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公開番号
2025127440
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-01
出願番号
2024225612
出願日
2024-12-20
発明の名称
成型炭の偏析評価方法及びコークスの製造方法
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C10B
47/10 20060101AFI20250825BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】炉蓋周辺に存在する成型炭の比率を適切に把握するための成型炭の偏析評価方法及び炉蓋周辺に存在する成型炭の比率を適切に制御するコークスの製造方法の提供。
【解決手段】コークス炉の炉蓋周辺における成型炭の偏析を偏析試験装置を用いて評価する方法であり、偏析試験装置はホッパーと試料箱とを有し、試料箱はコークス炉の炭化室の炉蓋付近に相当する直方体形状であって複数の区分に区分けされ、原料炭をホッパーから試料箱に装入し、試料箱の炉蓋周辺区分に装入された原料炭に含まれる成型炭の比率である炉蓋周辺成型炭質量比率を求め、炉蓋周辺成型炭質量比率と原料炭全体における成型炭の全体成型炭質量比率とを用いて、D=A/Eの式(Dは偏析度合い、Aは炉蓋周辺成型炭質量比率、Eは全体成型炭質量比率)により成型炭の偏析度合いを求めることを特徴とする成型炭の偏析評価方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
コークス炉の炉蓋周辺における成型炭の偏析を、偏析試験装置を用いて評価する方法であって、
前記偏析試験装置は、粉炭と成型炭を含む原料炭を収容するホッパーと、前記ホッパーから前記原料炭が装入される試料箱とを有し、前記試料箱はコークス炉の炭化室の炉蓋付近に相当する直方体形状であって、一端側が炉蓋位置に対応し、他端側が前記ホッパーの装炭位置であり、前記一端側から前記他端側の長さ方向及び高さ方向に複数の区分に区分けされ、
前記原料炭を前記ホッパーから落下させて前記試料箱に装入し、
前記試料箱の複数の区分のうち、最も前記一端側にある炉蓋周辺区分に装入された前記原料炭に含まれる前記成型炭の比率である炉蓋周辺成型炭質量比率を求め、
求めた炉蓋周辺成型炭質量比率と、前記原料炭全体における前記成型炭の配合比率である全体成型炭質量比率とを用いて、下記式(I)により前記成型炭の炉蓋周辺への偏析の程度を示す偏析度合いを求めることを特徴とする成型炭の偏析評価方法。
D=A/E (I)
式(I)において、Dは偏析度合い、Aは炉蓋周辺成型炭質量比率、Eは全体成型炭質量比率である。
続きを表示(約 2,800 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の成型炭の偏析評価方法により、コークス炉に装入する対象成型炭の偏析度合いを求め、
前記対象成型炭の全体成型炭質量比率を決定する際の基準とする基準成型炭であって、成型炭を製造する際に添加されたタールの質量比率であるタール添加率が前記対象成型炭と共通する基準成型炭について前記成型炭の偏析評価方法により求めた炉蓋周辺成型炭質量比率と、前記対象成型炭の偏析度合いと、を前記式(I)に代入して全体成型炭質量比率を求め、
求めた全体成型炭質量比率で前記対象成型炭を配合した原料炭を用いることを特徴するコークスの製造方法。
【請求項3】
コークス炉の炉蓋周辺における成型炭の偏析を、偏析試験装置を用いて評価する方法であって、
前記偏析試験装置は、粉炭と成型炭を含む原料炭を収容するホッパーと、前記ホッパーから前記原料炭が装入される試料箱とを有し、前記試料箱はコークス炉の炭化室の炉蓋付近に相当する直方体形状であって、一端側が炉蓋位置に対応し、他端側が前記ホッパーの装炭位置であり、前記一端側から前記他端側の長さ方向及び高さ方向に複数の区分に区分けされ、
前記原料炭を前記ホッパーから落下させて前記試料箱に装入し、
前記試料箱の複数の区分のうち、最も前記一端側にある炉蓋周辺区分に装入された前記原料炭に含まれる前記成型炭の比率である炉蓋周辺成型炭質量比率を求め、
