特許ウォッチ

公開番号2025132117
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024029474
出願日2024-02-29
発明の名称木材チップ搬出装置及び木材チップ詰め込み機
出願人日立建機株式会社
代理人弁理士法人相原国際知財事務所
主分類B65G 65/46 20060101AFI20250903BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】木材チップの詰まりを確実に防止しつつ、スクリュー羽根の耐久性を向上することができる木材チップ搬出装置及びそれを備えた木材チップ詰め込み機を提供する。
【解決手段】木材チップ搬出装置8は、木材チップWcを受け入れるホッパ13、ホッパの底部13gに形成された弧状溝13c、チップ排出側端板13bに設けられた開口部38、チップ排出側端板13bに取付けられる排出パイプ41、駆動装置側端板13aに設けた軸受22により支持されるチップ排出用回転体21、チップ排出用回転体21の上側に設けられたチップ撹拌用回転体24、チップ排出用回転体21とチップ撹拌用回転体24を回転させる駆動装置28を備え、ホッパ13内には、チップ排出用回転体21とチップ撹拌用回転体24との間を開口部38の側において部分的に区画する仕切板45が取り付けられる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
木材チップを受け入れるホッパと、
前記ホッパの底部に形成された弧状溝と、
前記ホッパのチップ排出側端板に前記弧状溝に連続して設けられた開口部と、
前記開口部に連通し、一端が前記チップ排出側端板に取付けられるとともに、他端にチップ充填用ネット袋が取付けられる排出パイプと、
前記チップ排出側端板に対向する駆動装置側端板に設けた軸受により支持され、前記弧状溝から前記排出パイプ内に亘って延在し、第１軸部に第１スクリュー羽根を設けたチップ排出用回転体と、
前記ホッパ内における前記チップ排出用回転体の上側に設けられ、第２軸部に撹拌羽根を取付けたチップ撹拌用回転体と、
前記チップ排出用回転体と前記チップ撹拌用回転体を回転させる駆動装置と
を備え、
前記ホッパ内には、前記チップ排出用回転体と前記チップ撹拌用回転体との間を前記開口部の側において部分的に区画する仕切板が取り付けられる、ことを特徴とする木材チップ搬出装置。
続きを表示（約 530 文字）【請求項２】
前記チップ撹拌用回転体は、前記第２軸部の前記チップ排出側端板の側から少なくとも前記仕切板の上側となる領域に第２スクリュー羽根を有し、前記仕切板の上側となる領域よりも前記第２軸部の前記駆動装置側端板の側の領域に前記撹拌羽根を有することを特徴とする請求項１に記載の木材チップ搬出装置。
【請求項３】
前記チップ撹拌用回転体の前記第２スクリュー羽根は、前記木材チップを前記仕切板の上側において前記駆動装置側端板の側に搬送するように構成され、
前記チップ撹拌用回転体の前記撹拌羽根は、前記第２スクリュー羽根で搬送された前記木材チップを撹拌するように構成され、
前記チップ排出用回転体の前記第１スクリュー羽根は、前記撹拌羽根で撹拌された前記木材チップを前記開口部に向けて移動させて前記排出パイプに搬送するように構成されることを特徴とする請求項２に記載の木材チップ搬出装置。
【請求項４】
下部走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を取付けた自走式作業機のフロントのアームに請求項１から３の何れか一項に記載の木材チップ搬出装置を上下回動可能に取付けて構成したことを特徴とする木材チップ詰め込み機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、木材チップをスクリュー羽根により搬出して袋詰めを行なう木材チップ搬出装置と、これを用いた木材チップ詰め込み機に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
