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公開番号2025114124
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-05
出願番号2024008604
出願日2024-01-24
発明の名称差し角決定装置、差し角決定方法および差し角決定プログラム
出願人株式会社奥村組
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類E21D 9/00 20060101AFI20250729BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】発破掘削時の余掘りを低減させること。
【解決手段】差し角決定装置であって、山岳トンネルの上半部における爆薬を装填するための爆薬装薬削孔の位置情報である削孔位置データを取得する削孔位置データ取得部と、外周削孔面を生成する外周削孔面生成部と、掘削計画断面データ取得部と、掘削計画断面生成部と、掘削面点群データ抽出部と、掘削計画断面点群データと掘削面点群データとを用いて、掘削計画断面と掘削面との距離が最小となる最小余掘り距離を算出する最小余掘り距離算出部と、算出された最小余掘り距離に基づいて、外周削孔面と前記掘削面との間の距離を保ったまま、外周削孔面のそれぞれについて、爆薬装薬削孔の削孔開始位置を中心として、掘削面点群データと削孔位置とを回転させ、回転後の削孔位置から爆薬装薬削孔の差し角を決定する差し角決定部と、を備えた。
【選択図】図2A
特許請求の範囲【請求項1】
山岳トンネルの上半部における爆薬を装填するための爆薬装薬削孔の位置情報である削孔位置データを取得する削孔位置データ取得部と、
取得した前記削孔位置データから、前記山岳トンネルの上半部の外周における前記爆薬装薬削孔の削孔位置を抽出し、抽出した削孔位置のそれぞれから、掘削方向に沿って所定削孔長の削孔線を生成し、隣り合う前記削孔位置と前記削孔線とで囲まれる2つの三角形の面を複数生成して、外周削孔面を生成する外周削孔面生成部と、
前記山岳トンネルの断面形状の設計データである掘削計画断面データを取得する掘削計画断面データ取得部と、
取得した前記掘削計画断面データに基づいて、前記山岳トンネルの断面の掘削計画線に沿って所定間隔で点群データを生成し、生成した点群データのそれぞれを、前記所定削孔長および所定ピッチで、前記掘削方向へ複製して、掘削計画断面点群データを生成し、生成された掘削計画断面点群データから掘削計画断面を生成する掘削計画断面生成部と、
所定位置に設置されたレーザセンサから前記山岳トンネルの内周面に走査されたレーザ光の反射光に基づいて、掘削面としての前記内周面の掘削面点群データを抽出する掘削面点群データ抽出部と、
前記掘削計画断面点群データと前記掘削面点群データとを用いて、前記掘削計画断面と前記掘削面との距離が最小となる最小余掘り距離を算出する最小余掘り距離算出部と、
算出された前記最小余掘り距離に基づいて、前記外周削孔面と前記掘削面との間の距離を保ったまま、前記外周削孔面のそれぞれについて、前記爆薬装薬削孔の削孔開始位置を中心として、前記掘削面点群データと前記削孔位置とを回転させ、回転後の前記削孔位置から前記爆薬装薬削孔の差し角を決定する差し角決定部と、
を備えた差し角決定装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記外周削孔面と、前記外周削孔面に対向する位置にある前記掘削計画断面と、を抽出する抽出部と、
前記爆薬装薬削孔を削孔するための削岩機の油圧および削孔速度の少なくとも一方を含む削孔データに基づいて、前記所定削孔長を分割し、分割された分割掘削長ごとに、抽出された前記外周削孔面と前記掘削計画断面との間の距離を算出する距離算出部と、
前記分割掘削長ごとに、抽出された前記外周削孔面と前記掘削計画断面とで囲まれ、かつ、前記隣り合う前記削孔位置の中点で分割される領域の体積を算出する体積算出部と、
を備えた請求項1に記載の差し角決定装置。
【請求項3】
山岳トンネルの上半部における爆薬を装填するための爆薬装薬削孔の位置情報である削孔位置データを取得する削孔位置データ取得ステップと、
取得した前記削孔位置データから、前記山岳トンネルの上半部の外周における前記爆薬装薬削孔の削孔位置を抽出し、抽出した削孔位置のそれぞれから、掘削方向に沿って所定削孔長の削孔線を生成し、隣り合う前記削孔位置と前記削孔線とで囲まれる2つの三角形の面を複数生成して、外周削孔面を生成する外周削孔面生成ステップと、
前記山岳トンネルの断面形状の設計データである掘削計画断面データを取得する掘削計画断面データ取得ステップと、
取得した前記掘削計画断面データに基づいて、前記山岳トンネルの断面の掘削計画線に沿って所定間隔で点群データを生成し、生成した点群データのそれぞれを、前記所定削孔長および所定ピッチで、前記掘削方向へ複製して、掘削計画断面点群データを生成し、生成された掘削計画断面点群データから掘削計画断面を生成する掘削計画断面生成ステップと、
所定位置に設置されたレーザセンサから前記山岳トンネルの内周面に走査されたレーザ光の反射光に基づいて、掘削面としての前記内周面の掘削面点群データを抽出する掘削面点群データ抽出ステップと、
