TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025139158
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024037950
出願日2024-03-12
発明の名称保持器、玉軸受、及び、その玉軸受を用いた軸受装置
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16C 33/41 20060101AFI20250918BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】遠心力に伴う保持器の変形を抑制しつつ、保持器の強度を確保する。
【解決手段】 玉軸受に用いられ玉5を保持する保持器において、環状の基部11と、基部11の軸方向一方側に突き出た複数の保持部12を備え、基部11と保持部12とで形成される空間であるポケット20が周方向に沿って形成されており、ポケット20のポケット中心a0を通る径方向に直交し且つポケット中心a0を通る断面において、保持部12におけるポケット20側とは反対側の外側面18は、保持部12の軸方向一方側の先端P3から軸方向他方側へ延びる第一曲線部18aと、第一曲線部18aよりも軸方向他方側に設けられた第二曲線部18bを備え、第一曲線部18aと第二曲線部18bとは互いに異なる曲率半径に設定されている保持器とした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
玉軸受に用いられ玉(5)を保持する保持器において、
環状の基部(11)と、前記基部(11)の軸方向一方側に突き出た複数の保持部(12)を備え、
前記基部(11)と前記保持部(12)とで形成される空間であるポケット(20)が周方向に沿って形成されており、
前記ポケット(20)のポケット中心(a0)を通る径方向に直交し且つ前記ポケット中心(a0)を通る断面において、前記保持部(12)における前記ポケット(20)側とは反対側の外側面(18)は、前記保持部(12)の軸方向一方側の先端(P3)から軸方向他方側へ延びる第一曲線部(18a)と、前記第一曲線部(18a)よりも軸方向他方側に設けられた第二曲線部(18b)を備え、前記第一曲線部(18a)と前記第二曲線部(18b)とは互いに異なる曲率半径に設定されている保持器。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記第二曲線部(18b)は、前記第一曲線部(18a)の軸方向他方側の端部(P2)に接続されている請求項1に記載の保持器。
【請求項3】
一の前記ポケット(20)に面する前記保持部(12)の外側面(18)と、一の前記ポケット(20)と周方向に隣り合う他の前記ポケット(20)に面する前記保持部(12)の外側面(18)とは、単一の曲率半径R3で構成された第三曲線部(19a)で接続されている請求項1に記載の保持器。
【請求項4】
前記第一曲線部(18a)の曲率半径R1と前記第二曲線部(18b)の曲率半径R2とは
0.4<(R1/R2)<1
に設定されている請求項1に記載の保持器。
【請求項5】
前記保持器(10)の素材は、エンジニアプラスチックを含んでいる請求項1に記載の保持器。
【請求項6】
前記保持器(10)の素材は、強化材としてカーボンファイバー又はグラスファイバーを含んでいる請求項5に記載の保持器。
【請求項7】
内方部材(3)及び外方部材(4)と、前記内方部材(3)及び前記外方部材(4)との間に配置される玉(5)と、前記玉(5)を保持する請求項1から6のいずれか一つに記載の保持器を備え、
dmn={(D+d)/2}×n
D:外方部材の外径(mm)
d:内方部材の内径(mm)
n:回転速度(min
―1

で規定されるdmn値が100万以上の環境下で使用される玉軸受。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一つに記載の保持器を備えた玉軸受、又は、請求項7に記載の玉軸受を用い、電動輸送機器用の駆動モータ、減速機又は増速機が備える回転軸を前記玉軸受で支持している軸受装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、高速回転に適用できる玉軸受に用いられる保持器、及び、その保持器を用いた玉軸受、その玉軸受を用いた軸受装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、自動車、建設用機械等の各種車両、その他、各種産業用機械等において、電動機を備えた装置には多数の軸受が用いられている。これらの機器類に用いられる軸受は、一般的な機器類で軸支持に使用される軸受と比べて、高速条件で使用されることが一般的である。また、近年、特に電動自動車では、電費・走行性能向上の手段として、電動機の出力密度を高めるため、回転速度を高めて小型・軽量化する動向がある。また、近年、駆動モータ、変速機、増減速機等を一体化させた「e-Axle」と呼ばれる駆動ユニットが広く普及している。「e-Axle」におけるモータの回転軸を支持する軸受は、一般的な機器類の軸受よりも高回転で使用される。
