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公開番号2025109245
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-25
出願番号2024002958
出願日2024-01-12
発明の名称接着樹脂シートおよび接着樹脂テープ
出願人東レコーテックス株式会社
代理人個人
主分類C09J 7/30 20180101AFI20250717BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】
熱プレス機やアイロンで容易に接着でき伸縮回復性があり、かつ通気性と十分な接着強度をもつ接着樹脂シートおよび接着樹脂テープを提供する。
【解決手段】
繊維素材を熱接着するために用いられる接着樹脂シートであって、該接着樹脂シートが網目状の構造を有し、網目を構成するセルの隔壁が凸部と凹部を有することを特徴とする接着樹脂シート。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
網目状構造の接着樹脂シートであって、前記網目を構成するセルの隔壁が凸部と凹部を有し、前記凸部が、前記隔壁の交点部に存在し、前記隔壁の幅は、前記凸部の直径より小さい接着樹脂シート。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記セルが多角形である請求項1に記載の接着樹脂シート。
【請求項3】
前記多角形が六角形である請求項2に記載の接着樹脂シート。
【請求項4】
前記凸部が円柱状である請求項1に記載の接着樹脂シート。
【請求項5】
前記接着樹脂シートにおいて、前記セルは規則的に配置され、前記セルにより囲まれた空隙部分が、空隙部分を含む前記接着樹脂シートの面積に対し、50%以上を占める請求項1に記載の接着樹脂シート。
【請求項6】
前記接着樹脂シートが、ポリウレタン樹脂を含有する請求項1に記載の接着樹脂シート。
【請求項7】
繊維素材に熱接着される請求項1に記載の接着樹脂シート。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の接着樹脂シートをスリットして得られる接着樹脂テープ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性をもつ繊維素材を接着させるのに好適に用いられる接着樹脂シートおよび接着樹脂テープに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、衣類は裁断されたパーツ同士を接合させるために、ミシンを用いた糸による縫製の代わりに熱可塑性樹脂シートを接着剤として使用する方法が増えている。使用される樹脂は低温で流動化する熱可塑性エラストマー樹脂であり、ホットメルト接着剤と呼ばれる接着剤をシート化したものがよく用いられる。
【0003】
接着方法としては、裁断されたパーツ同士を熱により軟化させたホットメルト接着剤を使用し接合させる方法が一般的である。この方法は主に伸縮性の小さい繊維素材に使用されることが多い。一方で伸縮性の大きい素材、例えばアンダーシャツ、ブラジャー、ガードルに代表されるアンダーウエアやコンプレッションウエアや、伸縮性の大きいアウトドアウエアなどには上記の方法は一般的には使用が難しいとされている。これは、伸縮時に接着樹脂シートが繊維素材の伸縮性に追随できずに、ベコツキやワライと呼ばれる風合いが損なわれた状態が発生するためである。さらにガードルなど一部用途によっては通気性も必要とされ、一般的な樹脂シートでは蒸れの問題も懸念されている。従って、これらの伸縮性の大きい繊維素材には、接着樹脂シート以外の接着方法が各種用いられている。
【0004】
この問題を解決するために、接着剤をドット状に配置する方法や接着材と伸縮性の大きいフィルムを組み合わせる方法や接着剤シートなどが提案されている。
接着剤をドット状に配置する方法については、繊維素材上に接着剤樹脂をドット状に直接塗布させて貼り合わせる方法が提案され、すでに商品化されているものを見ることが出来る。このような接着剤樹脂のドットは貼り合わせ時に生地同士の間に点接合が形成されることから、伸縮性を有する素材を接着する場合にも、ベコツキやワライの発生を軽減することが期待される。しかしこの繊維素材上にドット状に直接塗布する方法は、スクリーン印刷などの手法が用いられるが、縫製工場で行われるために、作業者の力量によって塗布量が安定しないかつ連続的な生産が難しいといった問題、および新たに設備を導入しなければならず生産コストが大幅に上昇するという問題を抱えている。
【0005】
これら問題を改善する方法としていくつか提案がなされている。ドット状に接着剤を形成する方法での提案として、特許文献1ではホットメルト接着剤のフィルム状支持体に、支持体よりも高い流動開始点のホットメルト接着剤をドット状に塗布加工してなる接着シートが開示されている。しかし、ドットの脱落については改善がなされているが、ドット状のホットメルト接着剤の加工時に支持体の流動開始点より高い温度で乾燥させており、樹脂のべたつきが発生することが懸念される。べたつきが発生すると連続生産が難しいため量産性に乏しいという問題が起こり易くやはり加工上の問題が課題となる。
【0006】
一方、ドットを用いない方法も提案されている。特許文献2では、伸縮性の大きいフィルムを組み合わせる方法が提案されている。すなわち、特許文献2には伸縮弾性と耐熱性を有する支持体シートの少なくとも片面に伸縮弾性を有するホットメルト性の接着剤を設けた接着シートを用いる接着方法が開示されている。この接着シートは伸縮弾性と耐熱性を有する支持体によって、伸縮性を有する繊維素材の接着に用いた場合でも伸縮性を保持することを、熱による接着という簡便な方法で得ることが出来る。しかし接着力を向上させるために接着剤を厚くするとベコツキやワライが発生し、接着剤を薄くするとベコツキやワライは改善されるが接着力は落ちるという問題がある。さらに支持体と接着剤の2層構造となっているため、風合いが硬くなり易いといった問題もある。その他、接着剤シートにパンチング加工を行いメッシュ状の加工を施す方法も試されているが、伸縮の大きい接着剤シートは非常に柔らかい樹脂が使用されているためパンチングによる穴を開けることが非常に難しく伸縮性の大きい衣料用途向けにはほとんど使用されていないことは、それら衣料を取り扱う店頭の製品からも明らかである。
【0007】
上述のとおり、一部用途に要求される通気性については、ドット状の接着やパンチング加工がなされたものは問題ないが、シートを支持体とした特許文献1や特許文献2では、依然として通気性の懸念が残ったままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2017-179195号公報
特開平8-120231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明では、前述のような問題点に鑑み開発されたもので、熱プレス機やアイロンで容易に接着でき伸縮回復性があり、かつ通気性と十分な接着強度をもつ接着樹脂シートおよび接着樹脂テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の接着樹脂シートは以下の構成を有する。
(1) 網目状構造の接着樹脂シートであって、前記網目を構成するセルの隔壁が凸部と凹部を有し、前記凸部が、前記隔壁の交点部に存在し、前記隔壁の幅は、前記凸部の直径より小さい接着樹脂シート。
(2) 前記セルが多角形である上記(1)に記載の接着樹脂シート。
(3) 前記多角形が六角形である上記(2)に記載の接着樹脂シート。
(4) 前記凸部が円柱状である上記(1)に記載の接着樹脂シート。
(5) 前記接着樹脂シートにおいて、前記セルは規則的に配置され、前記セルにより囲まれた空隙部分が、空隙部分を含む前記接着樹脂シートの面積に対し、50%以上を占める上記(1)に記載の接着樹脂シート。
(6) 前記接着樹脂シートが、ポリウレタン樹脂を含有する上記(1)に記載の接着樹脂シート。
(7) 繊維素材に熱接着される上記(1)に記載の接着樹脂シート。
(8) 上記(1)~(7)のいずれかに記載の接着樹脂シートをスリットして得られる接着樹脂テープ。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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