前記掘削計画断面点群データと前記掘削面点群データとを用いて、前記掘削計画断面と前記掘削面との距離が最小となる最小余掘り距離を算出する最小余掘り距離算出ステップと、
算出された前記最小余掘り距離に基づいて、前記外周削孔面と前記掘削面との間の距離を保ったまま、前記外周削孔面のそれぞれについて、前記爆薬装薬削孔の削孔開始位置を中心として、前記掘削面点群データと前記削孔位置とを回転させ、回転後の前記削孔位置から前記爆薬装薬削孔の差し角を決定する差し角決定ステップと、
を含む差し角決定方法。
【請求項4】
山岳トンネルの上半部における爆薬を装填するための爆薬装薬削孔の位置情報である削孔位置データを取得する削孔位置データ取得ステップと、
取得した前記削孔位置データから、前記山岳トンネルの上半部の外周における前記爆薬装薬削孔の削孔位置を抽出し、抽出した削孔位置のそれぞれから、掘削方向に沿って所定削孔長の削孔線を生成し、隣り合う前記削孔位置と前記削孔線とで囲まれる2つの三角形の面を複数生成して、外周削孔面を生成する外周削孔面生成ステップと、
前記山岳トンネルの断面形状の設計データである掘削計画断面データを取得する掘削計画断面データ取得ステップと、
取得した前記掘削計画断面データに基づいて、前記山岳トンネルの断面の掘削計画線に沿って所定間隔で点群データを生成し、生成した点群データのそれぞれを、前記所定削孔長および所定ピッチで、前記掘削方向へ複製して、掘削計画断面点群データを生成し、生成された掘削計画断面点群データから掘削計画断面を生成する掘削計画断面生成ステップと、
所定位置に設置されたレーザセンサから前記山岳トンネルの内周面に走査されたレーザ光の反射光に基づいて、掘削面としての前記内周面の掘削面点群データを抽出する掘削面点群データ抽出ステップと、
前記掘削計画断面点群データと前記掘削面点群データとを用いて、前記掘削計画断面と前記掘削面との距離が最小となる最小余掘り距離を算出する最小余掘り距離算出ステップと、
算出された前記最小余掘り距離に基づいて、前記外周削孔面と前記掘削面との間の距離を保ったまま、前記外周削孔面のそれぞれについて、前記爆薬装薬削孔の削孔開始位置を中心として、前記掘削面点群データと前記削孔位置とを回転させ、回転後の前記削孔位置から前記爆薬装薬削孔の差し角を決定する差し角決定ステップと、
をコンピュータに実行させる差し角決定プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、差し角決定装置、差し角決定方法および差し角決定プログラムに関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、余掘り評価範囲において、前回削孔における設計掘削面に対する平均余掘り深さを算出し、算出した平均余掘り深さと、前回削孔の差し角とを所定の計算式に代入して、次回削孔の差し角を算出することが開示されている(同文献段落[0017]~[0020]、[0023]~[0025]、[0034]、図5、図6等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-183647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、余掘り量をより正確に算出することができないので、算出される次回削孔の差し角を精度高く算出することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る差し角決定装置は、
山岳トンネルの上半部における爆薬を装填するための爆薬装薬削孔の位置情報である削孔位置データを取得する削孔位置データ取得部と、
取得した前記削孔位置データから、前記山岳トンネルの上半部の外周における前記爆薬装薬削孔の前記削孔位置を抽出し、抽出した削孔位置のそれぞれから、掘削方向に沿って所定削孔長の削孔線を生成し、隣り合う前記削孔位置と前記削孔線とで囲まれる2つの三角形の面を複数生成して、外周削孔面を生成する外周削孔面生成部と、
前記山岳トンネルの断面形状の設計データである掘削計画断面データを取得する掘削計画断面データ取得部と、
取得した前記掘削計画断面データに基づいて、前記山岳トンネルの断面の掘削計画線に沿って所定間隔で点群データを生成し、生成した点群データのそれぞれを、前記所定削孔長および所定ピッチで、前記掘削方向へ複製して、掘削計画断面点群データを生成し、生成された掘削計画断面点群データから掘削計画断面を生成する掘削計画断面生成部と、
所定位置に設置されたレーザセンサから前記山岳トンネルの内周面に走査されたレーザ光の反射光に基づいて、掘削面としての前記内周面の掘削面点群データを抽出する掘削面点群データ抽出部と、
前記掘削計画断面点群データと前記掘削面点群データとを用いて、前記掘削計画断面と前記掘削面との距離が最小となる最小余掘り距離を算出する最小余掘り距離算出部と、
算出された前記最小余掘り距離に基づいて、前記外周削孔面と前記掘削面との間の距離を保ったまま、前記外周削孔面のそれぞれについて、前記爆薬装薬削孔の削孔開始位置を中心として、前記掘削面点群データと前記削孔位置とを回転させ、回転後の前記削孔位置から前記爆薬装薬削孔の差し角を決定する差し角決定部と、
を備えた。
【0006】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る差し角決定方法は、
山岳トンネルの上半部における爆薬を装填するための爆薬装薬削孔の位置情報である削孔位置データを取得する削孔位置データ取得ステップと、
