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公開番号
2025122684
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-22
出願番号
2024018240
出願日
2024-02-09
発明の名称
炭素繊維前駆体用処理剤及びその用途
出願人
松本油脂製薬株式会社
代理人
主分類
D06M
13/224 20060101AFI20250815BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】 本発明の目的は、処理剤を付与し製造された炭素繊維前駆体に対して耐炎化工程における優れた集束性を付与できる炭素繊維前駆体用処理剤、該処理剤を用いた炭素繊維前駆体及び該処理剤を用いた炭素繊維の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 本発明の炭素繊維前駆体用処理剤は、エステル化合物(A)と界面活性剤(B)とを含む炭素繊維前駆体用処理剤であって、前記エステル化合物(A)が、炭素数5以上40以下かつ水酸基を3個以上有するアルコール(X)と、不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(Y)と、がエステル化した構造の化合物である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
エステル化合物(A)と界面活性剤(B)とを含む炭素繊維前駆体用処理剤であって、
前記エステル化合物(A)が、炭素数5以上40以下かつ水酸基を3個以上有するアルコール(X)と、不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(Y)と、がエステル化した構造の化合物である、炭素繊維前駆体用処理剤。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
前記エステル化合物(A)が、炭素数6以上40以下かつ水酸基を3個以上有するアルコール(X)と、前記脂肪酸(Y)と、がエステル化した構造の化合物を含む、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項3】
前記エステル化合物(A)が、炭素数5以上40以下かつ水酸基を4個以上有するアルコール(X)と、前記脂肪酸(Y)と、がエステル化した構造の化合物を含む、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項4】
前記エステル化合物(A)が、水酸基を有するエステル化合物を含む、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項5】
前記エステル化合物(A)が、前記アルコール(X)と、前記脂肪酸(Y)に占める不飽和脂肪酸の割合が15重量%~100重量%である前記脂肪酸(Y)と、がエステル化した構造の化合物である、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項6】
前記エステル化合物(A)が、分子内にエステル結合を2個以上有するエステル化合物を含む、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項7】
前記エステル化合物(A)が、分子量が650以上のエステル化合物を含む、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項8】
前記炭素繊維前駆体用処理剤の不揮発分に占める、前記エステル化合物(A)の割合が10~95重量%であり、前記界面活性剤(B)の割合が5~90重量%である、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項9】
前記界面活性剤(B)に対する前記エステル化合物(A)の重量比(A/B)が、0.1~20である、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項10】
炭素繊維前駆体の原料炭素繊維前駆体に、請求項1~9のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤を付着させてなる、炭素繊維前駆体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維前駆体用処理剤(以下、単に処理剤ということがある。)及びその用途に関する。より詳しくは、炭素繊維前駆体を製造する際に使用する処理剤と、該処理剤を用いた炭素繊維前駆体(以下、プレカーサーと称することがある)と、該処理剤を用いた炭素繊維の製造方法とに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
炭素繊維はその優れた機械的特性を利用して、マトリックス樹脂と称されるプラスチックとの複合材料用の補強繊維として、航空宇宙用途、スポーツ用途、一般産業用途等に幅広く利用されている。
炭素繊維を製造する方法としては、プレカーサーを200~300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換し(以下、耐炎化工程と称することがある。)、続いて300~2000℃の不活性雰囲気中で炭素化する方法(以下、炭素化工程と称することがある。)が一般的である。(以下、耐炎化工程と炭素化工程をあわせて、焼成工程と称することがある。)そして、従来これらの焼成工程を効率よく行うため、プレカーサーには種々の処理剤が付与されている。
【0003】
しかし、プレカーサーに付着した処理剤は、プレカーサー製造工程において繊維から脱落した処理剤に由来する粘着物が乾燥ローラーやガイド等で繊維捲き付きや断糸等による操業性低下を引き起こしたり、酸化性雰囲気中で行われる耐炎化工程において発生した酸化ケイ素や不活性ガスとして窒素が使用される炭素化工程において発生した窒化ケイ素等の処理剤に由来するスケールが堆積し、操業性や稼働性の低下、焼成炉の損傷を招いたりするという問題を有していた。
