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公開番号2025129038
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-03
出願番号2025017879
出願日2025-02-05
発明の名称空圧回路及び空圧回路の制御方法
出願人オークマ株式会社
代理人個人,個人
主分類B23Q 11/12 20060101AFI20250827BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】従来の空圧回路の機能を維持したまま、エアドライヤで消費される圧縮空気流量を低減できる空圧回路及び空圧回路の制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】空圧回路1は、圧縮空気を発生させるエア源2と、圧縮空気から水分を除去可能なエアドライヤ3とを備え、エアドライヤ3の一次側で、エア源2との間の第1流路4に、第1のバルブ7を設け、エアドライヤ3の二次側で、流路は分岐点Bで二方向に分岐して、一方の流路を第2流路5とし、他方の流路を第3流路6とし、第3流路6は、合流点Jで第2流路5と合流し、第3流路6に、第2のバルブ10を設け、主軸回転時に、第1のバルブ7及び第2のバルブ10を開放し、主軸停止時であって、主軸のパージが必要な場合に、第1のバルブ7を開放し、第2のバルブ10を閉塞し、主軸停止時であって、主軸のパージが不要な場合に、第1のバルブ7及び第2のバルブ10を共に閉塞する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
圧縮空気を発生させるエア源と、前記圧縮空気から水分を除去可能なエアドライヤとを備え、回転軸の軸受潤滑のための圧縮空気が流通する空圧回路であって、
前記エアドライヤの一次側において、前記エア源との間の第1流路に、第1のバルブを設け、
前記エアドライヤの二次側において、流路は分岐点で二方向に分岐して、一方の流路を第2流路とし、他方の流路を第3流路とし、前記第3流路は、合流点で前記第2流路と合流し、
前記第3流路に、第2のバルブを設け、
前記第1のバルブと前記第2のバルブとは、制御装置により制御されることを特徴とする空圧回路。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記第1のバルブは、2つの流路を択一的に切替可能な切替弁であり、
前記2つの流路は、前記第1流路と、前記回転軸を具備する機械要素とは異なる機械要素へ前記圧縮空気を流通させる第4流路であり、
前記エアドライヤの二次側において、二方向に分岐する第2分岐点で前記第2流路若しくは前記第3流路から分岐した流路、又は前記分岐点で三方向に分岐した流路のうちの前記第2流路及び第3流路とは異なる流路を第5流路とし、
前記第5流路は、第2の合流点で前記第4流路と合流すると共に、前記第2の分岐点から前記第2の合流点への流通を許容するチェック弁を備えることを特徴とする請求項1に記載の空圧回路。
【請求項3】
前記第2流路は、第2のチェック弁を備え、
前記第2分岐点は、前記第2流路における前記第2のチェック弁の一次側、又は前記エアドライヤと前記第2バルブとの間に設けられることを特徴とする請求項2に記載の空圧装置。
【請求項4】
前記回転軸の回転時は、前記第1流路が開放されると共に前記第2のバルブが開放状態とされ、
前記回転軸の停止時であって、前記回転軸のパージが必要な場合は、前記第1流路が開放され、前記第2のバルブが閉塞状態とされ、
前記回転軸の停止時であって、前記回転軸のパージが不要な場合は、前記第1流路が閉塞されると共に前記第2のバルブが閉塞状態とされることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空圧回路。
【請求項5】
前記第1のバルブは、開放状態の前記第1流路を所定時間で閉塞状態とすることが可能なタイマーを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空圧回路。
【請求項6】
前記第1のバルブは、開放状態の前記第1流路を所定時間で閉塞状態とすることが可能なタイマーを備えることを特徴とする請求項4に記載の空圧回路。
【請求項7】
圧縮空気を発生させるエア源と、前記圧縮空気から水分を除去可能なエアドライヤとを備え、回転軸の軸受潤滑のための圧縮空気が流通する空圧回路において、
前記エアドライヤの一次側において、前記エア源との間の第1流路に、第1のバルブを設け、
