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公開番号
2025110897
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-29
出願番号
2025005247
出願日
2025-01-15
発明の名称
耐震扉用部材及びこれを備える耐震扉
出願人
個人
代理人
個人
主分類
E06B
5/00 20060101AFI20250722BHJP(戸,窓,シャッタまたはローラブラインド一般;はしご)
要約
【課題】扉枠体が変形することで閉扉状態にある扉本体の開扉操作が妨げられることを防止するために使用される耐震扉用部材、及びこの耐震扉用部材が取り付けられた耐震扉を提供する。
【解決手段】金属又はセラミックスから形成され、扉枠体に当接する第1面20とその反対側にある第2面10とを備え、第1面20と第2面10との間隔が短手方向に最大厚から最小厚へと連続的に減少するように形成された漸減部分を有する。少なくとも板厚最大部又はその近傍部の第1面後方部21には表面凹凸加工Sが施されており、第2面10には低摩擦層Cが形成されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
外力により扉枠体が変形することで閉扉状態にある扉本体の開扉操作が妨げられることを防止するために、前記扉枠体へ取り付けて使用される矩形薄板状の耐震扉用部材であって、
金属材料又はセラミックス材料から形成されており、
前記扉枠体の一部分に当接する第1面と、この第1面の反対側にある第2面とを備え、
板厚を規定する前記第1面と前記第2面との間隔が、短手方向に最大厚から最小厚へと連続的に減少するように形成された漸減部分を有し、
前記扉枠体が変形して対向する前記扉本体と圧接した際に、前記扉枠体との当接面に沿って所定の取付位置からズレるのを防止するために、少なくとも板厚最大部又はその近傍部の前記第1面に表面凹凸加工が施されており、
前記圧接した際に、前記扉本体を回動させて開扉するための開放力を低下させるために、少なくとも板厚最大部又はその近傍部の前記第2面に低摩擦層が形成されている、耐震扉用部材。
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【請求項2】
外力により扉枠体が変形することで閉扉状態にある扉本体の開扉操作が妨げられることを防止するために、前記扉本体へ取り付けて使用される矩形薄板状の耐震扉用部材であって、
金属材料又はセラミックス材料から形成されており、
前記扉本体の一部分に当接する第1面と、この第1面の反対側にある第2面とを備え、
板厚を規定する前記第1面と前記第2面との間隔が、短手方向に最大厚から最小厚へと連続的に減少するように形成された漸減部分を有し、
前記扉枠体が変形して対向する前記扉枠体と圧接した際に、前記扉本体との当接面に沿って所定の取付位置からズレるのを防止するために、少なくとも板厚最大部又はその近傍部の前記第1面に表面凹凸加工が施されており、
前記圧接した際に、前記扉本体を回動させて開扉するための開放力を低下させるために、少なくとも板厚最大部又はその近傍部の前記第2面に低摩擦層が形成されている、耐震扉用部材。
【請求項3】
前記表面凹凸加工が、ローレット加工、摩擦材コーティング、又はブラスト加工である、請求項1又は2に記載の耐震扉用部材。
【請求項4】
前記第1面の表面凹凸加工が施されている領域が、前記耐震扉用部材の長手方向に延伸する帯状であり、その幅が前記耐震扉用部材の短手方向の幅の1/20~1/4の範囲である、請求項1又は2に記載の耐震扉用部材。
【請求項5】
前記低摩擦層が、フッ素系樹脂を含有する焼付層、シリカ成分を含有するハードコート層、ダイヤモンドライクカーボンを主成分とする蒸着層、又は二硫化モリブデンのショットブラストによる表面改質層である、請求項1又は2に記載の耐震扉用部材。
【請求項6】
前記焼付層の厚みが5~100μm、前記ハードコート層の厚みが0.5~30μm、前記蒸着層の厚みが0.5~10μm、又は前記表面改質層の厚みが1~20μmの範囲である、請求項5に記載の耐震扉用部材。
【請求項7】
前記漸減部分の第2面が、最大回動半径を伴って回動する扉本体側面の後面側縁部が描く最大回動軌跡に沿って湾曲する円弧形状に形成されている、請求項1又は2に記載の耐震扉用部材。
【請求項8】
前記第1面の表面凹凸加工が施されている領域以外の領域に、取付固定のためのマグネットシートが敷設されている、請求項1又は2に記載の耐震扉用部材。
【請求項9】
扉本体と、
この扉本体の外周縁を囲む扉枠体と、
前記扉本体が前記扉枠体に対して回動自在となることで閉位置及び開位置をとるように、前記扉本体と前記扉枠体とを回動自在に連結するヒンジ部材と、
請求項1に記載の耐震扉用部材とを備え、
前記扉枠体は、互いに平行な一対の側枠体を含み、この一対の側枠体の一方に前記ヒンジ部材が連結され、他方の少なくとも一部に前記耐震扉用部材が取り付けられ、
