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公開番号2025104091
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023221941
出願日2023-12-27
発明の名称フラーレン誘導体の製造方法、フラーレン誘導体、組成物
出願人株式会社ハーベス
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類C07D 209/70 20060101AFI20250702BHJP(有機化学)
要約【課題】ビスアダクトのフラーレン誘導体よりも、LUMOが浅いフラーレン誘導体であって、異性体の生成量が低減されたフラーレン誘導体を提供する。
【解決手段】本発明によれば、フラーレン誘導体の製造方法であって、第1置換基導入工程及び第2置換基導入工程を有し、第1置換基導入工程では、式(1)中のA1-RL-A2で表される第1置換基をフラーレン環上に導入し、第2置換基導入工程では、式(2)中のA3で表される第2置換基をフラーレン環上に導入する、製造方法が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フラーレン誘導体の製造方法であって、第1置換基導入工程及び第2置換基導入工程を有し、
第1置換基導入工程では、式(1)中のA

-R

-A

で表される第1置換基をフラーレン環上に導入し、
第2置換基導入工程では、式(2)中のA

で表される第2置換基をフラーレン環上に導入する、製造方法。
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2025104091000031.jpg
28
128
(式(1)において、FLNは、フラーレン環を示し、
前記フラーレン環は、C60、C70、又は、C60とC70の混合物であり、


及びA

は、それぞれ置換基を有していても良い単環構造又は多環構造を示し、


は、結合手、エーテル結合又は2価の有機基を示す。)
JPEG
2025104091000032.jpg
29
128
(式(2)において、FLNは、フラーレン環を示し、
前記フラーレン環は、C60、C70、又は、C60とC70の混合物であり、


は、置換基を有していても良い単環構造又は多環構造を示す。)
続きを表示(約 3,900 文字)【請求項2】
式(1)中のA

は式(3-1)、式(3-2)、又は式(3-3)で表され、
JPEG
2025104091000033.jpg
65
163
(式(3-1)において、R
111
、R
112
、R
113
、R
114
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(3-2)において、R
121
、R
122
、R
123
、R
124
、R
125
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(3-3)において、R
131
、R
132
、R
134
、R
135
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、*はR

に結合する結合手を表す。)
式(1)中のA

は式(4-1)、式(4-2)、又は式(4-3)で表され、
JPEG
2025104091000034.jpg
65
163
(式(4-1)において、R
211
、R
212
、R
213
、R
214
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(4-2)において、R
221
、R
222
、R
223
、R
224
、R
225
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(4-3)において、R
231
、R
232
、R
234
、R
235
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、*はR

に結合する結合手を表す。)
式(2)中のA

は式(5-1)、式(5-2)、又は式(5-3)で表される、請求項1に記載の、製造方法。
JPEG
2025104091000035.jpg
69
164
(式(5-1)において、R
311
、R
312
、R
313
、R
314
、R
315
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(5-2)において、R
321
、R
322
、R
323
、R
324
、R
325
、R
326
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(5-3)において、R
331
、R
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のフラーレン誘導体の製造方法であって、


に含まれる炭素であって、フラーレン環上にある炭素をC
A1F
とし、


に含まれる炭素であって、フラーレン環上にある炭素をC
A2F
としたとき、
前記フラーレン環は、C
A1F
及びC
A2F
を含む環を有する、製造方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のフラーレン誘導体の製造方法であって、


に含まれる炭素であって、R

に結合する結合手を有する炭素をC
A1
とし、


に含まれる炭素であって、R

に結合する結合手を有する炭素をC
A2
としたとき、
炭素C
A1
と炭素C
A2
は、結合手で結合されているか、又は、20以下の元素で離間されている製造方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載フラーレン誘導体の製造方法であって、式(2)中のA

は式(5-1)で表され、R
311
、R
312
、R
313
、R
314
、R
315
のうち少なくともいずれ一つが、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を含む、製造方法。
【請求項6】
前記フラーレン誘導体は、スズを含むペロブスカイト太陽電池用電子輸送層材料として用いられる、請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
【請求項7】
式(6)で表される構造を有する、フラーレン誘導体。
JPEG
2025104091000036.jpg
52
128
(式(6)において、FLNは、フラーレン環を示し、
前記フラーレン環は、C60、C70、又は、C60とC70の混合物であり、