取得した前記削孔位置データから、前記山岳トンネルの上半部の外周における前記爆薬装薬削孔の前記削孔位置を抽出し、抽出した削孔位置のそれぞれから、掘削方向に沿って所定削孔長の削孔線を生成し、隣り合う前記削孔位置と前記削孔線とで囲まれる2つの三角形の面を複数生成して、外周削孔面を生成する外周削孔面生成ステップと、
前記山岳トンネルの断面形状の設計データである掘削計画断面データを取得する掘削計画断面データ取得ステップと、
取得した前記掘削計画断面データに基づいて、前記山岳トンネルの断面の掘削計画線に沿って所定間隔で点群データを生成し、生成した点群データのそれぞれを、前記所定削孔長および所定ピッチで、前記掘削方向へ複製して、掘削計画断面点群データを生成し、生成された掘削計画断面点群データから掘削計画断面を生成する掘削計画断面生成ステップと、
所定位置に設置されたレーザセンサから前記山岳トンネルの内周面に走査されたレーザ光の反射光に基づいて、掘削面としての前記内周面の掘削面点群データを抽出する掘削面点群データ抽出ステップと、
前記掘削計画断面点群データと前記掘削面点群データとを用いて、前記掘削計画断面と前記掘削面との距離が最小となる最小余掘り距離を算出する最小余掘り距離算出ステップと、
算出された前記最小余掘り距離に基づいて、前記外周削孔面と前記掘削面との間の距離を保ったまま、前記外周削孔面のそれぞれについて、前記爆薬装薬削孔の削孔開始位置を中心として、前記掘削面点群データと前記削孔位置とを回転させ、回転後の前記削孔位置から前記爆薬装薬削孔の差し角を決定する差し角決定ステップと、
を含む。
【0007】
さらに、上記目的を達成するため、本発明に係る差し角決定プログラムは、
山岳トンネルの上半部における爆薬を装填するための爆薬装薬削孔の位置情報である削孔位置データを取得する削孔位置データ取得ステップと、
取得した前記削孔位置データから、前記山岳トンネルの上半部の外周における前記爆薬装薬削孔の前記削孔位置を抽出し、抽出した削孔位置のそれぞれから、掘削方向に沿って所定削孔長の削孔線を生成し、隣り合う前記削孔位置と前記削孔線とで囲まれる2つの三角形の面を複数生成して、外周削孔面を生成する外周削孔面生成ステップと、
前記山岳トンネルの断面形状の設計データである掘削計画断面データを取得する掘削計画断面データ取得ステップと、
取得した前記掘削計画断面データに基づいて、前記山岳トンネルの断面の掘削計画線に沿って所定間隔で点群データを生成し、生成した点群データのそれぞれを、前記所定削孔長および所定ピッチで、前記掘削方向へ複製して、掘削計画断面点群データを生成し、生成された掘削計画断面点群データから掘削計画断面を生成する掘削計画断面生成ステップと、
所定位置に設置されたレーザセンサから前記山岳トンネルの内周面に走査されたレーザ光の反射光に基づいて、掘削面としての前記内周面の掘削面点群データを抽出する掘削面点群データ抽出ステップと、
前記掘削計画断面点群データと前記掘削面点群データとを用いて、前記掘削計画断面と前記掘削面との距離が最小となる最小余掘り距離を算出する最小余掘り距離算出ステップと、
算出された前記最小余掘り距離に基づいて、前記外周削孔面と前記掘削面との間の距離を保ったまま、前記外周削孔面のそれぞれについて、前記爆薬装薬削孔の削孔開始位置を中心として、前記掘削面点群データと前記削孔位置とを回転させ、回転後の前記削孔位置から前記爆薬装薬削孔の差し角を決定する差し角決定ステップと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、算出される次回削孔の差し角を精度高く算出することができるので、山岳トンネルの発破掘削工事において、発破掘削時の余掘りを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第1実施形態に係る差し角決定装置の概要を説明するための図である。
本発明の第1実施形態に係る差し角決定装置の構成を説明するためのブロック図である。
本発明の第1実施形態に係る差し角決定装置による差し角の決定を説明するための図である。
本発明の第1実施形態に係る差し角決定装置による差し角の決定を説明するための他の図である。
本発明の第1実施形態に係る差し角決定装置による差し角の決定を説明するためのさらに他の図である。
本発明の第1実施形態に係る差し角決定装置による差し角の決定の詳細を説明するための平面図である。
本発明の第1実施形態に係る差し角決定装置が有する爆薬テーブルの一例を説明するための図である。
本発明の第1実施形態に係る差し角決定装置のハードウェア構成を説明するための図である。
本発明の第1実施形態に係る差し角決定装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
本発明の第2実施形態に係る差し角決定装置の構成を説明するためのブロック図である。
本発明の第2実施形態に係る差し角決定装置による余掘り量の算出を説明するための図である。
本発明の第2実施形態に係る差し角決定装置による余掘り量の算出を説明するための他の図である。
本発明の第2実施形態に係る差し角決定装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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