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公開番号2025101116
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2023217722
出願日2023-12-25
発明の名称ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
出願人株式会社パイロットコーポレーション
代理人
主分類C09D 11/18 20060101AFI20250630BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】 ポリグリセリンイソステアリン酸エステルを剪断減粘性付与剤として用いた水性インキであっても、使用により不慮のペン先解放状態が発生した際に、ペン先の乾燥に伴う筆跡かすれや筆記不能等の筆記不良を生じることなく、優れた筆記性能を長期的に亘って発現できるボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供する。
【解決手段】 顔料と、水と、ポリグリセリンイソステアリン酸エステルと、重量平均分子量が2万以上のデキストリン及び20糖以上の糖アルコールから選ばれる一種以上を含有するボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペン。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
顔料と、水と、ポリグリセリンイソステアリン酸エステルと、重量平均分子量が2万以上のデキストリン及び20糖以上の糖アルコールから選ばれる一種以上を含有するボールペン用水性インキ組成物。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記デキストリンが、インキ組成物全量中0.1~10質量%の範囲で含有される請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
【請求項3】
前記糖アルコールが、インキ組成物全量中1~10質量%の範囲で含有される請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
【請求項4】
前記顔料が、インキ組成物全量中2~15質量%の範囲で含有される請求項1乃至3のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物。
【請求項5】
前記顔料が、カーボンブラックである請求項4に記載のボールペン用水性インキ組成物。
【請求項6】
前記請求項1乃至5の何れかに記載のボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペン。
【請求項7】
キャップを備えてなる請求項6に記載のボールペン。
【請求項8】
ボールペンチップが内側から外側へボールを付勢するボール押圧部材を備えていない請求項6又は7に記載のボールペン。
【請求項9】
ボールペンチップが金属パイプを押圧変形させたチップである請求項8に記載のボールペン。
【請求項10】
ボールの径が0.5mm以上である請求項8又は9に記載のボールペン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はボールペン用水性インキ組成物に関する。更には、潤滑性能と耐ドライアップ性能に優れたボールペン用水性インキ組成物とボールペンに関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
キサンタンガムやウェランガム等の剪断減粘性付与剤を含む水性インキ組成物は、紙面に転写された後に剪断力から解放され高粘度状態となるため、従来の低粘度水性インキ組成物の欠点である筆跡滲みが発生することがなく、しかも、インキ流量を調節する流量調節部材(櫛歯状部材等のインキ一時的保溜部材)を要しない簡易な構造の筆記具が得られるため、広く適用されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記剪断減粘性を有する水性インキでは、特に着色剤として顔料を用いた際に座摩耗を生じ易くなったり、経時によって顔料の凝集を生じることがあるため、種々の添加剤の配合が必要となり、配合の自由度が損なわれるものであった。
【0003】
そこで、剪断減粘性付与剤としてポリグリセリンイソステアリン酸エステルを用いることで、顔料の凝集を生じることなく、インキに優れた潤滑性能を付与できるという提案がなされている(例えば、特許文献2参照)。
前記エステルを剪断減粘性付与剤として配合した系においては、水性インキ中に汎用の潤滑剤を添加することなく、ボールペン筆記時の座摩耗を抑制し、優れた筆記感を長期的に維持できるとともに、高温雰囲気下で長期保管されるような場合であってもインキ粘度の変化が生じ難く、良好な筆跡が長期的に形成できるため、特に着色剤として顔料を用いる際に広く適用されている。
しかしながら、ペン先が大気に晒された状態で長時間放置された場合、インキ中の水分が蒸発すること(ドライアップ)に起因して、ポリグリセリンイソステアリン酸エステルがペン先で強固な被膜を形成してしまい、筆跡にかすれ等の不具合を生じることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平4-214782号公報
WO99/06494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高い潤滑性が得られるポリグリセリンイソステアリン酸エステルを剪断減粘性付与剤として用いた水性インキであっても、キャップ式筆記具におけるキャップオフ状態や、チップ内に弾性体を収容したボール押しチップを備えた出没式筆記具における紙の食いつき等による小口解放状態等、使用による生じる不慮のペン先解放が発生した際に、ペン先の乾燥に伴う筆跡かすれや筆記不能等の筆記不良を生じることなく、優れた筆記性能を長期的に亘って発現できるボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のボールペン用水性インキ組成物は、顔料と、水と、ポリグリセリンイソステアリン酸エステルと、重量平均分子量が2万以上のデキストリン及び20糖以上の糖アルコールから選ばれる一種以上を含有することを要件とする。
更に、前記デキストリンが、インキ組成物全量中0.1~10質量%の範囲で含有されること、前記糖アルコールが、インキ組成物全量中1~10質量%の範囲で含有されること、前記顔料が、インキ組成物全量中2~15質量%の範囲で含有されること、前記顔料が、カーボンブラックであることを要件とする。
更には、前記いずれかのボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペンを要件とし、前記ボールペンが、キャップを備えてなること、ボールペンチップが内側から外側へボールを付勢するボール押圧部材を備えていないこと、ボールペンチップが金属パイプを押圧変形させたチップであること、ボールの径が0.5mm以上であることを要件とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、潤滑性に優れたポリグリセリンイソステアリン酸エステルを剪断減粘性付与剤として用いた際に、筆記具使用時に生じる不慮のペン先解放が発生した場合であっても、ペン先の乾燥(ドライアップ)に伴う筆跡かすれや筆記不能等の筆記不良を生じることなく、優れた筆記性能を長期に亘って発現できるボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤や樹脂を用いて安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分24%、山陽色素株式会社製〕、C.I. Pigment Red 146〔品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、C.I.Pigment Red 220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
その他、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、修正ペン等に用いられる二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、更には熱変色性組成物、光変色性組成物、香料等を直接又はマイクロカプセル化したカプセル顔料等を例示できる。
【0009】
前記熱変色性組成物としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物が好適であり、マイクロカプセルに内包させて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料として適用される。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51-44706号公報、特公昭51-44707号公報、特公平1-29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1~7℃)を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
更に、特公平4-17154号公報、特開平7-179777号公報、特開平7-33997号公報、特開平8-39936号公報等に記載されている比較的大きなヒステリシス特性(ΔH=8~50℃)を示すものや、特開2006-137886号公報、特開2006-188660号公報、特開2008-45062号公報、特開2008-280523号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包させ加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
尚、前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち-50~0℃、好ましくは-40~-5℃、より好ましくは-30~-10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50~95℃、好ましくは50~90℃、より好ましくは60~80℃の範囲に特定し、ΔH値を40~100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
【0010】
前記顔料を分散する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、アラビアゴム、セルロース、デキストラン、カゼイン等、およびそれらの誘導体、前記した樹脂の共重合体等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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