求めた炉蓋周辺成型炭質量比率と、成型炭を製造する際に添加されたタールの質量比率であるタール添加率と、を用いて、下記式(II)により前記成型炭の炉蓋周辺への偏析の程度を示す、炉蓋周辺成型炭由来タール質量比率を求めることを特徴とする成型炭の偏析評価方法。
F=A×G (II)
式(II)において、Fは炉蓋周辺成型炭由来タール質量比率、Aは炉蓋周辺成型炭質量比率、Gはタール添加率である。
【請求項4】
請求項1に記載の成型炭の偏析評価方法によりコークス炉に装入する対象成型炭の偏析度合いを求め、
請求項3に記載の成型炭の偏析評価方法により、前記対象成型炭の原料炭における配合比率である全体成型炭質量比率を決定する際の基準とする基準成型炭について求めた炉蓋周辺成型炭由来タール質量比率と、前記対象成型炭のタール添加率と、を前記式(II)に代入して炉蓋周辺成型炭質量比率を求め、
求めた炉蓋周辺成型炭質量比率と、前記対象成型炭の偏析度合いと、を前記式(I)に代入して全体成型炭質量比率を求め、
求めた全体成型炭質量比率で前記対象成型炭を配合した原料炭を用いることを特徴とするコークスの製造方法。
【請求項5】
複数種類の成型炭について前記成型炭の偏析評価方法により求めた偏析度合いと、前記複数種類の成型炭の体積及び球形度と、を重回帰分析して求めた関係式に、偏析を評価したい成型炭について求めた体積と球形度を代入して偏析度合いを求める請求項1に記載の成型炭の偏析評価方法。
【請求項6】
複数種類の成型炭について前記成型炭の偏析評価方法により求めた偏析度合いと、前記複数種類の成型炭の体積及びアスペクト比と、を重回帰分析して求めた関係式に、偏析を評価したい成型炭について求めた体積と球形度を代入して偏析度合いを求める請求項1に記載の成型炭の偏析評価方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の成型炭の偏析評価方法に基づき、前記関係式を用いて、コークス炉に装入する対象成型炭の偏析度合いと、前記対象成型炭の全体成型炭質量比率を決定する際の基準とする基準成型炭であって、成型炭を製造する際に添加されたタールの質量比率であるタール添加率が前記対象成型炭と共通する基準成型炭の偏析度合いと、を求め、
求めた前記基準成型炭の偏析度合いと、前記基準成型炭をコークス炉に装入する際における全体成型炭質量比率と、を前記式(I)に代入して、前記基準成型炭の炉蓋周辺成型炭質量比率を求め、
前記基準成型炭の炉蓋周辺成型炭質量比率と、前記対象成型炭の偏析度合いと、を前記式(I)に代入して全体成型炭質量比率を求め、
求めた全体成型炭質量比率で前記対象成型炭を配合した原料炭を用いることを特徴とするコークスの製造方法。
【請求項8】
請求項5または6に記載の成型炭の偏析評価方法によりコークス炉に装入する対象成型炭の偏析度合いを求め、
請求項3に記載の成型炭の偏析評価方法により、前記対象成型炭の原料炭における配合比率である全体成型炭質量比率を決定する際の基準とする基準成型炭について求めた炉蓋周辺成型炭由来タール質量比率と、前記対象成型炭のタール添加率と、を前記式(II)に代入して炉蓋周辺成型炭質量比率を求め、
求めた炉蓋周辺成型炭質量比率と、前記対象成型炭の偏析度合いと、を前記式(I)に代入して全体成型炭質量比率を求め、
求めた全体成型炭質量比率で前記対象成型炭を配合した原料炭を用いることを特徴とするコークスの製造方法。
【請求項9】
含水率の異なる複数種類の粉炭について測定した安息角と、
偏析を評価したい成型炭と前記複数種類の粉炭をそれぞれ組み合わせた複数種類の原料炭について前記成型炭の偏析評価方法により求めた偏析度合いと、
を回帰分析して求めた関係式に、偏析を評価したい成型炭に組み合わせる粉炭の安息角を代入して偏析度合いを求める請求項1に記載の成型炭の偏析評価方法。
【請求項10】
請求項9に記載の成型炭の偏析評価方法に基づき、前記関係式を用いて、コークス炉に装入する対象成型炭の偏析度合いと、前記対象成型炭の全体成型炭質量比率を決定する際の基準とする基準成型炭であって、成型炭を製造する際に添加されたタールの質量比率であるタール添加率が前記対象成型炭と共通する基準成型炭の偏析度合いと、を求め、
