッチbと上撚ピッチcの間の差(c-b)との関係を示す図である。抵抗上昇率が10%未満のデータ点を黒塗り図形で、抵抗上昇率が10%以上のデータ点を白抜き図形で示している。図2Bは、(0.2a+b+0.5)/cと抵抗上昇率の関係を示している。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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