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公開番号2025110770
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2024004803
出願日2024-01-16
発明の名称硬化性組成物、放熱材、及び物品
出願人大日精化工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 75/04 20060101AFI20250722BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】適度な可使時間が確保されており、無機充填剤の分散状態が良好であるとともに、シリコーンを用いなくとも発熱体や放熱器等の表面との密着性に優れており、室温条件下で硬化可能であり、かつ、加熱することで容易に剥離しうる放熱材を形成することが可能な硬化性組成物を提供する。
【解決手段】放熱材を形成するために用いられる、主剤及び硬化剤の組み合わせを含む二剤硬化型の硬化性組成物である。主剤が、ポリアミン(A)、ジオール(C)、及び無機充填剤(D1)を含有し、硬化剤が、ポリイソシアネート(B)及び無機充填剤(D2)を含有し、主剤中、ポリアミン(A)及びジオール(C)の合計に占める、ポリアミン(A)の含有量が、50~90質量%であり、主剤中のアミノ基及び水酸基の合計モル数に対する、硬化剤中のイソシアネート基のモル数の比の値が、0.75~2.50である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
放熱材を形成するために用いられる、主剤及び硬化剤の組み合わせを含む二剤硬化型の硬化性組成物であって、
前記主剤が、ポリアミン(A)、ジオール(C)、及び無機充填剤(D1)を含有し、
前記硬化剤が、ポリイソシアネート(B)及び無機充填剤(D2)を含有し、
前記主剤中、前記ポリアミン(A)及び前記ジオール(C)の合計に占める、前記ポリアミン(A)の含有量が、50~90質量%であり、
前記主剤中のアミノ基及び水酸基の合計モル数(NH+OH)に対する、前記硬化剤中のイソシアネート基のモル数(NCO)の比(NCO/(NH+OH))の値が、0.75~2.50である硬化性組成物。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記ポリアミン(A)のアミン価が、300mgKOH/g以下である請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
前記ポリイソシアネート(B)が、脂肪族ポリイソシアネートである請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
前記無機充填剤(D1)及び前記無機充填剤(D2)が、それぞれ独立に、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、及び金属炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
前記主剤中の前記無機充填剤(D1)の充填率が、70~95質量%であり、
前記硬化剤中の前記無機充填剤(D2)の充填率が、50~95質量%である請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物である放熱材。
【請求項7】
熱伝導率が2.0W/(m・K)以上である請求項6に記載の放熱材。
【請求項8】
前記無機充填剤(D1)と前記無機充填剤(D2)の合計充填率が、65~95質量%である請求項6に記載の放熱材。
【請求項9】
発熱体と、
前記発熱体と接触した状態で配置される、請求項6に記載の放熱材と、を備える物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性組成物、放熱材、及び物品に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
集積回路の高密度化等に伴い、電子機器内部の発熱量は大きくなる傾向にあるため、電子部品内部で発生する熱を効率よく拡散させる技術の開発が要求されている。例えば、電子機器内部に設けられた電子部品等の発熱体と、ヒートシンク等の放熱器との間に配置される、熱伝導性に優れた放熱シート等の放熱材(TIM;サーマルインターフェースマテリアル)が知られている。このような放熱材を用いることで、発熱体表面と放熱器表面の微細な隙間を埋めて接触熱抵抗を低減させ、発熱体からの熱を放熱器へと適切に移動させることができる。
【0003】
これまでに、例えば、シリコーンポリマー前駆体に熱伝導材を分散させた耐熱性弾性材料が提案されている(特許文献1)。但し、揮発成分である低分子シロキサンの発生による絶縁性能低下を回避する等の観点から、シリコーンの使用を回避したいとする強い要望がある。このため、非シリコーン系のポリマーをバインダー成分とする放熱材や、そのような放熱材を形成するための組成物が検討されている。
【0004】
例えば、ポリオール類等の重合性樹脂成分及び水酸化アルミニウムを含む重合性樹脂組成物を、イソシアネート類等の硬化剤を用いて加熱条件下で硬化させた熱伝導性のポリマー成形体が提案されている(特許文献2)。また、カルボキシ基を有するポリウレタンポリウレア樹脂及び熱伝導性フィラーを含むバインダー成分を、エポキシ化合物を用いて加熱条件下で硬化させた熱伝導性の硬化物が提案されている(特許文献3)。さらに、ポリオール等の反応性官能基を有する成分及び熱伝導性フィラーを含む組成物を加熱硬化させたシリコーンフリーのサーマルインターフェースが提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005-209955号公報
特表2015-530470号公報
特開2020-200454号公報
特開2023-508288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2~4で提案された組成物等は、いずれも加熱条件での硬化が必須であることから、デバイスの生産ラインに熱源を確保する必要があった。このため、放熱材を所望とする箇所に配置するための工程が煩雑になるとともに、硬化に時間を要する等の課題があり、かつ、カーボンニュートラルへの取り組みにとっても好ましいとは言えない。また、硬化後は発熱体等から剥離させることが困難であり、使用後の分別廃棄などのニーズに対応しにくく、リペア性及びリサイクル性が必ずしも良好であるとはいえなかった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、適度な可使時間が確保されており、無機充填剤の分散状態が良好であるとともに、シリコーンを用いなくとも発熱体や放熱器等の表面との密着性に優れており、室温条件下で硬化可能であり、かつ、加熱することで容易に剥離しうる放熱材を形成することが可能な硬化性組成物を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記の硬化性組成物を硬化させた硬化物である放熱材、及びこの放熱材を用いた物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明によれば、以下に示す硬化性組成物が提供される。
[1]放熱材を形成するために用いられる、主剤及び硬化剤の組み合わせを含む二剤硬化型の硬化性組成物であって、前記主剤が、ポリアミン(A)、ジオール(C)、及び無機充填剤(D1)を含有し、前記硬化剤が、ポリイソシアネート(B)及び無機充填剤(D2)を含有し、前記主剤中、前記ポリアミン(A)及び前記ジオール(C)の合計に占める、前記ポリアミン(A)の含有量が、50~90質量%であり、前記主剤中のアミノ基及び水酸基の合計モル数(NH+OH)に対する、前記硬化剤中のイソシアネート基のモル数(NCO)の比(NCO/(NH+OH))の値が、0.75~2.50である硬化性組成物。
[2]前記ポリアミン(A)のアミン価が、300mgKOH/g以下である前記[1]に記載の硬化性組成物。
[3]前記ポリイソシアネート(B)が、脂肪族ポリイソシアネートである前記[1]又は[2]に記載の硬化性組成物。
[4]前記無機充填剤(D1)及び前記無機充填剤(D2)が、それぞれ独立に、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、及び金属炭酸塩からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]~[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[5]前記主剤中の前記無機充填剤(D1)の充填率が、70~95質量%であり、前記硬化剤中の前記無機充填剤(D2)の充填率が、50~95質量%である前記[1]~[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
【0009】
また、本発明によれば、以下に示す放熱材が提供される。
[6]前記[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物である放熱材。
[7]熱伝導率が2.0W/(m・K)以上である前記[6]に記載の放熱材。
[8]前記無機充填剤(D1)と前記無機充填剤(D2)の合計充填率が、65~95質量%である前記[6]又は[7]に記載の放熱材。
【0010】
さらに、本発明によれば、以下に示す物品が提供される。
[9]発熱体と、発熱体と接触した状態で配置される、前記[6]~[8]のいずれかに記載の放熱材と、を備える物品。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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