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公開番号2025108722
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2025071948,2022180069
出願日2025-04-24,2015-07-22
発明の名称H因子結合タンパク質変異体及びその使用方法
出願人チルドレンズ ホスピタル アンド リサーチ センター アット オークランド
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 14/22 20060101AFI20250715BHJP(有機化学)
要約【課題】Neisseria meningitidis(髄膜炎菌)の少なくとも1菌株に対して殺菌性である抗体を誘発することができる変異体H因子結合タンパク質、かかるタンパク質を含む組成物、及びかかるタンパク質の使用方法を提供する。
【解決手段】H因子結合タンパク質(fHbp)の変異体であって、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbpの親和性の50%以下の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、Neisseria meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導する、fHbpの変異体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
H因子結合タンパク質(fHbp)の変異体であって、該変異体が、以下:
(a)アミノ酸38のグルタミン(Q38)のアミノ酸置換;
(b)アミノ酸92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換;
(c)アミノ酸130のアルギニンに対するグリシン置換(R130G);
(d)アミノ酸223のセリン(S223)のアミノ酸置換;及び
(e)アミノ酸248のロイシンに対するヒスチジン置換(H248L)
のうちの少なくとも1つから選択されるアミノ酸置換を含み、
該アミノ酸置換が、fHbp ID1(配列番号1)に対するものであり、
該変異体が、配列番号1と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、
該変異体fHbpが、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下の親和性で結合し、
該変異体が、哺乳類宿主において、Neisseria meningitidis(髄膜炎菌)の少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導する、変異体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
Q38での前記アミノ酸置換が、Q38R、Q38K、Q38H、Q38F、Q38Y、またはQ38Wである、請求項1に記載の変異体fHbp。
【請求項3】
E92での前記アミノ酸置換が、E92K、E92R、E92H、E92F、E92Y、またはE92Wである、請求項1に記載の変異体fHbp。
【請求項4】
S223での前記アミノ酸置換が、S223R、S223K、S223H、S223F、S223Y、またはS223Wである、請求項1に記載の変異体fHbp。
【請求項5】
ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の25%以下の親和性で結合する、請求項1に記載の変異体fHbp。
【請求項6】
ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の10%以下の親和性で結合する、請求項1に記載の変異体fHbp。
【請求項7】
ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の5%以下の親和性で結合する、請求項1に記載の変異体fHbp。
【請求項8】
R41S及びR41Aからなる群から選択されるアミノ酸置換を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の変異体fHbp。
【請求項9】
以下のアミノ酸置換S223R及びH248Lを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の変異体fHbp。
【請求項10】
H因子結合タンパク質(fHbp)の変異体であって、該変異体が、以下:
(a)アミノ酸115のアスパラギンに対するイソロイシン置換(N115I);
(b)アミノ酸121のアスパラギン酸に対するグリシン置換(D121G);
(c)アミノ酸128のセリンに対するトレオニン置換(S128T);
(d)位置131のバリン(V131)のアミノ酸置換;
(e)位置219のリジン(K219)のアミノ酸置換;
(f)位置220のグリシン(G220)のアミノ酸置換
から選択されるアミノ酸置換を含み、
該アミノ酸置換が、fHbp ID22(配列番号2)に対するものであり、
該変異体が、配列番号2と85%より高いアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、
該変異体fHbpが、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下の親和性で結合し、
