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公開番号2025131195
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024028785
出願日2024-02-28
発明の名称超伝導量子回路
出願人日本電気株式会社
代理人個人,個人
主分類G06F 7/38 20060101AFI20250902BHJP(計算;計数)
要約【課題】制御線の配線本数を削減可能とした量子ビットおよび/または結合器を備えた超伝導量子回路の提供。
【解決手段】超伝導量子回路装置は、量子ビットに印加する磁束を生成する信号を伝送する配線と、前記量子ビットに容量結合で入力および/または出力される信号の伝送を行う配線を、併せて、単一の第1の配線で構成している。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
量子ビットに印加する磁束を生成する信号を伝送する配線と、
前記量子ビットに容量結合で入力および/または出力される信号の伝送を行う配線を、併せて、単一の第1の配線で構成してなる、超伝導量子回路。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記量子ビットが、
第1のノードと第2のノードとの間に少なくとも一つのジョセフソン接合を含む第1のSQUID(Superconducting Quantum Interference Device:超伝導量子干渉デバイス)と、
前記第1のノードに接続する第1の電極と、
前記第1の電極とグランドに間に接続された第1のキャパシタと、
を備え、前記第2のノードは前記グランドに接続され、
前記第1の配線は、第1のインダクタを介して前記グランドに接続されるとともに、結合キャパシタを介して前記第1の電極に接続されてなる、請求項1記載の超伝導量子回路。
【請求項3】
前記量子ビットにおいて、動作時、前記第1の配線から前記第1のインダクタに流れる電流により前記第1のSQUIDを貫く磁場が生成され、
前記第1の配線から前記結合キャパシタを介して前記量子ビットに信号が入力され、
前記量子ビットからの信号が前記結合キャパシタを介して前記第1の配線に伝搬して読み出される、請求項2記載の超伝導量子回路。
【請求項4】
前記量子ビットにおいて、前記第1のSQUIDの前記第1のノードと前記第1の電極の間に、一つのジョセフソン接合または直列接続された複数のジョセフソン接合をさらに含む、請求項2記載の超伝導量子回路。
【請求項5】
前記第1の配線は、前記グランドとの当接部から前記第1の電極の端部に対向して拡延された配線に繋がり、
前記量子ビットの前記第1の電極の端部は拡幅され、
前記第1の電極の前記拡幅された端部に対向して前記拡延された配線の少なくとも一部と、前記配線の少なくとも一部に間隙を介して対向する前記第1の電極の対向辺とが、前記結合キャパシタを形成し、
前記量子ビットの前記第1のSQUIDは、前記第1の電極の端部と前記グランドの端部を架橋し、
前記第1の電極の端部に対向して延在された前記配線の少なくとも一部が前記第1のインダクタとして作用する、請求項2記載の超伝導量子回路。
【請求項6】
請求項1記載の超伝導量子回路と、
前記超伝導量子回路の前記量子ビットに容量結合で印加される交流信号を生成する第1の信号源と、
前記量子ビットに誘導結合で印加される交流信号を生成する第2の信号源と、
前記量子ビットに誘導結合で印加する直流信号を生成する第3の信号源と、
前記第1の信号源と前記第2の信号源からの信号を結合して出力するダイプレクサと、
前記ダイプレクサの出力を前記第3の信号源からの前記直流信号でバイアスした信号を出力するバイアス回路と、
を備え、
前記バイアス回路からの信号が前記第1の配線に供給され、
前記量子ビットから前記第1の配線に伝搬し、前記第1の信号源から前記第1の配線への経路からサーキュレータで分岐された信号を入力する第1の計測器をさらに備えている超伝導量子回路装置。
【請求項7】
少なくとも一つの前記量子ビットを含む複数の量子ビット同士を相互に結合する結合器について、
前記結合器に印加する磁束を生成する信号を伝送する配線と、
前記結合器に容量結合で入力および/または出力される信号の伝送を行う配線を併せて単一の第2の配線で構成してなる、請求項1記載の超伝導量子回路。
