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公開番号2025136912
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035846
出願日2024-03-08
発明の名称異常診断システム
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 61/12 20100101AFI20250911BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】異常による油圧の挙動の変化を捉えて、油圧制御装置における異常の発生を判定できる異常診断システムを提供する。
【解決手段】異常診断システム100の記憶装置120には、異常の生じていない油圧制御装置240を動作させたときの差圧のデータを、既定数のクラスタに分類した基準クラスタデータが記憶されている。異常診断システム100の処理回路110は、評価対象の油圧制御装置240の差圧の推移を示すデータを、評価用データとして作成する。処理回路110は、評価用データに含まれる差圧のデータと、基準クラスタデータにおける各クラスタの重心とを照合して、評価用データにおけるデータのそれぞれが、基準クラスタデータにおける何れのクラスタに属するかを判定した評価用クラスタデータを作成する。処理回路110は、クラスタの判定結果が乖離していることに基づいて、油圧制御装置240に異常が発生していると判定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
処理回路と、記憶装置と、を備え、
異常の生じていない油圧制御装置を、既定の診断パターンで動作させたときの油圧と目標油圧との差圧の推移のデータに含まれる複数の時刻の差圧のデータを、機械学習であるクラスタリングによって既定数のクラスタに分類した基準クラスタデータが、前記記憶装置に記憶されており、
前記処理回路が、
評価対象の前記油圧制御装置を前記診断パターンで動作させながら記録した油圧と目標油圧との差圧の推移を示すデータを、評価用データとして作成し、
前記評価用データに含まれる複数の時刻の差圧のデータと、前記基準クラスタデータにおける各クラスタの重心とを照合して、前記評価用データにおける複数の時刻のデータのそれぞれが、前記基準クラスタデータにおける前記既定数の前記クラスタの何れに属するかを判定した評価用クラスタデータを作成し、
前記基準クラスタデータと前記評価用クラスタデータとの前記クラスタの判定結果が乖離していることに基づいて、前記油圧制御装置に異常が発生していると判定する
異常診断システム。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記診断パターンは、判定する異常の種類に応じて時間帯を区切り、前記油圧制御装置が制御する複数の油圧を、それぞれの異常を判定しやすいパターンで順番に制御するものであり、
前記処理回路は、前記油圧制御装置に異常が発生しているか否かの判定結果の情報とともに、前記基準クラスタデータと前記評価用クラスタデータとが乖離している時間帯を示す情報を出力する
請求項1に記載の異常診断システム。
【請求項3】
前記診断パターンは、判定する異常の種類に応じて時間帯を区切り、前記油圧制御装置が制御する複数の油圧を、それぞれの異常を判定しやすいパターンで順番に制御するものであり、
前記処理回路は、前記基準クラスタデータと前記評価用クラスタデータとが乖離している時間帯の情報に基づいて、前記油圧制御装置に発生している異常の種類を判定する
請求項1に記載の異常診断システム。
【請求項4】
無段変速機における第1プーリと第2プーリとに供給する油圧を制御する油圧制御装置における異常の有無を判定する
請求項1に記載の異常診断システム。
【請求項5】
前記診断パターンは、判定する異常の種類に応じて時間帯を区切り、前記油圧制御装置が制御する複数の油圧を、それぞれの異常を判定しやすいパターンで順番に制御するものであり、
前記油圧制御装置が制御する前記複数の油圧は、前記第1プーリにおける油圧である第1油圧と、前記第2プーリにおける油圧である第2油圧と、を含む
請求項4に記載の異常診断システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は油圧制御装置の異常診断システムに関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自動変速機の変速制御における異常の原因を特定する異常診断システムが開示されている。特許文献1の異常診断システムは、自動変速機における回転速度の過渡的な変化の態様に基づいて、自動変速機の異常の原因を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-085480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動変速機における回転速度の変動を観測して判定を行う場合、異常の原因を特定することができないおそれがある。例えば、自動変速機の油圧制御装置における部品の故障を、回転速度の変動から判別することは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するための異常診断システムは、処理回路と、記憶装置と、を備えている。この異常診断システムの記憶装置には、異常の生じていない油圧制御装置を、既定の診断パターンで動作させたときの油圧と目標油圧との差圧の推移のデータに含まれる複数の時刻の差圧のデータを、機械学習であるクラスタリングによって既定数のクラスタに分類した基準クラスタデータが記憶されている。この異常診断システムの処理回路は、評価対象の前記油圧制御装置を前記診断パターンで動作させながら記録した油圧と目標油圧との差圧の推移を示すデータを、評価用データとして作成する。処理回路は、前記評価用データに含まれる複数の時刻の差圧のデータと、前記基準クラスタデータにおける各クラスタの重心とを照合して、前記評価用データにおける複数の時刻のデータのそれぞれが、前記基準クラスタデータにおける前記既定数の前記クラスタの何れに属するかを判定した評価用クラスタデータを作成する。処理回路は、前記基準クラスタデータと前記評価用クラスタデータとの前記クラスタの判定結果が乖離していることに基づいて、前記油圧制御装置に異常が発生していると判定する。
【発明の効果】
【0006】
上記の異常診断システムは、油圧制御装置の油圧の変動のデータを用いて判定を行うため、異常による油圧の挙動の変化を捉えて、油圧制御装置における異常の発生を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、異常診断システムの一実施形態と、診断対象の油圧制御装置とを示す模式図である。
図2は、油圧制御装置の構成を示す模式図である。
図3は、診断パターンの例を示すグラフである。
図4は、クラスタリングの例を示すグラフである。
図5は、異常診断システムが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図6は、クラスタリングの結果を示す表である。
図7は、クラスタリングの結果と異常の種類との関係を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、異常診断システム100の一実施形態について、図1~図7を参照して説明する。
<異常診断システム100の構成>
図1は、異常診断システム100と、診断対象である油圧制御装置240を含む自動変速機200を示している。油圧制御装置240を診断する際には、図1に示すように、異常診断システム100を、自動変速機200に接続する。異常診断システム100は、既定の診断パターンで油圧制御装置240を動作させて油圧制御装置240を診断する。
【0009】
図1に示すように、異常診断システム100は、処理回路110と、記憶装置120と、ディスプレイ130とを備えている。処理回路110は、プログラムに従って処理を実行するCPUと、プログラムが記憶されているROMとを備えている。記憶装置120は、データを記憶する。異常診断システム100は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションである。
【0010】
<自動変速機200の構成>
検査対象の油圧制御装置240を備える自動変速機200は、例えば、自動車に搭載される。図1では、自動変速機200の例として、無段変速機を示している。自動変速機200は、第1プーリ210と、第2プーリ220と、第1プーリ210及び第2プーリ220に巻き掛けられたベルト230とを備えている。第1プーリ210は、入力軸211と接続されている。第2プーリ220は、出力軸221と接続されている。自動変速機200は、ベルト230を介して駆動力を伝達する。自動変速機200では、油圧制御装置240が、第1プーリ210に供給する第1油圧Ppと第2プーリ220に供給する第2油圧Psとを制御する。これにより、第1プーリ210及び第2プーリ220におけるベルト230の巻き掛け半径がそれぞれ変化する。つまり、油圧制御装置240は、ベルト230の巻き掛け半径を変更することによって自動変速機200の変速比を変更する。
(【0011】以降は省略されています)

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