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公開番号2025121592
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-20
出願番号2024017125
出願日2024-02-07
発明の名称恒温槽型圧電発振器
出願人株式会社大真空
代理人弁理士法人あーく事務所
主分類H03B 5/32 20060101AFI20250813BHJP(基本電子回路)
要約【課題】圧電振動板の温度を安定させ、周波数温度特性を安定させることが可能な恒温槽型圧電発振器を提供する。
【解決手段】コア部4が断熱用の外部パッケージ2の内部に真空状態で封入されたOCXO1において、コア部4は、保持部材8を介して外部パッケージ2に機械的に接合されるとともに、ワイヤ9を介して外部パッケージ2に電気的に接続され、水晶振動子7とヒータ用IC6とは、保持部材8上に横並びの状態で搭載されるとともに、保持部材8の上側に設けられた伝熱部7Aよって熱的に互いに接続されており、水晶振動板71の熱伝導率<ベース基板72の熱伝導率の関係、および保持部材8の熱伝導率<ベース基板72の熱伝導率<伝熱部7Aの熱伝導率の関係を満たし、かつ、水晶振動板71の体積≦ヒータ用IC6の体積<ベース基板72の体積の関係を満たしている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コア部が断熱用の外部パッケージの内部に真空状態で封入された恒温槽型圧電発振器であって、
前記コア部は、少なくとも発振回路部、振動デバイス部、加熱部、および伝熱部を含んだ構成になっており、
前記振動デバイス部は、ベース基板と、前記ベース基板の一方の主面に搭載される圧電振動板と、前記ベース基板に搭載された前記圧電振動板を真空状態で気密封止する封止部材とを備え、
前記振動デバイス部と前記加熱部とは、保持部材上に横並びの状態で搭載されるとともに、前記保持部材の上側に設けられた前記伝熱部よって熱的に互いに接続されており、
前記圧電振動板の熱伝導率<前記ベース基板の熱伝導率の関係、および前記保持部材の熱伝導率<前記ベース基板の熱伝導率<前記伝熱部の熱伝導率の関係を満たし、
前記圧電振動板の体積≦前記加熱部の体積<前記ベース基板の体積の関係を満たすことを特徴とする恒温槽型圧電発振器。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
請求項1に記載の恒温槽型圧電発振器において、
前記発振回路部は、前記保持部材の上側、または前記保持部材に搭載された部材の上側に搭載されていることを特徴とする恒温槽型圧電発振器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の恒温槽型圧電発振器において、
前記コア部は、前記保持部材を介して前記外部パッケージに機械的に接合されるとともに、ワイヤを介して前記外部パッケージに電気的に接続されていることを特徴とする恒温槽型圧電発振器。
【請求項4】
請求項1または2に記載の恒温槽型圧電発振器において、
前記コア部の温度を検出する温度センサが前記加熱部とは別体で設けられており、前記温度センサが前記振動デバイス部の外部表面または前記振動デバイス部の内部に配置されていることを特徴とする恒温槽型圧電発振器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、恒温槽型圧電発振器に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
水晶振動子等の圧電振動子は、固有の周波数温度特性に基づいて、温度に応じて振動周波数が変化する。そこで、圧電振動子の周囲の温度を一定に保つために、恒温槽内に圧電振動子を封入した恒温槽型圧電発振器(Oven-Controlled Xtal(crystal) Oscillator:以下、「OCXO」とも言う。)が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のOCXOでは、恒温槽内に封入される振動デバイス部を3枚重ね構造の圧電振動子とすることによって、小型化を実現しながらもコア部の断熱性の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2022/149541号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなOCXOでは、振動デバイス部の小型化に伴って、圧電振動板の体積が小さくなり、圧電振動板の熱容量が小さくなる。このため、圧電振動板が、外部の熱環境等の変化の影響を受けやすくなり、周波数温度特性が安定しにくい構造となっていた。特に、外部の環境変化に対応して加熱部の熱が微小に変化した場合であっても、圧電振動板に対しては過敏に影響し、周波数温度特性が安定せず、劣化することがあった。
