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公開番号2025109307
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-25
出願番号2024003098
出願日2024-01-12
発明の名称未使用のシールド線の接続された電気通信機器
出願人株式会社SOKEN,トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類H04B 1/3822 20150101AFI20250717BHJP(電気通信技術)
要約【課題】 電気信号の通信に使用されているシールド線である通信線5と、使用されていないシールド線である付け捨て線6とが接続された電気通信機器1に於いて、付け捨て線の受信するノイズによる通信線に於ける通信エラーを防止又は抑制できるようにする。
【解決手段】 電気通信機器に於いて、通信線がその電気通信機器とそれとは別の電気通信機器に接続され、付け捨て線が電気通信機器にしか接続されていない場合に、付け捨て線の長さが、付け捨て線へ所定のノイズ電流を印加にしたときに通信線にて発生されるノイズ電流の上限値が通信線に於いて所定の通信エラーが発生しない基準を満たすノイズ電流の上限値となる長さ以上である。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
電気信号の通信に使用されているシールド線である通信線と、使用されていないシールド線である付け捨て線とが接続された電気通信機器にして、前記通信線が前記電気通信機器とそれとは別の電気通信機器に接続され、前記付け捨て線が他の電気通信機器に接続されていない電気通信機器であって、前記付け捨て線の長さが、前記付け捨て線へ所定のノイズ電流を印加にしたときに前記通信線にて発生されるノイズ電流の上限値が前記通信線に於いて所定の通信エラーが発生しない基準を満たすノイズ電流の上限値となる長さ以上である電気通信機器。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
請求項1による電気通信機器であって、前記通信線の長さが略7mのとき、前記付け捨て線の長さが3.3m以上である電気通信機器。
【請求項3】
請求項1による電気通信機器であって、前記通信線の接地線と前記付け捨て線の接地線とが前記電気通信機器へ接続されるコネクタに於いて電気的に分離されている電気通信機器。
【請求項4】
請求項1による電気通信機器であって、前記付け捨て線の前記電気通信機器に接続されていない側の端部が同相抵抗を介して前記電気通信機器の設置されている機械器具の金属製の胴体に接続されている電気通信機器。
【請求項5】
請求項1による電気通信機器であって、前記付け捨て線の前記電気通信機器に接続されていない側の端部が損失回路を介して前記電気通信機器の設置されている機械器具の金属製の胴体に接続されている電気通信機器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両等又はその他の機械器具に搭載される又は搭載可能な電気通信機器に係り、より詳細には、電気信号の通信に利用中のシールド線(シールド付きの信号伝送線)と未使用のシールド線の接続された電気通信機器に係る。ここで、電気通信機器とは、シールド線を通じてディジタル式又はアナログ式に別の機器と電気信号の送受信を行う任意の機器であってよい。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
車両やその他の任意の機械器具に於いては複数の電気通信機器が搭載され、電気通信機器どうしにて送受信される電気信号により種々の機能が実行される。この点に関し、近年、車両等の機械器具の多機能化に伴い、電気信号の送受信がされる機器の数が増え、又、機械器具毎に準備される機能にバリエーションがある一方、バリエーション毎に通信用のワイヤハーネス(信号伝送線の束)を準備すると、その製造コストが上がることとなる。また、機械器具の完成後又は出荷後の機能の後付けにも簡単に対応できるようになっていると有利である。そこで、機械器具の製造の際には、その完成又は出荷の段階では使用しない信号伝送線も含む汎用性の高いワイヤハーネスを用い、製造コストを低減し、機能の後付けの際には、ワイヤハーネスに於ける未使用の信号伝送線を容易に利用できるようにするといった構成が用いられることがある。
