公開番号2025111616 公報種別公開特許公報(A) 公開日2025-07-30 出願番号2025071172,2021577929 出願日2025-04-23,2020-06-28 発明の名称ニューロキニン-1アンタゴニスト 出願人上海盛迪医薬有限公司,SHANGHAI SHENGDI PHARMACEUTICAL CO., LTD,上海森輝医薬有限公司,SHANGHAI SENHUI MEDICINE CO., LTD.,江蘇恒瑞医薬股ふん有限公司 代理人個人,個人,個人 主分類C07D 471/10 20060101AFI20250723BHJP(有機化学) 要約【課題】ニューロキニン-1受容体のアンタゴニストであり、ニューロキニン-1受容体に関連する疾患の治療に使用することができ、薬物の溶血作用を回避し、薬物投与の副作用を低減することができる化合物を提供する。 【解決手段】式IIで表される化合物またはその薬学的に許容される塩、およびその製造方法。 <com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025111616000099.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">39</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">43</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし 特許請求の範囲【請求項1】 式(II): TIFF 2025111616000083.tif 44 49 [式中、 Xは、水素、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OA m R 3 、-C(O)NR 4 A m R 3 、-A m [C(R 1 )(R 2 )]C(O)OA n R 3 、-A m OC(O)[C(R 1 )(R 2 )]A n R 3 、-A m C(O)NR 4 A n R 3 、-A m NR 4 C(O)A n R 3 および-A m R 5 からなる群から選択され、前記ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン、SR'、NR'(R'')、COOR'およびCONR'(R'')からなる群から選択される1つまたは複数の基により任意選択で置換される; Yは、水素、-C(O)OA m R 3 、-C(O)NR 4 A m R 3 、-A m [C(R 1 )(R 2 )]C(O)OA n R 3 、-A m OC(O)[C(R 1 )(R 2 )]A n R 3 、-A m C(O)NR 4 A n R 3 、-A m NR 4 C(O)A 続きを表示(約 3,200 文字)【請求項2】 Xが、水素、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)O[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m R 3 、-C(O)NR 4 [C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m C(O)[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] n R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m [C(R 1 )(R 2 )]C(O)[(O) q C(R 1 )(R 2 )] n R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m C(O)NR 4 [C(R 1 )(R 2 )(O) p ] n R 3 および-[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m R 5 からなる群から選択され、前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン、SR'、NR'(R'')、COOR'およびCONR'(R'')からなる群から選択される1つまたは複数の基により任意選択で置換され; Yが、水素、-C(O)O[C(R 1 )(R 2 )(O) p 【請求項3】 Yが、-C(O)O[C(R 1 )(R 2 )] m R 3 、-C(O)NR 4 [C(R 1 )(R 2 )] m R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )O] m C(O)[C(R 1 )(R 2 )] n R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )] m C(O)[OC(R 1 )(R 2 )] n R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )N] m C(O)[C(R 1 )(R 2 )] n R 3 、[C(R 1 )(R 2 )N] m C(O)[OC(R 1 )(R 2 )] n R 3 、[C(R 1 )(R 2 )N] m C(O)[NC(R 1 )(R 2 )] n R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m C(O)NR 4 [C(R 1 【請求項4】 Xが、-C(O)O[C(R 1 )(R 2 )] m R 3 、-C(O)NR 4 [C(R 1 )(R 2 )] m R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )O] m C(O)[C(R 1 )(R 2 )] n R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )] m C(O)[OC(R 1 )(R 2 )] n R 3 および-[C(R 1 )(R 2 )] n R 5 からなる群から選択され、Yが、水素である、請求項1~3のいずれか1つに記載の化合物。 