求めた前記基準成型炭の偏析度合いと、前記基準成型炭をコークス炉に装入する際における全体成型炭質量比率と、を前記式(I)に代入して、前記基準成型炭の炉蓋周辺成型炭質量比率を求め、
前記基準成型炭の炉蓋周辺成型炭質量比率と、前記対象成型炭の偏析度合いと、を前記式(I)に代入して全体成型炭質量比率を求め、
求めた全体成型炭質量比率で前記対象成型炭を配合し、前記関係式を用いて前記対象成型炭の偏析度合いを求める際に用いた安息角を有する粉炭を配合した原料炭を用いることを特徴とするコークスの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、成型炭の偏析評価方法及びコークスの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、高炉操業に使用されるコークスの製造においては、成型炭と粉炭とで構成される配合炭における非微粘結炭などの劣質炭の配合割合を多くしつつコークス強度を良好に維持する方法が種々検討されている。劣質炭を含む配合炭を用いて所望のコークス強度を得るためには、石炭の事前処理プロセスが有用である。
【0003】
石炭の事前処理プロセスの1つである成型炭配合法は、密度の高い成型炭を配合することで原料炭全体の嵩密度が向上し、コークス強度を改善することができる。また、成型炭の密度の高さを利用して、コークス強度を低下させずに成型炭中に劣質炭を集中的に配合することも可能である。成型炭配合法は、乾燥プロセスや粉砕粒度調整方法等のその他の石炭事前処理プロセスと組み合わせることも可能である。
【0004】
成型炭を利用して、コークス炉のガス漏れを抑制することも提案されている。例えば特許文献1では、コークスの生産性を向上し、コークス炉炉蓋からのガス漏れを低減し、コークス原料中に占める劣質炭の比率を増大できるようにするために、石炭全量を成型炭とするコークスの製造方法が提案されている。
【0005】
また、特許文献2では、炉蓋からのガス漏れが乾留初期における炉蓋-炉壁間のガス通過空間のガス圧が高くなることが原因であることを見出し、コークス炉炉底部の炉蓋近傍に成型炭を集中して装入しスペーサーとして機能させることでガス圧を低減してガス漏れを抑制したコークスの製造方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
2000-282051号公報
特開平6-212162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の方法の場合、原料炭がすべて成型炭であるため、炉蓋近傍に存在する原料炭はすべて成型炭となる。また、特許文献2の方法の場合も、炉蓋近傍に成型炭が多く存在する。このように炉蓋近傍に成型炭が過剰に存在すると、成型炭に含まれるバインダー由来のカーボンが炉蓋レンガに付着し、炉蓋のシール性が低下する場合がある。シール性低下により、炉蓋からガス漏れやタール漏れが生じやすくなる。また、成型炭由来のカーボンがコークス炉の上昇管に付着してガス流れが阻害されると、炉蓋からのガス漏れの原因となる。そのため、成型炭を使用する場合に、コークス炉の炉蓋周辺に装入される成型炭の量を適切に把握して制御する必要がある。
【0008】
また、コークス炉におけるコークス製造においては様々な種類の成型炭が使用されるが、装入される成型炭の種類が変更されても、カーボンの付着、ガス漏れやタール漏れが増加しないように、炉蓋周辺の成型炭の比率を適切に制御してコークスを製造することが望まれる。
【0009】
そこで本願は、炉蓋周辺に存在する成型炭の比率を適切に把握するための成型炭の偏析評価方法を提供することを目的とする。また、コークス炉の炉蓋周辺に存在する成型炭の比率を適切に制御するコークスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願は上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨は以下の通りである。
(【0011】以降は省略されています)
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