【0003】
ところで、転動体として玉(ボール)を用いる玉軸受では、玉を保持するための保持器として、冠型保持器が用いられる場合がある。冠型保持器は、環状の基部と、その基部の円周方向に沿って複数のポケットを備えた構成となっている。ポケットは、基部に対して保持器の軸方向一方側に並列して設けられる。各ポケットは、保持器の半径方向に貫通し且つ軸方向一方側に開口するとともに、各ポケットの開口の円周方向両側に一対の爪部を備えて玉を保持する形態となっている。
【0004】
冠型保持器を用いた玉軸受の場合、軸受の回転の高速化とともに遠心力で保持器のポケットの遠心力により爪部が外径側へ変形し、玉の抱え込みが発生する懸念がある。このため、例えば、特許文献1では、ポケットの開口側に、金属製の変形防止部材を取り付けて、ポケットの両側の爪部の変形を抑制している。
【0005】
また、例えば、特許文献2では、ポケット間部位において保持器軸方向肉厚を薄くする肉抜きを行うとともに、ポケット間部位の保持器軸方向肉厚a、ポケットの内面底対応部位の保持器軸方向肉厚b、ポケット間部位の肉抜き端面からボール自転速度の最速部位までの寸法cとの関係を、a>bでかつc>0に設定している。ポケット間部位での肉抜きによる軽量化で遠心力に伴う変形を低減し、且つ、a>bでかつc>0とすることで保持器円環強度の低下を防止して、保持器の他部材への干渉や保持器自体の破損等を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-285506号公報
特許第6608151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のような変形防止部材を取り付けることは、部品点数の増加につながるとともに、保持器の構造を複雑化しコスト高の要因になるという問題がある。
【0008】
これに対して、例えば、保持器のポケットの底肉厚、すなわち、ポケットの底部における基部の軸方向への厚さを従来よりも厚くすることで保持器の剛性を高め、遠心力に伴う変形を抑制するという手段も考えられる。しかし、アプリケーションの小型化に伴い軸受幅寸法を小さくする要求がある場合、ポケットの底肉厚を厚くできない場合がある。また、シール付き軸受の場合にも、シールと保持器との干渉防止のため、ポケットの底厚肉を厚くできず、高速化に対応できない場合がある。
【0009】
さらに、変形を抑制するために高強度材料を用いる手段も考えられるが、変形量が少ない高強度材料は高コストであり、従来からの低コストな材料を使用せざるを得ない場合もある。しかし、曲げ弾性率の数値が大きい低コストな材料では、遠心力に伴う変形が大きいため、さらなる高速運転化には対応できない。
【0010】
そこで、この発明の課題は、遠心力に伴う保持器の変形を抑制しつつ、保持器の強度を確保することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

NTN株式会社
基板
4日前
NTN株式会社
玉軸受
1か月前
NTN株式会社
玉軸受
12日前
NTN株式会社
玉軸受
13日前
NTN株式会社
玉軸受
5日前
NTN株式会社
軸受装置
11日前
NTN株式会社
密封装置
29日前
NTN株式会社
転がり軸受
1か月前
NTN株式会社
転がり軸受
1か月前
NTN株式会社
転がり軸受
1か月前
NTN株式会社
深溝玉軸受
29日前
NTN株式会社
転がり軸受
5日前
NTN株式会社
円筒ころ軸受
1か月前
NTN株式会社
軸受用保持器
25日前
NTN株式会社
等速自在継手
11日前
NTN株式会社
円筒ころ軸受
13日前
NTN株式会社
基板取付構造
11日前
NTN株式会社
球面滑り軸受
1か月前
NTN株式会社
車輪用軸受装置
28日前
NTN株式会社
円すいころ軸受
4日前
NTN株式会社
電動モータ装置
13日前
NTN株式会社
車輪用軸受装置
1か月前
NTN株式会社
車輪用軸受装置
13日前
NTN株式会社
モータユニット
1日前
NTN株式会社
車輪用軸受装置
1か月前
NTN株式会社
保持器付きころ
1日前
NTN株式会社
絶縁転がり軸受
27日前
NTN株式会社
動力伝達シャフト
11日前
NTN株式会社
プランマブロック
11日前
NTN株式会社
摺動式等速自在継手
11日前
NTN株式会社
直動アクチュエータ
12日前
NTN株式会社
摺動式等速自在継手
11日前
NTN株式会社
電食防止転がり軸受
1日前
NTN株式会社
固定式等速自在継手
5日前
NTN株式会社
固定式等速自在継手
5日前
NTN株式会社
直動アクチュエータ
11日前
続きを見る