これらの問題を回避するため、低粘度のシリコーン系化合物を用いた処理剤や、芳香族化合物とアミノ変性シリコーンとを組み合わせた処理剤や、芳香族エステルを主成分とする処理剤が提案されている(特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-46855号公報
特開2004-211240号公報
特開2004-143645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような処理剤を付与された炭素繊維前駆体を用いて炭素繊維を製造した場合、焼成工程を通過できない問題が度々生じた。
かかる原因を調査したところ、耐炎化工程における集束性が不十分であることによって隣接する繊維束との干渉が生じたためであることを見出した。
従って、本発明の目的は、炭素繊維前駆体に対して耐炎化工程における優れた集束性を付与できる炭素繊維前駆体用処理剤、該処理剤を用いた炭素繊維前駆体及び該炭素繊維前駆体を用いた炭素繊維の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のエステル化合物(A)と界面活性剤(B)とを含有する炭素繊維前駆体用処理剤であれば、炭素繊維前駆体に対して耐炎化工程における優れた集束性を付与できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明の炭素繊維前駆体用処理剤は以下の実施態様が含まれる。
<1>
エステル化合物(A)と界面活性剤(B)とを含む炭素繊維前駆体用処理剤であって、
前記エステル化合物(A)が、炭素数5以上40以下かつ水酸基を3個以上有するアルコール(X)と、不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(Y)と、がエステル化した構造の化合物である、炭素繊維前駆体用処理剤。
<2>
前記エステル化合物(A)が、炭素数6以上40以下かつ水酸基を3個以上有するアルコール(X)と、前記脂肪酸(Y)と、がエステル化した構造の化合物を含む、<1>に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<3>
前記エステル化合物(A)が、炭素数5以上40以下かつ水酸基を4個以上有するアルコール(X)と、前記脂肪酸(Y)と、がエステル化した構造の化合物を含む、<1>又は<2>に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<4>
前記エステル化合物(A)が、水酸基を有するエステル化合物を含む、<1>~<3>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<5>
前記エステル化合物(A)が、前記アルコール(X)と、前記脂肪酸(Y)に占める不飽和脂肪酸の割合が15重量%~100重量%である前記脂肪酸(Y)と、がエステル化した構造の化合物である、<1>~<4>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<6>
前記エステル化合物(A)が、分子内にエステル結合を2個以上有するエステル化合物を含む、<1>~<5>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<7>
前記エステル化合物(A)が、分子量が650以上のエステル化合物を含む、<1>~<6>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<8>
前記炭素繊維前駆体用処理剤の不揮発分に占める、前記エステル化合物(A)の割合が10~95重量%であり、前記界面活性剤(B)の割合が5~90重量%である、<1>~<7>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<9>
前記界面活性剤(B)に対する前記エステル化合物(A)の重量比(A/B)が、0.1~20である、<1>~<8>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<10>
炭素繊維前駆体の原料炭素繊維前駆体に、<1>~<9>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤を付着させてなる、炭素繊維前駆体。
<11>
<10>に記載の炭素繊維前駆体を、耐炎化繊維に転換する耐炎化工程と、前記耐炎化繊維を炭化させる炭素化工程とを含む、炭素繊維の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の炭素繊維前駆体用処理剤は、炭素繊維前駆体に対して耐炎化工程における優れた集束性を付与できる。本発明の炭素繊維前駆体用処理剤を用いた炭素繊維前駆体及び該炭素繊維前駆体を用いた炭素繊維の製造方法によれば処理剤を付与し製造された炭素繊維前駆体が耐炎化工程において優れた集束性を有する為、高品質な炭素繊維が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の炭素繊維前駆体用処理剤(以下、単に処理剤ということがある。)の各成分について説明する。
〔エステル化合物(A)〕
本発明の処理剤はエステル化合物(A)を含有する。
エステル化合物(A)は炭素数5以上40以下かつ水酸基を3個以上有するアルコール(X)と、不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(Y)と、がエステル化した構造の化合物であれば特に限定はなく、1種又は2種以上を用いてもよい。
【0010】
エステル化合物(A)が分子内に有するエステル結合の数は特に限定はないが、集束性の点で、2個以上有すると好ましい。該エステル結合の数の上限は、10個が好ましく、8個がより好ましく、6個がさらに好ましい。一方、該エステル結合の数の下限は、3個がより好ましく、4個がさらに好ましく、5個が特に好ましい。また、例えば2個~10個がより好ましく、2個~8個がさらに好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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