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公開番号2025120429
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-15
出願番号2025098616,2022515295
出願日2025-06-12,2021-03-31
発明の名称水素化石油樹脂ペレット及び水素化石油樹脂ペレットの製造方法
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C08F 232/00 20060101AFI20250807BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】臭気の少ない、水素化石油樹脂ペレット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】揮発成分の放散量が10質量ppm以下である水素化石油樹脂ペレット。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下に定義する揮発成分の放散量が10質量ppm以下である水素化石油樹脂ペレット。
揮発成分の放散量
ヘッドスペースガスクロマトグラフィー法によって測定されるノルマルドデカンの保持時間未満の保持時間を有する全成分をエチルシクロヘキサンに換算した、前記水素化石油樹脂に対する量

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素化石油樹脂ペレット及び水素化石油樹脂ペレットの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、熱可塑性化合物をベースポリマーとして粘着付与剤等の添加剤を配合してなるホットメルト型の接着剤が、衛生用品の製造、製本、各種包装などの様々な分野で用いられている。
【0003】
ホットメルト接着剤のベースポリマーとなる熱可塑性化合物としては、例えば、天然ゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、非晶性ポリアルファオレフィン、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、および、それらのゴム成分を水素添加して得られる、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンゴム(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンゴム(SEPS)などが挙げられる。
【0004】
また、ホットメルト接着剤の添加剤となる粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、およびこれらの水素添加物などが用いられている。これらの中でも、工業生産に適し、品質安定性が高いという観点から、石油樹脂、なかでも水素化石油樹脂が好適に使用されている。
【0005】
これまで、粘着付与剤として水素化石油樹脂を含むホットメルト接着剤が用いられてきた。特に、紙おむつ等の衛生用品の製造にホットメルト接着剤が用いられた場合、製品中に含まれる揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)に由来する臭気が、ユーザに不快感を与えることや、健康に悪影響が及ぼされること等が懸念され、様々な検討がなされている。
【0006】
例えば、特許文献1には、揮発性有機化合物成分が少なく低臭気性に優れる、石油樹脂及び水素添加石油樹脂として、揮発性有機化合物成分の含有量が100wtppm未満である石油樹脂と水素添加石油樹脂が開示されている。
特許文献2には、水素添加石油樹脂に共存する臭気成分を効果的に低減し、且つ軟化点を適切な範囲にすることを目的として、特定のガス通気量で水素添加石油樹脂をストリッピングすることを特徴とする、水素添加石油樹脂の脱臭方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2019/172434号
国際公開第2019/189296号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1及び特許文献2には、低臭気性の水素化石油樹脂が得られることが開示されているが、得られた樹脂をいかなる方法で製品化するかについては記載がない。
水素化石油樹脂を前記のようにホットメルト接着剤などに用いる場合、配合しやすい形状での製品化が必須である。なかでも、通常、輸送性、計量容易性にも優れるペレットとして製品化される。しかし、低臭気性の水素化石油樹脂を得るのに脱揮処理された後からペレット化される迄に、臭気成分が発生し、製品である樹脂ペレットの臭気が問題となることがあった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、臭気の少ない、水素化石油樹脂ペレット及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、揮発成分の放散量が特定量以下である水素化石油樹脂ペレットとそれを得る製造方法によって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0010】
[1]以下に定義する揮発成分の放散量が10質量ppm以下である水素化石油樹脂ペレット。
揮発成分の放散量
ヘッドスペースガスクロマトグラフィー法によって測定されるノルマルドデカンの保持時間未満の保持時間を有する全成分をエチルシクロヘキサンに換算した、前記水素化石油樹脂に対する量
[2]以下に定義する主分解成分の放散量が5質量ppm以下である、前記[1]に記載の水素化石油樹脂ペレット。
主分解成分の放散量
ヘッドスペースガスクロマトグラフィー法によって測定されるトリシクロデセン類及びスチレンをエチルシクロヘキサンに換算した、前記水素化石油樹脂に対する量
[3]前記トリシクロデセン類が、トリシクロ-3-デセン及びトリシクロ-8-デセンである、前記[2]に記載の水素化石油樹脂ペレット。
[4]前記揮発成分の放散量が5質量ppm以下であり、主分解成分の放散量が3質量ppm以下である、前記[2]又は[3]に記載の水素化石油樹脂ペレット。
[5]水素化石油樹脂ペレットを構成する水素化石油樹脂が、シクロペンタジエン系化合物とビニル芳香族化合物との共重合体の水素化物を含む、前記[1]~[4]のいずれか1つに記載の水素化石油樹脂ペレット。
[6]前記共重合体が、シクロペンタジエン系化合物とビニル芳香族化合物とを熱重合してなる、前記[5]に記載の水素化石油樹脂ペレット。
[7]前記シクロペンタジエン系化合物が、シクロペンタジエン及びジシクロペンタジエンからなる群より選択される少なくとも1種である、前記[6]に記載の水素化石油樹脂ペレット。
[8]脱揮装置において水素化石油樹脂を脱揮する工程1、脱揮装置からペレタイズ用の成形装置に水素化石油樹脂を移動する工程2、及びペレタイズ用の成形装置において水素化石油樹脂ペレットを得る工程3を含む、水素化石油樹脂ペレットの製造方法であって、
工程1終了後から工程3における水素化石油樹脂ペレットを得るまでの温度が235℃以下、かつ工程1終了後から工程3における水素化石油樹脂ペレットを得るまでの時間が1時間以下である、水素化石油樹脂ペレットの製造方法。
[9]前記工程1終了後から工程3における水素化石油樹脂ペレットを得るまでの温度が230℃以下、かつ工程1終了後から工程3における水素化石油樹脂ペレットを得るまでの時間が40分間以下である、前記[8]に記載の水素化石油樹脂ペレットの製造方法。
[10]脱揮装置において水素化石油樹脂を脱揮する工程1、脱揮装置からペレタイズ用の成形装置に水素化石油樹脂を移動する工程2、及びペレタイズ用の成形装置において水素化石油樹脂ペレットを得る工程3を含む、水素化石油樹脂ペレットの製造方法であって、
得られた水素化石油樹脂ペレットからの揮発成分の放散量が目標値を超えないように指標値を設定し、工程1終了後から工程3における水素化石油樹脂ペレットを得るまでの温度(T)および時間(t)が下記式(1)を満たすように工程2及び工程3を行う、水素化石油樹脂ペレットの製造方法。
t×[exp(A-E/RT)]≦指標値 (1)
(式中、Aは頻度因子、Eは活性化エネルギー、Rはガス定数である。)
[11]頻度因子A及び活性化エネルギーEが下記式(2)及び(3)で表される、前記[10]に記載の水素化石油樹脂ペレットの製造方法。
A=C
21
×μ
2
+C
11
×μ+C
01
(2)
E=C
22
×μ
2
+C
12
×μ+C
02
(3)
(式中、μは200℃における水素化石油樹脂の粘度であり、C
21
、C
11
、C
01
、C
22
、C
12
、C
02
はそれぞれ係数である。)
[12]前記工程1終了時の水素化石油樹脂の揮発成分の放散量が5質量ppm以下である、前記[8]~[11]のいずれか1つに記載の水素化石油樹脂ペレットの製造方法。
[13]前記水素化石油樹脂ペレットからの揮発成分の放散量の目標値が10質量ppm以下である、前記[10]~[12]のいずれか1つに記載の水素化石油樹脂ペレットの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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