TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025116668
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-08
出願番号2024011213
出願日2024-01-29
発明の名称添加材の注入量の調整システムおよび添加材の注入量の調整方法
出願人株式会社奥村組
代理人個人
主分類E21D 9/06 20060101AFI20250801BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】切羽を掘削する地盤の摩擦力の大きさに応じた添加材の注入量を調整する。
【解決手段】切羽を掘削する際に摩擦熱で上昇したカッタ16の温度を測定する温度センサ34と、カッタ16の温度から掘削土砂への添加材の注入量を調整する添加材注入量調整部33とを有し、添加材注入量調整部33は、カッタ16の温度が基準温度の範囲内の場合には添加材の注入量を維持し、基準温度を超えている場合にはカッタ16の温度が基準温度の範囲内になるまで添加材の注入量を増加させ、基準温度未満の場合にはカッタ16の温度が基準温度の範囲内になるまで添加材の注入量を減少させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数のカッタが装着されたカッタ盤の回転で切羽を掘削してチャンバ内に取り込まれた土砂を塑性流動化させるための添加材の注入量の調整システムであって、
前記カッタに設置され、前記カッタ盤によって切羽を掘削する際における摩擦熱で上昇した前記カッタの温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段で測定された前記カッタの温度から、チャンバ内に取り込まれた掘削土砂に対する添加材の注入量を調整する添加材注入量調整部とを有し、
前記添加材注入量調整部は、
前記温度測定手段で測定された前記カッタの温度が予め設定された基準温度の範囲内の場合には、それまでの添加材の注入量を維持し、
前記温度測定手段で測定された前記カッタの温度が前記基準温度を超えている場合には、前記温度測定手段で測定される前記カッタの温度が前記基準温度の範囲内になるまで添加材の注入量を増加させる、
ことを特徴とする添加材の注入量の調整システム。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記カッタ盤または前記カッタに設置され、前記カッタ盤によって切羽を掘削する際の振動加速度を測定する加速度測定手段と、
前記カッタ盤の回転角度毎における前記加速度測定手段で測定された振動加速度データを、切羽断面を模した円の円周方向に分布する振動加速度分布として表示する振動加速度データ表示部と、
前記振動加速度データ表示部から切羽の土質を推定し、推定した土質に応じた添加材を選定する振動加速度データ処理部とをさらに有し、
前記添加材注入量調整部は、
前記振動加速度データ処理部で推定された土質に対応して予め設定された前記基準温度に基づいて前記振動加速度データ処理部で選定された添加材の注入量を調整する、
ことを特徴とする請求項1記載の添加材の注入量の調整システム。
【請求項3】
前記振動加速度データ処理部は、
前記振動加速度データ表示部で表示された振動加速度分布における振動波形の状態に変化点がある場合には、当該変化点同士を直線でつないだ境界線を設定し、振動加速度データの振動波形から境界線で区切られたそれぞれの領域の土質を推定するとともに各領域の面積を求め、各領域の土質と面積の割合から掘削土砂の塑性流量性に与える影響の大きい土質である支配土質を決定し、決定した支配土質に応じた添加材を選定する第1の処理を実行し、
前記振動加速度データ表示部で表示された振動加速度分布における振動波形の状態に変化点がない場合には、振動加速度データの振動波形から切羽の土質を推定し、推定した土質に応じた添加材を選定する第2の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項2記載の添加材の注入量の調整システム。
【請求項4】
前記振動加速度データ処理部は、
前記第1の処理において、礫質土と推定された土質の面積の割合が所定割合を超えた場合には支配土質を礫質土と決定し、礫質土に応じた添加材を選定する、
ことを特徴とする請求項3記載の添加材の注入量の調整システム。
【請求項5】
前記所定割合は30%である、
ことを特徴とする請求項4記載の添加材の注入量の調整システム。
【請求項6】
前記振動加速度データ処理部は、
前記第1の処理において、礫質土と推定された土質の面積の割合が所定割合以下の場合には、粘性土と推定された土質または砂質土と推定された土質の内で面積の割合が大きい方の土質を支配土質と決定し、決定した支配土質に応じた添加材を選定する、
ことを特徴とする請求項4記載の添加材の注入量の調整システム。
【請求項7】
前記振動加速度データ処理部は、
前記振動加速度データ表示部で表示された振動加速度分布における振動波形の状態に変化点がある場合には、当該変化点同士を直線でつないだ境界線を設定し、振動加速度データの振動波形から境界線で区切られたそれぞれの領域の土質を推定するとともに各領域の面積を求め、各領域の土質と面積の割合とに基づいて、面積割合に応じて添加材の注入量を調整する、
ことを特徴とする請求項2記載の添加材の注入量の調整システム。
【請求項8】
複数のカッタが装着されたカッタ盤の回転で切羽を掘削してチャンバ内に取り込まれた土砂を塑性流動化させるための添加材の注入量の調整方法であって、
前記カッタ盤によって切羽を掘削する際における摩擦熱で上昇した前記カッタの温度を測定し、
測定された前記カッタの温度が予め設定された基準温度の範囲内の場合には、それまでの添加材の注入量を維持し、
