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公開番号2025112046
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-31
出願番号2024006098
出願日2024-01-18
発明の名称樹脂組成物、成形体及び成形体の製造方法、マスターバッチ
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人平和国際特許事務所
主分類C08L 25/04 20060101AFI20250724BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】靭性に優れる成形体を実現可能であるシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも多分岐ポリスチレン(M1-1)、重量平均分子量130,000以上のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン(M1-2)、及び重量平均分子量210,000以上のアタクチック構造を有するポリスチレン(M1-3)から選択される1以上のポリスチレン(M1)、及びゴム状弾性体(M2)を含む各成分を溶融混練して得られた混練物(M)と、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン(A)と、を溶融混練して得られた樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも多分岐ポリスチレン(M1-1)、重量平均分子量130,000以上のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン(M1-2)、及び重量平均分子量210,000以上のアタクチック構造を有するポリスチレン(M1-3)から選択される1以上のポリスチレン(M1)、及びゴム状弾性体(M2)を含む各成分を溶融混練して得られた混練物(M)と、
シンジオタクチック構造を有するポリスチレン(A)と、
を溶融混練して得られた樹脂組成物。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記混練物(M)における前記ゴム状弾性体(M2)の含有量が21~49質量%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記ゴム状弾性体(M2)のスチレン含有量が10~65質量%である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記ゴム状弾性体(M2)の含有量が0.5~25質量%である、請求項1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記混練物(M)における前記ポリスチレン(M1)の含有量が51~79質量%である、請求項1~4のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリスチレン(M1)が、前記多分岐ポリスチレン(M1-1)を含む、請求項1~5のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記ポリスチレン(M1)が、前記多分岐ポリスチレン(M1-1)、及び前記重量平均分子量210,000以上のアタクチック構造を有するポリスチレン(M1-3)を含む、請求項1~6のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記混練物(M)の配合量が1~50質量%である、請求項1~7のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン(A)の含有量が40質量%超、かつ99質量%以下である、請求項1~8のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項10】
ポリエチレンの含有量が20質量%未満である、請求項1~9のいずれかに記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、成形体及び成形体の製造方法、マスターバッチに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
シンジオタクチック構造を有するポリスチレンは高い結晶化度を実現可能であることから、それから得られたシートは耐熱性や耐薬品性に優れ、容器等の各種成形体として使用される。例えば、特許文献1には、シンジオタクチックポリスチレンを主成分とする樹脂組成物(以下、「シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物」とも言う)を用いて得られたフィルムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平11-268117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物は各種特性に優れるものの、さらなる改良が期待されていた。
本発明の目的は、靭性に優れる成形体を実現可能であるシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者が鋭意検討した結果、特定の成分を事前混練した後にシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物を調製することにより、靭性に優れる成形体が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、以下の樹脂組成物等が提供される。
1.少なくとも多分岐ポリスチレン(M1-1)、重量平均分子量130,000以上のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン(M1-2)、及び重量平均分子量210,000以上のアタクチック構造を有するポリスチレン(M1-3)から選択される1以上のポリスチレン(M1)、及びゴム状弾性体(M2)を含む各成分を溶融混練して得られた混練物(M)と、
シンジオタクチック構造を有するポリスチレン(A)と、
を溶融混練して得られた樹脂組成物。