【0003】
上記の如き機械器具に用いられたワイヤハーネスに於ける未使用の信号伝送線(以下、「付け捨て線」と称する。)に関連して、種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1では、システム構成を、追加する機能や電装品の仕様に合わせて最適化するための車両用ワイヤハーネス構造として、主制御ユニットには標準車載電子機器を制御する標準処理機能のみを搭載するが、オプション車載電子機器または追加機能車載電子機器内の各電装品を制御する機能は、第2ワイヤハーネスまたは第3ワイヤハーネスの各端部のコネクタに設けた単機能スレーブ電子モジュールによりそれぞれ実現し、制御対象の電装品や機能の仕様に合わせて搭載するモジュールの種類や数を選択することにより、最小限の部品コストで、追加機能が必要とする制御機能を実現できるようにすることが提案されている。また、特許文献2に於いては、ワイヤハーネスに含まれる「付捨て」回路に起因する問題発生の可能性について、状況の把握を容易にするために、ワイヤハーネスを構成する各電線による形成される導通経路のうち、何らかの車載機器と接続される一方の末端と、他の車載機器と接続される他方の末端との間の経路のそれぞれについて導通状態の組合せを順番に確認し、基点側の末端から最終接続先の末端まで、車両の仕様上必要でない「付捨て」の電線だけで導通経路が繋がる場合には警告情報を生成して他と区別し、基点側の末端と最終接続先の末端との間に、車両の仕様上必要でない「付捨て」の電線による導通経路が含まれている場合には注意情報を生成して他と区別する、といった構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-149332
特開2020-160580
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両等の機械器具に於ける電気通信機器に接続されるワイヤハーネスのコネクタ部分に於いて、通常、各シールド線に於ける信号を伝送する電線を囲繞するGND線(接地線)は互いに導通され、接地電位が共通となっている。そのようなワイヤハーネスに於いて、その一部のシールド線の両端が電気通信機器に接続されて、信号の通信に使用され、他の一部のシールド線が「付け捨て線」となっている場合、付け捨て線のGND線の開放端が高インピーダンスとなっているため、周囲の機器等から放出される電磁ノイズ(輻射、電動)を受信するアンテナとして機能としてしまう。そして、付け捨て線で受信されたノイズは、他の信号伝送に利用中のシールド線(以下、「通信線」と称する。)のGND線に伝わり、その通信線に於いて通信エラーが発生する場合がある。従って、付け捨て線の存在する電気通信機器に於いては、付け捨て線が拾うノイズに起因する通信エラーが防止又は抑制できるようになっていることが好ましい。
【0006】
かくして、本発明の一つの課題は、付け捨て線の接続された電気通信機器に於いて、付け捨て線の受信するノイズによる通信線に於ける通信エラーを防止又は抑制できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記の課題は、電気信号の通信に使用されているシールド線である通信線と、使用されていないシールド線である付け捨て線とが接続された電気通信機器にして、前記通信線が前記電気通信機器とそれとは別の電気通信機器に接続され、前記付け捨て線が他の電気通信機器に接続されていない電気通信機器であって、前記付け捨て線の長さが、前記付け捨て線へ所定のノイズ電流を印加にしたときに前記通信線にて発生されるノイズ電流の上限値が前記通信線に於いて所定の通信エラーが発生しない基準を満たすノイズ電流の上限値となる長さ以上である電気通信機器によって達成される。
【0008】