測定された前記カッタの温度が前記基準温度を超えている場合には、前記温度測定手段で測定される前記カッタの温度が前記基準温度の範囲内になるまで添加材の注入量を増加させる、
ことを特徴とする添加材の注入量の調整方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、添加材の注入量の調整システムおよび添加材の注入量の調整方法に関し、特に、切羽を掘削してチャンバ内に取り込まれた土砂の塑性流動性の管理に関する技術である。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
シールド掘進機は、機器本体の前面に設けられたカッタ盤を地山の切羽に押し当て回転させながら前進することで地山に掘削坑を形成する機器である。そして、カッタ盤で掘削された土砂は、カッタ盤の後方に設けられたチャンバ内において添加材と攪拌および混合された後、機器本体の後方から排出される。
【0003】
近年、特に都市部におけるトンネル工事は長距離化が著しくなっている。そして、シールド掘進機で掘削する地盤については、先行して行われるボーリング調査等で大まかな分布状態(土質柱状図)を把握しているものの、現実の掘削作業時には予測外変化や想定外の地盤が存在する可能性がある。
【0004】
ここで、シールド掘進機はチャンバ内に取り込まれた掘削土砂の圧力で切羽からの土圧に抵抗しており、塑性流動性を安定させることでチャンバ内の圧力を一定に保つことができ、地山を安定させることができる。したがって、シールド工事において、掘削土砂の塑性流動性を安定させることは、掘削作業を効率的に行う上で重要になる。掘削土砂の塑性が大きくなり過ぎれば掘削土砂の内壁への付着や閉塞が生じて掘削速度が遅くなり、反対に、掘削土砂の流動性が大きくなり過ぎればスクリューコンベアに噴発が生じてチャンバ内の圧力が低下することになるからである。
【0005】
さて、掘削土砂の塑性流動性を安定させるために添加材が用いられているが、有効な添加材は土質によって変わることから、チャンバ内に取り込まれた土質を把握することが重要になる。今日、シールド工事前に地盤調査を行って土質柱状図から地山の状態を予測し、掘削作業中は現在位置の地山の状態を推定しながら作業を行っている。
【0006】
このような作業ではリアルタイムで変化する土層に対応することができず、土質を把握して掘削土砂の塑性流動性を安定させることは困難である。
【0007】
ここで、本出願人は、掘削時のカッタ盤の外周に生じる振動加速度を計測し、計測された振動加速度データから切羽面の土質を推定する技術を提案した(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2016-003429号公報
特開2016-003430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した特許文献1,2に記載の技術によれば、現にカッタ盤によって掘削されている切羽面の土質を推定し、推定した土質から有効な添加材を選定することができるものと考えられる。
【0010】
しかしながら、土砂の塑性流動性を安定させるためには、土砂の土質に応じた添加材を選定することが望ましいが、カッタ盤で掘削する切羽の地盤の摩擦力の大きさに応じた量の添加材を注入するように調整することが必要になる。つまり、同じ土質であっても、摩擦力が大きい地盤の場合には塑性流動性が低いために添加材の注入量を増やす必要がある。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社奥村組
ブレース取付構造
2か月前
株式会社奥村組
シールド掘進機に用いる加速度検知治具
8日前
株式会社奥村組
添加材の選定システムおよび添加材の選定方法
7日前
株式会社奥村組
シールド掘進機による切羽土質分布の判別システム
10日前
株式会社奥村組
シールド掘進機における加速度センサーの取付け構造
10日前
株式会社奥村組
必要添加材の推定システムおよび必要添加材の推定方法
7日前
株式会社奥村組
出来形管理装置、出来形管理方法および出来形管理プログラム
1日前
株式会社奥村組
出来形管理装置、出来形管理方法および出来形管理プログラム
1日前
株式会社奥村組
出来形管理装置、出来形管理方法および出来形管理プログラム
1日前
株式会社奥村組
差し角決定装置、差し角決定方法および差し角決定プログラム
10日前
株式会社奥村組
添加材の注入量の調整システムおよび添加材の注入量の調整方法
7日前
株式会社奥村組
建物架構の制振構造
23日前
個人
掘削機
1か月前
株式会社笠原建設
横孔形成方法
3か月前
株式会社奥村組
シールド掘進機
5か月前
株式会社奥村組
シールド掘進機
2か月前
日特建設株式会社
ボーリング装置
4か月前
花王株式会社
岩盤の掘削方法
1か月前
株式会社奥村組
テールシール試験装置
5か月前
株式会社奥村組
泥土圧シールド掘進機
3か月前
株式会社熊谷組
天井板撤去装置
3か月前
個人
掘削機、及び、資源回収システム
3か月前
大阪瓦斯株式会社
牽引装置
3か月前
日特建設株式会社
削孔方法及び削孔装置
5か月前
株式会社ケー・エフ・シー
剥落防止構造
4か月前
株式会社大林組
インバート更新工法
5か月前
株式会社金澤製作所
発進坑口のエントランス装置
2か月前
個人
メタンハイドレート等海底鉱物資源の採取方法
14日前
大成建設株式会社
トンネルの褄部構造
4か月前
大阪瓦斯株式会社
切欠開裂治具
3か月前
株式会社ケー・エフ・シー
防水シート探傷装置
5か月前
岐阜工業株式会社
トンネルセントルの妻板装置
3日前
大成建設株式会社
トンネルとその施工方法
3か月前
株式会社奥村組
電力線通信設備を用いた推進方法
6か月前
古河ロックドリル株式会社
穿孔機械
4か月前
戸田建設株式会社
掘削機切削部側壁
1か月前
続きを見る