前記エアドライヤの二次側において、流路は分岐点で二方向に分岐して、一方の流路を第2流路とし、他方の流路を第3流路とし、前記第3流路は、合流点で前記第2流路と合流し、
前記第3流路に、第2のバルブを設け、
前記第1のバルブと前記第2のバルブとを、制御装置により制御し、
前記回転軸の回転時に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを開放し、
前記回転軸の停止時であって、前記回転軸のパージが必要な場合に、前記第1のバルブを開放し、前記第2のバルブを閉塞し、
前記回転軸の停止時であって、前記回転軸のパージが不要な場合に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを共に閉塞することを特徴とする空圧回路の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、工作機械の主軸装置といった高速回転を行う装置への圧縮流体供給において、圧縮空気を供給するための空圧回路及び空圧回路の制御方法に関するものである。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
工作機械において、例えば主軸のような高速回転を行う部位では、その軸受潤滑のため、油と空気を混ぜたオイルエアを使用している。その際、圧縮空気を消費する。
主軸を例に挙げると、回転中は、潤滑のため、常時、圧縮空気を流す必要がある。また、停止中においても、高速回転で加熱された軸受及び主軸自身が冷える際に、周囲の雰囲気、すなわち装置近傍の空気を吸い込んでしまう。そのため、軸受部に埃、切粉といったゴミが入らない様に、少なくとも一定時間は、パージエアとして圧縮空気を吐出することがある。さらに、主軸の信頼性向上を目的に、工作機械側で主軸潤滑に使用するエア品質を確保するため、送り込まれた圧縮空気から乾燥エアを吐出するエアドライヤといった機器を用いる場合がある。エアドライヤが、例えば、メンブレン式の除湿方法であった場合、送り込まれた圧縮空気から除去された水分をエアドライヤ外へ放出するためのパージエア流量が必要となるため、多量の圧縮空気を用いなくてはならない。一方、省エネルギー、脱炭素といった観点から、工作機械で使用する圧縮空気流量の削減が求められている。
【0003】
特許文献1では、エアドライヤの二次側の流路を2つに分岐させた上で、流量を調整すると共に、2つの流路それぞれにバルブを設置し、流量の異なる2つの流路を切り替え可能とした空圧回路を開示している。これにより、主軸の回転動作の有無に応じて2つの流路を切り替えることで、主軸が回転動作をしていない場合における圧縮空気流量を抑えることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-229856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、上述のように、エア品質を確保するためにメンブレン式エアドライヤを工作機械の空圧回路内に追加する場合、メンブレン式エアドライヤは、二次側のエア使用の有無に関わらず、除湿のために水分をエアドライヤ外へ放出するためのパージエア流量を必要とする。そのため、単にエアドライヤを追加しただけでは、エア品質向上の為、圧縮空気の消費量、ひいては電気消費量、及び二酸化炭素の排出量が増加してしまう。従って、省エネルギー化及び脱炭素化を実現するため、エアドライヤへ送られる圧縮空気を低減することが望まれていた。
しかし、特許文献1の空圧回路では、エアドライヤに送り込まれる圧縮空気を削減するためには、圧縮空気源を停止させる他なく、再度利用するためには、機器の立ち上げ工程を必要とするため、さらなる省エネルギー化及び脱炭素化を実現することは難しい。従って、工作機械において、エアドライヤを利用しながら圧縮空気の消費量を削減するためには、エアドライヤにおけるパージエアの削減が課題となり得る。
【0006】
そこで、本開示は、上記問題に鑑みなされたものであって、簡単な回路構成で、従来の空圧回路の機能を維持したまま、回転軸の停止時にエアドライヤで消費される圧縮空気流量を低減できる空圧回路及び空圧回路の制御方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の第1の構成は、圧縮空気を発生させるエア源と、圧縮空気から水分を除去可能なエアドライヤとを備え、回転軸の軸受潤滑のための圧縮空気が流通する空圧回路であって、エアドライヤの一次側において、エア源との間の第1流路に、第1のバルブを設け、エアドライヤの二次側において、流路は分岐点で二方向に分岐して、一方の流路を第2流路とし、他方の流路を第3流路とし、第3流路は、合流点で第2流路と合流し、第3流路に、第2のバルブを設け、第1のバルブと第2のバルブとは、制御装置により制御されることを特徴とする。
