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公開番号2025136556
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035217
出願日2024-03-07
発明の名称合成梁及び床構造
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類E04C 3/293 20060101AFI20250911BHJP(建築物)
要約【課題】断面がH形かつ二軸対称である梁及び床スラブを備える合成梁において、梁に対して剛性だけでなく耐力も向上させた合成梁を提供する。
【解決手段】合成梁3は、自身の軸線O1方向の断面がH形かつ二軸対称である鉄骨製の梁10と、梁に支持され、自身の有効幅内に鉄筋17を有する床スラブ15と、梁及び床スラブにそれぞれ接合されたシアコネクタ25と、を備える合成梁であって、梁が、降伏強度が325N/mm2以上の鋼材で形成され、鉄筋の降伏強度が295N/mm2であり、梁の断面積sA(mm2)と鉄筋の断面積の合計rA(mm2)が、数式を満足する。ただし、hは梁の上フランジ11の上面から鉄筋の重心までの距離(mm)、Hは梁の梁せい(mm)、sftは梁の許容応力度(N/mm2)、rftは鉄筋の許容応力度(N/mm2)、sAwは梁のウェブ13の断面積(mm2)である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
自身の軸線方向の断面がH形かつ二軸対称である鉄骨製の梁と、
前記梁に支持され、自身の有効幅内に鉄筋を有する床スラブと、
前記梁及び前記床スラブにそれぞれ接合されたシアコネクタと、を備える合成梁であって、
前記梁が、降伏強度が325N/mm