【請求項5】 R 3 が、水素、ポリ(オキシエチレンオキシ) TIFF 2025111616000087.tif 17 150 、ポリ(エチレンオキシ) TIFF 2025111616000088.tif 17 150 、OPO(R 6 ) 2 、PO(R 6 ) 2 、OSO 2 (R 6 ) 2 、SO 2 (R 6 ) 2 、OC(O)R 6 およびC(O)OR 6 からなる群から選択され、R 6 が、請求項1において定義されたとおりである、請求項1~4のいずれか1つに記載の化合物。 【請求項6】 R 3 が、OPO(R 6 ) 2 から選択され、R 6 が、ヒドロキシル、C 1-6 アルキル、C 3-7 シクロアルキル、C 1-6 アルコキシおよび3~7員のヘテロシクリルからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1つに記載の化合物。 【請求項7】 m=1、2、3または4である、請求項1~4のいずれか1つに記載の化合物。 【請求項8】 R 1 およびR 2 が、水素、C 1-6 アルキルおよびC 3-7 シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項1~3のいずれか1つに記載の化合物。 【請求項9】 m=1、2、3または4であり、n=1、2、3または4であり、o=1~8である、請求項1に記載の化合物。 【請求項10】 式(II)で示される化合物が、 TIFF 2025111616000089.tif 48 49 [式中、m=1、2、3または4であり;R 1 およびR 2 は、請求項1において定義されたとおりである] またはその薬学的に許容される塩、またはその立体異性体、回転異性体もしくは互変異性体である、請求項1~9のいずれか1つに記載の化合物。 (【請求項11】以降は省略されています) 発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本開示は、神経ペプチドニューロキニン-1(NK1またはNK-1)受容体のアンタゴニストに関する。 続きを表示(約 5,100 文字)【背景技術】 【0002】 タキキニンは、ニューロキニン受容体のペプチドリガンドである。NK1、NK2およびNK3などのニューロキニン受容体はさまざまな生物学的プロセスに関与している。それらは、哺乳動物の神経系および循環器系、そして周囲の組織に見られる。したがって、そのような受容体の調節は、哺乳動物のさまざまな疾患の可能性がある治療または予防のために研究されてきた。典型的なニューロキニン受容体アゴニストおよびそれらの使用として、US5760018(1998)(疼痛、炎症、片頭痛および嘔吐)、US5620989(1997)(疼痛、痛覚および炎症)、WO95/19344(1995)、WO 94/13639(1994)およびWO 94/10165(1994)が挙げられる。他のタイプのNK1受容体アンタゴニストとして、Wu et al.、Tetrahedron 56、3043-3051(2000);Rombouts et al.、Tetrahedron Letters 42、7397-7399(2001);およびRogiers et al.、Tetrahedron 57、8971-8981(2001)が挙げられる。 【0003】 US7049320は、遊離塩基または薬学的に許容される塩の形態でありえ、非経口投与用製剤に適している、有利な治療および薬理学的特性ならびに良好な代謝安定性を有する、有効で選択的なNK1アンタゴニストである(5S,8S)-8-[{(1R)-1-(3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニル)-エトキシ}-メチル]-8-フェニル-1,7-ジアザスピロ[4.5]デク-2-オン(式(I)で示される化合物)を提供する。 TIFF 2025111616000001.tif 34 59 【0004】 US9101615は、式(I)で示される化合物のプロドラッグ、すなわち、式(I)で示される化合物の遊離アミン(または2つのアミン)が、-Yおよび-Xから選択される基によって置換されるプロドラッグおよびその塩を提供し、ここで、Yは、-P(O)(OH) 2 、-S(O) n1 R 1 、-C(O)(C 1-6 アルキル)X、-C(O)(C 1-6 アルキル)(アリール)および-C(O)OR 4 からなる群から選択され;Xは、-NR 2 R 3 、-P(O)(OH) 2 および-S(O) n1 R 1 からなる群から選択され;R 1 は、HまたはC 1-6 アルキルであり;R 2 は、HまたはC 1-6 アルキルであり;R 3 は、HまたはC 1-6 アルキルであり;R 4 は、HまたはC 1-6 アルキルであり;n1は、0-4である。プロドラッグは、それを必要とする患者を治療するために、適切な液体製剤(送達のための非経口担体を含むか、または含まない)で使用することができる。 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 別の態様では、薬物誘発性溶血は、薬物が人体に入った後の免疫因子によって引き起こされる赤血球の大規模な破壊に起因する。臨床的に現れる溶血症状は、貧血、黄疸、醤油様尿などである。薬物性溶血性貧血は、次の3つのタイプに分類することができる:(1)薬物誘発性免疫、抗体媒介性溶血反応につながる;(2)遺伝的酵素欠損症(たとえば、G6PD欠損症)を伴う赤血球に対する薬物の作用;(3)異常ヘモグロビンに対する薬物誘発性溶血反応。