【請求項8】
前記結合器が、
前記結合器の第1の電極と第2の電極との間に、互いに並列に接続された少なくとも第1のジョセフソン接合と第2のジョセフソン接合を含む第1のSQUIDと、
前記第1の電極と前記第2の電極間に接続された第1のキャパシタと、
を備え、
前記第2の配線は、結合器用の第1のインダクタを介してグランドに接続されるとともに、結合器用の結合キャパシタを介して前記結合器の前記第1の電極又は前記第2の電極に接続されてなる、請求項7記載の超伝導量子回路。
【請求項9】
前記結合器において、動作時、前記第2の配線から前記結合器用の前記第1のインダクタに流れる電流により、前記結合器の前記第1のSQUIDを貫く磁場が生成され、
前記第2の配線から前記結合器用の前記結合キャパシタを介して前記結合器に信号が入力され、
前記結合器からの信号が、前記結合器用の前記結合キャパシタを介して前記第2の配線に伝搬して読み出される、請求項8記載の超伝導量子回路。
【請求項10】
請求項7記載の超伝導量子回路と、
前記超伝導量子回路の前記結合器に容量結合で印加される交流信号を生成する第4の信号源と、
前記結合器に誘導結合で印加する直流信号を生成する第5の信号源と、
前記第4の信号源の出力を前記第5の信号源からの前記直流信号でバイアスするバイアス回路と、
を備え、
前記バイアス回路が前記第2の配線に接続され、
前記結合器から前記第2の配線に伝搬し、前記第4の信号源から前記第2の配線への経路から分岐された信号を入力する第2の計測器を備えた、超伝導量子回路装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、超伝導量子回路に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、量子計算機の研究開発が世界中で進められている。量子計算機の技術には様々なものがあるが、その一つに超伝導素子を用いた超伝導量子計算機がある。超伝導素子を用いた量子ビットとして、例えばSQUID(Superconducting Quantum Interference Device;超伝導量子干渉デバイス)を含むジョセフソンパラメトリック発振器を用いたものが知られている(例えば特許文献1)。複数の量子ビットを組み合わせて量子計算を行う超伝導量子計算機では、量子ビットの状態を読み出すための入出力線や量子ビットの共振周波数を調整するための制御線が設けられる。さらに複数の量子ビットを結合する結合器として、例えばSQUIDを含む周波数可変型のものも知られている。周波数可変型の結合器の場合も、状態を読み出すための入出力線や結合器の共振周波数を調整するための制御線(「磁束バイアス線」ともいう)が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-11022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
量子ビットと結合器のアレイを含む超伝導量子回路が集積化された超伝導量子計算機では、量子ビットと結合器の数が増大すると、必要な信号線や制御線等の配線総数が著しく増え、実装を困難とするという課題が存在する。
【0005】
本開示は、量子ビットおよび/または結合器の配線本数を削減可能とした超伝導量子回路を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つの側面によれば、超伝導量子回路は、量子ビットに印加する磁束を生成する信号を伝送する配線と、前記量子ビットに容量結合で入力および/または出力される信号の伝送を行う配線を併せて、単一の第1の配線で構成したものである。
【0007】
本開示のさらなる一つの側面によれば、前記超伝導量子回路の前記量子ビットを少なくとも一つ含む複数の量子ビット同士を相互に結合する結合器について、前記結合器に印加する磁束を生成する信号を伝送する配線と、前記結合器に容量結合で入力および/または出力される信号の伝送を行う配線を併せて単一の第2の配線で構成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、配線本数を削減可能とした量子ビットおよび/または結合器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
