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公開番号2025106637
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-16
出願番号2022088731
出願日2022-05-31
発明の名称フィルム製剤の製造方法及びフィルム製剤の製造システム
出願人学校法人 明治薬科大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 9/70 20060101AFI20250709BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】個別化医療が進み、患者一人一人に応じた医薬がその場で調製できるようにする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、フィルム製剤の製造方法であって、
(1)1以上の医薬品有効成分を含有する溶液をプリントヘッドから吐出し、可溶性基板フィルム上に印刷する工程であって、ここで前記医薬品有効成分は、対象に投与された場合に、所望の効果が発揮する用量を含むように前記可溶性基板フィルム上に印刷される、工程、
を含み、
ここで印刷された前記可溶性基板フィルムは、注射剤、坐剤及び貼付剤から成る群から選ばれるドラッグデリバリーシステムへと製剤化可能である、方法を提供する。また、本発明は、当該方法を実施するためのフィルム製剤の製造システムを提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
フィルム製剤の製造方法であって、
(1)1以上の医薬品有効成分を含有する溶液をプリントヘッドから吐出し、可溶性基板フィルム上に印刷する工程であって、ここで前記医薬品有効成分は、対象に投与された場合に、所望の効果が発揮する用量を含むように前記可溶性基板フィルム上に印刷される、工程、
を含み、
ここで印刷された前記可溶性基板フィルムは、注射剤、坐剤及び貼付剤から成る群から選ばれるドラッグデリバリーシステムへと製剤化可能である、フィルム製剤の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
(2)前記工程(1)で得られる印刷された前記可溶性基板フィルムにおいて、所定量の前記1以上の医薬品有効成分が含まれるかどうかを評価する工程、
をさらに含む、請求項1に記載のフィルム製剤の製造方法。
【請求項3】
(2)前記工程(1)で得られる印刷された前記可溶性基板フィルムにおいて、所定量の前記1以上の医薬品有効成分が含まれるかどうかを評価する工程;及び
(3)前記工程(2)で所定量の前記医薬品有効成分が含まれるものと評価された前記可溶性基板フィルムを、パッケージングする工程、
をさらに含む、請求項1に記載のフィルム製剤の製造方法。
【請求項4】
前記工程(2)は、可視光、ラマン分光、近赤外分光又はX線分光によって実施される、請求項2又は3に記載のフィルム製剤の製造方法。
【請求項5】
前記医薬品有効成分が、低分子化合物、ペプチド、タンパク質及び核酸からなる群から選択される、請求項1又は2に記載のフィルム製剤の製造方法。
【請求項6】
前記工程(1)~(3)は連続的に実施される、請求項3に記載のフィルム製剤の製造方法。
【請求項7】
前記工程(1)の直前に
(0)可溶性基板フィルムを形成する工程
をさらに含む、請求項1又は2に記載のフィルム製剤の製造方法。
【請求項8】
前記可溶性基板フィルムが、電界紡糸法、加熱溶融法、又は溶媒キャスト法によって形成される、請求項7に記載のフィルム製剤の製造方法。
【請求項9】
フィルム製剤の製造システムであって、
1以上の医薬品有効成分を含有する溶液をプリントヘッドから吐出し、可溶性基板フィルム上に印刷するための印刷装置であって、前記医薬品有効成分が、対象に投与された場合に、所望の効果が発揮する用量を含むように前記可溶性基板フィルム上に印刷されるよう構成されている印刷装置
を備え、
前記可溶性基板フィルムは、注射剤、坐剤及び貼付剤から成る群から選ばれるドラッグデリバリーシステムへと製剤化可能である、
フィルム製剤の製造システム。
【請求項10】
印刷された前記可溶性基板フィルムについて、所定量の前記医薬品有効成分が含まれるかどうかを評価する、評価装置
をさらに備える、請求項9に記載のフィルム製剤の製造システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム製剤の製造方法及びフィルム製剤の製造システムに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
患者の疾患を治療するためには、その症状のみならず、患者の既往歴、体重、性別、年齢など、患者の状況に合わせて、適切に処方される必要がある。例えば複数の疾患を罹患した患者では、処方された医薬を所定のタイミング、量で、確実に摂取されるようにしなければならない。これまでの医療は、同じ疾患と診断された患者に対して、同一の医薬が提供されることを前提に行われてきた。しかしながら、同じ治療を施した場合であっても、患者の体質や、既往歴、体重、性別、年齢など、様々な要因によって治療効果や副作用が異なっていた。
【0003】
研究により、疾患についての理解が進むにつれ、治療効果や副作用の違いには疾患に関連する遺伝子の違いや、患者自身の遺伝子の違いなどが関連することが明らかになりつつある。患者の遺伝子や、疾患に関連する遺伝子を予め検査し、遺伝子タイプに合わせて、それぞれの患者に合った治療を行う個別化医療が注目され、実現に向けて開発されている。
【0004】
個別化医療を実現するために、それぞれの患者に合った医薬を提供するための個別製剤化の研究が進められており、フレキシブルでその大きさを自在にコントロールできるフィルム製剤は、有望な剤型の一つとして認識されつつある。従来、紙や物へ色素を付着するためのインクジェット技術が、医療分野においても応用されており、例えば、低分子原薬をフィルム経口剤にインクジェットプリントする技術が開発されている。
【0005】
これまで、低分子原薬を、経口投与を目的としたフィルムに製剤化する技術について開発が行われている(非特許文献1~8)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Inoue M., et al., Journal of Drug Delivery Science and Technology, Vol.61, Feb. 2021,102224
Thabet Y., et al., Int J Pharm. 2018 Jul 30;546(1-2):180-187.