該変異体が、哺乳類宿主において殺菌性抗体反応を誘導する、変異体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2014年7月23日に出願された米国仮特許出願第62/028,123号の利益を主張し、該仮出願は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
緒言
Neisseria meningitidis(髄膜炎菌)は、ヒト上気道にコロニーを形成するグラム陰性細菌であり、世界規模の散発性で周期的な集団発生、中でも注目すべきは髄膜炎及び敗血症の集団発生の原因である。その発病率及び罹患率は、2歳未満の小児で最も高い。他のグラム陰性細菌と同様、Neisseria meningitidisは通常、細胞質膜、ペプチドグリカン層、外膜を有し、これらは莢膜多糖とともに細菌細胞壁を構成し、また、外部環境に突出する腺毛を有する。Neisseria meningitidisの莢膜保有株は、小児および若年成人における細菌性髄膜炎および敗血症の主な原因である。侵襲性Neisseria meningitidis感染症の流行及び経済的重要性によって、異なる菌株にわたる、特に、異なる血清型または血清亜型を有する遺伝的に多様な血清群B株にわたる免疫を与えることができる有効なワクチンについての研究が促されてきた。
【0003】
H因子結合タンパク質(fHbp、当技術分野では、リポタンパク質2086(Fletcher et al (2004) Infect Immun 72:2088-2100(非特許文献1))、ゲノム由来ナイセリア抗原(GNA)1870(Masignani et al. (2003) J Exp Med 197:789-99(非特許文献2))または「741」とも呼ばれる)は、N. meningitidis(髄膜炎菌)のタンパク質であって、表面が露出したリポタンパク質として、該細菌で発現する。fHbpの重要な機能は、ヒト補体因子H(fH)と結合することであって、これが補体活性化を下方制御する。該細菌表面へのfHの結合は、該病原菌が免疫されていないヒト血清または血液中で生存し、生来の宿主防御から逃れる重要な機序である。近年、ヒトH因子遺伝子クラスターの遺伝的変異が、髄膜炎菌性疾患の発症に対する感受性に影響を及ぼすことが見出された(Davila S et al. (2010) Nat Genetics doi:10.1038/ng.640(非特許文献3))。fHbpへのfHの結合は、ヒトfH、及び一部の非ヒト霊長類に対して特異的であり、なぜNeisseria meningitidisが専らヒト病原菌であるかが部分的に説明できる。fHbpは、多くの天然配列変異体の状態で生じ、これらは、インターネット上のfHbpデータベース、pubmlst(dot)org/neisseria/fHbpにて与えられる登録(ID)番号で表される。
【0004】
効果的な殺菌性抗体反応を誘発することができるfHbpポリペプチドに対する必要性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Fletcher et al (2004) Infect Immun 72:2088-2100
Masignani et al. (2003) J Exp Med 197:789-99
Davila S et al. (2010) Nat Genetics doi:10.1038/ng.640
【発明の概要】
【0006】
概要
Neisseria meningitidisの少なくとも1菌株に対して殺菌性である抗体を誘発できる変異体H因子結合タンパク質、かかるタンパク質を含む組成物、及びかかるタンパク質の使用方法を提供する。
【0007】
特徴
本開示は、H因子結合タンパク質(fHbp)ID1の変異体を提供する。本開示は、fHbpの変異体であって:(a)アミノ酸38のグルタミン(Q38)のアミノ酸置換;(b)アミノ酸92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換;(c)アミノ酸130のアルギニンに対するグリシン置換(R130G);(d)アミノ酸223のセリン(S223)のアミノ酸置換;及び(e)アミノ酸248のロイシンに対するヒスチジン置換(H248L)のうちの少なくとも1つから選択されるアミノ酸置換を含む変異体を提供するとともに、該アミノ酸置換は、fHbp ID1(配列番号1)に対するものであり、該変異体は、配列番号1と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、Neisseria meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導する。一部の例では、Q38でのアミノ酸置換はQ38R、Q38K、Q38H、Q38F、Q38Y、またはQ38Wである。一部の例では、E92でのアミノ酸置換は、E92K、E92R、E92H、E92F、E92Y、またはE92Wである。一部の例では、S223でのアミノ酸置換は、S223R、S223K、S223H、S223F、S223Y、またはS223Wである。一部の例では、変異体fHbpは、さらに、fHbp ID1に対して、R41SまたはR41Aの置換を含んでよい。例えば、変異体fHbpは、fHbp ID1に対して、R41SまたはR41Aの置換及びS223での置換、例えば、R41S/S223Rを含んでよい。他の例では、変異体fHbpは、さらに、fHbp ID1に対して、R41SまたはR41Aの置換及びH248Lの置換を含んでよい。ある例では、変異体fHbpは、本明細書に開示の置換の2つ、3つ、またはそれより多くを含んでよい。特定の例では、変異体fHbpは、fHbp ID1に対して、置換S223R及びH248Lを含んでよい。一部の例では、変異体fHbpは、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の25%以下の親和性でヒトfHに結合する。一部の例では、変異体fHbpは、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の10%以下の親和性でヒトfHに結合する。一部の例では、変異体fHbpは、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の5%以下の親和性でヒトfHに結合する。
