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公開番号2025122325
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-21
出願番号2024017702
出願日2024-02-08
発明の名称無線通信システム
出願人日本無線株式会社
代理人個人
主分類H04B 7/005 20060101AFI20250814BHJP(電気通信技術)
要約【課題】判定帰還型適応等化器のタップ係数引込処理を高速で行う無線通信システムを提供する。
【解決手段】A局から送信されるデータフレームDF_Aに対し、同期ワードSW_Aと同じシンボル数Nのオフセットシンボル数Mだけ遅れたタイミングでB局からデータフレームDF_Bを送信し、データフレームDF_AとDF_Bが合成された合成データフレームDF_A+DF_Bに対し、タップ係数の引込を行なう第1の処理と、等化器入力とタップ係数とに基づいて等化処理を行い、合成ブロックデータに含まれるブロックデータのシンボルの近似値を等化器出力として得る第2の処理と、等化器出力の硬判定値と等化器出力との誤差を算出し、算出した誤差とタップ係数と、新たな等化器入力とを用いてタップ係数を最新の値に更新する第3の処理とを実行し、ブロックデータのシンボルの近似値が全て出力されるまで第2の処理と第3の処理とを繰り返す。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
変調された同一のデータフレームを同一周波数で送信する無線送信装置を備えた複数の送信基地局と、前記データフレームを受信して復調する無線受信装置を備えた移動受信局と、を備える無線通信システムであって、
前記複数の無線送信装置は、既知のヘッダデータと、前記ヘッダデータと同じシンボル数を有する複数のブロックデータと、前記ヘッダデータと先頭のブロックデータとの間に配置され、前記ヘッダデータと同じシンボル数を有する無データ区間と、を備えた前記データフレームを、オフセットシンボル数として、前記ヘッダデータのシンボル数に相当する時間差を設けてそれぞれ送信し、
前記無線受信装置は、複数の前記データフレームが空間上で合成された合成データフレームを受信して各シンボルの受信信号を出力する受信手段と、前記受信信号が入力される判定帰還型適応等化器と、を備え、
前記判定帰還型適応等化器は、
前記合成データフレームに含まれる複数の前記ヘッダデータの受信信号と、予め記憶した参照信号とに基づいて、等化処理に用いるタップ係数の引込を行なう第1の処理と、
前記合成データフレームを構成する合成ブロックデータの受信信号を等化器入力とし、前記等化器入力と、現在のタップ係数とに基づいて等化処理を行い、前記合成ブロックデータに含まれる前記ブロックデータのシンボルの近似値を等化器出力として得る第2の処理と、
前記等化器出力の硬判定値と、前記等化器出力との誤差を算出し、算出した誤差と、現在のタップ係数と、新たな等化器入力とを用いてタップ係数を最新の値に更新する第3の処理と、を実行し、
前記合成データフレームから前記ブロックデータのシンボルの近似値が全て出力されるまで前記第2の処理と、前記第3の処理とを繰り返す、
ことを特徴とする無線通信システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、同一波複局送信技術を用いる無線通信システムに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
狭帯域信号で広範囲をカバーするような無線通信システム(例えば、都防災無線システム・県防災無線システムなど)において、複数の送信基地局から移動受信局に向けて同一周波数で同一信号を送信する同一波複局送信技術を用いることで、周波数利用効率が向上することが知られている。例えば、図12に示す無線通信システムは、同図(A)に示すように、通信エリアの一部が重なるように配置された複数の送信基地局BS1、BS2・・・と、自動車などの移動体に搭載された移動受信局MS1や、歩行者などにより携帯される複数の移動受信局MS2~MS4などにより構成されている。複数の送信基地局BS1、BS2は、送信波が到達する通信エリアの一部が互いに重なるように配置されており、同じデータの送信波Tx1、Tx2を同じ周波数を用いて同報的に送信する。これにより、移動受信局MS1~MS4は、送信基地局BS1、BS2の通信エリア内のどの位置にいる場合でも同じ搬送波周波数で送信波Tx1または送信波Tx2を受信することができる。
【0003】
このような無線通信システムにおいて、図12(B)に示すように、送信波Tx1に対して送信波Tx2が逆相となり、Tx1/Tx2の信号レベル比が0dBとなるエリアでは、送信波Tx1と送信波Tx2との合成波Tx1+Tx2に同一波干渉(以下、ビート干渉ともいう)が発生する。このようなビート干渉は、同図(A)、(B)に縦線で描いたように、縞状に複数発生する。このビート干渉発生地点から外れた位置にある移動受信局MS2、MS3は、送信基地局BS1またはBS2と通信を行なうことができる。これに対し、ビート干渉発生地点にある移動受信局MS4は、送信基地局BS1およびBS2と通信を行なうことができない。また、移動体によって移動する移動受信局MS1は、移動速度が速くなるとドップラーシフトの影響が顕著となり、伝搬路の時間的変動によりレイリーフェージングやライスフェージングが発生する。加えて、複数の送信基地局からの各到来波はそれぞれ独立したレイリーフェージングやライスフェージングとなるため、各到来波の独立した伝搬路変動の影響により復調性能が劣化する。
【0004】
