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公開番号2025106725
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-16
出願番号2024000286
出願日2024-01-04
発明の名称腐食診断装置、腐食診断方法及び腐食診断プログラム
出願人横河電機株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類G01N 17/00 20060101AFI20250709BHJP(測定;試験)
要約【課題】金属設備の局部腐食等によって生じる減肉の状態を正確に計測する腐食診断装置、腐食診断方法及び腐食診断プログラムを提供する。
【解決手段】磁気センサアレイ101は、金属部材の近傍に2次元的に配置された複数の磁気センサ111を有する。フィルタ処理部202は、磁気センサアレイ101による測定データを取得し、測定データに対して時間方向及び空間方向にフィルタをかけるフィルタ処理を実行してフィルタ後データを生成する。深さ測定処理部203は、フィルタ処理部202により算出されたフィルタ後データを基に、金属部材の腐食を測定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
金属部材の近傍に2次元的に配置された複数のセンサを有するセンサアレイと、
前記センサアレイによる測定データを取得し、前記測定データに対して時間方向及び空間方向にフィルタをかけるフィルタ処理を実行してフィルタ後データを生成するフィルタ処理部と、
前記フィルタ処理部により算出された前記フィルタ後データを基に、前記金属部材の腐食を測定する深さ測定処理部と
を備えたことを特徴とする腐食診断装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記フィルタ処理部は、異なる位置の前記センサにより取得された個別データを基に前記空間方向にフィルタをかけ、異なるタイミングで前記センサアレイにより取得された複数の測定データを基に前記時間方向にフィルタをかけることを特徴とする請求項1に記載の腐食診断装置。
【請求項3】
前記フィルタ処理部は、統計処理に基づくフィルタ処理を実行し、前記フィルタ後データがしたがう確率密度関数を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の腐食診断装置。
【請求項4】
前記フィルタ処理部は、前記統計処理の種類が選択可能であることを特徴とする請求項3に記載の腐食診断装置。
【請求項5】
前記フィルタ処理部は、前記確率密度関数に基づいて複数の前記フィルタ後データを生成し、
前記深さ測定処理部は、前記フィルタ後データ毎に前記金属部材の腐食を測定して、複数の測定結果を取得し、
前記複数の測定結果を基に、前記フィルタ処理による除去対象であるノイズに応じた前記測定結果のエラーバーを含むグラフを生成して提供する表示処理部をさらに備えた
ことを特徴とする請求項3に記載の腐食診断装置。
【請求項6】
前記測定処理部による測定結果と判定閾値とを比較して、前記腐食が危険水準に達したか否かを判定して通知する危険深さ判定部をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の腐食診断装置。
【請求項7】
金属部材の近傍に2次元的に配置された複数のセンサを有するセンサアレイを用いて測定データを取得し、
前記測定データに対して時間方向及び空間方向にフィルタをかけるフィルタ処理を実行してフィルタ後データを算出し、
算出した前記フィルタ後データを基に、前記金属部材の腐食を測定する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする腐食診断方法。
【請求項8】
金属部材の近傍に2次元的に配置された複数のセンサを有するセンサアレイを用いて測定データを取得し、
前記測定データに対して時間方向及び空間方向にフィルタをかけるフィルタ処理を実行してフィルタ後データを算出し、
算出した前記フィルタ後データを基に、前記金属部材の腐食を測定する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする腐食診断プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、腐食診断装置、腐食診断方法及び腐食診断プログラムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
石油・石油化学のプラント等では、金属配管、反応装置、蒸留塔等の設備で腐食、特に局部腐食が発生すると、それによって設備に減肉が生じ、結果として漏洩が生じたり、生産効率が低下したりするおそれがある。このため、プラント全体に張り巡らされた金属配管や巨大な反応装置等の設備を対象に、局所的に発生した腐食等によって生じる減肉を検出及び計測し、管理するための技術が望まれている。
【0003】
局所的に発生した腐食等によって生じる減肉を検出及び計測し、管理するための技術として、腐食管理システムが提案されている。腐食管理システムは、例えば、腐食等によって生じる減肉の発生を検出する腐食検査装置と、検査結果を管理する腐食検査管理装置とから構成される。
【0004】
従来、腐食検査装置として、炭素鋼配管に交流電流を流し、配管表面から発生する漏れ磁束を観測することで減肉の深さを測定する技術が提案されている(例えば、特許文献1。)。この技術では、時間の経過により変化する配管表面からの漏れ磁束を、配管の周囲に配置された時期センサアレイで測定することで、減肉の深さが測定される。また、ノイズ除去のためのフィルタリング手法として周波数特性に基づいたノイズフィルタリングが開示されている。
【0005】
また、他の腐食検出装置として、一炭素鋼配管を永久磁石で磁化して、配管表面から発生する漏れ磁束を観測することで減肉の深さを測定する技術が提案されている(例えば、特許文献2~4。)。この技術を用いることで、配管に電流を流さずに漏れ磁束を発生させることができる。この技術によれば、着磁された配管に腐食が生じて体積が減少すると配管表面から漏れ磁束が発生する。この漏れ磁束を磁気センサアレイで検出することで減肉の検出や深さの測定が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-3574号公報
特開2021-163161号公報
特開2021-145119号公報
特開2021-144015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の腐食検出装置では、フィルタリングによるノイズ低減が技術的に困難であることが考えられる。例えば、センサアレイで測定されたデータは、二次元の配列として与えられる。腐食検出装置では、センサアレイのセンサ同士は間隔をとって配置されるため、測定されるデータは目の粗い二次元信号となる。このようなデータに発生するノイズを低減する方法として、画像処理で用いられる空間フィルタを適用する方法が考えられる。しかし、この方法では、センサアレイでは空間的なセンサの配置間隔が空いてしまうため、空間周波数においてノイズ成分がエイリアシングを起こし、取り出したい信号成分とノイズ成分が空間周波数成分で共存することになる。具体的には、エイリアシングのために高周波の成分のノイズが捕まえられずに低周波の成分として検出されてしまう。低周波のノイズは、空間的になだらかなため、減肉の画像とノイズとの分離が困難となる。このため、目の粗い二次元信号に対してノイズフィルタを適用するのは困難である。一方で、時間方向のフィルタ処理を適用する技術の場合、逆に空間的な信号の連続性を考慮しないフィルタ処理となっている。例えば隣接する磁気センサが測定する磁束密度は同じような値が測定されることが想定されるが、このような関係性はフィルタリング処理において考慮されない。そのため、空間的な広がりを有する腐食のデータに対して適切なノイズフィルタリングを行うことは困難である。したがって、従来の腐食検出装置では、減肉の状態を正確に計測することは困難であった。
【0008】
開示の技術は、金属設備の局部腐食等によって生じる減肉の状態を正確に計測する腐食診断装置、腐食診断方法及び腐食診断プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の開示する情報処理装置及び情報処理プログラムの一つの態様において、センサアレイは、金属部材の近傍に2次元的に配置された複数のセンサを有する。フィルタ処理部は、前記センサアレイによる測定データを取得し、前記測定データに対して時間方向及び空間方向にフィルタをかけるフィルタ処理を実行してフィルタ後データを生成する。深さ測定処理部は、前記フィルタ処理部により算出された前記フィルタ後データを基に、前記金属部材の腐食を測定する。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面では、本発明は、金属設備の局部腐食等によって生じる減肉の状態を正確に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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