、A

、及びA

は、それぞれ置換基を有していても良い単環構造又は多環構造を示し、


は、結合手、エーテル結合又は2価の有機基を示す。)
【請求項8】
式(6)中のA

は式(3-1)、式(3-2)、又は式(3-3)で表され、
JPEG
2025104091000037.jpg
65
163
(式(3-1)において、R
111
、R
112
、R
113
、R
114
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(3-2)において、R
121
、R
122
、R
123
、R
124
、R
125
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(3-3)において、R
131
、R
132
、R
134
、R
135
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、*はR

に結合する結合手を表す。)
式(6)中のA

は式(4-1)、式(4-2)、又は式(4-3)で表され、
JPEG
2025104091000038.jpg
65
163
(式(4-1)において、R
211
、R
212
、R
213
、R
214
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(4-2)において、R
221
、R
222
、R
223
、R
224
、R
225
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(4-3)において、R
231
、R
232
、R
234
、R
235
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、*はR

に結合する結合手を表す。)
式(6)中のA

は式(5-1)、式(5-2)、又は式(5-3)で表される、請求項7に記載のフラーレン誘導体。
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2025104091000039.jpg
69
164
(式(5-1)において、R
311
、R
312
、R
313
、R
314
、R
315
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(5-2)において、R
321
、R
322
、R
323
、R
324
、R
325
、R
326
は、それぞれ、水素又は有機基を示し、式(5-3)において、R
331
、R
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載のフラーレン誘導体であって、


に含まれる炭素であって、フラーレン環上にある炭素をC
A1F
とし、


に含まれる炭素であって、フラーレン環上にある炭素をC
A2F
としたとき、
前記フラーレン環は、C
A1F
及びC
A2F
を含む環を有する、フラーレン誘導体。
【請求項10】
請求項7又は請求項8に記載のフラーレン誘導体であって、


