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公開番号2025122895
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2024018623
出願日2024-02-09
発明の名称身体補助装置およびアクチュエータ
出願人国立大学法人山形大学
代理人個人
主分類B25J 11/00 20060101AFI20250815BHJP(手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレータ)
要約【課題】すぐれた装着感を有する身体補助装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる身体補助装置1は、弾性素材チューブの周囲を筒状の繊維スリーブで覆うことにより形成され、弾性素材チューブへ圧縮空気を供給することにより径方向に膨張するとともに軸方向に収縮する人工筋肉11bを用いる。また、身体補助装置1は、圧縮空気の空気圧を調節する制御装置11aと人工筋肉11bとを有するアクチュエータ11と、人工筋肉11bを取り付けるための作業服12と、を備える。人工筋肉11bは、その一端が、腰部の背面に固定されるとともに制御装置11aに接続され、作業服の装着時に身体の表面に沿って配置されるように、作業服12に取り付けられる。さらに、人工筋肉11bは、繊維スリーブに遊びを持たせることにより、自然長から一定の伸びを許容する構造とした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
弾性素材チューブの周囲を筒状の繊維スリーブで覆うことにより形成され、前記弾性素材チューブへ圧縮空気を供給することにより径方向に膨張するとともに軸方向に収縮する人工筋肉、を用いた身体補助装置であって、
圧縮空気の空気圧を調節する制御装置と前記人工筋肉とを有するアクチュエータと、
前記人工筋肉を取り付けるための作業服と、
を備え、
前記人工筋肉は、
その一端が、腰部の背面に固定されるとともに、前記制御装置に接続され、
前記作業服の装着時に、前記腰部の背面から、大殿筋、大腿二頭筋長頭、膝部の前面、腓腹筋を経由して踵部の背面まで、右下肢および左下肢の表面に沿って配置されるように、前記作業服に取り付けられ、
さらに、前記繊維スリーブに遊びを持たせることにより、自然長から一定の伸びを許容する構造とした、
ことを特徴とする身体補助装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記人工筋肉として、さらに、
腰部の背面から、右肩の上を通って胴部前面側まで到達するように形成された第1の人工筋肉と、
腰部の背面から、右脇腹を通って胴部前面側まで到達するように形成された第2の人工筋肉と、
前記第1の人工筋肉とは左右対称に形成された第3の人工筋肉と、
前記第2の人工筋肉とは左右対称に形成された第4の人工筋肉と、
を備え、
前記第1~第4の人工筋肉が、それぞれ人工筋肉自体の柔軟性により身体の表面に沿うように配置され、胴部前面側まで到達した端部が前記作業服の胴部前面で縫い付けられ、その位置で固定された構造を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の身体補助装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記圧縮空気の空気圧を調節するための制御処理を行う制御部と、
前記制御部の制御により圧縮空気を吐出するコンプレッサと、
圧縮空気を蓄えておくためのエアータンクと、
前記制御部の制御により空気の供給および排出を行う制御弁と、
前記人工筋肉の内圧である空気圧を測定する圧力センサーと、
を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の身体補助装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記コンプレッサを駆動し、前記エアータンクに圧縮空気を供給する駆動ステップと、
前記制御弁を開いて、空気圧を調整しながら前記人工筋肉に空気を供給する供給ステップと、
前記圧力センサーから前記人工筋肉内の空気圧である第1の空気圧を取得する取得ステップと、
一方で、メモリから装着者の体重および姿勢の情報を読み出し、装着者が姿勢を維持するために必要な空気圧として第2の空気圧を計算する空気圧計算ステップと、
前記第1の空気圧と前記第2の空気圧とを比較する比較ステップと、
前記第1の空気圧と前記第2の空気圧が一致した時点で、前記制御弁を閉じる供給停止ステップと、
前記第1の空気圧が前記第2の空気圧に達していない場合に、前記制御弁の開状態を維持する供給継続ステップと、
を実行する、
ことを特徴とする請求項3に記載の身体補助装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1の空気圧が前記第2の空気圧を超えている場合に、前記制御弁を制御して前記人工筋肉内の空気を排出する、
ことを特徴とする請求項4に記載の身体補助装置。
【請求項6】
前記制御装置は、
電源投入により圧縮空気を吐出するコンプレッサと、
圧縮空気を蓄えておくためのエアータンクと、