2.前記混練物(M)における前記ゴム状弾性体(M2)の含有量が21~49質量%である、1に記載の樹脂組成物。
3.前記ゴム状弾性体(M2)のスチレン含有量が10~65質量%である、1又は2に記載の樹脂組成物。
4.前記ゴム状弾性体(M2)の含有量が0.5~25質量%である、1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
5.前記混練物(M)における前記ポリスチレン(M1)の含有量が51~79質量%である、1~4のいずれかに記載の樹脂組成物。
6.前記ポリスチレン(M1)が、前記多分岐ポリスチレン(M1-1)を含む、1~5のいずれかに記載の樹脂組成物。
7.前記ポリスチレン(M1)が、前記多分岐ポリスチレン(M1-1)、及び前記重量平均分子量210,000以上のアタクチック構造を有するポリスチレン(M1-3)を含む、1~6のいずれかに記載の樹脂組成物。
8.前記混練物(M)の配合量が1~50質量%である、1~7のいずれかに記載の樹脂組成物。
9.前記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン(A)の含有量が40質量%超、かつ99質量%以下である、1~8のいずれかに記載の樹脂組成物。
10.ポリエチレンの含有量が20質量%未満である、1~9のいずれかに記載の樹脂組成物。
11.溶融成形用である、1~10のいずれかに記載の樹脂組成物。
12.前記混練物(M)がマスターバッチである、1~11のいずれかに記載の樹脂組成物。
13.1~12のいずれかに記載の樹脂組成物から得られた成形体。
14.少なくとも多分岐ポリスチレン(M1-1)、重量平均分子量130,000以上のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン(M1-2)、及び重量平均分子量210,000以上のアタクチック構造を有するポリスチレン(M1-3)から選択される1以上のポリスチレン(M1)、及びゴム状弾性体(M2)を含む各成分を溶融混練して得られた混練物(M)と、
シンジオタクチック構造を有するポリスチレン(A)と、
を溶融混練して樹脂組成物を調製する工程、及び
前記樹脂組成物を溶融成形する工程を含む、
成形体の製造方法。
15.多分岐ポリスチレン(M1-1)、重量平均分子量130,000以上のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン(M1-2)、及び重量平均分子量210,000以上のアタクチック構造を有するポリスチレン(M1-3)から選択される1以上のポリスチレン(M1)、及び
ゴム状弾性体(M2)を含む、
マスターバッチ(M’)。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、靭性に優れる成形体を実現可能であるシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の樹脂組成物、成形体及び成形体の製造方法、マスターバッチについて詳述する。
本明細書において、「x~y」は「x以上、y以下」の数値範囲を表すものとする。数値範囲に関して記載された上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。また、以下に記載される本発明の個々の形態を2つ以上組み合わせた形態もまた、本発明の形態である。また、「x以上」との数値範囲は「x超」を含意し、「y以下」との数値範囲は「y未満」を含意する。
【0008】
[樹脂組成物]
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、特定のポリスチレン(M1)、及びゴム状弾性体(M2)を含む各成分を溶融混練して得られた混練物(M)と、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン(A)(以下、単に「成分(A)」とも言う。)と、を溶融混練して得られたものである。
ポリスチレン(M1)は、多分岐ポリスチレン(M1-1)、重量平均分子量130,000以上のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン(M1-2)、及び重量平均分子量210,000以上のアタクチック構造を有するポリスチレン(M1-3)から選択される1以上のポリスチレンである。以下、これらを総称して「成分(M1)」とも言う。
【0009】
本発明者らは、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物を調製する際の各成分の配合順序に着目し、ゴム状弾性体(M2:通常は粒子状)と特定のポリスチレン樹脂(M1)とを予備混練し、その後、マトリックス樹脂である成分(A)と混練することで、より高い靭性を有する成形体を実現できることを見出した。そのような効果のメカニズムについて、本発明者らは以下のように考察した。
【0010】
樹脂組成物の構成成分である各樹脂ペレットを全てドライブレンドし、ホッパーに投入して押出機で溶融混練した場合、ゴム状弾性体(M2)は、むき出しの状態で分散するため、押出機内の早い段階から容易に変形し得る状態となる。そのため、ダイスから押出されると、ゴム状弾性体(M2)はマトリックス樹脂と共に押出し方向(MD方向)に細く引き伸ばされてしまう。
一方、本発明では、まず、特定のポリスチレン(M1)と、ゴム状弾性体(M2)とを混練し、押出すことで、ポリスチレン(M1)中にゴム状弾性体(M2)が押出方向に細長く引き伸ばされた混練物(M)を得る。このような混練物(M)と、マトリックス樹脂である成分(A)とを混練すると、ゴム状弾性体(M2)が、比較的変形しにくいポリスチレン(M1)に保護されるような状態で成分(A)中にランダムに配置・分散するため、ゴム状弾性体(M2)の変形が抑制され、ダイス出口まで当該ランダム性を維持することができる。これにより、成形体中ではゴム状弾性体(B)がTD方向(押出し方向と垂直の方向)にも幅が広い状態で存在し、MD方向の引張応力に対して応力集中が起きにくくなり、靭性の高い成形体が得られるものと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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