ビート干渉による影響を抑制するために、隣接する基地局間で通信データの変調に異なるマッピングを用いることにより、縞状のビート発生地点を常時移動させてビート干渉を抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、フェージングを補償する技術として、判定帰還形適応等化器(Decision Feedback Equalization;DFE)や、最尤系列推定等化器(Maximum. Likelihood Sequence Estimation;MLSE)などを利用することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-166293号公報
特開2012-070348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、同じマッピングを用いる送信基地局の通信エリアが重ならないようにしなければならないため、送信基地局の配置などに制約が生じる。また、特許文献2のMLSEは低いビット誤り率を得られるが、状態数に応じて演算量が膨大となってしまう。一方、特許文献2のDFEは、演算量はMLSEより少ないが、同一波複局送信においては、複数の基地局からの送信波が多重された同期ワード(SW)を用いて、フォワードフィルタおよびフィードバックフィルタのタップ係数をトレーニングすることとなる。受信局が高速で移動する場合、各基地局と受信局間の伝搬路は独立したレイリーフェージング環境となり、多重された同期ワードからタップ引込を充分に行うことができなくなる。
【0007】
そこで本発明は、判定帰還型適応等化器におけるタップ係数の引込処理を高速で行うことが可能な無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、変調された同一のデータフレームを同一周波数で送信する無線送信装置を備えた複数の送信基地局と、前記データフレームを受信して復調する無線受信装置を備えた移動受信局と、を備える無線通信システムであって、前記複数の無線送信装置は、既知のヘッダデータと、前記ヘッダデータと同じシンボル数を有する複数のブロックデータと、前記ヘッダデータと先頭のブロックデータとの間に配置され、前記ヘッダデータと同じシンボル数を有する無データ区間と、を備えた前記データフレームを、オフセットシンボル数として、前記ヘッダデータのシンボル数に相当する時間差を設けてそれぞれ送信し、前記無線受信装置は、複数の前記データフレームが空間上で合成された合成データフレームを受信して各シンボルの受信信号を出力する受信手段と、前記受信信号が入力される判定帰還型適応等化器と、を備え、前記判定帰還型適応等化器は、前記合成データフレームに含まれる複数の前記ヘッダデータの受信信号と、予め記憶した参照信号とに基づいて、等化処理に用いるタップ係数の引込を行なう第1の処理と、前記合成データフレームを構成する合成ブロックデータの受信信号を等化器入力とし、前記等化器入力と、現在のタップ係数とに基づいて等化処理を行い、前記合成ブロックデータに含まれる前記ブロックデータのシンボルの近似値を等化器出力として得る第2の処理と、前記等化器出力の硬判定値と、前記等化器出力との誤差を算出し、算出した誤差と、現在のタップ係数と、新たな等化器入力とを用いてタップ係数を最新の値に更新する第3の処理と、を実行し、前記合成データフレームから前記ブロックデータのシンボルの近似値が全て出力されるまで前記第2の処理と、前記第3の処理とを繰り返す、ことを特徴とする無線通信システムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、複数の送信基地局から同一のデータフレームを送信する際、ヘッダデータと同じシンボル数を有する無データ区間を備えたデータフレームを、オフセットシンボル数として、ヘッダデータのシンボル数に相当する時間差を設けてそれぞれ送信するようにしたので、判定帰還型適応等化器におけるタップ係数の引込処理に用いるヘッダデータを他のデータと重ならずに(言い換えれば、合成されずに)単独で受信でき、複数の送信基地局のいずれのヘッダデータであるかを識別する手段(例えば、各局送信信号の符号化)が不要となり、タップ係数の引込を高速で行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
この発明の実施の形態1に係る無線通信システムの概略構成を示す図である。
(A)は基地局から送信されるデータフレームの構成を示し、(B)は移動局で受信される合成データフレームを示す図である。
図1に示す移動局の無線通信装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
図3に示す判定帰還型適応等化器の概略構成を示すブロック図である。
図4に示す遅延器の構成を示すブロック図である。
基地局が2局の場合の判定帰還型適応等化器の概略構成を示すブロック図である。
判定帰還型適応等化器により合成データフレームからブロックデータのシンボルの近似値を出力する処理を示す説明図である。
判定帰還型適応等化器により特定の合成ブロックデータからブロックデータのシンボルの近似値を出力する処理を示す説明図である。
(A)は実施の形態2において3つの基地局から送信されるデータフレームの構成を示し、(B)は移動局で受信される合成データフレームを示す図である。
基地局が3局の場合の判定帰還型適応等化器の概略構成を示すブロック図である。
判定帰還型適応等化器により3局の合成データフレームからブロックデータのシンボルの近似値を出力する処理を示す説明図である。
従来の無線通信システムにおけるビート干渉の発生状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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