手元で空気圧を調整して前記人工筋肉に圧縮空気を供給するレギュレータと、
を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の身体補助装置。
【請求項7】
電源投入により前記コンプレッサが駆動し、前記エアータンクに圧縮空気が蓄えられた状態で、前記レギュレータに設けられた操作レバーで空気圧を調整することにより、前記人工筋肉に圧縮空気が供給される、
ことを特徴とする請求項6に記載の身体補助装置。
【請求項8】
作業服に取り付け可能なアクチュエータであって、
弾性素材チューブの周囲を筒状の繊維スリーブで覆うことにより形成され、前記弾性素材チューブへ圧縮空気を供給することにより径方向に膨張するとともに軸方向に収縮する人工筋肉と、
圧縮空気の空気圧を調節する制御装置と、
を備え、
前記人工筋肉は、
その一端が、腰部の背面に固定されるとともに、前記制御装置に接続され、
前記作業服の装着時に、前記腰部の背面から、大殿筋、大腿二頭筋長頭、膝部の前面、腓腹筋を経由して踵部の背面まで、右下肢および左下肢の表面に沿って配置されるように、前記作業服に取り付けられ、
さらに、前記繊維スリーブに遊びを持たせることにより、自然長から一定の伸びを許容する構造とした、
ことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項9】
前記人工筋肉として、さらに、
腰部の背面から、右肩の上を通って胴部前面側まで到達するように形成された第1の人工筋肉と、
腰部の背面から、右脇腹を通って胴部前面側まで到達するように形成された第2の人工筋肉と、
前記第1の人工筋肉とは左右対称に形成された第3の人工筋肉と、
前記第2の人工筋肉とは左右対称に形成された第4の人工筋肉と、
を備え、
前記第1~第4の人工筋肉が、それぞれ人工筋肉自体の柔軟性により身体の表面に沿うように配置され、胴部前面側まで到達した端部が前記作業服の胴部前面で縫い付けられ、その位置で固定される、
ことを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、各種作業による身体の負担を軽減する身体補助装置に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、農業、製造業、運送業、介護事業など、様々な作業現場において、しゃがみ込んだ姿勢や中腰での作業を補助し、このような作業による疲労を軽減するための身体補助装置が導入されている。
【0003】
このような身体補助装置は、従来からアシストスーツなどと呼ばれ、モーターよりも柔軟で安全性が高いMcKibben型人工筋肉(従来の人工筋肉)を使用しているものがある。具体的には、従来のアシストスーツは、硬い外骨格を備え、この外骨格の内部に収容された人工筋肉が外骨格の構成部材である回転軸を駆動することで、身体を補助する。
【0004】
非特許文献1には、上述したアシストスーツの一例として、McKibben型人工筋肉の収縮力を利用した外骨格タイプのマッスルスーツが記載されている。
【0005】
このマッスルスーツで使用される人工筋肉は、ゴムチューブを筒状のナイロンメッシュで包んで両端を加締めにより固定した構造を有する。そして、ゴムチューブへの圧縮空気の注入に伴うゴムチューブの膨張が、長さ方向の収縮を伴う強い張力に変換される。
【0006】
このマッスルスーツは、背中フレームが腰ベルト付近に設けられた回転軸を中心に回転できる外骨格構造を有し、外骨格内に直線的に組み込まれた人工筋肉の収縮により背中フレームが軸周りに回転し、背中フレームの回転動作により装着者の上半身を起こす動作を補助する。すなわち、このマッスルスーツは、人工筋肉の収縮による直線運動を関節の回転運動に変換することにより、強い補助力を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
株式会社イノフィス マッスルスーツ https://innophys.jp/product/ 製品情報「マッスルスーツのしくみ」 検索日:2024年1月25日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、McKibben型人工筋肉の収縮による直線運動を関節の回転運動に変換する従来のアシストスーツは、回転軸を中心とした回転運動が一定方向であるため、動きが制限される。すなわち、上記のような外骨格構造により、装着者の自由な運動が妨げられる、という問題があった。
【0009】
また、従来のアシストスーツに使用されるMcKibben型人工筋肉は、自然長以上の伸びを許容しないため、装着者の動きによって人工筋肉に外力が負荷された瞬間に反力が身体に返ってきてしまう。すなわち、スムーズな動き(動きたい方向への動き)が突然妨げられることから、装着感の観点で改善の余地が残る。
【0010】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、装着者の自由な運動を妨げることなく、すぐれた装着感を有する身体補助装置(アシストスーツ)、および身体補助装置を構成するアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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