本開示の第1の構成の別の態様は、上記構成において、第1のバルブは、2つの流路を択一的に切替可能な切替弁であり、2つの流路は、第1流路と、回転軸を具備する機械要素とは異なる機械要素へ圧縮空気を流通させる第4流路であり、エアドライヤの二次側において、二方向に分岐する第2分岐点で第2流路若しくは第3流路から分岐した流路、又は分岐点で三方向に分岐した流路のうちの第2流路及び第3流路とは異なる流路を第5流路とし、第5流路は、第2の合流点で第4流路と合流すると共に、第2の分岐点から第2の合流点への流通を許容するチェック弁を備えることを特徴とする。
本開示の第1の構成の別の態様は、上記構成において、第2流路は、第2のチェック弁を備え、第2分岐点は、第2流路における第2のチェック弁の一次側、又はエアドライヤと第2バルブとの間に設けられることを特徴とする。
本開示の第1の構成の別の態様は、上記構成において、回転軸の回転時は、第1流路が開放されると共に第2のバルブが開放状態とされ、回転軸の停止時であって、回転軸のパージが必要な場合は、第1流路が開放され、第2のバルブが閉塞状態とされ、回転軸の停止時であって、回転軸のパージが不要な場合は、第1流路が閉塞されると共に第2のバルブが閉塞状態とされることを特徴とする。
本開示の第1の構成のさらに別の態様は、上記構成において、第1のバルブは、開放状態の第1流路を所定時間で閉塞状態とすることが可能なタイマーを備えることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本開示の第2の構成は、圧縮空気を発生させるエア源と、圧縮空気から水分を除去可能なエアドライヤとを備え、回転軸の軸受潤滑のための圧縮空気が流通する空圧回路において、エアドライヤの一次側において、エア源との間の第1流路に、第1のバルブを設け、エアドライヤの二次側において、流路は分岐点で二方向に分岐して、一方の流路を第2流路とし、他方の流路を第3流路とし、第3流路は、合流点で第2流路と合流し、第3流路に、第2のバルブを設け、第1のバルブと第2のバルブとを、制御装置により制御し、回転軸の回転時に、第1のバルブ及び第2のバルブを開放し、回転軸の停止時であって、回転軸のパージが必要な場合に、第1のバルブを開放し、第2のバルブを閉塞し、回転軸の停止時であって、回転軸のパージが不要な場合に、第1のバルブ及び第2のバルブを共に閉塞することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、圧縮空気の供給先である回転軸の状況に応じて第1のバルブ及び第2のバルブが制御装置により自動的に制御されるため、従来の空圧回路の機能を維持したまま、主軸の停止時にエアドライヤで消費される圧縮空気流量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態の空圧回路を示す概略構成図である。
主軸装置の稼働状況に応じたバルブの挙動をまとめた表である。
変更例の空圧回路を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態の空圧回路を示す概略構成図である。
空圧回路1は、図1に示すように、コンプレッサといったエア源2と、エアドライヤ3と、第1流路4と、第2流路5と、第3流路6とを含む。本開示において、エアドライヤ3は、メンブレン式エアドライヤである。また、第2流路5と第3流路6とは、それぞれチェック弁C1、C2を備える。チェック弁C1及びC2は、いずれも上流から下流への流れを許容し、逆流が生じない方向で取り付けられる。第2流路5に設けられたチェック弁C1は、本開示における第2のチェック弁の一例である。
空圧回路1は、本開示の回転軸としての工作機械の主軸装置に連結される。空圧回路1から主軸装置へ送られる圧縮空気は、空圧回路1と主軸装置との間に設けられる図示しないミキシングバルブによってオイルエア化され、主軸の軸受潤滑のために用いられる。また、圧縮空気は、オイルエア化されず、冷却中の主軸装置を清浄に保つためのパージエアとしても用いられる。
(【0011】以降は省略されています)

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