【0008】
本開示は、fHbp ID22の変異体を提供する。本開示は、fHbpの変異体であって:(a)アミノ酸115のアスパラギンに対するイソロイシン置換(N115I);(b)アミノ酸121のアスパラギン酸に対するグリシン置換(D121G);(c)アミノ酸128のセリンに対するトレオニン置換(S128T);(d)位置131のバリン(V131)のアミノ酸置換;(e)位置219のリジン(K219)のアミノ酸置換;(f)位置220のグリシン(G220)のアミノ酸置換から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む変異体を提供するとともに、該アミノ酸置換は、fHbp ID22(配列番号2)に対するものであり、該変異体は、配列番号2と85%より高いアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において殺菌性抗体反応を誘導する。一部の例では、変異体fHbpは、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の25%以下の親和性でヒトfHに結合する。一部の例では、変異体fHbpは、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の10%以下の親和性でヒトfHに結合する。一部の例では、変異体fHbpは、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の5%以下の親和性でヒトfHに結合する。一部の例では、V131でのアミノ酸置換は、V131D、V131E、V131K、V131R、V131H、V131F、V131Y、またはV131Wである。一部の例では、K219でのアミノ酸置換は、K219N、K219Q、K219D、K219E、K219F、K219Y、またはK219Wである。一部の例では、G220でのアミノ酸置換は、G220S、G220N、G220Q、G220D、G220E、G220K、G220R、G220H、G220F、G220Y、またはG220Wである。
【0009】
一部の例では、変異体fHbpは、野生型(WT)fHbp、例えば、WT fHbp ID22の熱安定性と比較して該変異体fHbpの熱安定性を高める二重変異を含む。一部の例では、変異体fHbpは、fHbp ID22(配列番号2)に対してL130R及びG133Dの置換を含んでよく、該変異体fHbpは、配列番号2と85%より高いアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体は、fHbp ID22の熱安定性と比較して高い熱安定性を有する。一部の例では、変異体fHbpは、置換の組合せ、例えば、L130R、G133D、並びに:(a)N115I;(b)D121G;(c)S128T;(d)V131;(e)K219(例えば、K219N);及び(f)G220(例えば、G220S)から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含んでよいとともに、該アミノ酸置換は、fHbp ID22(配列番号2)に対するものであり、該変異体fHbpは、配列番号2と85%より高いアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において殺菌性抗体反応を誘導する。変異体fHbpの熱安定性は、WT fHbp(例えば、fHbp ID22)より、少なくとも5℃、10℃、15℃、20℃、またはそれより高い、例えば、5℃~30℃、5℃~25℃、5℃~20℃、10℃~20℃、もしくは15℃~20℃高いことがある。本明細書で用いられる「熱安定性」は、高温にさらされた場合のタンパク質の安定性を指し;熱安定性変異体タンパク質は、その立体構造を野生型タンパク質より高温で維持する。例えば、野生型(WT)fHbp、例えば、WT fHbp ID22の熱安定性と比較して熱安定性を高める二重変異を含む変異体fHbpは、WT fHbpと比較して高温で変性しうる。ある例では、変異体fHbpのN末端ドメインは、WT fHbp(例えば、fHbp ID22)のN末端ドメインより高温で変性しうる。
【0010】
WT fHbpと比較して熱安定性を高める変異を含み、さらに、fHの結合を低減することが知られるさらなる変異、例えば、US2011/0256180に開示の変異を含むfHbp変異体もまた本明細書に開示する。ある実施形態では、H因子結合タンパク質(fHbp)の変異体を開示するとともに、該変異体は、fHbp ID22(配列番号2)に対して、アミノ酸置換L130R及びG133D、並びに置換R80A、D211A、E218A、E248A、G236I、T221A、及びH223Aのうちの少なくとも1つを含み、該変異体は、配列番号2と85%より高いアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において殺菌性抗体反応を誘導する。
(【0011】以降は省略されています)

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