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公開番号2025147722
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2024048112
出願日2024-03-25
発明の名称シェル形針状ころ軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16C 33/62 20060101AFI20250930BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】揺動耐久性を有するシェル形針状ころ軸受を提供する。
【解決手段】シェル形外輪1の材質がオーステナイト系ステンレス材であり、シェル形外輪1の軌道面1d表面から0.135mmまでの領域における平均結晶粒径が22μm以下であるシェル形針状ころ軸受10を用いる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
周方向に間隔をおいて配置される複数の針状ころ(2)と、
前記針状ころ(2)が転がり接触する円筒状の軌道面(1d)が内径側に形成されたシェル形外輪(1)と、
前記複数の針状ころ(2)を周方向の間隔をおいて保持する保持器(3)とを有し、
前記シェル形外輪(1)の材質がオーステナイト系ステンレスであり、前記シェル形外輪(1)の前記軌道面(1d)の表面から深さ0.135mmまでの領域における平均結晶粒径が22μm以下である、シェル形針状ころ軸受。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
前記シェル形外輪(1)の外径寸法が、12mm以上30mm以下である、請求項1に記載のシェル形針状ころ軸受。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシェル形針状ころ軸受をアルミ製のハウジングに圧入した軸受装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のシェル形針状ころ軸受を有する自動車用電子スロットルボディ。
【請求項5】
請求項1または2に記載のシェル形針状ころ軸受を有する排ガス再循環装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、主として自動車のシェル形針状ころ軸受に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
自動車には、エンジンへの吸気量を調整する電子制御スロットルボディ(ETB)が備えられている。ETBには流路を開閉するスロットルバルブが設けられ、このスロットルバルブの回転を支える軸受には、はだ焼き鋼などの鉄製外輪が用いられていた。
【0003】
そのような用途で用いられるシェル形針状ころ軸受が例えば特許文献1に挙げられている。このシェル形針状ころ軸受は、次の通りである。まず外輪の材料となるクロムモリブデン鋼(SCM415等)製の帯鋼を用意する。この帯鋼を外輪の形状となるように深絞り成形する。このとき、外輪の一方の縁のみ折り曲げている。この外輪に保持器と針状ころを組み込む。組み込んだ後、外輪の他方の縁を折り曲げて保持器と針状ころが外れないようにする。以上のように組み立ててから、浸炭窒化処理した後に焼入れと焼戻しを行う熱処理工程を行う。熱処理によりクロムモリブデン鋼の表面が硬化されたはだ焼き鋼となる。熱処理後に外輪の縁を曲げると端部分の硬度が変わってしまい、硬度が均一にならないという問題があったが組み立て後に熱処理を行うことで、外輪の両端部分を含めた全体の硬度を均一にすることができる。また、外輪の表層部に浸炭窒化処理による窒素富化層が形成されている。窒素富化層には残量オーステナイトが大量に存在し、これが塑性変形することで応力集中が緩和されて長寿命化が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3212880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年は低燃費化を目的として、ガソリンエンジンに排ガス再循環装置(EGR)が採用されるようになっている。これにより、ETBのスロットルバルブ用軸受は、EGRによって循環された排ガス含有成分に曝されるようになった。特許文献1に記載のシェル形針状ころ軸受で採用されているようなクロムモリブデン鋼を熱処理したはだ焼き鋼の外輪では、排ガス含有成分による腐食が問題となってしまう。このような腐食しやすい環境で用いるシェル形針状ころ軸受では、より耐腐食性に優れた材料を外輪に用いる必要がある。このような耐腐食性に優れた材料としては、例えばオーステナイト系ステンレス材が挙げられる。
【0006】
スロットルバルブやEGRの支持部に適用されるシェル形針状ころ軸受は、バルブが開閉する際に低荷重でありかつ揺動する条件で利用され、そのような条件での耐久性(以下、「揺動耐久性」という。)が求められる。
【0007】
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、耐腐食性に優れた材料を用い、揺動耐久性に優れかつ低コストで製造可能な外輪を有するシェル形針状ころ軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明は、
周方向に間隔をおいて配置される複数の針状ころと、
前記針状ころが転がり接触する円筒状の軌道面が内径側に形成されたシェル形外輪と、
前記複数の針状ころを周方向の間隔をおいて保持する保持器とを有し、
前記シェル形外輪の材質がオーステナイト系ステンレスであり、前記シェル形外輪の軌道面表面から深さ0.135mmまでの領域における平均結晶粒径が22μm以下である、シェル形針状ころ軸受という第一の構成を採用した。
【0009】
すなわちこの発明は、シェル形針状ころ軸受の外輪を帯鋼から形成するにあたり、熱処理を行わずに多段階での深絞りによって形成することで、軌道輪表面近傍の平均結晶粒径が十分に細かくできる。従来のシェル形外輪は800℃以上の高熱で熱硬化する必要があったため、熱により結晶粒径が肥大化しやすい傾向であった。この発明にかかるシェル形針状ころ軸受では、多段階での深絞りにより、従来のような熱硬化を行わなくても多段階の深絞りによって表面近傍を硬化させることができるとともに、結晶粒径を細かくすることができ、剥離しにくく耐摩耗を有し、揺動耐久性を発揮できるシェル形針状ころ軸受を実現した。
【0010】
また、この発明にかかるシェル形針状ころ軸受は、前記第一の構成において、前記シェル形外輪の外径寸法が、12mm以上30mm以下である第二の構成を採用することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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