上記の構成に於いて、「シールド線」は、上記の如く、電気信号を伝送する信号伝送線と共にGND線であるシールドが延在するよう構成された電線ケーブルである。「通信線」とは、その両端がそれぞれ上記の電気通信機器と別の電気通信機器とに接続されたシールド線であり、「付け捨て線」とは、一方の端は、上記の電気通信機器に接続されているが、他方の端は開放されているか又は他の電気通信機器に接続されていないシールド線である。「通信線に於いて所定の通信エラーが発生しない基準を満たすノイズ電流の上限値」とは、通信線が種々の周波数にてノイズ電流を受けたときに、任意に設定されてよい通信エラーが発生しない基準、例えば、任意に設定されてよい所定ビット以上の通信エラーが発生しないなどの条件、を満たすノイズ電流の上限値であり、ノイズの周波数毎に決定されてよい。「前記付け捨て線へ所定のノイズ電流を印加にしたときに前記通信線にて発生されるノイズ電流の上限値」とは、付け捨て線へ、種々の周波数にて適宜設定されてよい所定のノイズ電流を印加にしたときに、通信線に発生するノイズ電流の上限値である。付け捨て線へ印加するノイズ電流の所定の大きさは、電気通信機器が設置された部位で想定されるノイズの強さに応じて適宜設定されてよい。ここで、「通信線に発生するノイズ電流の上限値」は、周波数毎に決定されてよい。
【0009】
一般に、通信線に於いて、ノイズ電流が大きくなるほど、通信エラーは発生し易くなる。従って、付け捨て線の受信するノイズによる通信線に於ける通信エラーを防止するためには、付け捨て線の受けたノイズに起因して通信線に発生されるノイズ電流の上限値が、通信線に於いて所定の通信エラーが発生しない基準を満たすノイズ電流の上限値を下回るようにすればよいこととなる。この点に関し、本発明の発明者等による研究によれば、通信線に発生されるノイズ電流の大きさは、付け捨て線の長さに影響され、特に、付け捨て線が長くなるほど、付け捨て線が受けたノイズに起因して通信線に発生されるノイズ電流は低減する傾向があることが実験的に見出された。即ち、付け捨て線の長さが、付け捨て線の受けたノイズに起因して通信線に発生されるノイズ電流の上限値が通信線に於いて所定の通信エラーが発生しない基準を満たすノイズ電流の上限値となる長さよりも長ければ、通信線に於ける所定の通信エラーが発生しない基準が満たされることとなる。かくして、本発明に於いては、上記の如く、付け捨て線の長さを、付け捨て線へ所定のノイズ電流を印加にしたときに通信線にて発生されるノイズ電流の上限値が通信線に於いて所定の通信エラーが発生しない基準を満たすノイズ電流の上限値となる長さ以上とすることで、付け捨て線の受信するノイズによる通信線に於ける通信エラーを防止又は抑制できることとなる。
【0010】
上記の本発明の構成に於いて、通信線に於いて所定の通信エラーが発生しない基準を満たすノイズ電流の上限値は、通信線に種々の周波数にてノイズ電流を変化させながら、所定の通信エラーが発生しない基準、例えば、画像一枚分のデータ当たりで通信エラーが1ビット未満など、を満たすか否かを検査することにより決定可能である。一方、付け捨て線へ所定のノイズ電流を印加にしたときに通信線にて発生されるノイズ電流の上限値の決定に於いては、まず、種々の長さの付け捨て線に、種々の周波数にて、例えば、想定されるノイズ周波数の範囲の周波数にて、ノイズ電流を印加し、付け捨て線の長さ毎に付け捨て線から通信線へのノイズ電流の周波数毎の透過特性が決定される。その場合、かかる周波数毎の透過特性は、付け捨て線の長さが長いほど、透過率が低減する傾向にはあるが、局所的に、長い付け捨て線の透過率が短い付け捨て線を上回ることがある。そこで、各長さの付け捨て線の周波数毎の透過率を用いて、付け捨て線の長さ以上毎、例えば、2m以上、3.3m以上、5m以上のそれぞれについて、ノイズ電流の周波数毎の透過率の最大値が決定される。しかる後、各長さ以上の付け捨て線の周波数毎の透過率の最大値に、付け捨て線に印加される適宜設定されてよい所定の大きさのノイズ電流を乗ずることにより、付け捨て線へ所定のノイズ電流を印加にしたときに通信線にて発生されるノイズ電流の上限値が周波数毎に算出される。なお、付け捨て線に印加される適宜設定されてよい所定の大きさのノイズ電流は、付け捨て線が置かれる環境下で想定されるノイズ電流の最大値以上であってもよく、具体的には、BCI(バルクカレントインジェクション)試験電流であってよい。
(【0011】以降は省略されています)

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