Varan C., et al., Eur J Pharm Sci. 2019 Mar 15;130:114-123
Varan C., et al., Int J Pharm. 2017 Oct 15;531(2):701-713.
Vakili H., et al., Int J Pharm. 2016 Sep 10;511(1):606-618.
Intra-Oral drug-eluting adhesive film, URL: https://www.sbir.gov/node/368247”[2022年5月16日検索]
Stable Vaccines Delivered on Oral Thin Films, URL: https://www.sbir.gov/sbirsearch/detail/1029445”[2022年5月16日検索]
Jacob S., et al., Pharmaceutics. 2021 Aug 5;13(8):1206.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、これまで、低分子原薬を経口投与を目的としたフィルムに製剤化する技術について開発が行われている。しかしながら、これらは、経口投与を前提として開発された技術であり、経口投与以外のモダリティの多様化は成されていない。今後、個別化医療が進み、患者一人一人に応じた医薬がその場で調製できるようにする技術が必要となり、本発明はその課題を解決する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に対し、本発明者らが鋭意検討を行い、本願発明を開発するに至った。すなわち、本発明は以下を含む。
【0009】
[1] フィルム製剤の製造方法であって、
(1)1以上の医薬品有効成分を含有する溶液をプリントヘッドから吐出し、可溶性基板フィルム上に印刷する工程であって、ここで前記医薬品有効成分は、対象に投与された場合に、所望の効果が発揮する用量を含むように前記可溶性基板フィルム上に印刷される、工程、
を含み、
ここで印刷された前記可溶性基板フィルムは、注射剤、坐剤及び貼付剤から成る群から選ばれるドラッグデリバリーシステムへと製剤化可能である、フィルム製剤の製造方法。
[2] (2)前記工程(1)で得られる印刷された前記可溶性基板フィルムにおいて、所定量の前記1以上の医薬品有効成分が含まれるかどうかを評価する工程、
をさらに含む、項目1に記載のフィルム製剤の製造方法。
[3] (2)前記工程(1)で得られる印刷された前記可溶性基板フィルムにおいて、所定量の前記1以上の医薬品有効成分が含まれるかどうかを評価する工程;及び
(3)前記工程(2)で所定量の前記医薬品有効成分が含まれるものと評価された前記可溶性基板フィルムを、パッケージングする工程、
をさらに含む、項目1に記載のフィルム製剤の製造方法。
[4] 前記工程(2)は、可視光、ラマン分光、近赤外分光又はX線分光によって実施される、項目2又は3に記載のフィルム製剤の製造方法。
[5] 前記医薬品有効成分が、低分子化合物、ペプチド、タンパク質及び核酸からなる群から選択される、項目1又は2に記載のフィルム製剤の製造方法。
[6] 前記工程(1)~(3)は連続的に実施される、項目3に記載のフィルム製剤の製造方法。
[7] 前記工程(1)の直前に
(0)可溶性基板フィルムを形成する工程
をさらに含む、項目1又は2に記載のフィルム製剤の製造方法。
[8] 前記可溶性基板フィルムが、電界紡糸法、加熱溶融法、又は溶媒キャスト法によって形成される、項目7に記載のフィルム製剤の製造方法。
【0010】
[9] フィルム製剤の製造システムであって、
1以上の医薬品有効成分を含有する溶液をプリントヘッドから吐出し、可溶性基板フィルム上に印刷するための印刷装置であって、前記医薬品有効成分が、対象に投与された場合に、所望の効果が発揮する用量を含むように前記可溶性基板フィルム上に印刷されるよう構成されている印刷装置
を備え、
前記可溶性基板フィルムは、注射剤、坐剤及び貼付剤から成る群から選ばれるドラッグデリバリーシステムへと製剤化可能である、
フィルム製剤の製造システム。
[10] 印刷された前記可溶性基板フィルムについて、所定量の前記医薬品有効成分が含まれるかどうかを評価する、評価装置
をさらに備える、項目9に記載のフィルム製剤の製造システム。
[11] 印刷された前記可溶性基板フィルムについて、所定量の前記医薬品有効成分が含まれるかどうかを評価する、評価装置と
前記可溶性基板フィルムをパッケージングするためのパッケージング装置と
をさらに備える、項目9に記載のフィルム製剤の製造システム。
[12] さらに、可溶性基板フィルムを形成する、フィルム形成装置、
を備える、項目9又は10に記載のフィルム製剤の製造システム。
[13] 前記フィルム形成装置は、可溶性基板フィルムを、電界紡糸法、加熱溶融法又は溶媒キャスト法によって形成する装置である、項目12に記載のフィルム製剤の製造システム。
[14] 前記評価装置は、可視光撮像装置、ラマン分光装置、近赤外分光装置又はX線分光装置によって実施される、項目10又は11に記載のフィルム製剤の製造システム。
[15] 前記医薬品有効成分が、低分子化合物、ペプチド、タンパク質及び核酸からなる群から選択される、項目9又は10に記載のフィルム製剤の製造システム。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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