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公開番号2025130013
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2024190305
出願日2024-10-30
発明の名称炭素繊維束用サイジング剤分散液、サイジング剤含有炭素繊維束、複合材料および圧力容器
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D06M 15/53 20060101AFI20250829BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】
複合材料の引張強度および集束性に優れ、工程中で発生する堆積毛羽の発生も抑えつつ、品質安定性も兼ね備えたサイジング剤含有炭素繊維束を提供する。
【解決手段】
下記の(i)および(ii)を満たす炭素繊維束用サイジング剤分散液。
(i)下記の化学式1で表されるビスフェノールA型エチレンオキシド付加物(A)をサイジング剤中に含み、不飽和二塩基酸とビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物との縮合物である不飽和ポリエステル(B)を含み、エポキシ化合物(C)を含む。
【化1】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025130013000005.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">21</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image> (ただし、m+nはエチレオンオキシドの付加モル数であり、14~22である。)
(ii)サイジング剤分散液におけるサイジング剤含有量を0.1質量%とした際のサイジング剤分散液の波長500nmにおける紫外可視吸光度が0.05以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記の(i)および(ii)を満たす炭素繊維束用サイジング剤分散液。
(i)下記の化学式1で表されるビスフェノールA型エチレンオキシド付加物(A)をサイジング剤中に含み、不飽和二塩基酸とビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物との縮合物である不飽和ポリエステル(B)を含み、エポキシ化合物(C)を含む。
TIFF
2025130013000004.tif
21
170
(ただし、m+nはエチレオンオキシドの付加モル数であり、14~22である。)
(ii)サイジング剤分散液におけるサイジング剤含有量を0.1質量%とした際のサイジング剤分散液の波長500nmにおける紫外可視吸光度が0.05以上である。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記ビスフェノールA型エチレンオキシド付加物(A)をサイジング剤中に30~90質量%含む請求項1に記載の炭素繊維束用サイジング剤分散液。
【請求項3】
前記ビスフェノールA型エチレンオキシド付加物(A)をサイジング剤中に60~80質量%含む請求項1または2に記載の炭素繊維束用サイジング剤分散液。
【請求項4】
前記不飽和ポリエステル(B)を3~30質量%含む請求項1に記載の炭素繊維束用サイジング剤分散液。
【請求項5】
前記不飽和ポリエステル(B)を10~30質量%含む請求項1に記載の炭素繊維束用サイジング剤分散液。
【請求項6】
前記エポキシ化合物(C)を3~30質量%含む請求項1に記載の炭素繊維用サイジング剤分散液。
【請求項7】
前記エポキシ化合物(C)を3~15質量%含む請求項1に記載の炭素繊維用サイジング剤分散液。
【請求項8】
サイジング剤分散液の分散媒が水である請求項1に記載の炭素繊維束用サイジング剤分散液。
【請求項9】
ビスフェノールA型エチレンオキシド付加物(A)を含む溶液と、不飽和ポリエステル(B)およびエポキシ化合物(C)を含むエマルジョンとを含有する請求項1に記載の炭素繊維束用サイジング剤分散液。
【請求項10】
請求項1に記載のサイジング剤を含むサイジング剤含有炭素繊維束。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、航空・宇宙部材、自動車部材および船舶部材をはじめとして、ゴルフシャフトや釣竿等のスポーツ用途、およびその他一般産業用途に好適に用いられる炭素繊維束用のサイジング剤分散液、サイジング剤含有炭素繊維束に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維束は、軽量でありながら、強度および弾性率に優れるため、種々のマトリックス樹脂と組み合わせた複合材料として、航空・宇宙用途や、スポーツ用途、自動車や船舶、土木・建築、圧力容器、風車といった一般産業用途など幅広い分野に展開されている。
【0003】
一般に炭素繊維束にはサイジング剤が塗布されたサイジング剤含有炭素繊維束として活用される。サイジング剤には様々の機能があり、炭素繊維束に集束性を付与して取り扱い性を向上させる機能、炭素繊維束を用いたプリプレグの製造時や、特に圧力用容器の成形方法の一種であるフィラメントワインド工程では繊維束をローラーや固定バーといった複数のガイド部材を通過させる際の毛羽発生が特に顕著であり、このような毛羽発生を低減する機能、複合材料としての力学特性(引張強度、曲げ強度、層間せん断強度等)を引き出す機能を担っている。また、これら機能の経時安定性やマトリックス樹脂に依存しない普遍性も求められる。これらの要求に応じて様々なサイジング剤が提案されているが、多様な要求をバランスするサイジング剤設計となると難度が高い。
【0004】
特許文献1にはエポキシ化合物と不飽和二塩基酸とビスフェノール類のアルキレンオキシドの縮合物(不飽和ポリエステル)とを混合したサイジング剤を適用することで、集束性を発現しつつ、マトリックス樹脂が一般に用いられるエポキシ樹脂ではなく、不飽和ポリエステル樹脂であっても複合材料の曲げ強度や層間せん断強度が高まることが記載されている。また、エポキシ化合物および不飽和ポリエステルのいずれもがビスフェノールA骨格を有したサイジング剤組成が提案されており、マトリックス樹脂との親和性を高めることで複合材料の曲げ強度や層間せん断強度の発現に繋げているものと考えられる。
【0005】
ビスフェノールA骨格を基本としたサイジング剤は他にも提案されている。特許文献2にはビスフェノールA骨格に付加モル数が25、30のエチレンオキシド付加物をサイジング剤として適用することで、摩擦係数が低下し、工程通過時の毛羽立ちが抑制され、また、複合材料の層間せん断強度が高まることが記載されている。
【0006】
特許文献3にはビスフェノールA骨格に付加モル数が10、30のエチレンオキシド付加物を適用することで毛羽の発生が少なく、マトリックス樹脂が内部まで浸透しやすくなり、また、複合材料の層間せん断強度が高まることが記載されている。
【0007】
特許文献4にはビスフェノールA骨格に付加モル数が10、12のエチレンオキシド付加物を適用することで、複合材料の層間せん断強度を高められることが記載されている。
【0008】
特許文献5にはビスフェノールAに付加モル数が60のエチレンオキシド付加物とエポキシ化合物を含むサイジング剤を適用することで、集束性を備えつつ、樹脂含浸性が良好になることが記載されている。
【0009】
特許文献6ではビスフェノールAに付加モル数が8、10、17.5のエチレンオキシド付加物と特定のポリエステルを含むサイジング剤を適用することで、集束性と接着性、耐擦過性(擦過した際の毛羽立ちにくさ)を両立できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開昭53-52796号公報
特開平1-272867号公報
特開平7-9444号公報
特開平6-212565号公報
特開2008-280623号公報
国際公開第2023/026674号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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