従来から、木材チップをネット袋に詰め込んで木材チップフィルタを構成し、この木材チップフィルタを法面等に積み上げて泥水の濾過を行なわせ、もって道路や河川への泥の流出や川底への集積を防止する対策が行なわれている。特許文献１には、木材チップの詰め込み作業を効率良く行なえる木材チップ搬出装置とこれを用いた木材チップ詰め込み機が開示されている。
【０００３】
図５は、従来における木材チップ搬出装置８の本実施形態の図４に対応する断面図を示す。なお、図５に示す符号で図４と同じものについては後述の詳細な説明において詳しく説明する。木材チップ搬出装置８には、木材チップを受け入れるホッパ１３と、ホッパ１３の底板１３ｇに形成される弧状溝１３ｃから排出パイプ４１内に亘って延在するチップ排出用回転体２１とが設けられている。
【０００４】
また、チップ排出用回転体２１の軸部２１ａにはスクリュー羽根２１ｂ、２１ｃが設けられている。また、ホッパ１３内におけるチップ排出用回転体２１の上側にはチップ撹拌用回転体２４が設けられ、チップ撹拌用回転体２４の軸部２４ａに形成された複数の円板２４ｂの一部に撹拌羽根２４ｃが取付けられている。チップ排出用回転体２１及びチップ撹拌用回転体２４は駆動装置２８により回転される。
【０００５】
特許文献１において、チップ排出側端板１３ｂに設けられた開口部３８及び開口部３８に取り付けられる排出パイプ４１に挿通する部分のスクリュー羽根２１ｃの外径Ｄ２は、弧状溝１３ｃ内に位置する部分のスクリュー羽根２１ｂの外径Ｄ１より小さく設定される。これにより、開口部３８及び排出パイプ４１の内面と、この部分に挿通するスクリュー羽根２１ｃとの間には隙間Ｇが確保される。従って、開口部３８や排出パイプ４１の内面とスクリュー羽根２１ｃとの間で木材チップＷｃが挟まれて木材チップＷｃが詰まることを防止することができ、効率良く木材チップＷｃの排出を行なうことができる。
【０００６】
一方、特許文献２が開示する木材チップ搬出装置においては、チップ排出用回転体２１の基端部側（駆動装置側端板１３ａ側）の弧状溝１３ｃの下面部に木材チップ排出用の開口部１３ｄが設けられている。開口部１３ｄには開閉可能な蓋４４が設けられる。木材チップＷｃを搬出している際に詰まりを生じた場合、開口部１３ｄの蓋４４を開放してチップ排出用回転体２１を逆転させることにより、木材チップＷｃを開口部１３ｄから落下させて排出する。
【０００７】
これにより、逆転時にチップ排出用回転体２１の基端部側に木材チップＷｃが圧密されることが防止され、当該基端部における木材チップＷｃの詰まりを迅速に解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
特許第５７１３３２１号公報
特許第６０６１８８７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
チップ撹拌用回転体２４が図５に示す矢印方向に回転することにより、ホッパ１３内に導入された木材チップＷｃは、撹拌羽根２４ｃで撹拌される。撹拌羽根２４ｃは木材チップＷｃを撹拌してその滞りをなくすものの、スクリュー羽根２１ｂ、２１ｃのように木材チップＷｃを一方向に搬送する機能はない。従って、チップ排出側端板１３ｂの近傍において撹拌羽根２４ｃで撹拌された木材チップＷｃは、矢印で示すように、自重により下側のチップ排出用回転体２１に向けて移動する。
【００１０】
一方、弧状溝１３ｃにおいてチップ排出用回転体２１の周囲に存在する木材チップＷｃは、図５に矢印で示すように、スクリュー羽根２１ｂによりチップ排出側端板１３ｂに形成された開口部３８に向けて搬送される。このように、チップ排出側端板１３ｂ側のチップ排出用回転体２１の周囲には、撹拌後に自重により移動した木材チップＷｃと、スクリュー羽根２１ｂにより搬送された木材チップＷｃとが集合して圧密された木材チップＷｃ１が形成される。さらに、開口部３８の近傍には、木材チップＷｃ１がさらに過密に集合して圧密された木材チップＷｃ２が形成される。
（【００１１】以降は省略されています）

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