このような病気を治療するための鍵は、合併症の発生を防ぐために、関連する薬の使用を停止し、溶血の発生を制御することである。生理的pHでの式(I)で示される化合物の溶解度が低いという問題を解決するために、研究者は、カプチゾール、プロピレングリコールおよびエタノールを含む共溶媒ベースの製剤を使用して、化合物1の溶解度を大幅に改善したが、共溶媒ベースの製剤は、静脈内投与後に有意な溶血作用を示す。CN102573475は、ポリエチレングリコール15-ヒドロキシステアレートと中鎖トリグリセリドを含む改良された製剤を開示する。しかしながら、式(I)で示される化合物がリン酸塩を含むプロドラッグとして調製されたとしても、医薬組成物の溶血作用はまだ完全には解決されていない。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本願は、さまざまな生理的障害、状態および疾患の治療に有効であり、副作用が最小限である、新しいNK1アンタゴニストプロドラッグ化合物を提供する。 【0007】 発明の概略 本開示は、式(II): TIFF 2025111616000002.tif 44 49 [式中、 Xは、水素、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OA m R 3 、-C(O)NR 4 A m R 3 、-A m [C(R 1 )(R 2 )]C(O)OA n R 3 、-A m OC(O)[C(R 1 )(R 2 )]A n R 3 、-A m C(O)NR 4 A n R 3 、-A m NR 4 C(O)A n R 3 および-A m R 5 からなる群から選択され、前記ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン、SR'、NR'(R'')、COOR'およびCONR'(R'')からなる群から選択される1つまたは複数の基により任意選択で置換される; Yは、水素、-C(O)OA m R 3 、-C(O)NR 4 A m R 3 、-A m [C(R 1 )(R 2 )]C(O)OA n R 3 、-A m OC(O)[C(R 1 )(R 2 )]A n R 3 、-A m C(O)NR 4 A n R 3 、-A m 【0008】 本開示の式(II)で示される化合物は、親薬物である式(I)で示される化合物よりも、より良好な溶解度を有し、したがって、静脈内投与に適切である。さらに、上記の化合物は、静脈内製剤に処方された後、人体に入るときに生理学的条件下で分解されて親薬物を放出するが、これは薬物の放出を遅らせ、薬物の放出期間を延長する。 【0009】 本開示の別の実施態様では、式(II)で示される化合物において、Xは、水素、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)O[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m R 3 、-C(O)NR 4 [C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m C(O)[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] n R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m [C(R 1 )(R 2 )]C(O)[(O) q C(R 1 )(R 2 )] n R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m C(O)NR 4 [C(R 1 )(R 2 )(O) p ] n R 3 および-[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m R 5 からなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、アルキル(好ましくは、限定的ではないが、メチル、エチルまたはイソプロピルなどのC 1-12 アルキルからなる群から選択される)、シクロアルキル(好ましくはシクロヘキシルおよびシクロペンタニルなどのC 1-12 シクロアルキルから選択される)、アルコキシル(好ましくはC 1-12 アルコキシから選択される)、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン、SR'、NR'(R'')、COOR'およびCONR'(R'')からなる群から選択される1つまたは複数の基により任意選択で置換され; 【0010】 本開示の別の実施態様では、式(II)で示される化合物において、Yは、-C(O)O[C(R 1 )(R 2 )] m R 3 、-C(O)NR 4 [C(R 1 )(R 2 )] m R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )O] m C(O)[C(R 1 )(R 2 )] n R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )] m C(O)[OC(R 1 )(R 2 )] n R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )N] m C(O)[C(R 1 )(R 2 )] n R 3 、[C(R 1 )(R 2 )N] m C(O)[OC(R 1 )(R 2 )] n R 3 、[C(R 1 )(R 2 )N] m C(O)[NC(R 1 )(R 2 )] n R 3 、-[C(R 1 )(R 2 )(O) p ] m C(O)NR 4 [C(R 1 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する