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公開番号2025105495
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2024212447
出願日2024-12-05
発明の名称二酸化炭素吸着材、及び二酸化炭素回収方法
出願人クニミネ工業株式会社
代理人弁理士法人クオリオ,個人,個人,個人,個人
主分類B01J 20/12 20060101AFI20250703BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】優れた二酸化炭素吸着能を示し、耐久性にも優れる二酸化炭素吸着材を提供する。
【解決手段】結晶子の(060)面における結晶子サイズが10nm以下である粘土鉱物を含む、二酸化炭素吸着材。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
結晶子の(060)面における結晶子サイズが10nm以下である粘土鉱物を含む、二酸化炭素吸着材。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記粘土鉱物の陽イオン交換容量に対する、当該粘土鉱物の浸出陽イオン量の比の値が3以上である、請求項1に記載の二酸化炭素吸着材。
【請求項3】
前記粘土鉱物の浸出陽イオン量が120meq/100g以上である、請求項2に記載の二酸化炭素吸着材。
【請求項4】
前記粘土鉱物がスメクタイトである、請求項3に記載の二酸化炭素吸着材。
【請求項5】
前記スメクタイトがスチブンサイト及び/又はヘクトライトである、請求項4に記載の二酸化炭素吸着材。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸着材を用いて二酸化炭素を回収する、二酸化炭素回収方法。
【請求項7】
前記二酸化炭素の回収を、前記二酸化炭素吸着材を室温条件下で加湿することにより行う、請求項6に記載の二酸化炭素回収方法。
【請求項8】
前記二酸化炭素吸着材を用いて二酸化炭素の吸脱着を繰り返し行う、請求項7に記載の二酸化炭素回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素吸着材、及び二酸化炭素回収方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化による環境への深刻な影響を回避するために、二酸化炭素を中心とした温室効果ガスの排出量を削減することは世界共通の課題である。このような背景を受け、近年では二酸化炭素を炭素資源として捉え、これを回収して様々な製品や燃料に再利用(リサイクル)する「カーボンリサイクル」の取り組みが推進されており、二酸化炭素を効率よく回収できる二酸化炭素吸着材や、二酸化炭素分離回収技術の開発も進められている。二酸化炭素分離回収技術として、アミン吸収法(化学吸収法)、物理吸着法、膜分離法等が知られている。
【0003】
アミン吸収法とは、アミン系の有機化合物が化学反応によって二酸化炭素を吸収する性質を利用した二酸化炭素分離回収技術である。アミン吸収法に用いる二酸化炭素吸収材として、例えば特許文献1には、ポリアミンを含み、前記ポリアミンは、窒素原子に結合する水素原子または官能基を有するとともに分子内のそれぞれ別の窒素原子に結合する3つ以上のプロピル基を有するプロピルポリアミン成分を含み、少なくとも1つの前記プロピル基は、ヒドロキシ基を有するヒドロキシプロピル基であり、前記ヒドロキシプロピル基は、3級アミンを構成する窒素原子に結合し、前記ヒドロキシ基は2級炭素原子に結合しており、2つ以上の前記プロピル基は、ヒドロキシ基を有さない非置換イソプロピル基である、二酸化炭素分離材が開示されている。また特許文献2には、二酸化炭素固体吸収材及び分散媒からなるスラリーと、二酸化炭素を含むガスを接触させることにより二酸化炭素を吸収させ、このスラリーを加熱することにより二酸化炭素を脱離させる、二酸化炭素の分離方法が開示されており、前記二酸化炭素固体吸収材として、ポリエチレンポリアミンを固体担体に担持させたものが例示されている。
【0004】
また、物理吸着法とは、物理的な吸着作用を利用して二酸化炭素を吸脱着する二酸化炭素分離回収技術である。特許文献3には、膨張性鉱物から成る粘土を含む二酸化炭素捕捉材を用いて、燃焼排ガス中の二酸化炭素を選択的に捕捉し、二酸化炭素脱離ガスを接触させて、二酸化炭素を脱離させることを特徴とする二酸化炭素回収方法が開示されている。上記特許文献3には、前記膨張性鉱物として、モンモリロナイトK10(商品名、シグマアルドリッチ社製)、クニピア-F(商品名、クニミネ工業社製)、及びルーセンタイト(商品名、コープケミカル社製)を用いたことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-143289号公報
特開2020-069416号公報
特開2012-71290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に記載の二酸化炭素分離材ないし二酸化炭素固体吸収材は、上記の通り有機アミン系化合物を使用しているため耐熱性に劣り、また二酸化炭素の吸収・排出の繰り返しにより耐久性が低下しやすい。さらに、排ガス中に共存する硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)等の酸性ガスにより、有機アミン系化合物による二酸化炭素の吸収・排出が阻害され、回収性能が低下することが知られている。そのため、上記のアミン系化合物の二酸化炭素回収方法への適用には使用環境(反応条件等)に制約がある。さらに、有機アミン系化合物に結合した二酸化炭素を分離させるためには有機アミン系化合物のスラリーを加熱する必要があり、この加熱には大量のエネルギーが必要となるため、その分コストが増大するという問題がある。
また特許文献3に記載の二酸化炭素回収方法では、モンモリロナイトやルーセンタイトといった粘土鉱物は比較的良好な二酸化炭素回収効率を示すものの、二酸化炭素回収効率のさらなる向上が求められる。
【0007】
本発明は、優れた二酸化炭素吸着能を示し、耐久性にも優れる二酸化炭素吸着材を提供することを課題とする。
また本発明は、上記二酸化炭素吸着材を用いた二酸化炭素回収方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた。その結果、結晶子サイズが特定の範囲内となる粘土鉱物を二酸化炭素吸着材として用いることにより、二酸化炭素を高効率に吸着できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき、更に検討を重ねて完成されるに至ったものである。
【0009】
本発明の上記課題は、下記の手段により解決された。
〔1〕
結晶子の(060)面における結晶子サイズが10nm以下である粘土鉱物を含む、二酸化炭素吸着材。
〔2〕
前記粘土鉱物の陽イオン交換容量に対する、当該粘土鉱物の浸出陽イオン量の比の値が3以上である、前記〔1〕に記載の二酸化炭素吸着材。
〔3〕
前記粘土鉱物の浸出陽イオン量が120meq/100g以上である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の二酸化炭素吸着材。
〔4〕
前記粘土鉱物がスメクタイトである、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の二酸化炭素吸着材。
〔5〕
前記スメクタイトがスチブンサイト及び/又はヘクトライトである、前記〔4〕に記載の二酸化炭素吸着材。
〔6〕
前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の二酸化炭素吸着材を用いて二酸化炭素を回収する、二酸化炭素回収方法。
〔7〕
前記二酸化炭素の回収を、前記二酸化炭素吸着材を室温条件下で加湿することにより行う、前記〔6〕に記載の二酸化炭素回収方法。
〔8〕
前記二酸化炭素吸着材を用いて二酸化炭素の吸脱着を繰り返し行う、前記〔6〕又は〔7〕に記載の二酸化炭素回収方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の二酸化炭素吸着材、及び本発明の二酸化炭素回収方法によれば、二酸化炭素を安定的に効率よく吸着ないし回収することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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