比較例の量子ビットの回路構成を説明する図である。
比較例の量子ビットを説明する図である。
(A)、(B)は比較例の量子ビットのレイアウトの一例と、SQUID近辺を拡大して示す模式平面図である。
本開示におけるいくつかの実施の形態の量子ビットの一例の回路構成を説明する図である。
(A)、(B)はバイアスT回路の一例とダイプレクサの一例を説明する図である。
(A)、(B)は、本開示におけるいくつかの実施の形態の量子ビットのレイアウトの一例と、SQUID近辺を拡大して示す模式平面図である。
図6(B)のレイアウトに対応した回路構成を説明する図である。
比較例の結合器の回路構成を説明する図である。
(A)、(B)は比較例の結合器のレイアウトの一例と、SQUID近辺を拡大して示す模式平面図である。
本開示の結合器の一例の回路構成を示す図である。
(A)、(B)は本開示の結合器のレイアウトの一例と、SQUID近辺を拡大して示す模式平面図である。
エアブリッジを説明する図である。
本開示の量子ビットのいくつかの変形例の1つの量子ビットの回路構成を示す図である。
図13のSQUID近辺を拡大して示す模式平面図である。
本開示の量子ビットのいくつかの変形例の他の1つの量子ビットの回路構成を示す図である。
本開示の量子ビットのいくつかの変形例のさらに他の1つの量子ビットの回路構成を示す図である。
本開示の量子ビットのいくつかの変形例のさらに他の1つの量子ビットの回路構成を示す図である。
本開示の量子ビットのいくつかの変形例の他の1つの結合器の回路構成を示す図である。
本開示の量子ビットのいくつかの変形例のさらに他の1つの結合器の回路構成を示す図である。
本開示の量子ビットのいくつかの変形例のさらに他の1つの結合器の回路構成を示す図である。
本開示の量子ビットのいくつかの変形例のさらに他の1つの結合器の回路構成を示す図である。
量子計算機(アニーリングマシン)の一例を模式的に示す図である。
本開示の結合器と量子ビットの接続例を模式的に示す図である。
本開示の接続構成の別の例を模式的に示す図である。
本開示の接続構成の別の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示のいくつかの例について説明する。はじめに本開示の前提となる量子ビットについて比較例を用いて説明する。この比較例は、上記した課題の一例を具体的に説明するためのものである。図1は、ジョセフソンパラメトリック発振器を用いた量子ビットの比較例を説明する図である。図1を参照すると、量子ビット101は、第1のジョセフソン接合102aと第2のジョセフソン接合102bを第1の超伝導部材103aと第2の超伝導部材103bで環状(ループ状)に接続したSQUID104を備えている。第1の超伝導部材103aの一端と第2の超伝導部材103bの一端とが不図示の絶縁層(トンネル絶縁層)を介して結合している部位(×で示す)が第1のジョセフソン接合102aに対応し、第1の超伝導部材103aの他端と第2の超伝導部材103bの他端が不図示の絶縁層(トンネル絶縁層)を介して結合された部位(×で示す)が第2のジョセフソン接合102bに対応する。第1のジョセフソン接合102aと第2のジョセフソン接合102bは、SQUID104の一端(ノードn1)と他端(ノードn2)間の左右二つの経路に並列に接続されている。SQUID104の一端(ノードn1)は電極107に接続され、SQUID104の他端(ノードn2)はグランドに接続されている。SQUID104の一端(ノードn1)とグランド間にはキャパシタンス105(容量)が接続されている。キャパシタンス105は電極107とグランド間に、SQUID104に並列に接続されたシャントキャパシタの容量である。SQUIDは、一般に、N個(Nは1以上の所定の整数)のジョセフソン接合を超伝導部材で環状に接続した閉回路である。ノードn1とn2の間の二つの経路にそれぞれジョセフソン接合を含むものを、例えばdc-SQUID、ジョセフソン接合が1個のものをrf-SQUIDという場合もある。図1には、SQUID104の構成としてジョセフソン接合が2個並列に接続された構成を示しているが、SQUIDのループに含まれるジョセフソン接合の個数は任意としてよい。
(【0011】以降は省略されています)

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