以上の鋼材で形成され、
前記鉄筋の降伏強度が295N/mm

であり、
前記梁の断面積

A(mm

)と前記鉄筋の断面積の合計

A(mm

)が、(1)式を満足する、合成梁。
ただし、hは前記梁の上フランジの上面から前記鉄筋の重心までの距離(mm)、Hは前記梁の梁せい(mm)、



は前記梁の許容応力度(N/mm

)、



は前記鉄筋の許容応力度(N/mm

)、



は前記梁のウェブの断面積(mm

)である。
TIFF
2025136556000008.tif
65
170
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
前記梁の少なくとも一方の端部が、支持部材に剛接合又は半剛接合されている、請求項1に記載の合成梁。
【請求項3】
前記ウェブの幅厚比が100を超える、請求項1又は2に記載の合成梁。
【請求項4】
請求項2に記載の合成梁と、
前記支持部材と、
を備える、床構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、合成梁及び床構造に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、鉄骨造の建築物において、床スラブを支持する梁には、鋼製のH形断面部材が使用されるのが一般的である。梁に床スラブが取り付く場合、頭付きスタッド等のシアコネクタを介することで梁と床スラブを一体化して合成梁とし、積載荷重や風荷重、地震荷重等の外力に対して、合成梁として耐えられるよう設計される場合がある。梁を合成梁として扱う場合、梁単体に比べ、床スラブの寄与を考慮することで、剛性及び耐力の向上が期待できる。
合成梁の設計は、床スラブの取り付く上フランジに圧縮力が作用する正曲げモーメントを受ける場合と、床スラブの取り付かない下フランジに圧縮力が作用する負曲げモーメントを受ける場合の2種類に大別される。正曲げを受ける場合は、床スラブのコンクリート部が圧縮力を負担するのに対し、負曲げを受ける場合は、床スラブ内の鉄筋が引張力を負担する。
【0003】
正曲げを受ける合成梁の場合、コンクリートが圧縮力を負担することから、H形断面の梁の上フランジの断面積を下フランジの断面積に対して低減した上下非対称断面とすることでより合理的な構造にできることが知られており、関連する特許出願もなされている。
例えば、特許文献1では、正曲げを受ける合成梁における最適な断面として、上下フランジの断面積比の最適な範囲を提案している。また、特許文献2のように、H形断面の梁の下フランジに鋼板を取り付けることで下フランジ及び鋼板全体としての断面積を増加し、梁として少ない鋼材量で合理的な設計を可能としている。
【0004】
負曲げを受ける合成梁の場合は、正曲げを受ける場合に比べると提案が少ないが、床スラブ内の鉄筋の寄与を見込むことによる合理的な構造の提案がなされている。例えば、特許文献3では、H形断面の梁に上下非対称断面を用い、上フランジと下フランジと鉄筋の断面積の最適な関係性を提案している。
この様に、梁に取り付く床スラブの合成効果を考慮することによる合理的な構造は、正曲げ、負曲げに関わらずこれまでにも提案されているが、上下非対称断面の断面寸法に特徴を有するものがほとんどである。
【0005】
合成梁の設計については、非特許文献1に設計方法の指針が記載されており、この指針に基づいて設計するのが一般的である。指針に基づいて剛性の計算を行うと、負曲げを受ける合成梁の曲げ剛性は、床スラブ及び梁の諸元に関わらず、梁単体の剛性に比べて必ず上昇することが分かる。
一方で、指針に基づいて耐力に関する検討である許容応力度設計を行うと、負曲げモーメントを受ける合成梁の断面算定は、床スラブ内の鉄筋の許容引張応力度で決まる場合と、H形断面の梁の下フランジの許容圧縮応力度で決まる場合の2種類がある。鉄筋の許容引張応力度で決まる場合には、合成梁の耐力が梁単体の耐力を下回る場合がある。
【0006】
この理由について、図9に示す従来の合成梁6を用いて説明する。
図9(A)に示すように、合成梁6は、梁10と、床スラブ15と、シアコネクタ(剪断力伝達部材)25と、を備える。
梁10は、鉄骨製であり、上フランジ11と、下フランジ12と、ウェブ13と、を有する。上フランジ11、下フランジ12、及びウェブ13は、それぞれ平板状に形成されている。上フランジ11は、下フランジ12よりも上方に配置されている。ウェブ13は、上フランジ11と下フランジ12との間に配置され、上フランジ11の幅方向の中間部及び下フランジ12の幅方向の中間部にそれぞれ接合されている。
例えば、梁10は、自身の軸線O1方向の端部が大梁(不図示。支持部材)に接合されている小梁である。大梁の端部は、柱(不図示)に接合されている。
なお、梁は、自身の端部が柱に接合されている大梁であってもよい。この場合、柱が支持部材となる。
【0007】
この例では、床スラブ15はコンクリートスラブである。床スラブ15は、コンクリート16と、複数の鉄筋17と、を有する。
コンクリート16は、平板状に形成されている。コンクリート16は、コンクリート16の厚さ方向が、上下方向に沿うように配置されている。
ここで、コンクリート16の上面に沿うとともに互いに交差する第1方向X及び第2方向Yを規定する。第1方向Xは、軸線O1方向である。
【0008】
複数の鉄筋17は、第1方向Xに沿って延びるとともに、第2方向Yに互いに間隔を空けて配置されている。
複数の鉄筋17は、コンクリート16に埋設されている。
床スラブ15は、梁10により、床スラブ15の下方から支持されている。
この例では、シアコネクタ25は、頭付きスタッドである。シアコネクタ25は、上フランジ11から上方に向かって突出するとともに、床スラブ15のコンクリート16に埋設されている。シアコネクタ25は、梁10及び床スラブ15にそれぞれ接合されている。
【0009】
図9(B)は、図9(A)に対して上下方向の位置を対応させて応力等を示している。図9(B)には、梁10の降伏強度σ
y10
、鉄筋17の降伏強度σ
y17
、合成梁6の降伏耐力時の応力分布σ

、及び、梁10の降伏耐力時の応力分布σ
10
を示す。
前記下回る理由は、合成梁6の中立軸L6の位置が、梁10単体の中立軸L10の位置に対してあまり床スラブ15側(上方)に動かず、鉄筋17の引張応力度が許容応力度に達した時の曲げモーメントが、合成梁6の許容耐力となり、梁10の圧縮応力度が許容応力度に対して余裕を持っているためである。
この様な現象は、一般的に使用されている降伏強度が295N/mm

の鉄筋17を用いた場合に、梁10に降伏強度が295N/mm

以上の鋼材(例えば、降伏強度が325N/mm

、355N/mm

、385N/mm

)を使用した場合に特に生じやすい。また、上フランジ11と鉄筋17の距離が梁10の高さ(梁せい)に比べて相対的に大きくなる、梁10の高さが低い場合にも生じやすい。
【0010】
なお、床スラブ15内の鉄筋17の断面積を増やすことで、このような現象を抑制することも出来る。しかし、鉄筋17の断面積を増やすために鉄筋17の径を上げる(大きくする)と、床スラブ15内の他の鉄筋との干渉が生じたり、適切なコンクリートかぶり厚の確保が困難になったりするという課題がある。配筋する鉄筋17の本数を増やすことも、建設現場における作業が増え施工性が落ちるため、好ましくない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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