前記耐震扉用部材は、その板厚最大部又はその近傍部と最大回動半径を伴って回動する扉本体側面の後面側縁部とが前記扉本体が閉位置をとるときに対向し、且つ、前記扉本体側面の後面側縁部が描く最大回動軌跡上又はそれよりも外側に位置するように取り付けられている、耐震扉。
【請求項10】
扉本体と、
この扉本体の外周縁を囲む扉枠体と、
前記扉本体が前記扉枠体に対して回動自在となることで閉位置及び開位置をとるように、前記扉本体と前記扉枠体とを回動自在に連結するヒンジ部材と、
請求項2に記載の耐震扉用部材とを備え、
前記扉本体は、互いに平行な一対の外側面を含み、この一対の外側面の一方に前記ヒンジ部材が連結され、他方の少なくとも一部に前記耐震扉用部材が取り付けられ、
前記耐震扉用部材は、その板厚最大部が板厚最小部よりも前記扉本体の前面側に位置するように取り付けられており、且つ、前記板厚最大部の回動半径は前記板厚最小部の回動半径以上である、耐震扉。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉枠体が変形することで閉扉状態にある扉本体の開扉操作が妨げられることを防止するために使用される耐震扉用部材、及びこの耐震扉用部材が取り付けられた耐震扉に関する。
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【背景技術】
【0002】
図19(A)は、既存の右開き扉の戸先部分の拡大断面図である。正常時において、扉本体110の左側面111と、これに対向する左側枠体121の内向側面121aとの間には、3~4mmの隙間が設けられている。これにより、最大回動半径Rmaxを伴って回動する扉本体左側面111の後面側縁部111aが、左側枠体内向側面121aに接触すること無く支障なく開閉することができる。
【0003】
しかし、図19(B)に示すように、地震等により建物の外壁又は内壁に取り付けられた扉枠体120に規定値以上の外圧Fが加わり、扉枠体120が変形して戸先側の隙間が狭まり又は無くなってしまうと、左側枠体内向側面121aが、扉本体左側面111の後面側縁部111aが描く最大回動軌跡Qmaxの内側に入り込んでしまうため、扉本体110が開かなくなるといった事態(以下、この事態を「異常事態」という)が生じ得る。
【0004】
この異常事態において扉本体110を開けるためには、扉枠体120を外側に押し広げる力(圧縮力)と、扉本体110を前側に開ける力(剪断力)が必要になるが、扉枠体120には約100~200kgの外圧Fがかかっており、扉本体110を開けるためには約200~300kgの開放力が必要になる。
【0005】
このような異常事態は、避難口の少ないマンションに居住する人、オフィスビルに勤務する人、ホテルに宿泊する人、戸建て住宅のトイレや浴室を利用する人が外部へ避難することを妨げることから、可及的に回避されなければならない。そこで、本発明者らにより、特許文献1及び2に記載の耐震扉が提案されている。
【0006】
特許文献1に記載の耐震扉(1)は、ヒンジ(15)の回動軸線の回りに回動可能な扉本体(11)と、この扉本体(11)が閉じられたときに周囲を囲む枠体(13)とからなり、ヒンジ(15)と反対側に位置し枠体(13)に対面する扉本体(11)の側面(11e)に、円弧状断面(21a)を有する低摩擦材からなる部材(21)が取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
特許文献1の耐震扉(1)によれば、地震等により扉の枠体(13)が変形する異常事態が生じることで、閉じられた状態にある扉本体(11)と枠体(13)とが圧接するような状況となっても、円弧状断面(21a)を有する低摩擦材からなる部材(21)と枠体(13)とが点接触又は線接触することで、条件によっては10kg以下の小さな力で扉本体(11)を開けることが可能になる。
【0008】
また、特許文献2に記載の耐震扉は、ヒンジ(4)の回動軸線の回りに回動可能な扉本体(1)と、この扉本体(1)が閉じられたときに周囲を囲む枠体(2、2´)とからなり、この枠体(2)の側面(2a)には、円弧状断面を有する部材(3)が取着されている。この円弧状断面の表面が、回動軸線に直交する水平面内において、枠体(2)の表側端面から裏側へ向けて延在し、その中央部が扉本体(1)の側面(1c)に対して凹型に窪んでいることを特徴とする。
【0009】
特許文献2の耐震扉によれば、特許文献1の耐震扉と同様に、異常事態時において閉じられた状態にある扉本体(1)と枠体(2)とが圧接するような状況となっても、扉本体(1)と枠体(2)とは円弧状断面の部材(3)を介して接触することで、扉本体は円弧形状(扉本体の回動軌跡)に沿って支障なく、条件によっては10kg以下の小さな力で開閉することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2003-49588号公報
実用新案登録第3167660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
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