【0005】
本発明は上述したような実情を考慮してなされたもので、圧電振動板の温度を安定させ、周波数温度特性を安定させることが可能な恒温槽型圧電発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、コア部が断熱用の外部パッケージの内部に真空状態で封入された恒温槽型圧電発振器であって、前記コア部は、少なくとも発振回路部、振動デバイス部、加熱部、および伝熱部を含んだ構成になっており、前記振動デバイス部は、ベース基板と、前記ベース基板の一方の主面に搭載される圧電振動板と、前記ベース基板に搭載された前記圧電振動板を真空状態で気密封止する封止部材とを備え、前記振動デバイス部と前記加熱部とは、保持部材上に横並びの状態で搭載されるとともに、前記保持部材の上側に設けられた前記伝熱部よって熱的に互いに接続されており、前記圧電振動板の熱伝導率<前記ベース基板の熱伝導率の関係、および前記保持部材の熱伝導率<前記ベース基板の熱伝導率<前記伝熱部の熱伝導率の関係を満たし、前記圧電振動板の体積≦前記加熱部の体積<前記ベース基板の体積の関係を満たすことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、従来からの小型化の要請に対応しつつ、圧電振動板の温度を安定させ、周波数温度特性を安定させることができる。詳細には、圧電振動板よりも熱伝導率の高いベース基板の体積が加熱部よりも大きく、ベース基板よりも熱伝導率の低い圧電振動板の体積が加熱部と同程度以下に小さく、かつ熱伝導率の高い伝熱部により振動デバイス部と加熱部とが熱的に接続されているため、加熱部から伝わった熱をベース基板に蓄えさせることができる。これにより、圧電振動板を含む振動デバイス部全体の熱容量を増大させ、加熱部の熱変化に対する圧電振動板の熱変化を鈍感にさせることができ、しかも圧電振動板は外部の熱環境の変化に対して影響を受けにくくなり、圧電振動板の熱変化を抑制して温度を安定させることができる。さらに、加熱部と振動デバイス部とが保持部材上に横並びの状態で配置されているので、加熱部から振動デバイス部への熱の伝わりを和らげることができ、外部の熱環境等の熱変化の影響を鈍感にさせることができる。また、加熱部と振動デバイス部とが保持部材上に横並びの状態で配置されているので、恒温槽型圧電発振器の製品高さを抑制することができる。以上より、圧電振動板の温度を安定させ、周波数温度特性を安定させるとともに、製品の低背化に対応させることができる。
【0008】
上記構成において、前記発振回路部は、前記保持部材の上側、または前記保持部材に搭載された部材の上側に搭載されていることが好ましい。これにより、発振回路部を、振動デバイス部や加熱部等の他のコア部材に近接して配置することができるため、発振回路部とこれらの他のコア部材との温度差が生じにくくなり、周波数温度特性の安定につながる。また、振動デバイス部や加熱部等の他のコア部材に対する発振回路部の接続が上部方向から容易に行えるようになるため、搭載の安定性が高まり生産性も高まる。
【0009】
上記構成において、前記コア部は、保持部材を介して前記外部パッケージに機械的に接合されるとともに、ワイヤを介して前記外部パッケージに電気的に接続されていることが好ましい。これにより、コア部は、ベース基板よりも熱伝導率の低い保持部材を介して外部パッケージの内部に搭載されているため、外部環境の変化に対して影響を受けにくくなり、コア部の熱変化を抑制して温度を安定させることができる。特に、圧電振動板は、外部パッケージの内部であって、ベース基板および封止部材で囲われた空間に、2重に真空状態で封入されるとともに、保持部材を介して外部パッケージに接続されているので、外部の熱環境の変化に対する断熱性が高まる。その結果、圧電振動板の温度環境を安定させることができる。また、断面積が小さいワイヤが電気的接続に用いられているので、外部の熱環境の変化に対して熱の逃げ出しをより効果的に抑制することができる。これにより、コア部の振動デバイス部のベース基板と、加熱部との間の伝熱性を高めることができ、両者の間で温度差が生じにくい構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記コア部の温度を検出する温度センサが前記加熱部とは別体で設けられており、前記温度センサが前記振動デバイス部の外部表面または前記振動デバイス部の内部に配置されていることが好ましい。これにより、外部の環境変化に対するコア部の温度制御を精密に行うことができ、加熱部に内蔵された温度センサを用いた場合に比べて、位相ノイズを低減することができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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