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公開番号2025130199
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-08
出願番号2024027208
出願日2024-02-27
発明の名称化学ループ燃焼システム
出願人株式会社豊田中央研究所,トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 53/86 20060101AFI20250901BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】効率的な揮発性有機化合物の分解と、効率的な二酸化炭素の回収と、を両立することができる化学ループ燃焼システムを提供する。
【解決手段】化学ループ燃焼システムは、揮発性有機化合物の分解反応を促進する触媒作用を有した金属粒子と酸素とを反応させて金属粒子を酸化させつつ発熱を得る空気塔と、酸化された金属粒子と炭化水素系燃料とを反応させて金属粒子を還元させるとともに金属粒子の還元によって発生するガスを排出する燃料塔と、空気塔と燃料塔との間における気体の移動を制限するループシール部と、空気塔と燃料塔との間で金属粒子を循環させる循環配管と、を備え、空気塔には、空気塔の内部に揮発性有機化合物および空気を供給させる供給口が設けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
化学ループ燃焼システムであって、
揮発性有機化合物の分解反応を促進する触媒作用を有した金属粒子と酸素とを反応させて前記金属粒子を酸化させつつ発熱を得る空気塔と、
酸化された前記金属粒子と炭化水素系燃料とを反応させて前記金属粒子を還元させるとともに前記金属粒子の還元によって発生するガスを排出する燃料塔と、
前記空気塔と前記燃料塔との間における気体の移動を制限するループシール部と、
前記空気塔と前記燃料塔との間で前記金属粒子を循環させる循環配管と、を備え、
前記空気塔には、前記空気塔の内部に揮発性有機化合物および空気を供給させる供給口が設けられている、化学ループ燃焼システム。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
請求項1に記載の化学ループ燃焼システムであって、
前記供給口は、
前記内部に気体を供給させる第1供給口と、
前記空気塔のうち前記第1供給口よりも下流側に設けられ、前記内部に気体を供給させる第2供給口と、を含む、化学ループ燃焼システム。
【請求項3】
請求項2に記載の化学ループ燃焼システムであって、
前記第1供給口が設けられた位置である第1位置における流路断面積よりも、前記第2供給口が設けられた位置である第2位置から前記第2位置よりも下流側の位置である第3位置までの各位置における流路断面積は大きい、化学ループ燃焼システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化学ループ燃焼システムであって、さらに、
前記空気塔から排出される排ガスの熱を回収する熱回収部を備える、化学ループ燃焼システム。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化学ループ燃焼システムであって、さらに、
前記化学ループ燃焼システムを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記内部のうち前記供給口が設けられた位置よりも下流側の位置において計測された計測温度と予め設定された目標温度との差に応じて、前記空気塔への空気の供給量と前記燃料塔への前記燃料の供給量とを調整する、化学ループ燃焼システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、化学ループ燃焼システムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
塗装乾燥工程や印刷工程の際、光化学スモッグの原因となる微量の揮発性有機化合物(VOC)が含まれた排ガスが発生する。このような排ガスに含まれるVOCは、臭気を発することから、都市ガス等の燃料とともに燃焼することによって分解される。特許文献1には、塗装乾燥炉で発生した排ガスを高温に加熱することによってVOCを分解する脱臭処理装置が開示されている。また、特許文献2には、ボイラ又はタービンから排出された排ガスに含まれるVOCを除去するVOC除去装置およびVOC除去装置で処理する前の排ガスを加熱する加熱手段を備えた排ガス処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-66638号公報
国際公開2014/129402号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、排ガスを高温に加熱するために多くのエネルギー量を要する。また、特許文献1,2では、排ガスの加熱時に発生する二酸化炭素を回収する場合、その二酸化炭素は周囲に存在する排ガスによって希釈されて低濃度となっていることから、二酸化炭素の回収に要するエネルギー量も増加する傾向にある。このため、効率的な揮発性有機化合物の分解と、効率的な二酸化炭素の回収と、を両立することができる技術が要望されていた。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、効率的な揮発性有機化合物の分解と、効率的な二酸化炭素の回収と、を両立することができる化学ループ燃焼システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、化学ループ燃焼システムが提供される。この化学ループ燃焼システムは、揮発性有機化合物の分解反応を促進する触媒作用を有した金属粒子と酸素とを反応させて前記金属粒子を酸化させつつ発熱を得る空気塔と、酸化された前記金属粒子と炭化水素系燃料とを反応させて前記金属粒子を還元させるとともに前記金属粒子の還元によって発生するガスを排出する燃料塔と、前記空気塔と前記燃料塔との間における気体の移動を制限するループシール部と、前記空気塔と前記燃料塔との間で前記金属粒子を循環させる循環配管と、を備え、前記空気塔には、前記空気塔の内部に揮発性有機化合物および空気を供給させる供給口が設けられている。
【0008】
この構成によれば、化学ループ燃焼システム内を循環する金属粒子は揮発性有機化合物の分解反応を促進する触媒作用を有するため、揮発性有機化合物の分解反応に要するエネルギー量を低減できることから、揮発性有機化合物を効率的に分解することができる。また、この構成によれば、ループシール部によって空気塔と燃料塔との間における気体の移動が制限されているため、燃料塔における金属粒子と炭化水素系燃料との反応によって生じる二酸化炭素が、空気塔の内部を流れる気体によって希釈されるのを抑制することができる。さらに、燃料塔から排出されるガスには二酸化炭素および水のみが含まれていることから、一般的に二酸化炭素回収器よりもエネルギー消費量が少ないとされる脱水器のみを用いて、燃料塔から排出されるガスから水を除去するのみで純度の高い二酸化炭素を回収することができる。その結果、二酸化炭素を効率的に回収することができる。したがって、この構成によれば、効率的な揮発性有機化合物の分解と、効率的な二酸化炭素の回収と、を両立することができる。
【0009】
(2)上記形態の化学ループ燃焼システムにおいて、前記供給口は、前記内部に気体を供給させる第1供給口と、前記空気塔のうち前記第1供給口よりも下流側に設けられ、前記内部に気体を供給させる第2供給口と、を含んでもよい。
この構成によれば、揮発性有機化合物および空気のうち、一方を第1供給口から供給しつつ、他方を第2供給口から供給することができるため、揮発性有機化合物の分解反応と金属粒子の酸化反応とを別々に生じさせることができ、それぞれの反応を好適な温度で実行できる。即ち、それぞれの反応を必要最小限の温度で行うことができる。結果として、無駄な昇温を回避でき、エネルギー消費を抑制できる。
【0010】
(3)上記形態の化学ループ燃焼システムにおいて、前記第1供給口が設けられた位置である第1位置における流路断面積よりも、前記第2供給口が設けられた位置である第2位置から前記第2位置よりも下流側の位置である第3位置までの各位置における流路断面積は大きくてもよい。
この構成によれば、第2位置から第3位置までの各位置における流路断面積は、第1位置における流路断面積よりも大きくなっている。このため、第2位置から第3位置までの間において、第1供給口から供給された気体に対してさらに第2供給口から気体が供給されることに起因した気体の流速の増加を抑制することができる。気体の流速の増加は、金属粒子の飛散量を増加させて空気塔の内部に滞留する金属粒子の量を減少させるため、金属粒子と揮発性有機化合物との接触頻度の減少につながることから、揮発性有機化合物の分解効率を低下させる。したがって、この構成によれば、空気塔の内部における気体の流速の増加を抑制することによって、揮発性有機化合物の分解効率が低下するのを抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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