に含まれる炭素であって、R

に結合する結合手を有する炭素をC
A1
とし、


に含まれる炭素であって、R

に結合する結合手を有する炭素をC
A2
としたとき、
炭素C
A1
と炭素C
A2
は、結合手で結合されているか、又は、20以下の元素で離間されているフラーレン誘導体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フラーレン誘導体の製造方法、フラーレン誘導体、組成物に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化による気候変動が加速する中、カーボンニュートラル社会を実現する再生可能エネルギーの利用拡大は喫緊の課題となっている。再生可能エネルギー特に太陽光エネルギーの利用拡大を可能にする、新らしいタイプの太陽電池である有機系太陽電池が注目されている。有機系太陽電池の利点は、低照度でも発電可能、軽量でフレキシブル化が可能、塗布プロセスにより低コストで作成できるなどがある。これらの特徴により、ビルの壁面、窓など、既存のシリコン太陽電池では設置できない箇所での発電が可能になる。有機系太陽電池の中でペロブスカイト太陽電池は発電効率が高いことが魅力である。研究レベルで既に単結晶シリコンに匹敵する20%以上の変換効率を実現している。また、商品化に向けて安定性とフレキシブル化を達成するため、逆構造ペロブスカイト太陽電池も活発に検討されている。逆構造のデバイスでは電荷輸送層材料(電子輸送層及びホール輸送層を含む)として低温での成膜が可能な有機半導体が求められる。
【0003】
ペロブスカイト太陽電池において、電子輸送を司る材料としては、n型半導体であるフラーレン誘導体が有力候補材料である。また、発電層に関して、従来は鉛系ペロブスカイトが主であったが、発電効率向上と使用材料の環境負荷低減を志向して、スズ系ペロブスカイトの利用が広がりつつある。スズ系ペロブスカイトを発電層に用いた太陽電池において、発電効率に最も影響を与える要素の1つが、電荷移動層と発電層との軌道準位の差である。鉛系ペロブスカイト太陽電池においては、電子輸送層としては市販されているPCBM(Phenyl C61-butyric acid methyl ester)が、基準物質として用いられてきた。しかしながらスズ系ペロブスカイト太陽電池は鉛系ペロブスカイト太陽電池よりバンドギャップが広いため、より軌道準位が浅い電子輸送層材料が求められている。ここで、求められている軌道準位はフラーレン誘導体でのビスアダクト(56π)のLUMOに相当する。フラーレンビスアダクトとしては、ICBA(Indene-C60 Bisadduct)が市販されており、ICBAが、スズ系ぺロブスカイト太陽電池での電子輸送層の基準物質となっていた。
【0004】
ここで、ICBAは一般に異性体混合物として販売されており、製造ロット毎に異なる異性体組成を有する。従来のICBAは、複数の種類の異性体を含むため、電子輸送層での配列が揃い難く、電子移動度が低く抑えられ、得られる電流値に限界が有った。
これに対して、異性体の量を低減し、単一の構造の化合物からなるフラーレン誘導体を得るために、フラーレン核に2つの置換基を位置選択的に導入する方法が検討されている。異性体を含まない単一構造を有するビスアダクトを用いれば、電流値の向上によりICBA以上の高効率な電子輸送層が構築できる。具体的には以下に示した56π系フラーレン誘導体が知られており、これらを電子輸送層としたスズ系ペロブスカイト太陽電池が検討されている(非特許文献1~3)。
【0005】
JPEG
2025104091000002.jpg
45
170
【0006】
上記したフラーレン誘導体は、異性体の含有量が少ないため、上記したフラーレン誘導体を含む電子輸送層において、配列の均一に由来する高い電流値を発現できる一方で、ICBAよりはLUMO準位が深いため電圧値が不十分であった。そこで、さらなる高効率な太陽電池を構築するため、高い電流値を得ることができ、かつ、上記したビスアダクトのフラーレン誘導体よりも、高い電圧値を得ることができる電子輸送層を形成することができるフラーレン誘導体が求められていた。
【0007】
そこで電圧値を挙げるための施策として、ビスアダクトのフラーレン誘導体よりLUMOの浅いトリスアダクトのフラーレン誘導体の利用が検討されている(非特許文献4、5)。非特許文献4、5には、特定の置換基を1つ有するモノアダクトのフラーレン誘導体、ビスアダクトのフラーレン誘導体、トリスアダクトのフラーレン誘導体を合成した場合、置換基の数が増えるほどLUMOが浅くなり、トリスアダクトのフラーレン誘導体がビスアダクトのフラーレン誘導体に比べてLUMOが浅いことが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
Alexander V. Mumyatovら、A Review on Fullerene Derivatives with Reduced Electron Affinity as Acceptor Materials for Organic Solar Cells, Energies 2023年, 16巻
Imahori,H.ら、Chemical Communications 2015年、51巻
Troshin,P.A.ら、Synthetic Metals 2021年、271巻
Yu-Wei Wangら、Influence of Fullerene Multi-Adducts on the Morphology and Charge Photogeneration of Their Photovoltaic Blends with Poly(3-hexylthiophene)、Phys Chem.C、2013年、117,49,25898~25907
Qiao-Hui Zhangら、Fullerene Multiadducts as Electron Collection Layers for Perovskite Solar Cells、Chemistry Letters、2017年、Vol.46,No.1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、非特許文献4、5等の従来技術では、特定の構造を有するトリスアダクトのフラーレン誘導体の収率には改善の余地があり(例えば、非特許文献5におけるトリスアダクトのフラーレン誘導体の収率は10.8%)、さらに、トリスアダクトのフラーレン誘導体は複雑な位置異性体の混合物としてしか得られなかった。すなわち、従来技術によって得られるトリスアダクトのフラーレン誘導体により形成された電子輸送層を用いた太陽電池は、ビスアダクトのフラーレン誘導体により形成された電子輸送層を用いた太陽電池に比べ電圧値が高いものの、トリスアダクトのフラーレン誘導体は、複数の異性体の混合物としてしか得られないため、電流値とFF(Fill Factor)が非常に低く、効率が低かった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ビスアダクトのフラーレン誘導体よりも、LUMOが浅いトリスアダクトのフラーレン誘導体であって、モノアダクト、ビスアダクト、テトラアダクト等の副生成物の生成量やトリスアダクトの異性体の生成量が低減されたトリスアダクトのフラーレン誘導体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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